4月1日 | 昨年の記録によるとクサアリモドキの産卵開始は4月20日ごろとあった。 と言うことは、まだもう少し餌の食べ方が大人しいという予想が出来る。 先日、3部屋を増設したがこれ、どれくらいの期間耐えられるだろうか。 |
4月2日 | 少し気温が低い気もしたが池田市のクロナガアリの生息地を訪れた。 昨日、雨が降って今日は気温が少し高いのだ。 少し「むわっ」と言う感じが無かったが、こういうものは勝負しないと分からないので猪名川河川敷に出かけた。 葉の上のキリギリスの幼虫。今日、唯一の成果。 アリの結果から言うと、超大惨敗だった。 クロナガアリの巣口は殆ど空いておらず、働きアリも殆ど見かけない。目につくのはクロヤマアリとトビシワばかり。 飛行前の喧騒で土や周囲の草が黒くなると言う現象も皆無だった。 その上、正午辺りから雲が出てきて、冷たい風が吹くようになった。 これは、望み薄と判断し、早々に退散。 昨日のお湿り程度の雨では駄目なのだろうか。 気温は若干低いものの飛べない温度ではなく、風も午前は落ち着いている時間が多かったのに・・。 ま、まぁ、今月はまだ始まったばかりである。 月末には観察会も予定している。 観察会の日に飛んでくれたら(2013年の時のように)・・・。 という望みを持っているが相手は自然のもの、予想は出来ない。 |
4月3日 | クロオオアリのコロニーでは産卵が始まった。 今年2年目でまだ働きアリの数は多くないが、餌の食いも上々で今年は増えてくれそうな気がする。 女王の突然死さえなければ面白くなりそうな気がする。 |
4月4日 | クサアリモドキの幼虫も成長を再開している。 ハニーワームを与えているが、体が柔らかいのでコオロギのように食べ残しもなく、非常に優良な餌だと思う。通販を利用すると高くつくので何とかまた養殖してコストを抑えたい・・・。 |
4月5日 | 先日、ヤマヨツボシオオアリの女王を取り上げた。 その女王の腹部がここ数日肥大化してきた。 いつ見ても、このお腹、良いですね。 産卵はまだ開始していない。 |
4月6日 | 昨日、ヤマヨツボシオオアリの事を書いたが、今日見てみると産卵しているのを確認できた。 女王の腹部は昨日より更に膨らんでいるが、今日は撮影できないチューブのつなぎ目に隠れてしまったのでまた後日と言う事で・・。 |
4月7日 | ケアリでも産卵を確認した。 まだ、これだけだが日に日に増えて行くだろう。 それとは別に、チクシトゲアリでも今日卵を確認した。 クサアリモドキとキイロシリアゲアリではまだ産卵を確認していないが、これも時間の問題だと思われる。 |
4月8日 | 今年、アリの肉餌からコオロギを外している。 コオロギは安価で使い勝手も良いのだが細かなカスが出てしまいコナダニの温床になっていることは否定できなかった。 その点、ハニーワームは体が柔らかくカスが殆ど出ない。 コオロギのように跳ばないので捕獲するのも楽だ。 割高なのが玉にきずなのだが良い餌だと思っている。 |
4月9日 | 一昨日、雨が降った。 昨日は晴れたが気温はそれほど高くなかった。 今日は気温が少し上がったが蒸し暑いほどではなかったので、参考程度の認識で猪名川河川敷に出かけた。 到着は午後1時半頃だった。 空を見ても飛んでいる羽アリは見つからなかった。 まぁ、気温もそれほどではないし・・と思って歩いていると・・。 こんな光景に遭遇した。 オスアリ。 メスアリ。 オスアリ2匹。 一種の狂乱状態と言えるのかもしれないほどです・・。 壮観・・。 この1コロニーでこんな感じなので、他にもこういう光景が見られるだろうと思い、一旦この場を離れた。 暫くしてここに戻ってくると・・。 こんな変わり果てた姿が・・。 おおぅ・・。 この「犯人」は珍しく特定できた。 「犯人」はスズメだったのだ。 私がこの場所に戻って来た時、4羽の雀がついばむような仕草を見せていた。 私が近づいたので飛び去ったが、その直後のこの死骸。 それにしても、鳥たちは何処からこういうものを見つけるのだろうか。 上のものから少し離れた場所で羽を落としたメスアリを2匹見つけた。 新女王アリが掘った穴から顔をのぞかせている。 この女王アリは今日飛んだのか昨日飛んだのか・・。 この個体は今日飛行したようで右翅は全て落としていたが左翅は残っていた。羽をひっかいて落とそうとしている仕草をしていた。 