2018年5月の観察日記

5月1日 先日、採集したケブカツヤオオアリにゼリーを与えると、こうなった。

集まってくれた。

働きアリを拡大。
女王は撮影したいのだが、プラスチックチューブに籠って綺麗に撮影できない・・。

ちなみに、この数時間後ゼリーは綺麗に平らげられましたとさ。
5月2日 群がってくれるシリーズをもう1枚。

先週採集したハヤシクロヤマアリ。
こちらもゼリーはこの後食い尽くされた。
5月3日  昨日まで雨が降った。
今日は天気が持ち直した。
しかし、風がとても強く、気温が低い。
クロナガは風が強いと飛ばない。
今日は休みで、雨の後ということで期待したのに・・。 
5月4日 クロヤマアリは、今のところ肉餌を食べないという症状は出ていない。
小さなコオロギを食べてくれていて、乾燥にさえ気をつければ増えてくれそうだ。
今年、肉餌はコオロギにしている。
ミールワームは使い勝手が良い餌だったのだが、増え方の違いを見せられるとやはりコオロギだったのかな、と思ったりする。
餌の問題は未だにこれ!という物が見つからないが、少し答えらしきものは見つかったのかもしれない。 
5月5日 トフシアリだ。

4匹の女王は元気だ。卵も少しずつだが増えている。

女王腹部を大きくしてみた。

孵化も始まったようで小さな幼虫が数匹見つかった。
5月6日 枚岡を歩いた。

シロアリが1匹いた。その後、探したがこの1個体だけだった。

アメイロアリがいた。ボケてしまったので載せていないが有翅メスも数匹見かけた。
クロクサも1匹脱翅メスを見たのだが、これまたボケたので画像は割愛。

恐らくヨツボシオオアリのオスアリ。
ケブカツヤかと悩んだが、それほど毛深くなかったのでおそらくヨツボシだろう、と。1匹だけ見かけたがメスアリは見かけなかった。
このすぐ近くでクロオオアリのオスアリもいたが撮影し損ねてしまった。

山の上の方でムネアカオオアリを見かけた。もう、飛んでいたんですね。

ムネアカオオアリの働きアリが何かの肉を貪っていた。

ミカドオオアリ。一瞬、ヨツボシオオアリかケブカツヤオオアリのメスアリかと思ってびくっとしてしまう。

カマキリの幼虫。また会えた。

ヨツボシケシキスイ?

ムネアカオオアリの羽と思われる。
これの主は見つからなかった。

オオアリの飛行はこれからと思われるが先月のクロオオアリのこともあるので今年は読みにくい。
どれだけ残っているのかも良く分からない。
本格飛行はまだだとは思うけれど、ムネアカが今日飛んでいるとは思っていなかったので驚いた。
5月7日 アズマオオズ。

働きアリと蛹。
働きアリは羽化が始まっている。 
5月8日  先月に採集したクロオオアリだ。

卵はあるが、まだ孵化していない。
4月に飛んだ女王。どれくらいで働きアリが羽化するのだろうか。 
5月9日 昨年秋に採集したヒゲナガケアリと思われるケアリ。

卵塊。今年になって産卵されたものばかりだ。

そんな中に、小さな幼虫の姿が。
トビイロケアリに比べると成長が遅い気がするが、春先産卵故なのか種類が違うためなのか・・。 
5月10日 4月に採集したクロオオアリは、まだ孵化が見られない。
卵を食べているわけではなさそう。
ただ、孵化していないだけだと思う。
ここ数日、気温が低い状態が続いているので余計に孵化に時間がかかっているのかもしれない。
4月に採集したクロオオアリが、いつ働きアリ誕生にこぎつけるのかという好奇心で見ているのだが、この分だと5月採集のクロオオアリとそれほど時間的に差が無い状態で働きアリの羽化になるのだろうか。 
5月11日 クサアリモドキの大きなコオロギを食べてくれないのには頭を悩ませている。
小さなコオロギは巣内に運ぶのに、大きなものはダメ。
触角で触っているので餌と分からないことは無いはずなのだが、怖がっているのか食らいつかない。
大きなコオロギを食べてくれた方が給餌の手間も省けるし、良いのだけれど・・。
5月12日  関西集会の日。
今回は私とサマルスキーさんの2人で観察がてら山を歩いた。

ハヤシクロヤマアリが羽アリの幼虫を生産していた。サマルスキーさんが石をめくるとそこにハヤシクロヤマアリがいて、この光景が見られた。女王はいなかった。

アリヅカムシの1種。種名が分からない。こんなことなら、テレコン装着して写したら良かった。

ヨツボシケシキスイ?とケアリ。樹液が少しだがしみ出しているようだった。

アメイロアリが交尾していた。この光景は数回見られたが交尾したまま歩き回るので撮影は中々難しかった。

暗峠で枯れ枝を折ると、ケブカツヤオオアリのサテライトが出た。
このメスアリ、ご覧の通り羽化不全のようで羽がおかしい。
このコロニーにはこのために飛び立てなかったのではないかと思われた。

