2020年4月の観察日記

4月1日 3月16日に紹介したクロヤマアリの女王が死んでいた。
このコロニーは冬の終わりころ、働きアリが触角が縮れるような形になって、動きがおかしくなって死んだ働きアリが立て続けに3匹出て、注視していた。
3日ほど前から女王がそのような症状が出始めて、あれ?と思っていたら今日死んでいるのを確認した。
この触角の縮れ現象はヤマアリで見かけるが他では見かけない。
病気なのか、生理的な物か良く分からない。
ちなみに、この女王は「小型」クロヤマアリだった。
合掌。
4月2日 産卵を確認しているのは依然としてクロヤマアリとトフシアリだけ。
そこで、過去の日記を見てみるとオオアリ系は大体4月10日前後に産卵を開始していることが分かる。
まだ、4月に入ったばかり。
そう焦ることもない・・のだが、昨日のクロヤマアリのこともあるので産卵を開始しないコロニーは気を遣う・・・ 
4月3日 クサアリモドキの女王。

腹部が少し膨らんできた。
ケアリの繭をあまり多く確保できず、ケアリが100ほどしかいないのが不満だが働きアリと女王を今のまま維持できれば発展は可能そう。
発展速度は遅くなりそうな気もするが・・・ 
4月4日 クロオオアリをよく見ていると・・・

卵だ!
最近、幼虫の体内に色が入って良い感じだと思っていたが、いよいよ本格始動と言う感じだ。 
4月5日 キイロシリアゲアリの様子。

女王や働きアリ、幼虫は元気。
肉餌もちゃんと食べてくれて安定感がある。
産卵はまだ始まっていない。
4月6日 ウメマツオオアリ。

腹部が肥大化してきた。
しかし、産卵はまだ。
それにしてもこの種類、脱走にさえ気を付ければ飼いやすい種だと思う。 
4月7日 緊急事態宣言が大阪に出された。
不要不急の外出を5月の連休までしないように、と言うこと。
毎年、この時期にクロナガアリ、連休に信貴山に出かけていたが、今年は中止にします。
・・・無念。 
4月8日 新しい肉餌。
クロヤマアリで巣内に運び込んでせっついている様子を見ることが出来るが、それほど一気に集まるところは見ていない。
しかし、実際クロオオアリでは幼虫体内に色が入り、クロヤマアリは産卵数が順調に増えている。
ということは、食べてくれているのだろう。
上手く写真に撮れていないがケアリも幼虫に与えているようだ。
幼虫のすぐそばに餌の欠片が置かれていたりする。
何か、今までボトムネック的な存在だった餌問題に一石を投じているのだろうか。
他の種類でも様子を見て判断していきたいと思う。
4月9日 ケアリ系を毎日見ているがまだ産卵を確認できない。
ケアリ系は腹部の膨張具合が大きいので、産卵し始めると一気に卵を産みだすので様子を見ている。
今日現在、何も変化が無い。
一昨日書いたが、この春は観察活動を大幅に削減せざるを得ない。
そこで、飼育しているアリを中心にしたものになる。
まぁ、原点に戻ると言えなくもない気もする。 
4月10日 クサアリモドキを女王にしているコロニーのケアリの働きアリが餌場を多く徘徊していた。
餌を求めているのだ。
そこで、今日はハチミツの水割りを与えてみた。
集まった。
女王の腹部も少し大きくなった。
女王の写真はまた後日あげるとする。
産卵はまだ始まっていないが、ケアリの働きアリにやたらと餌をねだっている。
うん、良い傾向だ。 
4月11日 ケアリの様子。

働きアリに焦点を当ててみた。
ぼんやりだが周囲に幼虫が写っている。
体内に色が入っているので、食べてくれているのだろう。
正直、あまり食べているところを見ていないが、これはコロニーの個体数が多くないからだろう。

女王。腹部は大きいが、産卵はまだである。
4月12日  クサアリモドキ。

腹部が大きくなってきた。

ケアリにおねだりをしようと口を開けているところに、近くを通りかかったケアリが反応して栄養交換しようとしている。
このおねだり、観察していて楽しい。 
4月13日 クサアリモドキで卵を1つ確認した。
まずは1つ、しかし安心の1つ目。
働きアリの数が多くないのが不安要素だが、給餌を頻繁にしてそこはカバー出来たら良いかな、と思う。 
4月14日 ムネアカオオアリで卵を確認した。

この時期、産卵ラッシュが続いて見ていて楽しい。
如何に肉餌を与え続けるか、それに尽きる時期だ。
女王アリに栄養を与えなきゃ・・・ 
4月15日 新しい肉餌に一番食いついてくれているのはケアリだ。

