2021年4月の観察日記

4月1日 うーん、4月に入ったが、ハヤシクロヤマアリ以外では産卵が見られない。
クロヤマアリ系はもう産卵してもおかしくないが、ハヤシクロヤマ1コロニー以外は餌の食いこそ良くなっているが産卵開始と言う物には至っていない。
ミールワームを与えているが粉末餌より格段に食べてくれるのが嬉しくもあり、昨年の肉餌はどうだったんだろうと思う複雑な気持ちもあり・・ということになっている。
4月2日 クロヤマアリ、ハヤシクロヤマアリ、クロオオアリ、クサアリモドキは肉餌でやや優遇を受けている。どう言う所が優遇かと言うと脱皮したての柔らかいワームが与えられるのだ。
他は普通のミールワームを細かく刻んだものになっている。
全てのコロニーに春が来ればこんな給餌はせず、一律に表皮が硬いものを与えて行く。
特に数が多いハヤシクロヤマはこれでも少し体を切ってやると十分で巣に運び込む。どうも、まだ足りていないような・・
明日はもう少し与えてみよう。 
4月3日 ぐおっ!こ、これは・・・

卵だ!
昨年6月に大阪城で新女王を採集したクロヤマアリのコロニー。
働きアリが2匹しかいないので増えてほしい・・・
4月4日 今日、クロオオアリを見ていると・・・

これまた産卵が始まっていた。
これだけの数があると言う事は、昨日には数個卵があったはずだが気が付かなかった。
物陰に隠れていたのだろうか・・?
4月5日 アリたちの肉餌の食いが良い。
与えた分、食べてくれるのは見ていて気持ちが良い。
逆に言えば、この時期にスタートダッシュをかけられないと後が厳しいという側面もあったりするのだけどね・・・ 
4月6日  卵シリーズ。ぶれた写真になったが・・・

これを産んだのが・・・

ヨツボシオオアリの女王。昨年はあまり観察できなかったが、少なくとも今はチューブに入らずに容器の角にいるので撮影が出来た。
チューブに入らないのは不安要素なのだが産卵してくれているし、死亡するアリが増えた訳でもないのでこのまま行ってみたい。 
4月7日 クサアリモドキでも産卵が始まった。

産卵を確認したのは昨日だが、1日で卵塊が少し大きくなった。

女王アリ。いい感じに腹部が膨らんでいる。
4月8日 ミールワームを食べるハヤシクロヤマアリにした。

働きアリ。餌を与えると、わらわらと集まってくる。
見ていて気持ちが良い。 
4月9日  箕面のケアリも産卵している。

先日、タッパーから石膏巣に移した。
特に不具合は無いようだ。
4月10日 大阪城の小型クロヤマアリの女王が変だ。
腹部は膨らんでいるが、産卵しないうえ、今日見たら横たわっているではないか。
脚や触角は動いているので、このまま死なないことを祈るしかない。
折角コロニー化しにくい「小型」クロヤマアリが働きアリ50ほどまで増えてこれから・・と言う時期に・・・ 
4月11日 残念なことに、昨日書いたクロヤマアリの女王アリは死んでいた。

女王アリの死骸。「小型」女王は神経質な個体が多く中々コロニー化出来ない中、この女王のコロニーは拡大してこれから・・・という時にこれだ。

背中側から。

腹部の1,2節をアップにしてみた。 
さて、働きアリが残ったがこれらも標本にして「小型クロヤマアリの女王と働きアリ」の標本を作製してみたいと思う。
6月頃にオスも拾えたら良いのだけどオスはメスアリ以上に運要素が大きいからなぁ・・
4月12日 ハヤシクロヤマアリコロニーでは幼虫が見られるようになった。

繭になるまではもう少し時間がかかりそうだが、孵化している幼虫が複数見られる。
良い感じだ。 
4月13日 箕面のケアリ。石膏巣に移して観察・撮影がしやすくなった。

