2017年10月の観察日記

10月1日 ハリブトシリアゲアリは働きアリが少しずつ増えてきている。

働きアリ、現在3匹。
色のついた蛹も数個見られるので年内にもう少し増えそう。
湿らせたティッシュの上で子育てしている。
10月2日 夏の長野でハヤシクロヤマアリと思われる女王2匹が石の下にいたので採集していた。
それが、今どうなったのかと言うと以下のようになった。

育った幼虫。小さな幼虫もいるが、卵はない。

働きアリと幼虫、蛹。
ご覧のように、幼虫と蛹がそこそこの数見られる。

女王。2匹のうちの1匹。
このコロニー、働きアリが羽化するまで採集したフィルムケースに入れたままほぼ放置していた。たまに中のティッシュに給水しただけ。
長野の高原産と言うことで大阪の夏に耐えられるか気を遣ったが恒温機に入れたのが良かったのか問題ない。
と言うより、大阪産のクロヤマの方が増えてくれない方の理由が分からない・・。
10月3日 多くのアリたちで幼虫の成長の鈍化がみられるようになった。
今年、ハニーワームを数回購入したがハニーワームを食い尽くせるほど勢いのあるコロニーが少なく、結局持て余し気味になってしまった。
今年は省力化と言う観点からミールワームメインにしてみたが、正直ミールワームが素晴らしいというほどの結果は出ていない。
少なくともクロヤマアリには受けが良くない。
省力化と肉餌のローテーション。
今年もこの悩みから脱出は出来なかった。
と言うより、種類ごとに合った餌があるのだろう。
だから一括りにするということに問題があるのかもしれない・・。 
10月4日 昨日に引き続き、アリの餌の話。
肉餌については今年はフライトレスのショウジョウバエを与えてみたりもした。
しかし、今一つだった。
クロヤマアリには蚊とハエはある意味鉄板の餌だと思っていたので、意外と言うか面食らったというか・・。
クロヤマアリに至っては蚊すらあまり食べてくれず、繭を導入してもあまり世話しないようで繭が干からびたようになっていくのは残念至極だった。
分かりやすく、ミールワームで維持できればこんなことに悩まなかったんだけどね・・。 
10月5日  ずっと前から思っていたことがある。
トビシワやアシナガはクロヤマやクロオオに比べて気温の低い時期でも幼虫が育つのではないだろうか、ということだ。
それが、単純にアシナガやトビシワは「そういうもの」なのか、或いはフタフシ系のアリはそうなのかは分からない。
飼育していて、冬場の低温に比較的強いかな?と思ったのだ(クロナガは加温しないと幼虫が育たないような気はするが)。
どうなんでしょうね? 
10月6日  アメイロアリは今年2匹新女王を採集して飼育したがどうもそのうちの1コロニーの女王が死んだようなのだ。
「死んだよう」という微妙な表現をしているのは死亡した確証を得ていないからなのだが、女王が死んだ後のコロニー独特の「働きアリが働かない」とでも言おうか、何かおかしいのだ。
実際、卵や幼虫は殆どなくなっている。
死亡しているのを確認するのは少し辛い。
「はぁ・・」と思うから。
でも、確認しなきゃね・・。 
10月7日  冬の管理のことを考えている。
加温するのはクロナガくらいで他は普通に越冬させようと思う。
朝夕は冷え込みが出てきた。
まだアリたちは活動しているが、それももう1か月ほどで店じまいしてしまう種も出てくるだろう。
また給餌や給水に気を回す時期になってきたなぁ。 
10月8日 正直、朝の時点ではあまり出かける気はなかった。
ただ、天気があまりに良いのであまり期待をせずに枚岡に出かけた。

