2015年10月の観察日記

10月1日 今年、クサアリモドキとクロオオアリ1コロニーはハニーワームを与えてから調子が良くなった。
柔らかくて食べやすいと言う事があったのだろう。
与える方としても、餌場に1匹ぽいっと放り込むだけで良かったので手間がかからず、良い餌だと思う。
ハニーワームは養殖を試みているが、出来れば恒常的な餌に昇格させたい。
ただ、購入すると送料が高いし、養殖するにしても産卵数が多いので小分けが大変。
来年、どうする今から少し悩んでいる。
10月2日 ヒゲナガケアリは変化が全くない。
羽も落とさず、産卵もしない。
来年採集する機会があればぜひとも脱翅した個体にしよう。
採集した時は羽を落とすような仕草をしていたから大丈夫と思っていただけに、無念・・。
10月3日 枚岡を歩いた。キイロシリアゲアリとトゲアリが目的だ。

側溝でタマムシが死んでいた。死骸がそれほど古い感じがしなかったので最近まで生きたと思う。生きてる姿、見たいな・・。

クダマキモドキ?

ハラビロカマキリがハエを狙っていた。
この後、ハエは飛び去り、カマキリの狩りは成功しなかった。

肝心のアリだが、収穫皆無だった。
時期的にヒラフシとか見られるかと思い自販機周辺を見たったが、何もいなかった。
キイロシリアゲアリも見られなかった。
トゲアリに関してはまだチャンスはあるとみているがそれ以外は少し厳しいかも・・。
10月4日 今年、アメイロケアリの飼育に挑戦しようと結構本気で考えていた。
しかし、どうしてもホストであるケアリの繭が沢山見られる場所が見つからなかった。
女王自体は数度見かけたので採集自体はチャンスはあったのだが、ホストの問題が解決しなかったので泣く泣く見送った。
ケアリとクロヤマ。この2種は繭、蛹が欲しいと思いつつ今シーズンが終わろうとしている・・。 
10月5日 涼しくなるのが例年より早いように思える。
アリたちへの給餌も最近少し間が空くようになった。
もう2カ月もすると、週に1回ほどしか給餌しなくなるだろう。
今年、肉餌をセーブしたことで多くのコロニーは現状維持レベルに留まった。
しかし、シーズンの終わりころになって、クサアリモドキ1コロニーくらいは増えたいように増えて貰っても良かったんじゃないか、とか思い始めた。
そのカギになるのはハニーワームだと思う。
先日もハニーワームの事を書いたが、規模が大きくなってきたコロニーにはかなり良い餌だと思う。
コオロギやミールワームのように殻が少ない。
また、動きが鈍いので容易につまめる。
と、言う事を思ったのだった。 
10月6日 これをご覧いただきたい。

見事な、穴が空いている。状況を説明すると、チューブのこの個所で折り返してゼムクリップで留めていたのだが、その折り返し部分をヤられた。
その種類は何かと言うと、クロナガアリだ。
折り返しているため、穴は大きめだが実際にアリがフルに通るには僅かに小さく水際で大脱走を食い止めることができた。
それにしても、クロナガも結構やりますね・・。
10月7日 9月18日に箕面で採集したケアリに成長した幼虫や繭ができたと書いた。
その後の事を書いていなかった。
あの後、女王はどういう訳か成長した幼虫や繭を全て食べてしまった。
今、あるのは卵だけ。
せめて、1匹でも働きアリが誕生したら状況の好転が見込めただけに落胆も大きかった。
ただ、卵がまだある。
卵も産まなくなって孤独のまま死ぬという段階にはまだ至っていない。
来春、盛り返してくれるかな・・。
正直、少し厳し気もする・・。 
10月8日 昨日の記事を考察して行きたい。
正直、働きアリ羽化前に何らかの理由で幼若個体を食べた女王はその後産んでは食べると言うサイクルに入る気がする。
そうして、最終的には女王が死んで終わりになってしまう。
一度、「美味しい味」(そもそも、味を感じるかはよく分からないが)を覚えた女王はその味が忘れられず子供食いに走っているようにも見える(擬人化の過ぎた表現だ)。
給餌である程度子供食いの頻度は減らせると思うが、繭や蛹を多く入れる以外には決定的な解決策は無いように思ったりする。 
10月9日  サクラアリはここ数年ずっと脱翅メスを入手したいと思っている。
アリ自体は珍しい種でもないのだが何故か女王を見かけない。
今年はあのアメイロアリそっくりの体型をした女王に巡り合えるだろうか・・。 
10月10日  9月29日に、ムネアカオオアリの1コロニーで女王が崩御召された事を書いた。
働きアリが手持無沙汰になるのは分かりきっているので、トゲアリの脱翅メスを探しに出かけた。
色々立てこんでいて枚岡公園着は午後3時30分を回った頃だった。
見やすい側溝を中心に見て行くが、曇りがちと言う天気のためかアリ自体が少ない。
3年前、11月に採集しているので一通り見て行くと、1匹だけ見つかった。
あっさり確保(カメラを持って出たわけではなかったのでこの時の写真は無い)。
帰宅後、ムネアカオオアリの働きアリ1匹と同居させた。
どうなるかなぁ・・と思った。

