2015年12月の観察日記

12月7日 クロオオアリで、一番働きアリの数が多いコロニーの話題。
至って順調で、来年も更に増えてくれるだろう、と思っていた。
しかし・・

女王陛下、崩御。
今回も、働きアリは至って元気なのに、女王陛下がひっくり返っていた。
・・・合掌。
12月17日 クロヤマアリ。

女王が3匹写っている。
1匹は「大型」の女王で、2匹は「小型」の女王だ。
小型の女王が子育てが全くうまく行かなかったので、働きアリが死んでしまった大型女王と同居させ、繭を2個ほど入れたが、増えなかった。
現在働きアリが1匹だけ。
繭の補充が無いと、厳しいかもしれない・・。 
12月20日 7月初めに少し触れたが、今年はアメイロケアリにリベンジしたいと考えていた。
女王を見かける機会は数回ではあったがあった。
しかし、ご存知のようにアメイロケアリはホストのトビイロケアリの繭が必要だ。
枚岡で幾つか倒木の樹皮をはいでみたが繭が沢山ある物に出会えなかった。
そのため、必要なホストワーカーの繭が全く用意できず、見送るしかなかった。
クロヤマアリもそうだが、繭が簡単に入手できれば・・と思った。
来年は、そういう環境に遭遇できるだろうか。 
12月26日 昨年の12月30日にベビーパウダーをアルコールで溶いた物を作ったと言う事を書いた。1年使ってみて私なりの感想を書いてみたい。
正直、パウダーをその都度塗った方が良いんじゃないかと思った。
確かに安定はしている。
パウダーをいちいち塗る手間も殆どかからない。
そういう意味では大変優秀だ。
しかし、脱走を完全にシャットアウトできるかと言うと、今一つ微妙だ。
実際、数回ではあるがごく少数の脱走が見られた。
今回、この素材を使ったアリはクサアリモドキとケアリだ。
両種とも、比較的明瞭な行列を作る。
何かの機会にこのパウダーを溶いた物の防御の弱い所が見つかり、そこから脱走されたら部屋中アリだらけと言う事態になったかもしれない。
夏に蟻研に出かけたがその際は蓋をした。
昨年は蓋無しでも問題なかった。
そういう意味では手間を考えると断然溶いたものだが、完全にシャットアウトと言う意味ではパウダーを適宜塗ると言う方法の方が勝っているのではないかと。
ちなみに、他の種類では試していない。
だから、他の種がどういう挙動をするか良く分からない。
あくまでクサアリモドキとケアリのみに試してみての感覚だ。
12月27日 キイロシリアゲアリは秋の頃にオスアリがいた。
秋が終わる頃、オスアリはどんどん減って行ったので冬の頃にはいなくなると思っていた。しかし、今でも数匹生存している。

いつまで生き残るのだろうか。
クロナガアリも羽アリが長期間生存していたが、キイロシリアゲアリもそのパターンだろうか。
12月30日 ケアリにしてみた。

幼虫を取り囲む働きアリたち。
この大きさの幼虫たちばかりになっている。

女王は、働きアリに囲まれている。越冬モードであまり動かないが、ごく最近住み慣れた巣部屋から隣の部屋に移動した。
夏の活動期でもあまり動きまわらず、どっしりとした安定感があった。 
12月31日 今年も、再掲写真と共に2015年を振り返って行きたい。

まずは1月の3連休に河内長野滝畑ダム付近に出かけた。

ナワヨツボシオオアリは今年もサテライト地獄だった。

シベリアカタアリも見つかったがこれまたサテライト・・。

(恐らく)このハチに首を2発刺され、財布を落とすと言う「リアル泣きっ面にハチ」をやった。

2月に入ったが恒温機は稼働させなかった。クロナガアリ以外は常温飼育だった。

寒い時期は、クロナガアリしか動きが無い状態になった。

3月になり、卵餌を作ってみた。

数回、作ってみたがどうしても固めで使用しづらかった。
今後の検討課題である。

月末にはクサアリモドキの幼虫が餌を齧る様子を確認でき、成長が始まった。

クロヤマアリの産卵が我が家のアリたちでは一番早く始まった気がする。

4月。

4日に猪名川河川敷で例年よりもかなり早いクロナガアリの結婚飛行に遭遇できた。

交尾写真を写したが、どうも今一つ・・。

そして、飼育しているクロナガアリでは新女王アリになる大きな幼虫が見られた。
猪名川が早くに飛んでしまったので、月末に予定していた観察会の場所を求めて目をつけていた北摂、妙見山に出かけた。