思わず、「うぉっ」と変な声が出そうになった。
トゲアリではないか!いつ飛んでるんだろう?ひょっとして、今日はアツい?と思った。

トゲアリの羽って結構独特の色してますね。

何かのオスがいたのだが、何の種類かが分からない。
2ミリか3ミリほど。

ハラビロカマキリと目が合った。今日はこの個体以外にもハラビロをよく見た。

クロスズメバチ。秋に見かけるがそれ以外の季節には全く見かけない。

身づくろいしているトゲアリ。今日はトゲアリが多く見つかった。

アシナガバチが日向ぼっこしていた。

撮影時に驚かせてしまったのかこのトゲアリは独特の腹曲げ行動を見せてくれた。

今日、トフシアリが飛んでいるっぽいことは駅を降りてすぐにメスアリが1匹飛んでいたことから確認していたが、昼頃からメスアリが続々と見つかった。

トフシのオス。初めて見た。メスアリと大きさはほぼ同じだった。

このトフシアリはクロヤマアリに捕まってしまった。

トビシワに捕まったトフシアリ。比較対象があると、トフシの女王の大きさがお分かりいただけると思う。

トフシアリの脱翅メスにこれだけ遭遇できたのは初めて。
また、トゲアリのメスアリも多く見られた。
今までは1日に多くても5匹も見つからなかったのだが、今日はそれ以上遭遇できた。
トゲアリ、どこにコロニーがあるのかは知らないが結構多いのだろうか。
オスアリは全く見かけなかった。死骸でも見つかるかと思ったのだが・・。
10月9日 朝、何かが飛んでいた。
昨日のトフシアリのこともあって、それを捕まえてみた。

何と、これだった。
サクラアリ。有翅メス2匹と脱翅メス2匹を捕まえた。
サクラアリはもう少し秋が深まってからだと思っていたので意外だ。
お昼にその辺りを歩いてみたが何もいなかった。
昨日のトフシアリもそうだが、日が高くなって環境が乾燥気味になってきたら姿が見えなくなる。乾燥を避けて日陰に入る傾向があるように思えた。 
10月10日 職場近くでサクラアリのメスが1匹だけだが飛んでいるのを見かけた。
サクラアリはもっと遅いと思い込んでいたのに、この時期がアツいのだろうか。
サクラアリの飼育記録は少ない。
恐らく働きアリの羽化は来年だと思うが様子を見ていきたい。 
10月11日  今日も、サクラアリの脱翅メスを1匹拾えた。
今までずっと探していたのに、これはどういうことだろうか。
アリを追いかけているとたまにこういうことがある。
ずっと探していた種がある時驚くほど採れるのだ。
今までの経験では、こういうことは長く続かずすぐにまた「幻の種」になってしまう。
こういう種は拾える時に拾っておきたいと考えてしまう・・。 
10月12日 夏に採集したアシナガアリ。

もうすぐ冬になるが、良い感じで増えてきている。女王もかわいいが、働きアリも好き。 
10月13日  先日、トゲアリを撮影した。
それは、結局採集していなかった。
採集しても飼育できる自信がないこと、ホストに足りうるクロオオ、ムネアカの働きアリを擁するコロニーの準備ができないことが理由だ。
トゲアリの飼育は難しいことは以前飼育したときに薄々ではあるが感じた。
そのために手持ちのクロオオ、ムネアカを犠牲にする気になれなかったのだ。
アメイロケやクサアリモドキくらいの手応えなら・・とは思うけど、手が出せなかった。
この時期のアリにしては大型で見つけただけでテンションが上がる種なのだが・・無念。 
10月14日  日曜日に採集したトフシアリは落ち着いている。

産卵は、まだ見られない。こりゃ、来年かな・・。 
10月15日 今年、運よくサクラアリとトフシアリの新女王を採集できた。
そこで、ネットの飼育記録を探してみた。
意外と飼育されていないっぽい感じだ。
小さいからだろうか。
年内に働きアリが羽化するのか、幼虫で越冬するのかそれとも来年に産卵開始するのかと言ったことも調べた範囲では分からなかった。
どうなんだろう? 
10月16日 急に涼しい、というか肌寒くなった。
餌場にはまだアリたちが見られるが、もうすぐ部屋に暖房を入れないとそういう姿が見られない時期がやって来る。
まだ蜜餌系は集まってくれるが、今年もシーズンエンドが近いと思うと少し寂しい気もする。 
10月30日 サクラアリもトフシアリも産卵しないまま寒い時期に入ろうとしている。
幼虫が数匹孵化して冬に入ると思っていたが、意外だ。
サクラにトフシ。
冬の間に乾燥させないように気を遣う時期に入ってしまった。 

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