一番最初は、チューブではなかった。
しかし、ムネアカオオアリの働きアリとトゲアリ女王が出会った瞬間、大喧嘩。
ムネアカの働きアリがトゲアリの脚に噛みついて離れなくなったのだ。
そこで、少しでも匂いが馴染みやすいようにと狭い空間、すなわちチューブに入れた。
噛みついていた働きアリが時間が経つと放すことがあると言うことは経験済みなので、明日くらい放してくれないかと期待しているが、どうなるやら・・。
ちなみに、ムネアカオオアリの働きアリは現在生きているので馴染みさえすれば放すはず・・
10月11日 トゲアリの女王の脚に噛みついていたムネアカオオアリは死んでいた。
不思議なのは、噛みついていたはずなのに、完全に外れていたことだ。。
昨日、噛みついていた時に離そうとピンセットで少し触ってみたががっちりと食いこんでいた。
それが、一晩で食いついていた働きアリが死に、トゲアリの脚部に頭がついたままと言うこともなかった。
どうやって、外したのだろうか。
10月12日 昨夜、トゲアリの女王にムネアカオオアリの働きアリを1匹導入した。
夜が明け、見てみるとぎこちなさは感じるがあからさまな敵対行動は見られなかった。
そこで、今日はもう1匹導入した。
トゲアリへのホストの働きアリの導入は久々だ。
勘を取り戻すのが一苦労・・
現在、ホストのムネアカは2匹である。
10月13日 トゲアリと同居させている2匹のムネアカオオアリの様子を見ていると、違和感は感じているものの今一つ異物と認識しきれていないようでトゲアリへの攻撃は見られない。
それに気を良くして、今日は2匹入れてみた。
ムネアカオオアリは4匹になった。 
10月14日 トゲアリにムネアカオオアリの働きアリを1匹導入する際、容器の蓋を開けて直接巣部屋にムネアカの働きアリを入れた。
すると、トゲアリがこんな姿勢を取った。

この姿勢をする直前、チクシトゲアリで見かけるような腹曲げの姿勢をしていたが、すぐにひれ伏してじっとしていた。
「嵐」が過ぎ去るのを待っていたのだろうか。
今日、ムネアカ1匹追加。5匹。
10月15日 今日はトゲアリへの導入をしなかった。
特に理由はない。
トゲアリの行動に異常は見られないが、まだムネアカオオアリと馴染んだわけではないようで、お互いに違和感を感じているような印象を受けた。
こう言う時は、一気にムネアカを増やすと、何かのきっかけでトゲアリを攻撃しかねないので徐々に、徐々に・・である。 
10月16日  トゲアリの飼育容器は石膏の巣部屋と餌場を連結したものだが、餌場と巣部屋のチューブを開放しておくと、トゲアリが居心地が悪いのか一匹で餌場に出てきてうろうろする。
餌場の壁面には脱走防止用のパウダーを塗っており、粉まみれと言う訳ではないが胸部に粉がついた状態になる。
放っておくと死ぬ可能性が高そうなので、チューブはティッシュを丸めたもので封鎖し、働きアリを導入する時に一瞬だけそれを外すと言う方法で対応している。
なんとかね、馴染めば・・ 
10月17日  ムネアカオオアリの働きアリが1匹死んだ。
今日は、トゲアリにムネアカオオアリを少し多めに入れて一気に10匹まで持って行った。
馴染んでくれたら・・ね。 
10月18日  昨日、ムネアカの働きアリを多めに入れた。
今日、見てみたら・・
トゲアリの左の触角が切断され、複数の脚の先端も切断されていた。
攻撃されたらしい。
観察している時にはトゲアリへの攻撃はないが、これでは長生きできないだろう。
残念だが、まだトゲアリシーズン中だ。
来週からまた探索の日々になりそうだ・・。 
10月19日
トゲアリ、終了・・
昨日の状況から生き永らえるとも思えなかったが、それでもやっぱりショックだ・・。
10月20日 クロオオアリに、ミールワームを与えると集まった。

