2021年9月の観察日記

9月1日 アメイロケアリの女王を写してみた。

腹部が少し膨らんでいる。
この腹部から卵が産まれているのだ。
9月2日 昨年6月に大阪城で採集したクロヤマアリ。
先日、飼育容器を入れ替えて心機一転と行きたかった。

おおぅ・・・
昨日まで至って元気だったのに、これだ。
画像では分かりにくくなっているが働きアリが例によって女王アリの周囲に集まっている。
合掌。
9月3日 キイロシリアゲアリのオスアリが巣部屋の天井に群がっている。

この面から写したのはあまり見かけない感じなので撮ってみた。
わらわらと言う表現がぴったりなくらいいる。
9月4日  クロオオアリの働きアリ。

餌場のアルミホイルにいた個体。
こうやって拡大すると腹部の毛の生え方、ユニークですね。 
9月5日  アメイロケアリの卵。

どんぶり勘定で200から300ほど卵があるだろうか。
女王の産卵も続いているようだ。
今年中にどれくらい孵化してくれるだろうか。
9月6日 仕事をしていると、キイロシリアゲアリの女王が数匹塊になっているのを見つけた。
そのままだと確実に他の人に殺されてしまう場所だったので、取り上げて回収して持ち帰るという「救済」処置を行った。

キイロシリアゲアリの女王の塊は何度も見かけているが、既に自宅で飼育しているので採集することは無かったが今回は何か縁のようなものを感じて持ち帰った。
女王は5匹。
どんな展開になって行くんだろうか。 
9月7日 昨日採集したキイロシリアゲアリの女王たちだが、、1匹が死んでしまった。
他は元気。
残り4匹。
働きアリが羽化するとしたら来年だろう。 
9月8日 そろそろ、アリたちの今年の生産も終わりが見えてきたような感じだ。
肉餌を与えたも食べてはくれるが新しい産卵や幼虫の成長にはあまり寄与していないのではないかと思えてきた。
かと言って、肉餌を食べたいとアリたちが思っていても(「思う」と言う表現は微妙だが)肉餌が食べられないという状態は、越冬幼虫が生存している種には幼虫を食べてしまう事態になりかねない。
どの辺まで与えるべきか、悩んでいる。
9月9日  暑さも一段落した気配だ。
結局、今年は氷枕はトータルで2週間も出動しなかった。
アリたちの狂走もほぼ見られなかった。
それはそれで温度管理がうまく行ったと言えるが、氷枕の件からも今年の夏はそれほど暑くなかったんじゃないか、と思ったりもする。
9月10日  撮影しやすいヨツボシオオアリ。

今日は孵化したての幼虫。
小さくて体内に色が入っていない。
栄養卵でも食べているのだろうか。
9月11日  昨日に続いてヨツボシオオアリ。

働きアリ。今年は激増ではないが増えてくれた。
来年には増設が必要かもしれない。
今までヨツボシ系は苦戦していたから
9月12日  今年、セミの餌は与えられなかった。
一度、クマゼミを与えたが食べてくれなかった。
しかし、今思えばメスの腹部と胸部を切り離して腹部のみを与えるようにしたら食べてくれたのかもしれない。
現在、こういう対象になりそうなのはハヤシクロヤマアリとアメイロケアリだが産卵が続いているという意味ではアメイロケだろうか。
9月13日  昨日、キイロシリアゲアリの新女王たちにゼリーを給餌した。

腹部がまた膨らんだ。
こういう女王を見ていると幸せな気持ちになる。
9月14日 昨日、撮影したキイロシリアゲアリの女王が1匹死んでいた。
残り3匹。
ん?大丈夫かな?昨日は元気だったが不安になって来た。 
9月15日 今年の生産シーズンも終わりに近づいてきた。
越冬幼虫を生産する種は幼虫があまり成長しなくなった。
成虫のみで越冬する種は幼若個体が少なくなっている。
こういう光景を見ると、シーズンも終わりを感じさせられる。
まだ、新女王が飛ぶ種もいるので完全にシーズン終了まではもう少しだけど・・・ 
9月16日  昨年、活躍した肉餌の粉末。
今年は春に1日だけ使っただけで終わりそう。
なぜならあまりに食いが悪かったからだ。
ハヤシクロヤマアリは持ち帰って食べてくれたが、他は正直食べたかあまりに微妙だったのですぐにミールワームに戻した。
結果、昨年は一切誕生しなかったキイロシリアゲアリのオスは大量に羽化。
ヨツボシオオアリも増勢。
ヨツボシオオアリは飼育容器を変えたのも良かったのだろう。
ハヤシクロヤマアリはオスが羽化。
やっぱり、ミールワームなのだろうか。 
9月17日  先週、箕面にケアリやシリアゲアリの観察に行きたかったが、所用で行けなかった。
明日は台風の後なのであまり山に行きたくない。
・・・8月末に行ったのが終わりになりそうだ・・・ 
9月18日  夕方、箕面に出かけようかと考えたが昨夜台風の都合で雨が降り、山が水分を含んだ状態であることと、気温が低めであることを考えて結局行かなかった。
明日、枚岡でも歩いて来ようか・・・
雨上がりだし、何かいるかもしれない。 
9月19日  午前に枚岡を歩いた。
最初、低調かと思った。
キイロシリアゲアリとハリブトシリアゲアリが数匹見つかっただけだったからだ。
午前10時頃だった。
ふと、地面を見ると・・・

