ディナーの後、ラナは少しずつだが変わったように智代は思った。
まず、あまりものを食べなくなった。
そしてサプリメントとラナは言っていたが薬のようなものばかり飲むようになった。
その結果、ディナーから2カ月でラナは智代が見てもわかるくらい痩せた。
その痩せ方が智代には気になった。
なんというか「骨と皮」のようにしか、智代には見えなかった。
智代はラナに一度病院で診て貰ったら?というのだが、「忙しい」の一言で終わってしまった。
そんなある日、ラナは別の作家のところに応援で出かけて行った。
代わりにやってきたのはいつものラナの代理、美奈であった。
智代は尋ねた。
「ねぇ、美奈さん?今井さんのことなんだけど・・」
美奈は顔をあげて答えた。
「彼女、すごく痩せたわよねぇ・・ダイエットとか言ってるけど、なにかあるんじゃないかしら・・?」
「美奈さんも何も知らないの?」
「ええ、彼女、最近その話題を持ち出したらすごく不機嫌になるのよ・・」
「でも、このままじゃ、ラナ、倒れちゃう・・」
とその時、美奈に名案が浮かんだ。
「そうだ、編集長代理に相談してみましょう」
智代は編集長代理という存在と数回会ったことがあった。
名刺を探すと「富士出版ファンタジー文庫担当編集長代理 佐野初音」
とある。
智代はこの人物が苦手だった。
なんというかオーラが近づきがたいものを発していたのだ。
「美奈さん・・・お願いできるかしら?私、あまりお会いしたことがなくて・・ちょっと・・ね・・」
智代が人見知りする性格であまりものを伝えるのが上手でないとラナから聞いていた美奈はすぐに了
解してくれた。
数日後、ラナは初音に呼ばれた。