ハニーワームなら刻む手間もかからないし、増えるのにはこれが良いんだけど、今は行く成虫につき、いないのでこれになった。
10月21日 数日、暖かい日が続いているので、アリたちもまだ餌を良く食べる。
ゼリーを先日使いきったので、メイプルの水割りにしているが、ゼリーと比べて消費速度が全く違う。今は毎日面倒見られるから良いが、何かの都合で活動時期に家を数日空けるようなことがある時には水割りでは恐らく持たないだろう。
そういう時のためにゼリーをまた購入しようかと思うが、そろそろ活動時期も終わるので購入は来年で良いかな?とか思ったりしている・・。 
10月22日 常温のクサアリモドキとケアリは巣部屋をオープンにしているのだが、ベビーパウダーをアルコールで溶いた物を塗っている。
脱走はほぼ抑えているが、たまに脱走兵を見かけることがある。
どういう時に脱走兵が出るかと言うと、餌場のメイプル水割りが無くなっている時だ。
見ていて、餌場を上に向かうアリが多そうだと思えば即水割りを入れる。
そうすると、暫くすると大人しくなる。
切らさないようにしているのだが、家にいない平日の昼間に飲み干されると、こういうことが起こる。
ゼリーはそういう意味では持ちが良かったのだなぁと思う。 
10月23日  10月もそろそろ終わりだ。
数日は暖かい日が続いているが、もう1カ月もしたらアリたちの大半が越冬モードに入るのだろう。
そうすると、また退屈になってしまう。
冬の河内長野を歩くのも良いが、それ以外に良いフィールドを見つけていないので何とか開拓したいとは思っているが、中々果たせていない・・ 
10月24日  トゲアリを求めて枚岡を歩いた。
しかし、今日は全くトゲアリの姿を見かけることはなかった。
他の種類の女王を見かけることもなかった。
天気が穏やかだったので、発見できるかと思っていたが、残念・・ 
10月25日 急に冷え込んだ。
餌場にいるアリたちも心なしか少ないような気がする。
来月末には、今よりもっと冷え込んで越冬モードに入る種も増えているだろう。 
10月26日  そろそろ、10月も終わる。
また、クロナガアリに火を入れる時期が迫っている。
これを考えるようになると、「冬が来たなぁ」と思わされる。 
10月27日 アリたちの産卵もほぼ今年分は終了の気配。
これから、越冬管理の作業に移行して行くと思う。
越冬中は管理がおろそかになって乾燥させて死んだ、或いは結露に取り込まれて死んだと言う事例が起きやすい時期でもある。
給餌の頻度は下がるのだが、活動時期とは別の意味で気を遣う季節とも言えると思う。
10月28日  ハニーワームは今年あまり与えていなかった。
卵から沢山孵化したら与えられるのだが、今年は夏の時期にそれが一度来ただけだった。
ハニーワームは今の所クサアリモドキに対してとても良い効果(産卵の増大)を見せてくれている。
柔らかく、ある程度の大きさがあるので食べやすいのだろう。
チクシトゲアリも結構食べてくれた。
本当は採卵して容器を分散させてまんべんなく与えられれば良いのだが、それにはスペースの問題がある。
培地を作成したら後は放置に近い状態でも良いとは思っているが、何とかしたいと思ってはいるんですけどね・・。 
10月29日 週末、トゲアリを探しに行きたい。
しかし、天気予報を見るとどうも天気があまり良くなさそうだ。
クサアリモドキのようにシーズン中容易に見つかるような種類ならやきもきせずに済むのだが、そういう訳にも行かない。
採集出来るのだろうか・・。
少し、不安。
10月30日 ケアリ。多くの幼虫の成長が止まったが、一部育った幼虫も見られる。

こういう幼虫、数は多くないが、このまま越冬するのだろうか。
10月31日  トゲアリを求めて枚岡。

色づいたカキが、秋の深まりを感じさせた。

花が咲いていたが、種類は良く分からない。

センチコガネがいた。

椋ヶ根橋の欄干でエサキモンキツノカメムシがいた。
肝心のアリだが、ハヤシクロヤマアリとアシナガアリが少し活動していただけでトゲアリは全く見かけなかった。
生息密度が高くないので、複数見つかるとは思っていないが、この前みたいに1匹くらいは見つかると思っていたのだが・・。 

戻る