この日は下見で桜が咲いていた。

毎年恒例化したクサアリモドキの腹部膨張も見られた。

トゲアリのコロニーは超低空飛行で、この後少しして壊滅したのだった・・。

枚岡で枝折りをすると、今年もケブカツヤオオアリの羽アリを出すことができた。
しかし、新女王には今年も遭遇できなかった。

4月25日に妙見山で観察会を行った。風人さんと研究室のお仲間とkuroyagiさんと歩いてきた。その会で出たアリスアブの蛹。実物を見たのは初めてだった。

世間を騒がせているマダニとも初遭遇・・。刺されなくて良かった。

5月に入った。

信貴山〜枚岡を歩く新緑満喫コースを歩いた。ちなみに、この日からカメラがニコンのD40からD5300に変わった。

クロナガアリの大きな幼虫は予想通り新女王になるメスアリの蛹になった。

結局、この鱗翅目幼虫はなぜケアリに襲われなかったのだろうか。良く分からない。

オオアリの飛行日に上手く休みが重なり、クロオオアリ、ムネアカオオアリ、ミカドオオアリを見ることができた。
どうも、今年の飛行のピークは5月15日のような感じだった。

月末に、クロナガアリのメスアリが羽化した。
枚岡のオオアリが一段落したので、大阪城に転戦した。

5月の末にクロヤマアリのメスアリを見ることができた。
クロヤマアリは「ポイント」が少し分かって来たような気がする。

6月。淀川河川敷にも出かけた。

トビイロシワアリを観察できたが、中々無傷の新女王を見つけるのは難しかった。
同種の働きアリが結構高密度で生息しているので、すぐに襲われてしまうようだ。

そして、これ。このハチ、明らかにクロヤマアリを狙っていた。この写真を写した後、クロヤマアリの腹部の止まり、明らかに産卵している現場を撮り逃したことは後悔しきりである。このハチについて、何かご存知の方、お知らせください・・。

そして、サムライアリも見つけることができた。繭を強奪して我が家のクロヤマアリに導入したかったが近所の巣はあらかた荒してしまったようで空手のサムライアリの群れを見ただけだった・・。

7月。また枚岡に転戦。

ヒラズオオアリ、コロニー立ち上げの糸口さえつかめなかった。この難しさ、何とかなりませんかね・・。

アシナガアリの新女王。今年は上手くゲットできた。
箕面にも灯火観察に出かけたが、成績は良くなかった。
kuroyagiさんとの2人での観察会も行った。

8月。盛夏の時期だが、アリの状態はこう着状態になって来た。
蟻研で、富士山に行った。

ツヤクシケっぽい女王を譲り受けたが、結局産卵しないままお亡くなり・・。

9月。
箕面に灯火観察に出かけた。

ヒゲナガケアリと思われるケアリの有翅メスは見られたが、翅を落とさなかった。

こんな「アツ」い光景も見られたんですけどね・・。

アギトアリは観察できた。
飼育の困難さは経験済みなので、スルーしてきた。

秋分の日にクサアリモドキの脱翅メスを見つけて驚いたりした。入りこんだ寄主の巣を追い出されたのだろうか・・。詳細不明。

このトゲアリを撮影した後すぐホストになるムネアカオオアリやクロオオアリで女王の死が相次ぎ、これを採集しておけばよかったと後悔しきりだった。

10月。
トゲアリを求めて枚岡を歩いた。

そして採集した1匹。しかし、この後ホストのクロオオアリに攻撃を受け死亡した・・。

11月。2012年にトゲアリを採集したので行けるだろうと思ったが、全く結果は出なかった。

12月。順調に見えたクロオオアリの大きなコロニーの女王が死んで落ち込むあにまりあがいた。
他は例年通り、越冬管理に移行。クロナガアリ以外動きが無くなり、ネタが無くなると言うことになった。

今年は特にシーズン後半、写真を写さなかった。やはり写真が無いと見栄えがせず、面白くない。来年は改善したい・・けど、ネタ、あるかなぁ?
2016年の目標はまた元旦に発表予定。
それでは、また来年もよろしくお願いします。

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