2020年5月の観察日記

5月1日 シロアリが飛んだようで、羽を落とした生殖虫が歩いていたので、合計6匹採集した。

3ペアにした。
オスとメスの違いは良く分からない。
腹部を上げているのはフェロモンを出しているのだろう。

上とは別の個体。
うまく行くだろうか。
以前、飼育したものは結局うまく行かなかった。
今回も採集はしたがうまく産卵してくれるかどうか・・
アリとは違う昆虫だが、取り上げてみた。
5月2日 クロオオアリ。

女王。特に異常もなく産卵も継続中。

働きアリと繭。
数個だが繭もでき始めた。
画面右端に育った幼虫も見える。
新しい肉餌は今のところ順調のようだ。
5月3日 ハヤシクロヤマアリコロニーの様子。

運び込まれた肉餌。肉を小さな塊にして食べているようだ。

少し俯瞰気味にした。
幼虫の色艶も良く、勢いを感じる。 
5月4日 昨年夏に箕面で採集したケアリ。

繭が出来てきた。
数はそれほど多くないが、卵幼虫も見られて堅実な感じがする。 
5月5日 キイロシリアゲアリの卵にしてみた。

それほど数は多くないがまぁ、こんなものかと言う感じはする。
このコロニーも結構長いこと飼育している。確か新女王を採集したのが2012年秋だったので、今の時点で7年半ほど我が家で過ごしている。
餌の好き嫌いもなく、可愛らしいアリである。 
5月6日 ヨツボシオオアリの卵。

育った幼虫と繭が1つ。
この2匹に集中投資しているようで、他は卵ばかり。
この連休中に、新しいチューブを放り込むとそちらに引っ越しした。
普段は蓋付近にも上がってきている個体がいるが、まだ初期コロニーで個体数が少ないためか働きアリは憶病で給餌の時、振動を与えるとすぐにチューブに籠る。
だから餌交換作業は楽だ。
5月7日 クサアリモドキの幼虫を見てみると・・

体内に色が入った。
数日前まで何の色も入っていなかったが、ようやく肉餌を食べてくれていることになる。こういう風に目に見えて成果が見えると言うのは嬉しいことだ。
5月8日 ムネアカオオアリも繭が出来た。

ムネアカは昨年末に調子を崩して今一つになっているが、何とかこれを機に復調させたい。
繭のほかに卵もあるし、幼虫も育っている。
このペースを維持していきたい。 
5月9日 トフシアリの卵は増えている。


女王アリの腹部は毛深いのが分かる。
産卵自体はしているが幼虫が孵化しないのはどう言うことだろう。
産んでは食べているというスパイラルに陥っていないことを祈るしかない。
5月10日 ハヤシクロヤマアリは順調だ。

繭の集まり。
これで大体全部だが、小さな繭の山がまだ少しある。

出来上がったばかりの繭。
恐らく、すぐに繭山に持って行かれるだろう。

女王。春先に比べると少し痩せたが元気に産卵している。
5月11日 ウメマツオオアリは繭が出来始めた。

繭は小さい。他のアリでも繭は小さいので春でまだ気温が低いので小さくなったと考えるのが妥当だろうか。

女王。腹部が大きいが滅茶苦茶な量の卵を産んでいるわけではない。 
5月12日 トビシワにした。

最初、産卵しなくてドキドキしたが最近少しずつ卵が増えてきた。
働きアリが数匹の超零細コロニーだが、これらを基に来年以降の足掛かりにしたい。
5月13日 1日に採集したシロアリの様子。

少し、腹部が大きくなった・・・?
ちなみに、ティッシュは食べているようだが卵は確認していない。 
5月14日 昨年秋、箕面で採集したケアリ。

卵のまま。うーん、成長が遅い・・・

女王。ゼリーを給餌しているので腹部は大きい。 
5月15日 繭。それはクサアリモドキのものだ。

現在、4個だけであと数匹の育った幼虫と卵と言う構成だ。

そして、作成中の繭。ケアリの働きアリが繭を作るのを手助けしているようだ。
5月16日 クロオオアリコロニーを俯瞰してみた。

繭が増えてきている。
今年に入って産卵されたものが孵化を始めている。
今の繭世代が羽化すれば少しブランクがあるが、一旦増え始めてくれれば餌を更に食べてくれるという良い循環が生まれそうだ。
5月17日  クロヤマアリだ。

働きアリ。

繭も増えてきている。

女王アリ。これは・・・

働きアリと大きさを比較すると、この女王の小ささが分かるかもしれない。
そう、これは「小型」女王のクロヤマアリコロニーだ。

働きアリに寄ってみた。女王もこんな画像を撮りたいのだが、中々撮影しやすい場所にいない関係でくっきりした写真がなかなか撮れない・・
5月18日 ハヤシクロヤマアリの働きアリが羽化した。

