2021年5月の観察日記

5月1日 ヨツボシオオアリに繭が出来た。

小さな繭だが手ごたえを感じるなぁ。
5月2日 ハヤシクロヤマアリ。

大きな幼虫。育ったが、今一つ変化があまりない。

これは恐らく働きアリになると思われる小さな幼虫。
大きな幼虫は女王から離れた部屋で育てられ、小さな幼虫は女王のそばに¥で育てられているのが興味深い。 
5月3日  クロオオアリの卵。

働きアリが卵の塊を世話している。産卵数はそれほど多くは無い。

働きアリが加える卵の小さな塊。 
5月4日 幾つか、タッパーで手狭になってきたアリの引っ越しを行った。
この作業、何気に気を遣う。
まず、脱走しないかと言う事。
そして移す際、容器の外にこぼれてしまったアリを回収すること。
そして巣に馴染むかを確認することだ。
この3つ目が意外と時間を食うので時間のある時しかできない・・・
今のところ、引っ越し組におかしな動きもなく石膏巣に馴染んだ様子。
うん、今は問題なさそう。 
5月5日  これはクロヤマアリの卵なのだが・・・

これは、オスアリの卵だ。
何故そう言い切れるのかと言うと、先月女王が死んだクロヤマアリコロニーで最近産まれた卵だからだ。
働きアリが産卵しているのだ。
これらが育てば女王、オス、働きアリが標本に出来る。
さて、どういう風にこのコロニーは推移していくのだろうか。
5月6日 粉末餌は最近ハヤシクロヤマアリとクサアリモドキにミールワームの合間に与えている。
ハヤシクロヤマアリは食べる量を食いちぎって巣内に運び込んでくれる。
だから、巣内に食べ残しがほぼ無い。
餌場に食べ残しは発生するのだけれど・・ 
5月7日  ハヤシクロヤマアリの大きな幼虫が蛹になった。

形から見てオスだろうか。
働きアリの幼虫が増えてきて働きアリ幼虫に混じって置かれるようになってきた。
5月8日 引っ越しさせたコロニーの一つ、ケアリ。

繭が多いコロニーだったが、石膏巣に上手くなじんだ様子。
働きアリも女王も居心地が良いようで動きがのんびりしている。 
5月9日 ケアリがミールワームを食べている図にした。

アリが餌を食べているのは見ていて楽しい。 
5月10日  ハヤシクロヤマアリとクサアリモドキには時々蜜で溶いた粉末肉餌を与えている。
いずれにも共通するのは、生き餌より受けが悪いこと。
お手軽だし、貯蔵できるので重宝するのだけれど・・・
何だかなぁ、と言う気持ちになる。
5月11日 昨年、大阪城で採集した「小型」クロヤマアリコロニーで繭が出来ている。

現在2個。
他は卵。この2匹に集中投資しているのだろうか。
働きアリは現在2匹。繭が羽化しても働きアリは4匹。
・・・せめて働きアリが10匹になればもう少し安定するのだが・・・ 
5月12日 ミールワームに肉餌を据えてしばらく経った。
やはり、ケアリは良い。
とにかく食べてくれる。
コロニーサイズが大きくなったハヤシクロヤマアリも悪くないが、ケアリの食い付きにはやや劣るかも。
粉末餌はアリが食べたいときに食べてくれる補助的肉餌としての位置づけになって来たかな・・?
5月13日  ハヤシクロヤマアリの羽アリの蛹は目に色が入った。

ちゃんと羽化まで漕ぎつけられるだろうか・・・
5月14日 女王が死んだクロヤマアリのオスアリ幼虫。

ここまで育ってきた。 
5月15日  ヨツボシオオアリが珍しくチューブ外に卵を置いていた。

画像を見て気が付いたが卵の一部が干からびているような・・・
給餌をマメにするべきなのかもしれない。
5月16日  ケアリの働きアリが羽化した。

羽化して間もない個体で色が淡い。
5月17日 アリのカバーを外すと、時々コロニー全体が静かな時がある。
女王や働きアリの大半がじっとして触角すら動いていない。
暫くすると、一斉に動き出す。
私は、この現象はアリたちが眠っているのだと思っているがいかがだろうか。
5月18日  クサアリモドキに入れているケアリの蛹。