幼虫が齧っている。

同じような図。
他のアリも食べてくれていると思うが、目に見えて食べてくれているのでこの図にした。
4月16日 ハヤシクロヤマアリを見ていると・・・

幼虫が孵化している。
体内に色が入っていないが、まだ小さいからだろうか。

卵。これ以外にも卵塊が見られる。
今のところ順調。 
4月17日 ヨツボシオオアリがチューブの外に出ていた。

普段はチューブ内にいる女王。
チューブが最近曇りがちになっているが、産卵も確認している。
ヨツボシの画像って、上げるの7か月振りでしたね。 
4月18日  キイロシリアゲアリが餌を食べている所。

下の銀色はアルミ箔である。
4月19日  昨年の秋に箕面で採集したケアリも産卵を始めた。

家のアリはほぼ全て産卵を確認した。
今年は外に出辛いので肉餌を自宅で作成できるのは不幸中の幸いかもしれない。
4月20日 ハヤシクロヤマアリが一番個体数が多いので肉餌を与える量が多いのだが、正直あまり食べているのか自信が持てなかった。
今日、給餌した後しばらく様子を眺めてみた。
一気に多くの働きアリが集まるわけではない。
しかし、少数の働きアリが繰り返し小さな欠片を持ち帰るのを確認できた。
うん、ちゃんと食べてくれてるんだ。 
4月21日  クサアリモドキの幼虫が孵化したっぽい。
「ぽい」と言う言い方をしたのは、卵の綺麗な球形が崩れたいびつな塊を働きアリが持っているからなのだが、どれだけ目を凝らしても幼虫だという確信を持てないからだ。
多分、幼虫だとは思うだが・・・
これ以上は顕微鏡でもないと見づらい。
ルーペではやっぱり限界があるのかなぁ・・・ 
4月22日 アリの幼虫の拡大写真。

何を言いたいかと言うと、体内に色が入っていることを言いたい。
これはすなわち、与えた肉餌を食べていることだ。
中々食べているところを見ないというコロニーでも幼虫を見てこういう風に色が入っていると見ていない間に食べてくれてるんだなぁと感慨深いものがある。
4月23日 大概の種は産卵を開始したが、実はトビシワがまだ産卵を確認していない。
数匹だけいる幼虫は少しずつ成長しているが、この時期に女王が2匹いて産卵していない、働きアリ自体数匹しかいない・・・
これらを考えると先行きが思いやられる。
トビシワってこんなに神経質だったかな?
これも、要注意種としてカテゴライズするべきなのだろうか。 
4月24日 ハヤシクロヤマアリを取り上げて約1週間、どうなったかと言うと・・・



確か16日に取り上げた時は孵化したばかりの幼虫だった。
僅か1週間でこの段階になったことになる。
・・・やっぱり、早い。
この1週間、寒い日もあってどうかと思っていたが私が室内にいる時は部屋を暖めたのが功を奏したのだろうか。
この分だと連休中にも羽化するかもしれない。
4月25日 アリに給餌すると、普段は閑散としている餌場が賑やかになる。
巣部屋に引き籠って餌場に殆ど働きアリが出ていないコロニーでもそうなる。
当たり前と言えばそれまでなのだが、アリたちの何気ない日常を眺めるのは楽しい。 
4月26日  一昨日、ハヤシクロヤマアリを取り上げたが繭が小さい。
気温のためなのか、餌に問題があるのか良く分からない。
少なくとも、今いる働きアリよりは一回り小型だ。
一昨日の画像にあるように幼虫体内に色が入っているので肉餌は食べてくれている模様。
産卵に問題も見られないので当面は様子見だ。
4月27日 3週間前に取り上げたウメマツオオアリの女王アリ。

恐らく、今の状態では最大まで膨らんでいる。
産卵もしていて、順調そのもの。
ここまで来たら、安定感が出て来る。
4月28日 クサアリモドキの様子にした。

ケアリの働きアリが昆虫ゼリーを舐めている。巣内で他の個体と口移しを行い、コロニー内にゼリーが行き渡る。

幼虫も孵化している。

女王。腹部の肥大化は現段階ではこれが限界のようだ。

卵塊。これと同じ大きさの卵塊があと3つほどある。
順調。
4月29日  トフシアリの卵塊。

孵化している様子が無い。
孵化したものを食べているのか、単純に孵化していないだけなのか良く分からない。
4月30日 ハヤシクロヤマアリにハチミツを与えると集まった。

この構図は好きで昔からずっとやっている。
喜んでくれているのが目に見えて嬉しいからだ。 

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