こういう穴は恐らくクロナガアリが穴を掘った痕だと思って掘ってみたが何も出て来なかった。 思っていたよりさらに深く掘っていたのだろうか・・。 夕方4時頃までオスアリが飛んでいるのを見たが、「アリ柱」は全く無かった。 飛行しているコロニーも1つ見つけただけだった。 穴を掘った痕の状況を見ると、どうも昨日規模が不明だが飛んだようだ。 ただ、本格飛行では無かったと思われる。 もし、本格飛行であったなら上のような掘った痕ももっと見つかるし、穴を掘る前の放浪している新女王アリも沢山見つかるからだ。 何匹もの働きアリが巣口で外の様子を窺うコロニー、巣口から砂を盛んに運び出すコロニーもあったので恐らく序盤戦程度の飛行だったのではないかと思う。 ただ、正直昨日飛んだとしたらあのような気温で飛ぶことに驚くしかない。 もっと気温が必要だと思ったのだ・・。 |
4月10日 | 今日も猪名川に観察に出かけた。 しかし、到着してすぐに冷たい風が吹き始めてとても飛行日和とは言えない天気。 当然のごとく、賑やかな巣口は皆無だった。 そこで、また潜った痕を見てみると、昨日思ったよりも多くの痕があった。 ためしに幾つか掘ってみたが女王1匹が出てきただけだった。 どうも思っているより深く掘っているのではないかと言う印象を持った。 総体として羽アリが後どれだけ巣に残っているんだろうかと不安になりながら猪名川を後にしたのだった・・。 |
4月11日 | 昨日の夜、クサアリモドキのコロニーを見ていると数個の卵を働きアリが咥えていた。 今日、卵の撮影をしようとしたがどこに隠したのか見つからない。 見つからないと言うことは、まだそれほど多く産卵していないと言うことなのだろう。 まぁ、産卵を確認できたので取りあえず一安心。 |
4月12日 | クロナガアリで昨年にメスの羽アリが誕生したのだが、今年もメスの羽アリになる幼虫が複数見られる。 働きアリと比較するとやはり大きい。 この幼虫は働きアリになる幼虫より手厚く世話されているようで、纏わりつく働きアリの数も多い。 |
4月13日 | キイロシリアゲアリでも産卵を確認した。 これで、我が家のアリたちは全て産卵を開始したことになる。 |
4月14日 | ケアリコロニーではもう繭が見られるようになった。 まだ、数個と数は少ないが桜が散ってまだ間なしの時期だと言うのに、早い・・。 |
4月15日 | クサアリモドキ。 幼虫の色艶も良く状態は良いと思う。 今年はハニーワームを与えている。 |
4月16日 | 猪名川河川敷に出かけた。 しかし、全く、何も無かった。 クロナガアリの巣口は幾つか見てみたが巣穴は開いてはいるが全く働きアリが出入りしていない。 恐らく4月8日に飛んだとは思うのだが、大部分が飛んだとは私には思えない。 それでもこの状況を見ると、「たまたま」今日がそう言う日だったのか、あるいはかなり飛んでしまった故の閑散具合なのか、正直良く分からなくなってきた・・。 |
4月17日 | ケアリは順調に産卵している。 このような大きさの卵塊が4つ確認できた。 |
4月18日 | 2週間ほど前、ヤマヨツボシオオアリを取り上げた。その後、どうなったかと言うと・・。 こんな風になっている。 腹部は大きいものの、産卵数はそれほど増えているわけではなく、微増と言う感じ。 ハニーワームを食べてくれていて、今の所おかしな兆候もなく順調そうである。 数年増えないと悩んでいたが今年は増えるかな・・? |
4月19日 | クサアリモドキが順調だと書いている。 今日、コロニーを見ていると・・ 分かり辛い写真だが、働きアリが女王を取り囲んでいるのはいつものことだ。 しかし、様子がおかしい。良く見ると、女王が死んでいた。 肥大化した腹部の一部が働きアリに齧られているのが見える。 ちなみに、働きアリが殺した訳ではないようで朝見た時は死骸は「完品」でその周りを働きアリが取り囲んでいたのだ。 このコロニー、大きめのカートンを作っていて女王は常にそこにいたので殆どその姿を見ていなかったが、大丈夫と思っていた矢先にこれだ。 また幼虫を引き取って貰わなくちゃ・・。 |
4月20日 | クロオオアリで繭を見つけた。 まだ2個だけだがこれから増えて行きそうな気配である。 |
4月21日 | ゼリーは今年は与えていない。 しかし、特に不自由は感じていない。 メイプルの水割りでも対応できているし、見た目的にゼリーより却って消費量の管理がしやすいような気がする。 数日自宅を空けるときにはゼリーは重宝すると思うが当面はメイプルで行けるかなぁと思ったりしている。 |