枝を折っていると、サマルスキーさんが声を出した。
枝を折っているとこれが出たという。容器越しで不鮮明だがケブカツヤオオアリの女王だ。これ単独でいたこと、腹部の膨れ具合から新女王だと思われた。先ほど紹介したサテライトの幼虫を導入してサマルスキーさんがお持ち帰りになった。

クロクサアリのメスアリが1匹いた。いつ見ても腹部が小さい。

ヨツボシオオアリは巣口に出ていたが飛び立たなかった。

アメイロアリ以外は飛ばなかったか・・と思っていたら、神社の灯篭に1匹クロオオアリのオスがいた。飛んではいたらしい。しかし、メスアリは見つからなかった。

写真を撮っていないがサマルスキーさんにはヤマヨツボシオオアリっぽいコロニーとムネボソをお持ち帰りいただいた。
正直、今日はオオアリ関係は熱いと思っていたが肩透かしを食った気分だ。
しかし、ケブカツヤオオアリ、アメイロアリのメスアリコロニー採集したものを幾つかサマルスキーさんに持ち帰ってもらったので良しとしよう・・と一人で納得したのだった。
5月13日 トフシアリの幼虫に寄ってみた。

比較対象として卵も一緒に写した。右側の褐色がかった物体は女王の腹部だ。
やっぱり、小さい・・。
5月14日 昨日雨が降ったので、夕方に枚岡に出かけた。
到着は7時前だった。
日没まで間がないので手早くポイントを廻って行く。
神社のコロニーは賑やかだった。
巣口に羽アリが数匹出て様子を見ているが、飛びそうになかった。
明日以降なのかもしれない。
ヨツボシも巣口に数匹羽アリがいたが飛ぶ雰囲気ではなかった。
羽アリの死骸もなく、飛んでいない雰囲気だった。
暫く歩いてみたが、何も見つからなかった。
ちょっと消化不良気味だった・・。 
5月15日 会社の帰りに枚岡。
昨日のことがあるので、熱いと思いつつもそれほど期待はしていなかった。
会社帰りなので、カメラは今日もなし。画像が無いことはお許し願いたい。
神社のコロニーは昨日より少し静かに思えた。入口の羽アリが少なかった。
飛んでいないのかなと思いつつ歩き始めた。
ところが、すぐにクロオオアリの有翅メスがいた。飛んでいるようだ。
そのすぐ近くで脱翅メスを1匹。
規模が分からないが飛んでいるようだ。
椋ヶ根橋を過ぎて公園事務所付近に。
ムシヒキアブに刺されたまま踏みつぶされたクロオオアリがいる。
この光景はかつて何度も画像にあげているが規模の大きな飛行の日によくみられる光景だ。
アツそうだ。
公園事務所付近。
まさかの出会いが。
先日、一緒に山を登ったサマルスキーさんだった!
ツイッターで今日、観察に来ていることは知っていたが会えると思っていなかったのでびっくり。
その後、2人で探索。
クロオオばかりだったが脱翅メスを10匹ちょっと拾えた。
粘ればもう少し拾えたと思うが、これ以上は・・と思ったことと、周囲が本格的に暗くなってきたので下山した。
ムシヒキアブがミカドオオアリとムネアカオオアリの有翅メスを1匹ずつ刺しているのを見た。・・・悔しい・・
結局、私はクロオオアリの有翅メス1匹と脱翅メスを1匹、もう1匹の脱翅メスはサマルスキーさんの好意に甘えた。
探索した時間は1時間ちょっとだったが、とても楽しかった。
恐らく、今日は山の多くのオオアリコロニーが飛んだと思われた。
ムネアカはもう少し見られそうだったが刺された個体以外は見かけなかった。
でも、自分的に飛行後のメスを多く観察するというミッションは達成できたので充実感はある。 
5月16日  昨日のように枚岡は考えた。
しかし、ほんのちょっと残業発生!
残業自体はすぐに終わったが時間がかなり厳しい。
アリの給餌の日とも当たっていてまぁ、良いかという想いに駆られて帰宅した。
帰宅途中、会社近くでクロオオアリを1匹採集した。
今年2匹目の新女王だ。
我が家にはクロオオアリが1コロニーしかいない。
4月分と今日採集したクロオオアリ、3コロニーいればうまく行けるのが残るだろう。
増えてほしい。 
5月17日 アズマオオズの女王。

