2017年3月の観察日記

3月1日 今日から3月だ。
記録によれば、もう2週間ほどすればクロヤマアリが産卵を始めるはずだ。
クロヤマアリは、今はタッパーで飼育しているが、石膏容器に引っ越しさせてやろうと思っている。
産卵開始後に引っ越しさせて余計なストレスはかけたくない。
クロヤマアリは、働きアリの数がそれほど多くないので当面はミールワームにしようかと考えている。
3月2日 最近、クロナガアリを登場させていない。
石膏の下の色が茶色のコロニーだ。
壊滅していない。
ただ、撮影のために表に出そうとすると、大きくなりすぎているのでチューブの接続が外れそうになったりして動かすのが困難になってしまっていて撮影ができない状態になっているのだ。
そんなわけで文章にて報告したい。
羽アリは今も生存している。
オスもメスも翅自体、すり切れた感じになっているが殺されるような気配もなく動き回っている。
オスもまだ生きている。
どれくらい、生きることができるのだろう。特にオスアリは・・・。 
3月3日 真冬の頃よりは空気に温かみが感じられるが、まだアリたちに動きは少ない。
普段は餌場に出てくるアリたちもまばら。
私自身は、今年に入ってからまだ野外でアリを見ていない。
でも、もう1か月もしたらそこかしこでせかせかと動くクロヤマアリやトビシワは見ることができるだろう。
早く、それを見てみたい。 
3月4日 クロヤマアリの巣部屋はある。
あとは、餌場につなぐだけと言う段階で作業が止まっている。
所用が入ったりして餌場の箱に穴あけしてつなぐだけと言う時間が微妙に取れない。
これさえ開ければ、クロヤマアリを巣部屋に移して解放餌場を設置して作業終了なのだが・・。明日にはこれくらいはやってしまいたい。
チクシトゲアリも餌場を大型化して給餌の手間を減らしたい。
2つとも、巣部屋はあるのに、チューブをつなぐことと餌場容器の側面に穴をあけるという単純作業が出来ていない。
・・・いい加減にやらなきゃ、シーズンが開幕しちゃうよ・・。 
3月5日 暖かい日。
アメイロケアリのコロニーに蜜を与えると、ホストのケアリの働きアリが沢山出てきた。

