Phase2.アリの基本的な生活史

 皆さんはアリの巣がどのようにしてできたのだろうと考えたことはあるでしょうか?

 いつの間にかそこいらの地面に巣ができている、もしくはそんなこと考えたことも無いと言う人

 が多いのではないでしょうか?

 一般に、アリの巣は女王アリとオスアリの結婚飛行と言うものから始まります。結婚飛行と言う

のは羽のある女王アリとオスアリが空中に飛び出し、そこで交尾を行うものです。種によっては

20メートル上空に飛び上がったりするものもあります。

 結婚飛行を終え、地上に降りると女王アリは羽を脚でこすったりして落としてしまい、地中に小

さな巣穴を掘ると、その中に閉じこもってしまいます。(出入り口はありません。)そこで女王アリは

壁面の水分のみで最初の働きアリを自分の唾液のみで育てます。オスアリのほうはと言うと、哀

れにも結婚飛行が終わると1〜2日で全て死んでしまいます。

 こうして育てられた最初の働きアリは栄養が不足しているために、体が小さいですが、幼虫の

世話、外に出てのえさ探し、巣の拡張等の仕事をこなします。この頃には女王はひたすら卵を産

むだけで初期にしていたように幼虫の世話などはしなくなります。

 やがて巣は急激に発達し、働きアリも増えてきます。そして数年経つと新女王アリやオスア

リを生み出すようになります。(クロオオアリで5から8年といわれています)

 女王アリの寿命は一般には10年前後と言われていますがヨーロッパトビイロケアリと言う種の

女王は29年生きたと言う記録があります。ちなみに働きアリの寿命は1〜2年と言われています。

 



                                戻る