オフ会報告第3弾

2005年6月27日(月)

発表者:あにまりあ

検討体験:平成17年6月25、26日長野県伊那市探索記第8巻第5号43項

 
1.体験の概要
 2005年6月25日から同月26にかけて大阪府在住のあにまりあは掲示板のアリ仲間のkuroyagi氏、3年目氏、つくば・あべ氏、蟲氏、ウインドノット氏、土生氏とその弟氏、土生氏の友人S氏の計9人で長野県伊那市の土生氏のフィールド内で採集・観察を中心とした調査を行った。
※S氏は25日のみ、ウインドノット氏は26日のみの参加

 
2.体験の意義
 第1。2回オフ会と同じく普段インターネットでしか話さない人が一同に介し情報交換、および実体でのトーク、実際にコロニー採集を実地で行った点に本件の意義がある。

 
3.体験の内容
 大阪梅田から伊那インターチェンジまで車で約4時間30分。これは大阪からは気安く行ける距離ではないと考えられる。ちなみに行き帰りともに車の渋滞は無かった。
 最初は標高900メートル地点でアカヤマアリの巣を発掘。初めてアカヤマアリと言うものをみた(図1)。蟻酸はクロヤマアリのものよりきつかったそうだが私は吸っていない。

                          図1:アカヤマアリ
 
その場所では他にアシナガアリ、トビイロケアリのコロニーが見られた。kuroyagi氏が斜面を少し崩すとクロオオアリのコロニーの一部に当たったようで幼虫がたくさん出てきた(図2)

図2:斜面の巣から出てきたクロオオアリの幼虫

その後、別の位置に移動しキイロシリアゲアリ、アメイロアリのコロニーを採集。同じ場所では春にクロナガアリの結婚飛行が行われていたそうである。その風景を写したのが図3である。見てのとおり青々とした田圃が広がっていた。

                    図3:キイロシリアゲ採集地付近

その後、別の場所でクロクサアリもしくはクサアリモドキの群れを目撃(図4)。

                図4:クロクサアリもしくはクサアリモドキ

その場所ではヨツボシオオアリを採集予定だったがコロニーは見つからなかった。いると思われた木を割ってみたらミカドのコロニーが・・しかもその幼虫が異様に大きい。この時期から羽アリ生産に入ってるのか?と考えさせられる出来事であった。
初日は採集はこれで終わり、バーベキュー。鹿肉の分厚いステーキとから揚げはおいしかった。鹿肉は個人的に少し癖があると前回思ったのだが今回は特にクセは感じられなかった。
このバーベキュー中にも灯火に色んな昆虫が寄ってきた。殆どはユスリカとかよくわからない羽虫の類であったがムネアカの羽アリが3匹も飛んできたのには驚いた。まだ飛んでいたのだ。
と同時にコクワガタも飛んできていた(図5)。

                   図5:灯火によってきたコクワガタ♂

改めて自然が多いということを感じさせられる一幕であった。
2日目、朝7時ごろからトビイロシワアリの結婚飛行があった。おびただしい働きアリが地上を覆い、底から生えた草の上からオスやメスが飛び立っていった。飛び方も風に流されるような風ではなくしっかりと飛んでいった。朝露の中、飛び立っていく風景は一種荘厳(そうごん)であった。ちなみにこのときの様子はカメラを持っていなかったのでない。反省である。
朝ごはん後、近くの小さなお社の中とその周辺でアメイロアリ、クサアリ、ハヤシクロヤマアリ、アシナガアリのコロニーを確認。
その後ウインドノット氏も加わりハヤシクロヤマアリの採集。クロヤマアリと混棲していてかつ掘ったコロニーの殆どが規模が大きい上に夏の暑さのせいか女王が地下深くにいたようで中々女王が採集できなかった。しかし3年目氏、私、kuroyagi氏が採集に成功。
塚のようになっていた砂山にクロヤマ(もしくはハヤシクロヤマ)の巣があったので掘ってみたらクロオオアリの女王が4,5匹だっただろうか、出てきた。それとクロナガアリもしくはトビシワアリの5匹程度の多雌コロニーが出てきた。クロオオアリは皆さん飼育されていて掘ったものが所有者となるルールができた。(殆どの人は飼育済みでこれ以上女王は必要ない人が多かった)余った分はつくば・あべ氏の所有となった。図6はその場所で撮影されたトビイロシワアリの巨大コロニーである。こういったコロニーがこの場所に限らずそこかしこで石をひっくり返したら出てきた。女王もいた。実にバイタリティーのある種である。

        図6:石をひっくり返したら出現したトビイロシワアリの巨大コロニー
         
ハヤシクロヤマアリ採集が一段落した頃、声が。切り株の下にアメイロケアリの巨大コロニーがあるという。行ってみて驚いた。地下50センチほどは掘られていたのだがおびただしい繭と働きアリ。おそらく万は超えていただろう。女王を探したが見つからなかった(図7)。地下にはまだ巣が続いていたのでひょっとしたらもっと地下にいたのかもしれない。蟲氏が長袖着用とはいえアリにたかられながら巣を撮影したり女王を探してる姿は圧巻であった。

                     図7:羽アリの繭を運ぶアメイロケアリ

その後、昨日のアカヤマアリの生息地に行く途中の竹林内でムネアカオオアリとミカドオオアリのコロニー探し。今回はそれほど苦労することもなく1コロニーずつ出てきた。竹の中に詰まったムネアカオオアリの肥え太った幼虫たちには驚くべきというか圧倒された図8は別の女王のいなかったムネアカオオアリコロニー。あべさんがお持ち帰りになった。

図8:枯竹につまったムネアカオオアリの働きアリと幼虫

4.体験の考察
 今回は第1回オフ会とは季節も違い、また回った場所も多かったので色々なアリを確認できた。土中に住むものから竹や枯れ木に棲むものまで一通り網羅した感がある。
アリのコロニーは一般的に南向き斜面に多く見られる傾向が多かった。特にアカヤマアリでその傾向が顕著で同じような環境なのに日当たりが少しでも違うと全くいなかった。冬の長いこの地方では特に南向きの日のあたる場所が重要なのだと考えられる。
 山中を除き、平野部のフィールドではほぼすべての地点でトビイロシワアリを見かけることができた。高度に環境に対応する能力を持つと考えられる。
 また今回初めて全員の記念撮影というものができた。案外見落とされがちだったのだが中々意義深いものであった。

 
5.謝辞
 車を運転して下さった3年目氏、kuroyagi氏にこの場を借りてお礼申し上げる。

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