2018年4月の観察日記
4月1日 | アズマオオズアリにしてみた。 前蛹や蛹がちらほら。 まだこの時期なのに、成長が早い。 卵も少しずつ増えている。 昨年のミールワームよりは明らかに状態が良さそう。 |
4月2日 | 季節外れの高温が続いている。 そんなわけで、クロナガアリの火を切った。 週末にはまた少し冷え込むらしいが、この状態だと暑くなりすぎるとしか思えないからだ。 この文章を書くと、毎年春が来たなぁと思ったりする。 |
4月3日 | ケアリも産卵が始まった。 卵が見られる。 女王の腹部は肥大化していないがこれもコオロギが合っているようだ。 コオロギは細かな粉末が出るのが気に食わないが、こっちかなぁ。 |
4月4日 | 卵だ。 白っぽい美しい卵。これを産んだのは・・。 ヒゲナガケアリと思われる昨年秋に採集したケアリ。 卵は今のところ2個。 他の人の飼育記録を見ると、ヒゲナガケアリは産卵数はそれほど多くないようだ。 果たして、これはどうなって行くんだろうか。 |
4月5日 | アメイロケアリの産卵は、まだ始まっていない。 そこで、昨年の記録を見返してみると4月14日に産卵を確認したと書いてあった。 まだ、1週間ほどある。 アリの女王は産卵しないなぁと思っていたらその後死ぬこともあるので、産卵開始までは気を抜けない。 現時点でアメイロアリ以外で産卵を確認できていないのは、クロオオアリとクサアリモドキである。 早く卵を見たい・・。 |
4月6日 | クロヤマアリの女王。 これは、大阪城の「小型」女王だ。 腹部は大きい。 産卵も見られる。 まだ、このコロニーではこれだけだが小さなコオロギは巣内に運び込んで齧っている様子が見られるので、まぁ順調かもしれない。 あとはこの卵が早く孵化してくれたら良い。 |
4月7日 | 猪名川にクロナガアリの下見に行こうと思っていたが、風が強く気温も低い。 どう考えても飛ぶような気象条件でもなく、枚岡散策も気温が低いので止めてしまった。 明日も、今日と同じくらいしか気温が上がらない模様。 今年は、クロナガ観察できるかな・・。 |
4月8日 | クサアリモドキの働きアリ。 ゼリーを舐めている。 産卵はまだ確認していない。 |
4月9日 | 何となく、アメイロケアリ。 産卵は、まだ。 画像では分かり辛いが腹部も大きくなっていない。 |
4月10日 | ケアリがコオロギに集まっているところ。 頭部の硬いところは残すが腹部の中身はすぐに食い尽くしてしまう。 |
4月11日 | クサアリモドキはお腹が少し膨らんできている。 しかし、アメイロケアリは腹部が膨らんでいないし、産卵も見られていない。 過去に、産卵時期が来ても産卵せず、そのまま死んだ女王アリを何匹も見てきた。 まさか・・とは思うが、まずは1個、最初の卵を見たい。 そうしたらこの心配が杞憂であると言えるのだけれど・・。 |
4月12日 | アズマオオズにした。 幼虫は成長している。卵塊も少しずつだが増えている。 女王。腹部が大きくなっているように思える。 働きアリの数が少ないためか産卵数は劇的に増えてはいない。 |
4月13日 | 今年のアリの肉餌はコオロギメインにしようとは何度か書いた気がする。 ミールワームは受けが良くなかった種が多かったように思えたからだ。 今のところ、食べてくれないという症状で私を悩ませてくれているクロヤマアリも食べてくれているので、当面はこれかなぁ。 コオロギは共食いしなければ、なお良いんだけどね・・。 |
