6月1日 ケアリは好調だ。

蓋の部分に卵を貼りつけていた。これは一部である。

コオロギに群がっている働きアリ。

裸蛹と働きアリたち。働きアリの羽化も見られ、色の淡い個体が写っている。

巣部屋内で一番大きな卵塊。アリたちの食欲を満たす分の肉餌をふんだんに与えると、本当に与えただけ全部卵になりそうな気がする・・。
6月2日 キイロシリアゲアリは羽化ラッシュを迎えている。

どの種類もそうだが、羽化したての働きアリは色が淡く儚そうなイメージを持っている。

働きアリが前蛹の世話をしている。このような光景は巣内の至る所で見ることができる。
6月3日 土曜日に大阪城で採集したクロヤマアリ。有翅メスは2匹いたが、1匹が脱翅した。

クロヤマアリの落とした翅を写した。
以前、これを写したことがあるように思って調べたがこの数年はやっていなかったようだ。
この翅を落としたメスアリは1個卵を産んでいる。
採集した時から羽を落としていたメスアリはまだ産卵していない・・。
6月4日 クサアリモドキの日常にした。

卵の世話をしている。

こちらは幼虫を世話している。
今年はハニーワームを与えず、コオロギしか与えていない。
そのためか女王の腹部が肥大化したままと言うことは無く、今は小さい。
産卵量も少し少なめだと思う。
ハニーワームは今小さな幼虫を育成中。これらが育てば「飽食の時代」になるんだけどね・・。
6月5日 6月に入ったが、肌寒い一日だった。
そうすると寒さの効果てきめんと言ったところだろうか、餌場にたむろしているアリたちが極端に減った。
こう言うのを見ると外で採餌活動するにも、気温だなぁと改めて思わされた。 
6月6日 大阪城にクロヤマアリの観察に出かけた。
今日は明け方まで雨が降り、昼頃まで曇り、風はやや冷たいと言う気象条件で、羽アリは(ある程度予想したが)皆無だった。
地表を歩くクロヤマアリも数が少なく、今日はボーズそのものな一日だった。
明日は・・見つかるかな? 
6月7日 昨日に続いて大阪城にクロヤマアリの観察に出かけた。

オオズアリの働きアリ。トンボの死骸に集まっていた。

兵アリ。この1匹だけだった。

今日見かけた唯一の羽アリ。
クロヤマアリのメスアリの死骸。

トビイロシワアリが集まってきていた。
他にもいないか探したが、この1匹だけだった。
それにしても、このメスアリも腹部が小さい。
6月8日 ウメマツオオアリも中々の良い状態を見せてくれている。

繭が沢山。肉餌はミールワームしか与えていないが、良く食べてくれているので安心して見る事が出来ている。
6月9日 ヤマヨツボシオオアリに給餌をしていた時のことだ。
女王が変だ。
突っ伏しているような姿勢だ。触角も動いていない。
一瞬だが死んだ?と思った。
しかし、その疑念はすぐに払しょくされた。
働きアリが体に少し触れるとゆっくりだが触角が動き出した。
どうも「眠っていた」としか思えない。
アリも眠るとは聞いていたし、生物だから当たり前なのだが、これほどあからさまな寝姿を見たのはひょっとすると初めてかもしれない。
6月10日 クロヤマアリの新女王アリは今年3匹採集した。
2匹は羽を落として少ないながらも産卵を開始したが、後1匹が羽を落とさずうろうろするばかりだった。
そんな最後の羽つきの新女王アリ、今日見ると、お亡くなりになっていた。
羽を落とさないとやっぱり厳しい・・。
合掌。 
6月11日 1カ月ほど前、枚岡で採集したアメイロアリの有翅メス。
採集した時間が夕方だったので、交尾してすぐ羽根を落とすと思っていた。
しかし、あれから約1月、全く羽根を落とさない。
産卵もしない。
未交尾であると言うことが濃厚だが、なぜあんな夕方に地表を歩いていたのだろうか。
・・・残念だ。 
6月12日 クロオオアリの日常にした。

繭山の中を歩く働きアリ。

羽化間近と思われる黒くなってきている繭。
基本ミールワームと昆虫ゼリーで維持している。
ミールワームをよく食べてくれるのは有り難い。 
6月13日 朝から淀川河川敷に出かけた。

到着したのは午前9時頃だった。写真は城北公園菅原大橋付近。 

アカツメグサ。ここには多くみられる。モンキチョウも多く飛んでいた。

トビシワの脱翅メスが働きアリに噛みつかれていた。それほどきつく噛んでいなかったようで、私が触れるとすぐに離れた。

オスの死骸もそこかしこに転がっていた。

トビシワの働きアリが脱翅メスの死骸を運んでいた。

2012年に、ここで片側が線路、片側が通行者用の通路だった鉄橋の写真を上げたが、あの後線路が複線化され、歩行者用通路は閉鎖になり、普通の鉄道鉄橋になっていた。

クロヤマアリのオスが死んでおり、その死骸にトビイロシワアリが来ていた。
随分大きさが違う。

菅原大橋の上から淀川を写した。
淀川ではトビシワのメスアリを5匹採集した。

午後から大阪城に移動。クロヤマアリ観察になだれ込んだ。

巣口からクロヤマアリの有翅メスが出てきた。ちょこちょことすばやく走り回っていた。
大阪城でもトビシワが飛んでいたようで、クロヤマアリの働きアリが羽アリの死骸を咥えていたが、生きているトビシワは見かけなかった。
クロヤマアリも、羽アリを1匹確保したがそれ以外は目ぼしい戦果は無かった。

