オフ会報告第4弾

検討体験:平成17年10月16日大阪府河内長野市滝畑ダム探索記第2巻第3号45項

 
1.体験の概要
 2005年10月16日朝8時から同日夕方3時頃にかけて大阪市在住のあにまりあは掲示板のアリ仲間のkuroyagi氏、3年目氏、ぷぅぷぅなおき氏、ぷぅぷぅなおき氏の友人であるプニュ氏との計5人で大阪府河内長野市滝畑ダム周辺の調査、採集を行った。

 
2.体験の意義
 これまで行ったオフ会と同じく普段インターネットでしか話さない人が一同に介し情報交換、および実体でのトーク、実際にコロニー採集を実地で行った点に本件の意義がある。

 
3.体験の内容、考察並びに議論
 南海電鉄堺市駅から滝畑ダムまで車で約1時間。これは大阪市内からは生駒山系ほどではないものの気軽に行ける距離だと考えられる。
 車を停めたのは滝畑ダム内のの駐車場。ダム湖もあって(図1)最初林があるようには見えなかったがとにかくしばらく歩くとレストハウスのようなところに到着。

                   図1:滝畑ダム内のダム湖

そこでまずサクラアリを目撃。羽アリもいたのでこれからの時期に飛行が行われると考えられた。
しばらく歩くと、周囲が林の舗装路に入り、そこの一角でトゲアリコロニーのある木の洞があった。トゲアリを吸虫管で吸うとチューブに噛り付いてきて手も少しかまれた。案外肉食性があるのかもしれない(図2)。
                 図2:威嚇行動として腹を曲げるトゲアリ働きアリ
 
 しばらく、何かいないかと下を向いて歩いていると周辺視野で何かが動いた。よく見てみたらなんとトゲアリ脱翅女王であった(図3)。

                      図3:トゲアリ脱翅女王
 
 体長ははっきり測ったわけではないが1センチを少し超える感じ、動きはヤマアリなどに比べるとゆっくりとしていて、一見アシナガアリの女王をがっちりさせた感じであった。
 その後、木を組み上げたものがあり、そのうち一本が腐りかけていたので表皮を剥ぐとケアリの比較的大きなコロニーに当たり、幼虫、卵がたくさん見られた(図4)。繭と女王は見当たらなかった。

              図4:朽木を崩したら出てきたケアリの幼虫と働きアリ(一部)
それから岩湧山への山道に入り、道中、枯れ枝を折るとヤマヨツボシオオアリ女王1のコロニーが一つ、女王のいないシリアゲアリのコロニーが幾つか出てきた。シリアゲアリにかまれるというか刺されるというか攻撃されたらチクチクした。
 山道には他にも色々な昆虫がいた。フキバッタの一種(図5)、オオゴキブリ幼虫(図6)、コカマキリなどが見られた。

             図5:山道沿いの草にとまっていたフキバッタの一種


                       図6:オオゴキブリ幼虫

 帰路、トゲアリ女王がさらにいないかと探し回ったがいなかった。私たちが一個体とはいえ採集できたのは幸運といえるのかもしれない。
昨日の雨の後、今日は温度が上がったのでトゲアリが飛んだのかもしれない。しかし昨日の雨で流されたのかそれともまだ飛行が本格的でないのかクモの巣にはトゲアリの有翅虫は全く発見できなかった。大阪ではもう少し温度が下がってからも飛ぶ可能性はあるように考えられる。
 また、山道沿いに転がっていた直径5センチにも満たない枯れ枝からヤマヨツボシオオアリ、シリアゲアリの一種が採集、観察できた。こういった比較的小型の種は予想以上に直径の小さな枯れ枝や竹に営巣している可能性はある。最も数例の観察だけで断定するのは危険ではあるが。

 
4.謝辞
 今回のオフ会にも車に乗せて下さった3年目氏にこの場を借りてお礼申し上げる。

発表者:あにまりあ

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2005年10月16日(日)