一見、アズマオオズかと思ったがやけに慌ただしい。それにメジャーワーカーが見当たらない。
色も少し違う。
ん?と思った。

すぐに、喧騒の正体が分かった。
トフシアリが結婚飛行をしようとしているのだ。

有翅メスアリ。
オスほど多くは見かけなかったが、パラパラと見かけた。
オスアリが飛び立っていく様子を見られた。
しかし、すぐに陽が陰って曇り空に。
そうすると急に飛び立つ羽アリが少なくなって雲が厚くなるとほぼ静かになってしまった。

それでも、飛行が見られた巣の周辺で待機しているとメスアリが降りてきているようで同じ場所を往復するだけで7匹ほど新女王アリが見られた。
持ち帰って飼育することにした。

働きアリをアップ。
実際は2ミリあるかないかの大きさだ。
9月20日 昨日、撮影したキイロシリアゲアリを上げ忘れていた。

ごちゃっとした数はいなかったがこんな塊を2つほど見た。
9月21日 トフシアリは3,2,2匹に分けた。
産卵は今のところ見られない。
以前、飼育したが蛹にならない段階で全滅してしまった。
何がよくなかったのか今でも分からない。
結露に気を付けたら、飼育自体はそれほど難しくないように思えるのだが・・・
9月22日 トフシアリの女王アリを写してみた。

大きな腹部が特徴的だ。
9月23日  アメイロケアリ。

幼虫が孵化している。
体内に色が入っていない。
恐らく、このまま越冬するのだろう。

女王。
産卵は停止した模様。
後は、今ある卵、幼虫をいかに減らさずに維持するかにかかっている。
9月24日 今年大阪城で採集したトビイロケアリと思われるケアリは最近増えてきて容器が手狭になったので石膏容器に引っ越しさせた。
餌場にアリを入れて石膏巣に引っ越ししてくれるのを待つだけ。
餌場にアリが取り残されて干からびないように見ておく必要があるが、今回は杞憂に終わった。
順調な引っ越しだった。
9月25日  キイロシリアゲアリの女王がまた1匹脱落した。
生きているのは残り1匹。
前に採集したときは脱落個体もなく安定していたが・・・
何故だ?
9月26日 キイロシリアゲアリの最後の女王が死んでしまった。
乾燥とか管理不足ではない(給餌もしていた)。
ぽつり、ぽつりと脱落していって、全滅してしまった。
女王アリたちの動きに変わった様子は無かったが、謎ばかりが残る全滅になってしまった。 
9月27日 6月に大阪城で採集したトビイロケアリと思われるケアリ。
24日に引っ越しさせたもの。

繭がある。卵もあるが、年内には羽化しないだろう。

裸蛹。
引っ越す直前、小さなタッパーでは容量をオーバーしそうになってコロニーの勢いが落ちかけた。
慌てて引っ越しさせた次第だ。 
9月28日 今年、コオロギ餌は使わなかった。
ミールワームで通した。
しかし、弊害を感じることはほぼ無かった。
敢えて言えば、多くのミールワームを刻むのが手間だったくらいか。
しかし、コオロギも跳び回るし、似たようなものかもしれない。
殻が残るのがミールワームの欠点だが、それもアリたちが上手く餌場に運び出してくれれば問題が無い。
運び出してくれたら・・・だが。 
9月29日  今年も結局コロナに振り回されている。
クロナガアリやクロオオアリの結婚飛行を殆ど見ることが出来なかった。
消化不良な年が2年続いてしまった。
何だかなぁ・・・と言う気持ちはある。
どうか来年は少しは出歩けるようになって、ここに新女王の写真を載せられるようになっていますように・・・ 
9月30日   

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