帰宅後、採集したトビシワとクロヤマの様子を見ると、トビシワのメスアリは3匹死んでいた。噛みつかれて動きの怪しいものもいたとはいえ、少し残念だった。
6月14日 11日に未交尾っぽいアメイロアリの事を書いた。
ところが、今日確認すると羽を落としているではないか!

産卵も確認できた。

羽を落とした女王アリ。
夕方見た時は左の前翅が残っていたが、その後見ると全ての羽を落としていた。
採集して一カ月、全く産卵も脱翅もしなかったのでてっきり未交尾だとばかり思っていたが、びっくりである。
6月15日 土曜日に採集したトビイロシワアリの脱翅メスは2匹が生き残っている。

胸部を写してみた。少し分かり辛いが翅の付いていた部分が写っている。
まだ、産卵はしていない。
6月16日 今年採集したクロヤマアリの羽を落とした2匹の女王。典型的じり貧状態に陥ってしまった。要するに、産んだ卵を殆ど食べてしまった。
1匹は全て、もう1匹も卵が3個あるだけ。
昨年、新女王を採集したクロヤマアリで、春に不注意で働きアリが全滅して女王だけになったものがいる。先日の大阪城でクロヤマアリの繭を一つ失敬し、再起を期している女王。
何れも厳しいことに違いない。
そこで思いついた。
一か八か、多雌に挑戦してみよう。
3匹が仲良く共存し、繭から働きアリが生まれる、あるいは繭を何かの機会に採集出来れば一気に状況は好転するのではないか、と。
そこで、2匹の女王を餌場に入れた。
餌場から巣内に入って行くと言う風にしたかったのだ。
どうなるか、明日以降のお楽しみ・・。
6月17日 昨日、女王アリを導入したクロヤマアリの話。
どうなったかと言うと、あっさり馴染んでいた。全く違和感がない。

画面外にもう1匹いる。腹部の大きさから恐らく写っている2匹が昨日導入した女王アリだろう。もう1匹は腹部がもう少し大きい。

羽化したばかりの働きアリの世話をしている。この働きアリは大阪城で採集した。1個しか繭が採集できなかったので、これが羽化しなかったらどうしようと考えていたのだが、まずは一安心。
6月18日 先月のオオアリの大飛行日に捕まえたミカドオオアリの有翅メスについて。
全く翅を落とす気配がない。
いつまでも落ち着きなく歩きまわるだけ。
落ちてきた時、確かにオスが繋がっていたように見えたが、見間違いだったのだろうか。アメイロアリのように急に翅を落として産卵開始・・なんてことにならないかなぁ。 
6月19日  一昨日同居させたクロヤマアリの女王3匹コロニー。
今のところ全く喧嘩する様子もなく平和である。
このまま、多女王化するのか、何かのきっかけで喧嘩が始まるのか注視して行きたい。 
6月20日  先週に続いて淀川河川敷にトビイロシワアリの観察に出かけた。

弱った脱翅メスが同種の働きアリに運ばれていた。

同じ個体の腹部。大きい。

オスアリの死骸もあったがこれも数匹見つかっただけ。
辺りを探してみたが、先週より飛行の規模は話にならないほど小規模であった。
先週あたりにかなり飛んだのではないかと思われた。

大阪城に移動。
コンクリート片をめくると、クロヤマアリの羽アリの繭が幾つかあったので失敬した。
羽化したての羽アリも4匹いたので採集した。
また、有翅メスも1匹採集。翅、落とすだろうか。

昨年、クロヤマアリの寄生蜂っぽいハチを見たことを書いた。
それを観察したのと同じ場所で何気なくクロヤマアリを見ていると、そのハチがいるではないか!可能な限り撮影を試みた。

飛んでいる所。殆ど偶然撮れたようなもの。

身づくろいをしている。

その2。
観察中はコマユバチかと思っていたが、画像を確認すると明らかにコマユバチではなく、コバチの仲間のようだ。
このハチ、明らかにクロヤマアリを狙っていて、時折クロヤマアリに威嚇されても巣口から離れようとせず、纏わりつくように飛んでいた。
産卵しなさそうだったのでカメラを仕舞うと、目の前で一匹の働きアリの腹部に止まり、腹を曲げて産卵したように見えた。
時間にして1秒ほど。
完全に裏をかかれてしまい、撮影出来なかった。
その産卵されたと思われる働きアリを持ち帰り、経過観察のために飼育することにした。
まさか、アリ観察に出かけて寄生蜂の飼育をやることになるとは思わなかった。

午後4時半頃、アリの行列を見かけた。サムライアリだ!

