2015年3月の観察日記

3月1日 今日、給餌の際にアリの様子を見ていると、アメイロアリコロニーで女王が死んでいた。
この冬は死亡が少ないと思っていた矢先にこれだ。
昨夏、新女王を生産するくらいだったのに、残念無念。
合掌。
3月2日  キイロシリアゲアリの巣部屋を増設。
かなり見た目的に一杯一杯な感じで、増設しなきゃなぁと思っていたのでシーズンが始まる前に増設した。
でも、女王も脱落せずに健在だし、幼虫もこれまた沢山なのですぐに手狭になるだろうけど・・。 
3月3日 結局、この冬は恒温機を全く稼働させなかった。
このまま行くと、今月末辺りから産卵が見られるようになるだろう。
恒温機を入手する前に飼育していたクロヤマアリの記録を見ると、3月15日前後に産卵開始するらしい。
初期の頃の記録は画像もないので最近殆ど見ていなかったが、記録って役立つ物だなぁと思った。
もう10日ほどで産卵開始か・・。恒温機で加温して産卵開始させると言うのが常態化して自然に産卵開始させると言うのをしていなかったので忘れかけていた。 
3月4日 分かり辛い写真だが、1枚。

ケアリの女王を働きアリが取り囲んでいるのだ。
今さらだけどもう少し離れて撮影したほうが分かりやすかったかもしれない。
3月5日 ハヤシクロヤマアリは、毎年増え方が極めて鈍い。
鈍いどころか、少しずつ減っている気がする。
そんなに飼育が難しい種とは思わない。
観察していて、何かがおかしいと言う違和感は感じる。
その違和感とははっきりとは言いにくいのだが、コロニーの様子を見ていると「何かがずれている」と思える。
それを解明できるのだろうか・・・。不安。 
3月6日 ネットではアリの活動開始に関する話が散見されるようになってきた。
そういえば、2006年に真鶴会が行われた時、沼津インターの傍でクロヤマアリが歩いているのを見た事を思い出した。
コンクリートのような温まりやすい物の下のコロニーでは活動を開始したものもあると考えるのが妥当だろう。
我が家のアリたちは基本的にまだそれほど動き回っていないが、部屋を暖めるとうろうろする働きアリが見受けられる種類もある。
そろそろ、給餌も徐々に再開して行かなきゃなぁ・・ 
3月7日 トゲアリにいるクロオオアリはもう残りがごくわずかだ。
恐らく今年中にトゲアリのみのコロニーになると思う。
トゲアリは昨年初めて働きアリの羽化にこぎつけたが、羽化してそれほど時間の経過していないと思われる段階でも働きアリがぽつぽつ死んでいた。
これの原因は良く分かっていないが、もし頻繁に死ぬ種類であるのであれば働きアリを減らすと言うことがコロニーにダメージになる可能性がある。
トゲアリはまだ個体数もそう多くない。
上手く軌道に乗れば良いんだけど・・。 
3月8日 シーズンが始まると、肉餌も必要になる。
昨年秋の終わりまでハニーワームを2年ほど維持していたのだが、昨年末にコナダニが大発生して泣く泣く廃棄する羽目になった。
もう少ししたらハニーワームを購入し、コオロギも与えつつ卵餌と言うタンパク質たっぷりのメニューにする予定である。
ハニーワームは良い餌なんだけど、どうも「適当な数」の維持がなかなかできず、極端に少ない時期もあれば多すぎる時期もあって悩みどころである。 
3月9日 恐らく、産卵はクロヤマアリが一番早く始まるとみている。
その日から原則毎日給餌の日々が始まるわけだ。
しかし、卵餌でかなりのタンパク質が摂れているとも思える。
肉餌との兼ね合いはどうなるんだろう。
こういうことに頭を悩ますことが出来ると言うことも、ある意味醍醐味と言えなくもない気がする。 
3月10日 寒い日だった。
飼育容器を見てみると、容器の内部が薄らと結露しているものがあった。
水滴になるほどではなく、蒸気が冷やされたような程度の薄らとしたものだ。
大型の結露は溺死の原因にもなるのだが、これくらいなら・・、と思った。 
3月11日 クロヤマアリの産卵は恐らく秒読み段階ではないかと思っている。
そう思い、毎日様子を見ているがまだ産卵は開始されていない。
まだ、小さな容器で飼育しているが引っ越しさせなきゃなぁ。 
3月12日 久々にキイロヒメアリを取り上げる。