初々しい。
繭は沢山ある。
これからどんどん増えるだろう。
巣部屋、増設を本気で考えなきゃね。 
5月19日 ウメマツオオアリが順調。

お馴染みの女王。腹部も大きく、元気だ。

繭も増えてきた。
これらが羽化したら、さらに増勢が予想できる。
何でも食べてくれるので、飼育しやすい。 
5月20日 トフシアリ。拡大すると・・・・

幼虫が複数孵化しているではないか!
小さな幼虫だが複数いるのは心強い。
ジリ貧も覚悟していたので嬉しい。
5月21日 クロヤマアリの羽化したての働きアリ。

色が淡く、弱弱しい。
これが徐々に体色が濃くなってくるのだ。 
5月22日 ハヤシクロヤマアリの巣部屋を1つ増設した。
チューブを繋いで様子を見る。
偵察の働きアリが数匹入り込んで様子を見ている。
増設したので、これで増えてくれても問題ない。
5月23日  枚岡を歩いた。

歩き始めてすぐにクロオオアリのオスの羽アリの死骸があった。
アスファルトの上のためかからからに乾燥していた。いつ飛んだのか不明だ。

アメイロアリのオスがいた。
これ以外には見かけなかった。

公園事務所付近でクロオオアリのオスがいた。

側溝でオオスズメバチの女王が弱っていた。
こんなに近くに寄れたのも、弱っているからだ。

ミドリカミキリがいた。
詳細な種名は分からないが、この時期に見かける。美しいカミキリムシだ。

クサアリの女王がいた。少し大きめだったがこの辺は種が良く分からない。

クロオオアリで、やや賑やかだったコロニーがあったが飛ぶ様子が無い。
帰ろう・・・と思った時、これが落ちてきた。
ムネアカオオアリの女王だ。
様子を見たが少し動きが変だった。
時間も遅くなってきた上に体力が限界になっていたので後ろ髪引かれる想いで帰宅した。
まぁ、ムネアカの羽アリを見ただけでも良しとしようか。
5月24日  昨日に引き続き、枚岡を歩いた。
昨日、賑やかしかったクロオオアリの巣口は静まり返り、神社付近で複数のムネアカの羽根を見ただけだった。
クモの巣にはクロオオアリのオスが引っ掛かりクモに体液を吸われていた。
要するに、昨日飛んだことを示唆する結果だった。
アメイロアリも見かけず、クロクサアリの一種の女王を1匹見ただけ。
・・・寂しい結果だった。 
5月25日  22日に増設したハヤシクロヤマアリの巣部屋だが、まだ本格的に使用されている形跡はない。
働きアリが10匹前後屯しているので居心地が悪いと言う訳ではなく、単純にそこまで数が増えていないということだろう。
まだ、これから暑くなる。
特に脱走や不具合は発生していない。
いや、この数で不具合が発生したら精神的な意味でダメージが大きい・・。 
5月26日 トフシアリにした。

幼虫が成長している。
しかし、卵がやや減っている。
働きアリが羽化するまで神経質な展開だ。 
5月27日 クロオオアリにした。

繭はあるが、羽化している形跡が無い。もう少し時間がかかるのかもしれない。
食べているような悪い兆候もないので単純に時間がかかっているだけなのだろう。

働きアリ。
クロヤマアリが個人的には一番好きだが、クロオオアリのこのシンプルな黒さも中々だ。
5月28日 箕面のケアリ。
ケアリ系では一番安定している気がする。

女王。腹部が大きいが、働きアリの数が少ないためか激しく産卵しているわけではない。

繭も少しあるが羽化には至っていない。
5月29日  クサアリモドキも孵化している。

春に産んだ卵が孵化していて、後続の卵が少ない。
ケアリの働きアリの労力が幼虫に回って女王に回っていないような気がする。
5月30日 淀川から大阪城に観察に出かけた。
淀川の河川敷ではトビシワの飛んだ形跡は一切確認できなかった。
どうも少し早かったようだ。
大阪城に移動した。

まず、カルパスを使ってクロヤマアリを集めた。
幾つかの巣穴でアリを集めて、2つの巣穴でアリの寄生バチが飛んでくるのを確認した。

葉に止まるクロヤマアリの寄生バチ。
目の前でアリに寄生している姿を見ることが出来たが、今日は寄生されたアリを集めたかったので撮影は後回し。
寄生されたと思われる働きアリを1時間半ほどで十数匹採集した。
このことから、大概の時間アリの様子を窺うばかりで産卵に至ることは少ないようだ。これ、寄生されたアリをまとまった数集めようとしたら一日粘るくらいの根性が無いと厳しいかもしれない。 
5月31日  昨年秋に箕面で採集したケアリの女王が死んでいた。
幼虫たちは元気なのに・・・
こう言うことがたまにある。
はぁ・・・

戻る