この前、書いたコロニーとは別の場所にあったコロニーで完全にノーマークだった。近接するクロヤマアリの巣になだれ込む所だ。
大体100ほどのサムライアリが行列していた。
しかし、このコロニーは荒して間なしのコロニーだったようで最初の20匹ほどが育った幼虫を咥えて出てきた(繭を持っていたのはたったの2匹)以外、後半の者たちは全て空手だった。
クロヤマアリの巣の周辺の草に総勢10ほどの働きアリが避難のためだろう、草に上っていたが女王や多くの働きアリが避難している光景は見られなかった。
幼虫と繭を少しだけ失敬して家のクロヤマアリコロニーに分散して放り込んだ。
6月21日 今年もクロヤマアリの有翅メスを採集する機会に恵まれている。
翅アリの痕跡すら見つけられなかった一昨年までの事を考えると大進歩なのだが、どうも翅を落とさないまま死亡する、未交尾メスを採集していることも多いように思う。
翅を落としたメスアリがうろうろしているのを見ることは今年はまだ1回だけだ。 
6月22日  ハチが卵を産んだと思われるクロヤマアリは今のところ何の変化もない。
寄生蜂の飼育は、大半の時間が寄主の飼育になると言うことは理解しているつもりだが、そもそもどういう生活史をしているかも良く分からないので、いつ頃羽化してくるかも良く分からないし、アリが死んだ後の蛹状態の管理が難しそうな気がする。
カビをはやしてしまいそうな気がして戦々恐々としている。 
6月23日 土曜日に繭を採集したクロヤマアリの羽アリ。
羽化していた分は昨日、全て死んでいた。
腹部先端が割れているようにも見えたが、交尾したかは分からなかった。
今日、見てみると、雌の羽アリのうち1匹が羽を落としているではないか!
しかし・・その羽を落としたメスアリは容器内で死んでいたのだった・・。
繭はまだ4つあり、現在羽化している有翅メスは2匹。
オスがもう少し羽化したら継続して観察できるが・・。
しかし、実際に交尾の現場を確認したわけではないものの、今後の参考になる出来事だったと思っている。 
6月24日 結婚飛行から1カ月後に羽を落としたアメイロアリはどうなったのかと言うと、

まだ、卵は孵化していない。 
産卵開始後、一度メイプルを給餌した。
6月25日
先日、淀川河川敷で採集したトビイロシワアリが産卵を開始した。
数匹、女王アリを採集したが結局1匹しか生き残らなかった。
多雌ということで、2匹を同じ容器で飼育したが全く落ち着かない。
お互いの存在が干渉し合っているようにしか見えなかった。
そして、数日前に2匹のうち1匹が死ぬと、産卵を始めたのだ。
ずっと前(このHPを始めるよりも前のこと)に、ケアリの女王を3匹で飼育した事があった。
その時も全く同じ事が起こり、お互いに「気にしあって」全く落ち着きが無かった。
多くの種で働きアリが生まれる前までは女王は親和的であると言うが、こういう事例はどういうことなんだろうか、と思ったのだ。 
6月26日 クサアリモドキ。

女王アリ。働きアリがまとわりついている。

腹部は今年はほぼこの大きさ。

卵塊の世話をしている。
6月27日 
ケアリが羽化してまだ時間の経過していないミールワーム成虫を襲っている。

「繭生産場」で繭を紡ぐ幼虫を世話する働きアリと羽化したばかりの働きアリ。
6月28日  大阪城に出かけた。
寄生蜂がクロヤマアリに産卵する瞬間を撮影したかったのだ。
しかし、この前寄生蜂が飛んでいた辺りを探してみたが、クロヤマアリの様子をうかがう寄生蜂を発見することは出来なかった。
たまたまいなかっただけなのか、それとももういなくなってしまったのか・・。
暫く様子を見たい。
その後、クロヤマアリの羽アリの繭を取りに行くと、繭は無かったがオスアリを1匹採集できた。
これが今いるメスアリと交尾してくれたら・・。
本当はオスアリは3,4匹採集したかったのだが、見つからない物は仕方が無かった。
6月29日 金曜、土曜と多忙になり、HPはおろかアリの世話もままならなかった。
そして、寄生蜂が産卵したと思われるクロヤマアリが死んでいた。
普通は、これから・・。と思うのだが、よく見ると給水用ティッシュが乾いていた。
乾燥によって死んだのか、寄生蜂によって死んだのか・・。
あまり乾燥するのもどうかと思い、湿ったティッシュを入れて様子を見る。 
6月30日 キイロシリアゲアリである。

分かり辛い写真で申し訳ないのだが、オスが羽化しているのだ。

どうも、上手く撮影できない・・。
このキイロシリアゲアリは、2012年秋に女王を採集して立ち上げたものだ。
オスは沢山羽化しているので、採集から2年半でオスを生産し始めた計算だ。

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2015年6月の観察日記