4月22日 | 女王が死んだクサアリモドキコロニーには沢山の幼虫がいた。 このコロニーを解体して、幼虫を現存するクサアリモドキの2つのコロニーに入れた。 幼虫の山を餌場に置くと、働きアリがすぐに咥えて巣部屋内に運び込んで行った。 こういう作業は何だか複雑な気分になる。 「資源」を有効活用できたと言う想いと、女王が死ななければ・・という想いだ。 |
4月23日 | 猪名川河川敷に出かけた。 昨日のお天気が良さ気だったので潜った痕でも観察できないかと思ったのだ。 しかし・・ない。 痕跡が無い。 辛うじて死んだ有翅メスアリの死骸を見つけたが、正直昨日のものかも判別できなかった。 8日以降規模の大きな飛行は無いと踏んでいるのだが、まだ飛び残りがいるのかちょっと自信が無くなってきている・・。 |
4月24日 | 昨日、少し雨が降った。 今日はどうかと思い、猪名川に出かけた。 ・・・話にならない。 何も飛んでいないどころか、クロナガアリは巣口を閉じているのだ。 どうも、今年は飛行を逃したとしか思えない展開に唖然愕然とした。 そこで、枝折りをしてみた。 正直、面白い枝は少なかった。 それでも折ってみるとアリが出た。 働きアリ。 女王アリ。 これは自宅に持ち帰った後で撮影したものだが、シベリアカタアリだ。 働きアリの数は多くないが女王が3匹もいる。 クロナガアリは今年は恵まれなかったが「収穫」はあったのでまぁ良しとした。 うーん、飛行、見たかったなぁ。 |
4月25日 | クロナガアリの恒温機の電源を切った。 最高気温が25℃に届こうかと言う日もあり、いつまでも温めると乾燥が進みやすくなってしまうからだ。 これからおよそ半年、常温飼育にして行くが、毎年この作業をすると「春が来たなぁ」と思ったりしている。 |
4月26日 | クサアリモドキ。 卵が増えてきた。 女王。腹部が肥大化している。 この腹部を見るたび、ロ○サガ2の中ボス「クイーン」を思い出してしまう(って、このネタ、分かりますかね?) |
4月27日 | シベリアカタアリは3匹の女王も含めてコロニーの大半が餌場から巣部屋に移動した。 産卵も順調に進んでいる。 カタアリ類はルリアリもこのシベリアカタアリも飼育したことはあるがどうも相性が良くない。 何とか今回は・・。 |
4月28日 | もう5月だ。 5月になると、ムネアカオオアリ、クロオオアリ、ミカドオオアリが飛ぶ。 昨年は飛行の日に上手く観察できたが今年はどうだろうか。 休みの日に大飛行の日が重なることを願ってやまないが、これはもうある種「神頼み」的な所があるので最終的には「運の善し悪し」という問題になるのかもしれない。 そういえば、女王アリから出てくる寄生バエの話を散見するが、私はまだ見たことが無い。この寄生バエの分布が局所的なためなのか、それとも私の観察不足によるものなのかは全く分からない。 |
4月29日 | 風人さんと北摂、妙見山に出かけた。 風が予想以上に強く、山頂付近では2回ほどにわか雨にやられると言う天気だった。 石の下にいたハサミムシ。ハサミムシの卵って初めて見た。 アヤシゲな風体のキノコ。 アリの方はと言うと、アメイロアリコロニーが出たが全て女王は見つからなかった。 お昼を食べて昨年アリスアブを見つけたコースを選んで降りることにした。 途中、ふと石をめくると・・。 トフシアリだ。土の隙間に沢山の幼虫が見られた。 働きアリに混じって、このようなものがいた。「アリの巣の生きもの図鑑」によると、トフシアリを寄主とするハネカクシ科のケシアリヤドリに見える もう1枚。 急いで逃げるわけでもなくのんびりと歩いていた。 昨年、アリスアブを見つけたポイントで石をめくると1個体だけアリスアブの蛹があった。 昨年は複数個体見つかったが今日はこの1個体だけ。 今日は女王のいるコロニーは見つからなかったが、上の写真のような見所はあったと言う事で満足して帰宅の途についた。 風人さん、面白いお話沢山ありがとうございました。 |
4月30日 | ケアリ女王のお腹がクサアリほどではないが大きくなってきたのだ。 越冬時は本当に縮んでいたのに、何だか腹部が伸びた。ボンレスと言うほどではないが見ごたえはある。 産卵もどんどんしている。 |
2016年4月の観察日記