オフ会報告第5弾
検討体験:平成18年1月22日大阪府河内長野市滝畑ダム周辺探索記第4巻第5号1項
報告者:あにまりあ
1.体験の概要
2005年10月16日朝8時から同日夕方3時頃にかけて大阪市在住のあにまりあは掲示板のアリ仲間のkuroyagi氏、4年目氏、ぷぅぷぅなおき氏、ぷぅぷぅなおき氏の友人である中田産業氏とヨッシー3氏のの計6人で大阪府河内長野市滝畑ダム周辺の調査、採集を行った。
2.体験の意義
これまで行ったオフ会と同じく普段インターネットでしか話さない人が一同に介し情報交換、および実体でのトーク、実際にコロニー採集を実地で行った点に本件の意義がある。
3.体験の内容・考察および議論
10月のオフ会同様滝畑ダム周辺に向かった。車をとめたのは10月のときより奥まった場所であった。車を止めた辺りがチクシトゲアリの生息地だというので早速イタドリ折りを始めた。そうするとあにまりあ氏とぷぅぷぅなおき氏が1コロニーずつ発見した。あにまりあ氏の発見分はサテライトで女王はいなかったがぷぅぷぅなおき氏の採集した分には女王がいた。
チクシトゲアリは働きアリも女王もほぼ同じ大きさで胸部でしか見分けがつかない。初心の方には見分けにはかなりレベルの高い種といえるのかもしれない(少なくともあにまりあ氏には女王と働きアリの見分けはほとんどつかなかった)。その大きさはクロヤマアリの女王とよく似た大きさであった。
チクシ採集、飼育は以後の課題としたい。しかしそもそも彼女たちはどういう餌の嗜好性があるのだろう。とくに樹上性種の飼育は時々とても難解であることがある。チクシトゲアリも振動や餌などにおいてデリケートな種である可能性があり、飼育が簡単なのか否かは4年目氏、ぷぅぷぅなおき氏、土生氏の報告を待ちたいと考える。
その後、山奥へと通じる道へと移動。そこから道に沿って奥に入って行った。
道すがら枝を折っていると何かほこりのような物がどばっと出た。よく目を凝らすとシリアゲアリの大群であった(図1)。
図1:枯れ枝の内部で越冬中のシリアゲアリの大群
その隣接した場所でヤマヨツボシオオアリと見られる種もいた(図2)。
図2:ヤマヨツボシオオアリとみられるオオアリの小規模コロニー
昼食を山道でとった後、歩いていくと日向にイタドリが群生している場所があった。枝を折るとナミテントウと思われるテントウムシが集団越冬していた。図3はその中の一匹。
普段は黄色いナミテントウはあまり見られないので貴重かと思った。
図3:珍しい(?)黄色型ナミテントウ
山道を進み、ナワヨツボシオオアリと見られるヨツボシオオアリ系のコロニー3つ、イトウオオアリのコロニー数個、ミカドオオアリのサテライト数個、ムネボソアリ(?)の多女王(確か6個体くらいいたと思う)コロニーが見られた。
その後、かなり奥の場所でムネアカオオアリの初期コロニーを4年目氏が発見。女王は凍えているのかピクリとも動かなかったがあにまりあ氏が持ち帰った。
図4,5は採集地付近の見晴らしのいい場所からの遠景である。大阪南部にこんな深い山があったとは驚くばかりだ。
図4:採集地付近の遠景1
図5:採集地付近の遠景2
ミカドオオアリのサテライトは日向ではあまり見つからず日陰で結構見つかった。ひょっとしたらミカドオオアリは日陰を好むのかもしれない。
今回も枯れ木折りという冬ならではの採集法を試すことができた。これが夏だと蚊およびアリの活性が高いためかなり採集は困難を伴う可能性はある。
4.謝辞
今回も車を出してくださり、運転してくださった4年目氏にお礼申し上げる。