女王の腹部も大きい。
詳細に写っていないが小型働きアリの幼虫、蛹は増えてきている。
少なくとも、去年のミールワームの時よりはずっと良さそう。
期待が出来そう。
5月18日 ふと思い立って、一部のコロニーに生肉を与えてみた。
ケブカツヤオオアリはあまり受けが良くなかった。
面白かったのは、大きなコオロギをあまり食べないクサアリモドキだ。
わらわらと集まって来るではないか。
コオロギメインだが、生肉は料理の余りを使うとかしたら、肉資源を余すことなく使えるのではないかと思った1日だった。 
5月19日 昨日のお肉の続き。
ケブカツヤオオアリは結局ほとんど食べなかったようで1日経過しても餌場に干からびた肉が放置されたままになっていた。
他のクサアリモドキやアメイロケ、ケアリは食べてくれたようで餌場から消えていた。
生肉は種によって好みに差があるようだが、買いに行く手間を考えると手軽なのでこれから少しレパートリーに入れても良いかもしれない。 
5月20日 4月に採集したクロオオアリはどうなったのだろうか。

幼虫が孵化している。
画面外にもう1匹いるが、孵化までこんなに時間、かかったかな・・?
まぁ、4月にクロオオアリが飛んだということ自体、私からしたら驚きなのだが・・。 
5月21日 ケアリだ。

何とオスアリが羽化した。

繭とオス。
オスアリはそれほど多くないが、初めて羽化している。
このコロニーは2011年に採集した女王から立ち上げたものだったので7年でオスが羽化したことになる。
ちなみに、メスアリの大きな繭はない。
5月22日 昨年秋に採集したヒゲナガケアリと思われるケアリ。繭が出来たのだ。

数個だが、繭まで育ててくれたことに感動。
秋採集のアリは冬を超える間に乾燥させたりして死なせることが多かったから・・。
5月23日 ケブカツヤオオアリの女王アリを写してみた。

チューブに籠っていることも多いのだが、この日は石膏巣の方に来てくれていたので撮影できた。
5月24日  先月、採集したクロオオアリの幼虫は成長してきた。

まだ、蛹になるまでもう少しかかりそうだが成長が見られるこの時期が一番面白いと思う。
5月25日  夕方、会社の側でクロオオアリの有翅メスアリを1匹見かけた。
この時期に飛んでいるのはそれほど驚くことではないと思うが、果たして交尾しているのかは微妙。
取りあえず、採集して様子を見ることにした。 
5月26日  トフシアリ。成長が遅い気がする。

幼虫はいるのだけれど、それ以降がゆっくり。
飼育に問題はないとは思うのだが・・。
5月27日 大阪城に、クロヤマアリとそれに寄生するハチの観察に出かけた。
到着後、すぐにパンに集まっているアリたちにまとわりつくようにホバリングしているハチを見つけた。

この日は2匹も来ていた。

クロヤマアリの腹部に乗ったところ。

拡大すると、腹部にオレンジの部分があるように見える。

飛んでいるのを撮影するのは難しい。

そして、今年も産卵の瞬間を撮ることができた。
ちなみに、上の個体とは時間も場所も別。フラッシュや設定のミスでおかしな色合いになってしまったのが残念。

クロヤマアリは飛んでいるようだ。
この死骸はすでに干からびていていつ飛んだのかは分からなかった。

ところで、上で取り上げた寄生バチだが、1匹採集した。
アルコールにつけるべきか、乾燥標本にすべきか・・
どうしたら良いでしょう?
5月28日 アメイロケアリの越冬幼虫は多くが繭になった。

一見、数は多そうだが実際はそれほどでもない。
越冬幼虫がそれほど多くなかったためだがこれらが羽化した後はどうなるのだろうか・・。
5月29日 今年、アリの肉餌としてヨーロッパイエコオロギとフタホシコオロギを使っている。
これは、単純に購入する店に置いてあるコオロギの違いでそれ以上のものは無い。
しかし、どうも食いつきが違うような気がする。
ヨーロッパイエコオロギの方が良く食べてくれる気がするのだ。
顕著なのはケアリだ。
ヨーロッパイエコオロギの方は餌場に放り込むとすぐに集まって翌日には腹部の内部を中心に食い尽くす。
ところが、フタホシコオロギの方は結構手付かず状態で放置されているのだ。
店によって管理の違いがあって、それによるものなのか、それとも別の理由なのか・・。良く分からないがこの微妙な食いのムラ・・悩ましいネタが増えた・・。 
5月30日 この前、職場近くで採集したクロオオアリだ。

卵。まだ採集して2週間ほどなので幼虫はいない。
5月31日  4月に採集したクロオオアリは繭が出来た。

やっぱり、採集するのが早いと繭になるのも早いのだろう。
6月に働きアリの羽化に持っていけそう。

戻る