4月14日 | 猪名川に出かけた。 何気に今年初フィールドだ。 歩き始めてすぐに見つけたのが、これ。 木曜日は雨の後晴れて気温もそれなりと言う「良い天気」だったのでそこで飛んだのかもしれない。あるいは昨日か・・。 メスアリはこの1匹だけが唯一のクロナガアリとの遭遇だった。 巣口は開いている。 この奥に一瞬だったがオスアリが横切ったので羽アリはまだ残っているようだ。 と言うより、死骸の少なさを見る限り、まだまだ残っていそうな気配すらした。 1時頃、クロナガアリのオスアリが1匹だけ葉っぱに止まっているのを見た。 しかし、気象条件を見るに(既にこの時間は曇って来ていて冷たい風が吹き始めていた)今日飛び立ったものなのかは微妙だった。 しばらく様子は見たが、上述の通り天気が悪くなるばかりでクロナガアリは諦めて少し枝を折ってみた。 コヌカアリとシベリアカタアリのコロニーが出た。 2種とも女王がいたので持ち帰ることにした。 コヌカアリとシベリアカタアリはまた後日落ち着いてから画像を載せたい。 |
4月15日 | ヤマヨツボシオオアリの女王が産卵しているところに遭遇した。 こういう瞬間は飼育していないと観察できない。 使い古された言葉かもしれないが、生命の神秘を感じる。 |
4月16日 | アメイロケアリで、待望の卵を数個確認できた。 まだ数個で女王の腹部はそれほど肥大化していない。 それでも、産卵してくれたということが何よりの励みになりそうだ。 |
4月17日 | クサアリモドキがコオロギを巣内に運び込んだ。 大きなコオロギは何故か餌場に放置だったのだがこのサイズのは運び込んでくれた。 とにかく、食べてくれないと始まらない。 |
4月18日 | 長野で採集したハヤシクロヤマアリ。 1匹だけ大きな幼虫がいた。 こんな育った幼虫を見るのは嬉しい。大きな幼虫は今のところ、この1匹だけ。 卵がこれだけある。巣内の石膏に黒カビのような模様があるがアリが増えてきたら大丈夫と見ている。 |
4月19日 | 今日、クロオオアリで数個だけだが産卵を確認できた。 卵自体はすぐに物陰に隠されて見えなくなってしまったが産卵開始は嬉しい知らせだ。 今のところ、コオロギの食いも良いので今年こそ増やしたい・・。 |
4月20日 | 夕方、職場近くで動くものを見つけた。 クロオオアリではないか! 有翅メス、しかも周囲にはほかに羽アリが全く見当たらなかったのでフライング個体の可能性もある。 しかし、4月の20日と言う今までにない早い時期にクロオオアリを見たことにびっくりした。 |
4月21日 | 関西集会当日だ。 改札口に来たのは私、kuroyagiさん、サマルスキーさんの3人だった。 河川敷に上がってみた。 全く飛んでいない。 しかし、掘った痕のようなものを見つけてシャベルで掘ってみたら女王が2匹いた。 思いっきりヒットしてしまっていたが飛んだものが潜っているのは確認できた。 そうして歩いていると、まさに掘っている途中のクロナガアリを発見。 分かり辛いが、クロナガアリが掘った巣穴。 クロナガアリが潜った痕。比較対象のための1円玉を置くのを忘れてしまった。 この後、クロナガアリは飛ばなかったので枝折をした。 シベリアカタアリコロニーを2つ出して、1つはサマルスキーさんに、もう1つは私が持ち帰った。 クロナガアリの飛行は無かったが、新女王をサマルスキーさんにお持ち帰りして貰って、kuroyagiさんは野蒜を、私はシベリアカタアリを持ち帰ってそれぞれが何がしかのお土産を持ち帰った会だった。 |
4月22日 | 天気的にクロナガが飛ばないと思い、枚岡にした。 働きアリとオスアリ。風を見ているようだ。 新女王アリも時折顔を覗かせる。 アシナガアリがコガネムシの死骸に集まっていた。 ヨツボシオオアリも風を見ている様子。働きアリが巣口に数匹いて、羽アリが時折顔を出す程度だった。 ケアリの「戦争」に遭遇した。 上の画像を拡大。 何が原因だったのだろうか。 エサキモンキツノカメムシ。初夏のこの時期によく見かける。 ナナフシの幼虫。これもこの時期に見かける。 ウメマツオオアリ?胸部が大きいので女王アリだ。 初夏の時期にたまに単独でうろつくウメマツオオアリやアシナガアリの女王アリを見ることがあるが、一体どういうことなんだろうか。 シロアリやアメイロアリはいるかもしれないと思ったが、全くいなかった。 暑くなったと言ってもまだ4月だし、少し早かったのかもしれない。 |
