あにまりあの徒然日記アザーシチュエーション

11月11日(火)
「恐怖の1ぞろ目」

今日は1が4つ並ぶ日だ。まぁ、面白い日だとは認める。パチンコ屋がいろんなところでイベント
をしていたようだ。
そんな今日、私は恐怖の宣告を受け取った。
本題に入る前に前置きを。

「あにまりあの徒然日記サードシーズン」で書いたが、私の左目の下のほくろがだんだん大きく
なってきたのだ。私はこんなものなんでもないと思っていたがあまりに心配症の両親に勧められ
て皮膚科に行ったところから悪夢が始まった。

皮膚科の先生は細かく診断して精密検査が必要だなぁと言って大学病院への紹介状を書いて
くれた。私は仕事を休みたくないので大丈夫ですよ、と言いかけたが、先生のあまりの真剣な眼
差しにはいといわざるを得ず、大学病院に先日行ってきた。

ここでもほくろの表面をかきとったりなんやかんやと検査を受け、解放されたのが夕方だった。
結果は後日報告します、ということだった。
それから私は仕事に没頭する日が続き、検査のことなんて忘れていた。

昨日の夕方、携帯電話が鳴った。見知らぬ番号だった。普段の私なら出ないのだが、なんとな
く、という感じで出た。
大学病院の先生からで今日にも検査の結果を知らせたいということであった。

私はしぶしぶ休みをもらって大学病院に出かけた。
先生は言った。「あにまりあさん、検査の結果ですが、がんです。しかもかなり進行して転移も
見られます。」

は?一瞬何の事だか分らなかった。がん?このほくろが?がんのほくろって真っ黒じゃないの?
しかも転移?ってことはやばいのですか?

医師は追い打ちをかけるように言った。「このままいくとあなたの余命は半年です。この病院で
抗がん剤を使った治療をお勧めします」
「それで治るんですか?」
「あいにくですが・・現在の医療技術では余命を引き延ばすことしか・・」

私の世界が漂白されてそこから先はよく覚えていない。気がつくと病院のベッドの上にいた。
両親は泣いていた。医師が告げたんだろう。
最初こそ混乱したが徐々に心が落ち着いてくるにつれて私は冷静になっていった。
半年で何ができるのか、半年でやりたいことをやってしまおう。
仕事は楽しかったが、職場で倒れたりすることを考えて私は明日にも退職届を出すつもりだ。
1ヶ月は働くとしてその後、何をしようか。
冬の北海道にでも行こうか。それとも暖かい地方で昆虫観察でもしようか。
幸い、若干の貯金があるので当座はこれでしのげるだろう。
ただ惜しむらくは私が生命保険に入っていないので、私が死んでもお金はほとんど期待できな
いということだ。まぁ、生命保険は私が長い間鬱という病を患っていたから仕方がない・・
私は延命治療は受けないつもりである。ホスピスでも入ろうか、それとも自宅で・・
しかし、こんなほくろごときに命を取られるとは何とも・・見えていたのに放置していたのは慢心と
しかいえない。


※「あにまりあの徒然日記アザーシチュエーション」は一つの物事を縦に横に斜めに引き延ばした
フィクションです。平行世界というかそういうものを想像で描いたもの、それがこのあにまりあの徒
然日記O.Sであります。
間違ってもこの内容を本気に受け取りませんよう・・

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