繭と裸蛹がある。
飼育条件は同じなのに、繭と裸蛹。
一体どういう条件で違いが生じているのだろうか。
5月19日 キイロシリアゲアリの日常。

順調。
ミールワームにして、外の殻以外は食べつくしてくれる。
5月20日  大阪城クロヤマアリは、繭が出来てからが少し長い。
別に食べている様子は無いので、羽化してくるのを待つだけなのだが働きアリが羽化するまでは安心できないのでやきもきしている。
繭の後世代が卵しか無い。
今年の大発展は無いと思う・・・ 
5月21日  思えば、肉餌はミールワーム、ハニーワーム、コオロギ、粉末餌と色々やった。
それで現在、一周巡って元のミールワームに落ち着いているのは不思議な感じがする。
保存が利く点では粉末餌がダントツなのだがやはり生餌には敵わないのかもしれない。
5月22日  気温が上がる時期が近付いてきた。
恒温機の状態を確認しなくてはならない。
恒温機が無いとダメになると思われるのはアシナガアリとシロアリくらいか。
特にシロアリは気を遣う。
アシナガアリも、真夏に飛ぶ割に高温に弱いとは思わなかったので神経を使う。
しかし、アシナガは真夏の高温さえ何とか出来たら比較的飼いやすいかもしれない、と思ったりもする。
5月23日 ハヤシクロヤマアリ。

いよいよ蛹が色づいてきた。

もう一つ。羽アリは全てオスアリのようだ。

そんなコロニーで、とうとうオスアリが羽化していた。クロヤマアリ系で羽アリ羽化まで持って行ったのは初めてで嬉しい。
5月24日 昨日取り上げたハヤシクロヤマアリの女王。

春の産卵ラッシュは落ち着き、腹部も少し小さくなった。 
5月25日 昨年夏にケアリの幼虫を入れたクサアリモドキコロニーで羽化したものが・・

ケアリは前年の夏にオスアリの幼虫を生産しているのだろうか?
てっきり働きアリが羽化してくると思っていたのでびっくりだ。 
5月26日 クロオオアリの幼虫。

微増傾向で割と安定している。
5月27日  ハヤシクロヤマアリの様子。

働きアリが羽化し始めた。
蛹はまだたくさんあるのでしばらく羽化ラッシュが続くだろう。

このオスだけ何故か働きアリに囲まれていた。
5月28日  アシナガアリの幼虫。

毛深い形が独特。
5月29日  キイロシリアゲアリの働きアリ。

拡大すると可愛い。
5月30日 大阪城にクロヤマアリの寄生バチの観察に行ってきた。

1個体だけだが飛んでいた。

横から。

羽根が上手く写らなかったが、腹部の淡い色はお分かりいただけると思う。

中々美しい。
クロヤマアリにちょくちょく産卵したが、撮影はかなわず。
産卵したと思われる働きアリを数匹採集したがその中には産卵されていない働きアリも入っていて(吸う時にどうしても入ってしまう)、その上このハチの産卵頻度は今日はそれほど高くなかったので早々に撤収した。
産卵しているところ、写したいなぁ。
産卵されたクロヤマアリ、もっと沢山採集したいなぁ。
5月31日 寄生されたクロヤマアリはケースに移した。
今のところ死亡者もなく、動き回っている。
これらの個体の処遇だが、解剖せずにハチの羽化まで見ることを最優先にして当面はこちらから手を出さない方針にした。
まだ、日にちはあると思うが気象条件によっては観察に行ってもダメそうな日もありそうですしね。
そんな訳で、働きアリが短期に死亡したものは腹部のみにして少し塗らせたティッシュに薄く水を含ませ蓋をガーゼで空気の通りを良くしたものにした。 
取りあえず、今は1個体1箱。
そうすれば昨年見たく有望そうな死骸を1日でかびさせたという不名誉な記録は回避できるかもしれない。

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