4月23日 | 金曜日に採集したクロオオアリ。 羽を落とさない。 産卵も見られない。 やはり、フライング個体だったのだろうか。 当面は様子見だが、日にちが経つほど未交尾の可能性は高くなる。 4月に採集したものが産卵したとなれば私の中では史上最速なので期待しているのだが・・。 |
4月24日 | ハヤシクロヤマアリで繭ができ始めた。 今のところ、小さなコオロギを巣内に持ち込んで食べてくれているし、卵幼虫も数は多くないがそれなりにいるので順調ではないかと思う。 そんな幼虫たち。体内に色が入っているし、良い感じだ。 |
4月25日 | 金曜日、採集したクロオオアリ。 どうなったのだろうか。 こ、これは・・ 何と、羽を落としたではないか!しかも! 卵!3個ある。 フライングの未交尾個体だと思っていただけに、この展開は嬉しい。 4月20日の飛行ですか・・早すぎると思うのだが、如何だろう。 |
4月26日 | シベリアカタアリ。 今のところ、昆虫ゼリーに壮大に集って、コオロギも完食とは言わないが食べてくれている。 今のところは問題ないが、どうなって行くのだろうか。 美しい種なので増やしたいが、飼育に癖のある種だという印象がある。 増えてほしいなぁ。 |
4月27日 | ウメマツオオアリの女王アリを写してみた。 大型の働きアリと見間違えそうになることもあるが、発達した胸部が目印だ。 |
4月28日 | 猪名川に出かけた。 クロナガアリが掘ったような土盛り。 この、土盛りを掘ってみるとクロナガは出なかったがトフシアリ?が2匹だけいた。 これ、何の種類だろう。 ここで、サマルスキーさんがやって来た。そこで、2人でクロナガの発掘作業をしていくことになった。 クロナガの穴その1。 クロナガの穴その2。 1と2の穴からはクロナガアリが1匹ずつ出た。 ちなみに、1円玉は土盛りの大きさの比較対象のために置いてある。 クロナガは飛びそうになかった。 そこで、サマルスキーさんと枝折りした。 私もサマルスキーさんも、サテライトしか出せなかったがこれが一番驚いた。 河原の枯れ枝を折った時だ。 ここで、ヨツボシオオアリを見るとは思わなかったので非常にびっくり。 しかし、女王は見つからなかった。 サマルスキーさんと対岸を歩いてみたが、こちらはクロナガがいる雰囲気ではなかった。 次の雨の後かなぁと言いながら別れたのだった。 |
4月29日 | 数年の恒例行事になっている信貴山〜生駒を歩いた。 ツマキチョウがタンポポに来ていた。 オオスズメバチ。生駒山系ではこの時期飛んでいるのを見かける。 ???ハヤシクロヤマアリの女王だ。 近くにはハヤシクロヤマアリが歩いている。はぐれたのだろうか。 アシナガアリが芋虫を運んでいた。 山の上でイタドリの枯れ枝を折ると、ミカドのサテライトが出た。 数本、折ったがサテライトばかりだった。 雌雄の羽アリがいるのでまだ本格飛行には至っていない模様だ。 恐らくオオカマキリの幼虫。もう、孵化しているみたい。 綺麗なコガネムシ。 イチゴの花とカミキリモドキ。今年は暑くなるのが早いためか、イチゴの花が盛りを過ぎていた。 サシガメが花の蜜を吸っているようだった。 撮影と両立しなかったので撮影していないがハヤシクロヤマアリの女王2のコロニーとケブカツヤオオアリのコロニーを出した。 ケブカツヤは女王が「ぼろっ」と出た瞬間、思わず声が出そうになった。 帰宅後、容器に入れ替えたが巣部屋と餌場をつなぐチューブに籠った・・ |
4月30日 | アズマオオズの女王の顔を写してみた。 縦の皺が見える。 コオロギを気に入ってくれていて良く食べてくれる。 |