4匹ほど、メイプル液に落ちてしまっていた。
これ、今日2杯目。
でも、この様子だと今日中になくなってしまうと思う。
シーズン開幕が間近であることをを感じさせられた。 
3月6日 樹上性種と地中に住む種では、足の構造が異なるのだろうか。
昨日、チクシトゲアリも餌場を大きなタッパーにした。
上部を開放してパウダーを塗って完璧にした・・はずだった。
しかし、しばらくしたら部屋を歩くチクシトゲアリを発見!
すぐ回収したがパウダーを塗って数時間でこれ。
ずっと前にイトウオオアリでも脱走が頻発したことがあったのだが・・
少なくとも、アシナガアリやクシケアリにはパウダーは効果が薄いように思うのだが(頻繁に塗り直ししなくてはならない)、どう思われるだろうか・・。 
3月7日 クロヤマアリの働きアリが1匹死んだ。
クロヤマアリは、働きアリが10匹ほどしかいない零細コロニーなので例え1匹でも脱落は痛い。
もうすぐ産卵が始まるだろう。
今年こそは・・と思うが、何が悪くて増えないのかが良く分からない。
以前にも書いたが、ここを始めた当初(2000年頃)はうまく増やせていたのに、何がおかしくなったのだろうか。 
3月8日 寒い日だ。
春めいてきたとはいえ、まだこういう日もある。
こういう日はアリたちも真冬モードで外にあまり出てこない。
野外でも恐らくそうなのだろう。
もう1か月後にはこんな動きがない状態も殆どなくなると思うが・・。
3月9日 冬の間、肉餌は殆ど与えていなかった。
蜜と水分が大半だった。
しかし、それもそろそろ終わり。
肉餌を何にしようか今も考え中だが、暫くは安価で手に入りやすいミールワームで行ってみようかと思っている。
ミールワームの消費具合、ごみの出方を見てコオロギ、ハニーワームも考えていきたい。 
3月10日 数日、強めの寒の戻りがあってアリたちの動きも少ない。
野外では、クロヤマアリを観察したという話も聞くようになったが、私自身普段昼間は外に出ることが少ないのでまだその姿を確認していないのだ。
この数日の寒さを体験していると、来月にクロナガアリの飛行があるとか信じられない(観察するようになって1回だけ5月に飛んだことがあったけど)。
・・・と、自分で書いてみて自分で驚いたりした。
2007年は3月末に飛んだという話すらあったほどだ。
今年は、いつ飛ぶんだろう?飛行に遭遇できるかな? 
3月11日 クロヤマアリの引っ越しを行った。
新しい巣部屋、新しい餌場。
今のところ、引っ越しに伴う不調は見当たらない。
後は産卵開始を待つだけだ。
過去の記録を見ると、早ければ来週には産卵開始の報告が書けるかもしれない。
忙しい日々が再び戻ってくる。 
3月12日 チクシトゲアリの餌場を大きくしたことは6日に書いた。
給餌の手間は大分省けたと思うが一つ困ったことがある。
スペースだ。
3コロニーいるが、1コロニーがどうしても入りきらずに恒温機から出さざるを得なくなった。
夏はまた氷枕だろう。
上手く乗り切ってくれたら、ケアリのように暑さの影響が少ないということが分かれば今後の飼育の省スペース化の目安になるんだけど、どうなるか・・。 
3月13日  気温が上がってきているので、昨日久々にミールワームを与えた。
クサアリモドキとアメイロケアリはわらわらと集まってきて食べているのを確認できた。
まだ、どの種類でも産卵は開始していないので肉餌よりも蜜餌の方が受けが良いように思える。
しかし、産卵が始まれば(特に春先は) 猛烈な肉餌の需要が発生する。
どれだけの量を消費してくれるのだろう。
3月14日 恐らく、今我が家で一番勢いがあるのはアメイロケアリのコロニーだ。
アメイロケアリ用に導入したケアリの繭の数がかなり多かったので、ケアリの働きアリの数が多くそれで勢いがあるのだ。
クサアリモドキは昨年たんぱく質を抑えて増えにくくしたのでべらぼうな増え方はしていない。
そのためかコロニーの勢い的にはアメイロケアリに少し劣っているように思う。
普通のケアリもそうだけど、ケアリ系は増え方がすごいと思う。
アリ飼育の醍醐味を味わいたいならばケアリ系をお薦めしたいと思う。
オオアリやヤマアリに比べるとちょっと小型だけど。 
3月15日 寒の戻りが来ている。
アリたちも、また動きが少なくなってしまった。
お彼岸の辺りから気温が上がってくるという予報になっているので、その辺りになれば活動が見られるようになると思う。
来月の中旬にもなれば今のように退屈せずに済むはずなので、それが待ち遠しい・・。 
3月16日 昨年の記録を見ると、クロヤマアリが産卵を開始したのは3月12日だった。
今年は今のところ産卵を確認していない。
ここ数日、寒いので遅れているのだろうか。
女王の腹部は大きくなっているのでいつ産卵開始されてもおかしくないので、容器越しにアリの様子を眺める日々が続くだろう。
早く産卵開始してくれないかなぁ‥。 
3月17日 数年前、枚岡で石をめくるとハヤシクロヤマアリのコロニーがあって、そこに女王がいて飼育したことがあった。
もうすぐ、そういう「石めくり」 「植木鉢」ができる時期だ。
私の近所では、それでクロヤマアリの女王が見つかる時期は短く3月下旬から4月中旬ころまでと思っている。
それ以降になると、暑すぎるのか女王が入らなくなっていたのだ(働きアリと卵はたくさん見つかるが)。
単に経験数が少ない故に短い時期にしか女王が入らないと思っている可能性はあるが、脳内ではクロヤマアリ、ハヤシクロヤマアリの女王を見つけられる「旬」は短いと思っている。
今年も猪名川と相談しながらその時期に一度は枚岡を歩いてハヤシクロヤマアリに挑戦したいと思ってるが、どうなるかはまだ未定である・・。
3月18日 産卵開始が近いと思われ、最近頻繁に話題にしているクロヤマアリである。

