2019年3月の観察日記

3月10日 クロヤマアリのコロニーを見ると、あることに気が付いた。

おや?これは・・・

卵だ!
クロヤマは他にも幾つかコロニーがいるが、このコロニーだけ産卵開始で他はまだ何もない状態。
しかし、産卵が始まったということは他のコロニーでもこれから続々と産卵が始まるだろう。
今年も春がやって来たなぁ。
3月11日 昨日、クロヤマアリの産卵を取り上げた。
今日も見てみたが、このコロニー以外に産卵を開始したコロニーはない。
しかし、1コロニーとは言え産卵開始が確認できたので他のクロヤマアリも産卵開始するのは時間の問題だろう。
昨日、コオロギを与えてみた。
これまたコロニーごとに差があり、巣部屋に持ち込んでせっついているものもあれば餌場に放置しているものもあり、コロニーごとの差を感じる。 
3月12日 一昨年、長野で採集したハヤシクロヤマアリ。
このコロニーでも数個卵を確認した。
この前の日曜日に多めにコオロギを購入して放り込んですぐに産卵。
いいタイミングで肉餌を与えられたのではないかと思っている。
これで、産卵開始コロニーは2つ目だ。 
3月13日 11日に産卵を確認したクロヤマアリの女王。
コオロギを与えてから腹部が肥大化している。

肥大化と言ってもケアリやクサアリ系のように無茶な肥大化はしない。
これが最大級に膨らんでいると思われる。
こういう姿を見ていると、癒される・・。 
3月14日 クロヤマアリ、まだ産卵していないコロニーが2つある。
ハヤシクロヤマアリも1コロニーがまだ産卵開始していない。
しかし、いずれもコオロギを運び込んで熱心に齧っているのを見ると、産卵開始に備えてタンパク質を摂っていると思われる。
気温のアップダウンの大きな時期で寒い日は餌場に出てくるアリもいない。
ゼリーはそういう意味でまだそれほど与えていない。 
3月15日 クロヤマアリコロニーの様子は昨日と殆ど一緒。
産卵を開始していないコロニーではまだ卵が無く、産卵しているコロニーでも一気に卵が増えることは無い。
この時期、一番最初に動きがあるのはクロヤマアリである。
毎年思うけど、活動開始するの、早いね。 
3月16日 クロヤマアリのまだ産卵を開始していないコロニーの女王。

ご覧のように腹部が小さい。
働きアリが数匹の零細コロニーだが、13日に紹介した肥大化した腹部の女王のコロニーより2匹だけ働きアリは多い。
それでも、この差。
ちゃんと餌、食べてるのかなぁ。 
3月17日  キイロシリアゲアリに給餌をしたら・・

中々凄いことになった。
ゼリーの上にコオロギが乗っかってしまったが、この分だと2、3日もあれば食い尽くしてしまうのだろう。 
3月18日 13日に紹介したクロヤマアリコロニーの働きアリ。

卵を咥えている働きアリ。
働きアリ自身にピントを合わせてみた。 
3月19日 毎年、この時期に心配すること。
各アリたちは産卵をちゃんと開始してくれるのだろうか、ということ。
たまに産卵をしないコロニーがある。
それは女王自身の問題なのか、飼育環境の問題なのか(給餌はきちんとしているつもりだが)分からないが壊滅することもある。
だから、産卵開始はコロニーが健康であることを示す目印として重視している。
こんなことを書くのは、クロヤマアリの産卵開始していないコロニーがまだ動きが見られないから故である・・。 
3月20日 クロヤマアリの産卵は、毎年最初は勢いがあるがそのあと数日は現状維持に近い勢いになってしまう。
大体5月頃まで蛹にならない。
気温のためだろうか。
卵の数は微増はしているのだが、中々一気に増えない。
少し、もどかしい。
そして、今日もまだ産卵していないクロヤマアリは産卵をしていないままだった。 
3月21日 アリの産卵開始のスイッチって何だろうか。
クロヤマアリは同じ種類で(「大型」「小型」女王は同種なのかは正直微妙だが)給餌も同様に行っているのに、産卵するものもあればまだ産卵しないものもある。
多分、野外でも同じようにコロニーごとに産卵開始時期に差があるはず。
・・・不思議だ。 
3月22日 コオロギは各コロニーに与えている。
大半のコロニーでは産卵は開始していないし、目立った幼虫の成長もない。
それでも、せっついている。
今から肉餌を与えてスタートダッシュをかけたいと思っている。 
3月23日  今日は寒い。
そのためか餌場に出てくるアリもなく、巣内でコオロギをせっついているくらい。
新たに産卵を開始したコロニーもなく、特に目立ったこともない日だった。 
3月24日 アシナガアリの女王。

産卵は見られない。
特に健康状態に問題はなさそう。
働きアリが数匹の零細コロニーではあるが、増えてほしいな・・ 
3月25日 産卵開始しているコロニーでは卵がほんの少しずつだが増えている。
コオロギは2、3日に1匹小さなものを与えているが今はこれで十分。
問題は産卵しないコロニーだ。
どうもこの辺りは肉餌の食いが細い気がする。
毎年、この時期は産卵の有無で一喜一憂している気がする。 
3月26日 今のところ、クロヤマアリ以外のアリでは産卵開始は確認できていない。
急に気温が上がり予報なのでもうそろそろ産卵開始が来るのではないかと思っている。
幼虫は体内に色が入っている。
肉餌は食べ始めているようだ。 
3月27日 クロヤマアリで産卵していないコロニーは未だに産卵していない。
今日か今日かと思いつつ、日にちは過ぎてゆく。
コロニーの状態を見る限り、悪くないので産卵はするはずなのだが、それでもやはり心配。 
3月28日 アリには今年も昆虫ゼリーを与えているが、それを今までのプラスチックのトレーから使い捨てのアルミ箔にしてみた。
12月に伊丹昆虫館で蜜餌をその方式で与えているのを見たからだ。
うん、確かに洗わなくて良いのは手間が省ける。
他の人の飼育環境を直に見ることが少ないので、こう言うのは非常にためになる。
アルミならカビも少しは抑えてくれそう。
取りあえず、これで暫くやってみよう。 
3月29日 昨年に大阪城で採集したクロヤマアリが1つだが産卵しているのを確認した。
これで、クロヤマアリで産卵を開始していないのは2コロニー。
最初の1つさえ産んでくれれば変わるはず・・ 
3月30日  アリに給餌をしていたらヤマヨツボシオオアリでも産卵が始まったのを確認した。
例年に比べて少し早い気がするが、春を感じる。
肉餌への食いつきも良い。
これから、各種で産卵が始まったのを続々確認できるだろう。 
3月31日 クロヤマアリの食事。

昨日、入れたコオロギを齧っている。
これは、産卵をまだ開始していないコロニーだが肉餌を齧っているし女王の腹部も大きくなってきたので産卵開始しそう。

戻る