2020年10月の観察日記

10月3日 これは6月に大阪城で採集した「小型」女王。
2匹採集して1匹は働きアリが2匹だけだが羽化した。
しかし、こちらはいつまで経っても働きアリが全く羽化しない。
そんな「ダメな女王」陛下の図だ。

給餌しているので栄養状態は悪くないと思う。
今も卵が少数見られるのだがとにかくそこから進展がない。
今年は、ダメなのだろうか。
10月8日 我が家のアリコロニーで一番勢いのあるハヤシクロヤマアリに登場願った。

女王アリ。腹部が小さくなったが健康そうで走り回っている。

比較対象が無いので分かり辛いが大型の働きアリ。
これを見るだけで、やり甲斐と言うか育ったなぁと言う気になる。

さて、今日ハヤシクロヤマアリにしたのは理由がある。
このHPの一番最初の観察日記はクロヤマアリの日記だった。
普通のクロヤマアリを取り上げようかと考えたが、勢いがあるしクロヤマアリの近縁種ということでこちらにした。
今日はこのHPがネットに出現して20年だ。
初心と言う意味でこれにした。 
10月10日 タッパーの蓋を見ると・・・

小さな穴が開いている。
昨年採集したシリアゲアリの働きアリが開けたのだ。
ウメマツオオアリの時もこれと同じことがあった。
グルーガンで塞いだが空気が微量に流れていたのか、塞いだところを執拗に齧ってその蓋自体を廃棄した。
今回はそれをもとにこの蓋は廃棄した。
今のところ齧ったり不審な様子はない。
樹上種の齧る力は侮れない。 
10月11日 昨日、雨が降って今日は気温が上がった。
典型的な飛行日和で昨年同様トフシアリやサクラアリが見られるだろうと大阪城に出かけた。
しかし、唖然とするほど何も見られなかった。
昨年までの経験からトフシアリとサクラアリは集中的に飛ぶのではないかと思ったりしているが、どうだろうか?
ついでに、6月頃に寄生バチが見られたクロヤマアリの巣口も訪れてみたが歩き回るアリの数が6月頃に比べると減っていて、寄生バチも見られずで結果的には見事な坊主になってしまった。
枚岡にするべきだったか・・・ 
10月18日 箕面のケアリの繭。

先月に取り上げたが、あれ以降成虫が盛んに羽化しているようには見えない。
1匹は羽化したが、それ以外はどうなのだろうか。 
10月24日 「小型」クロヤマアリコロニーの女王にした。

1枚目。

2枚目。
「小型」クロヤマアリは新女王からの立ち上げが難しいように思う。
今年、2匹このタイプの女王を採集したが1匹は働きアリが現在2匹、もう1匹に至っては未だに働きアリが生産出来ていない。
そして、6月18日に取り上げたが「大型」「小型」女王の腹部を顕微鏡で見ると明らかに毛の生え方が違うのだ。
この「大型」女王を採集した場所のすぐ近くで「クロヤマアリ」の働きアリを採集して標本にしたがまだ顕微鏡で見ていない有様だ・・・
10月25日 クロオオアリにした。

幼虫たち。
体内に色が入っているが、もう成長はしていない模様だ。
アカムシとテトラフィンの餌しか与えなかったが、ちゃんと食べているようだ。 
10月26日 今年採集したクサアリモドキコロニーに繭が出来ている。

これは恐らくケアリのもの。
ケアリ幼虫を導入し過ぎたのでクサアリモドキの卵は増えなかった。
また、夏場には卵があったが、ケアリの幼虫に供されたのか卵は無い。
だから、目の前にいる小さな幼虫たちがケアリの幼虫なのかクサアリモドキなのかは微妙過ぎる。
この種には恐らくテトラフィンの餌より、 コオロギが合っていそうだ。
テトラフィン、ミルワ、コオロギ。
この辺の使い分けが来年の課題になりそうだ。
10月31日 18日に取り上げたケアリにはまだ繭がある。
この時期、野外ではケアリの状態はどうなっているのだろうか。
この気温では野外では羽化するのだろうか。
それとも食べられるのだろうか。
飼育環境と野外環境を同じに語ることはできないので、この時期の野外のケアリの状態を見たくなった。 

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