女王アリ。腹部は大きくなっているが、まだ産卵してくれない。

拡大してみた。
早く産卵開始して欲しいなぁ。 
3月19日 冬の間、蜜餌中心だったのだが少しずつミールワームの欠片を与え始めた。
まだ幼虫の成長は始まっておらず、どちらかと言うと蜜餌の方が受けが良いように思えるがお肉も与えなきゃ・・と思ったのだ。
産卵しても食べられちゃ意味がないしね。
3月20日 ケアリ。

変わらない日常。
真冬の頃は塊になっていることが多かったが、最近暖かくなってきたので塊がほぐれて動き出した。
3月21日 アメイロケアリだ。

働きアリと幼虫。沢山の幼虫がいる。

働きアリの顔をアップにした。
アメイロケアリの数はまだそれほど多くないが、今年は増えると思う。
3月22日 今日も黄色いアリ。
今日はキイロシリアゲアリにした。

働きアリ。お腹は大きい。栄養状態は良さそうだ。

幼虫の世話をしている働きアリを拡大した。
幼虫も艶々だ。
3月23日 腹部は大きいがまだ産卵してくれないクロヤマアリ。

クロヤマアリはケアリやオオアリのように「ボンレス」にはならないようだ。
気温が低いせいか働きアリもあまり餌場に出てきていない。 
3月24日 クロヤマアリの働きアリが何かを咥えている。

卵だ!
今は1つだけだが、1つでも産卵が確認できたということはこれから卵が増えて行ってくれるだろう。
さて、ここからだ。
いかにして増やすか・・
クロヤマアリは、この一言に尽きる。 
3月25日 チクシトゲアリ。

まだ、産卵は始まっていないし、幼虫の成長も見られない。
こちらは本格的な活動開始までまだもう少しと言う印象だ。 
3月26日 アメイロケアリは寒さが和らいで幼虫を取り囲んでいたアリがまばらになって幼虫が見えるようになってきた。

黒いアリと黄色アリが同居しているのはいつ見ても不思議な光景だ。

アメイロケアリは数が少ないためか、餌集めは専らケアリの仕事になっている。

蜜を舐めているホストのケアリ。
女王は最近確認していない。
塊がほぐれていないためなのだが元気だと思う。
3月27日 クサアリモドキの幼虫を撮影した。

小さな幼虫がメインだが、左の方に数匹少し大きめの幼虫も見られる。
肉餌も少しだが消費量が増えてきた。
3月28日 クロヤマアリの卵が消えた。
女王の腹部は大きい。どこかに行ったのか、食べられてしまったのか。
また、働きアリの1匹が触角の形がおかしくなっている者がいる。
くしゃくしゃにはなっていないが、体を横たえている。
何だろうか、気持ちが悪い。 
3月29日 ・・・と、昨日書いたのだが確認したらちゃんと1つだけだが卵があった。
食べられた後、産卵したのか単純に見落としていたのか・・。
とにかく、胸をなでおろした。
そして、動きのおかしかった働きアリは死んでいた。
働きアリの数が少ないので、正直痛い。
でも、産卵の時期に入ったので大量死しなければ挽回できるかな・・と思っている。
昔は普通に増やせていたクロヤマアリ。
なぜここ数年増やせなくなったのだろうか・・。 
3月30日 クロヤマアリ、卵2つ。
卵が2つだと、ぱっと見たところ1つにしか見えないが虫眼鏡で拡大すると2つあると確認できた。
少しずつだが順調に増えてきそうな気配。
良い感じになってきた。 
3月31日 クロヤマアリ、卵は2個のまま現状維持。
まだ、シーズンは始まったばかりだから心配はなさそうだが女王の突然死なんかも普通に来るからなぁ・・。
安定コロニーまでの道は遠そうだ。 

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