これこれ!こういう風にがっつく感じが見ていて楽しい。

働きアリを拡大。
胸部が少し赤いケアリだ。
4月14日 朝、出勤中にミツバアリの結婚飛行が行われていた。

スマホのカメラ且つ急いでいたので超ぶれてしまったが、羽アリが2匹写っているのはお分かりいただけると思う。この個体は交尾していた。

自宅に持ち帰って標本にした。アリノタカラカイガラムシだろうか。

そして、メスアリの顔。大あごの歯が3つある。ミツバアリとみてよさそうだ。 
4月15日 眼福の光景。

ミールワームの欠片に集まるハヤシクロヤマアリ。
与えてすぐにわらわら集まってくるのは、まさに醍醐味だと思う。
4月16日 ハヤシクロヤマアリの幼虫は少しずつ育っている。
写真は撮らなかったが、また近日中に育った幼虫たちをお見せしたい。
そのためか、ミールワームの食べ方が割とすごい。
与えてもすぐに巣に持ち帰って食べる、食べる。
順調だ・・・ 
4月17日 ヨツボシオオアリにした。

卵。働きアリが昨年ほとんど増えなかったので卵の増え方も控えめ。

女王アリ。腹部が極端に肥大化することは無いが、着実に産卵を続けているようなので健康状態は悪くなさそうだ。
4月18日 箕面のケアリコロニー。至って順調。

繭が出来始めた。数はそれほど多くは無いが、今のコロニーサイズだと妥当な所だろうか。

卵を写した。よく見ると透明な部分と白みが強い部分がある。
4月19日 ハヤシクロヤマアリの幼虫を写した。

育ってきているが、体内に色が入っていないような・・・
昨年は餌が違ったせいか濃い色が入っていたような気もするが・・・? 
4月20日 アシナガアリにした。

女王アリ。腹部が大きい。写っていないが画面外に働きアリもいる。

幼虫を拡大した。
首が長めだ。
ミールワームを食べているので体内に色が入っている。 
4月21日 クサアリモドキコロニーに入っているケアリの幼虫。

ミールワームを食べて体内に色が入っている。
肝心のクサアリモドキ自体は卵のまま。
今年は増えるための基礎を作る年になると割り切った。
4月22日 ハヤシクロヤマアリの幼虫。

育ってきた。
働きアリより大きな気がするが・・・?
羽アリが羽化するのが働きアリが羽化するか、どちらだろうか。

ぷくぷく太った幼虫。良い感じだ。
4月23日 箕面ケアリの様子。

卵と蛹の世話をしている。餌の食いも良い。 
4月24日 アシナガアリの蛹にした。

若い蛹で色も淡いがちゃんとアリの形をしている。
綺麗な白色だ、
4月25日 今日は久々にミールワームではなく、粉末餌を与えてみた。
食いつきはやはりミールワームの方が上だと思う。
しかし、巣内を見ると適当な大きさにちぎって持ち込んでいる様子も見られる。
ミールワームは殻が残るのが欠点だが粉末餌はこの問題はほぼ発生しない。
少なくとも幼虫が食べている様子を見ることはできるので、全く駄目と言う訳ではない(昨年はこれだけで維持したから)。
ある意味味の変化が出来て良いのかもしれないが・・・ 
4月26日 ヨツボシオオアリ。

この画像では分かり辛いが、チューブに引っ越してくれつつある。
幼虫も育ってくれている。

女王と働きアリの栄養交換を写したかったが、ボケてしまった・・・
4月27日 ハヤシクロヤマアリ。

うーん、やっぱりこれ、オスかメスの羽アリの幼虫ではないだろうか・・? 
4月28日 ケアリの日常。

卵はあるが、まだ孵化していない。働きアリたちが甲斐甲斐しく世話している。

女王アリと働きアリと卵。
ケアリは働きアリと女王の体格差が大きい。
4月29日  クサアリモドキの女王。

元気に動き回っている。

クサアリモドキの卵。世話しているのはケアリだが、いずれクサアリモドキに代わって行くのだ。
4月30日 私の家の近所でシロアリが飛んでいたらしく、夕方になっても羽を落とした生殖虫が見られたので6匹、3ペアを採集した。

昨年、採集したものはまだ生きているが働きアリが生まれなくなってしまった。
やはりティッシュペーパーの餌だけではだめなのだろうか。

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