働きアリ。

女王。今日、久々に女王の数を数えてみると、16匹もいた・・。
メイプルの水割りと乾燥アカムシしか与えていないのだが、女王は増えていた。
働きアリは恐らくシーズン中に脱走があり思ったほど増えていない。
タッパーの壁面にパウダーを塗って当面は様子見をしたいが、わしわし増えてくれているのでこちらも環境は整えてあげたい。
脱走が無く大人しければ、文句なしなんだけどね・・。未だに飼育容器のどの場所からの脱走かの特定が出来ていない。
3月13日 昨年、チクシトゲアリでは有翅個体が羽化したコロニーがあったが、冬の頃に全員いなくなった。
昨年もペアリングは試みたのだが全く駄目だった。
例によってすぐに馴染んで仲良く寄り添っていつまでも・・と言うパターンだ。
何が良くないのだろうか?分からない。 
3月14日 クロヤマアリの産卵は見られない。
来週にはかなり気温が上がる日もあると言う予報なので、その辺りには産卵が開始されていると思う。
クロヤマアリの次に来るのは一体どの種類だろうか。
昨年までは恒温機を稼働させていたので、今年の恒温機稼働なしの参考にはあまりならない。それでも、4月中旬には各種類での産卵は開始されると思う。 
3月15日 卵餌を作った。
出来て、給餌に使うとクロオオアリで良い反応が見られた。

卵餌に群がってくれた。
ただ、今回は少し失敗だった。
何かと言うと、作成の際、入れる水の量が少なかったようでゼリーが硬い。
本当に「ぷるんぷるん」過ぎて、シリンジでも砕けない。
以前作った寒天ほど硬くは無いが噛み砕くのに苦労するのではないかと思う。
次作る時はもう少し柔らかくしよう。 
3月16日 クロヤマアリは3コロニー飼育している。
タッパー飼育だったがシーズンが始まるのに際し、昨日、石膏を敷いた容れものに移した。
餌場に放り込み、巣部屋に移動することを期待した。
それから1日経過した。
餌場にいるアリたち。
巣部屋への移動はまだ行われていない。
巣部屋の石膏に給水はしている。
だから時期が来れば自動的に移動してくれるとは思う。
ただ個人的感想を言うと、早めに湿気のある石膏を敷いた巣部屋に移動して欲しい。 
3月17日 暖かい日だった。
この日記が始まった頃のクロヤマアリの記録を見ると、大体14日頃に産卵を確認していたようだ。
巣部屋を移してすぐのためかまだ産卵は見られない。
過去の記憶を遡ると、最初の1個を確認すると一気に産み始めるはず。
いつ産卵開始してくれるのやら。 
3月18日 恒温機に入れていないクサアリモドキを写してみた。

この塊の奥に女王がいる。 脚が見えている。
まだ腹部は小さい。
3月19日 冬の間、あまり肉餌を食べてくれなかった。
どちらかというとメイプルの水割りに集まっていた。
数日暖かかったためか、ミールワームの欠片の受けが最近良くなってきたように思う。
ミールワームは手軽なのだが、殻さえ出なければもっと良いんだけどね・・。 
3月20日  昨年、ケブカツヤオオアリは全く増えなかった。
産卵が無かったのが痛い。
しかし、よく考えるとこの原因って何だろう。
産卵しないと言うことは何らかのストレスがあったと考えればいいのだろうか。
そのストレス源を除去できたとして、産卵を開始するのだろうか。
正直、よく分からない。
ただ、トゲアリのように逆転劇を期待はしている・・ 
3月21日 クロヤマアリのコロニーは3つ飼育している。

これはご覧の通り女王なのだが、この女王は他の2つの女王より腹部が大きくなっている。
この肥大化した腹部には一体何が入っているのだろうか。
3月22日 暖かい一日。
陽気につられて枚岡を歩いてきた。

最初はハムシ。撮影しようとして驚かせてしまい、死んだふりをしている。

側溝でクロオオアリが日向ぼっこをしていた。 

クロオオアリの働きアリ。この個体はちょこまかと走り回っていた。

ハヤシクロヤマアリ。まだ真夏に比べると見かける数は少ないが活動は始まっている。

クサアリは非常に数が少なかったが少しだけ見かけた。

早春に見られるスミレ。

クロヤマアリが巣口を広げていた。

良く分からない花。

オオイヌノフグリ。これが咲くと春だなぁと思う。
アリたちは活動を始めていた。
ただ、まだ本格的ではないようで動きはのっそりしていて、数も少なかった。
しかし、アリたちが動き回るのを見て花が咲くのを見て春を実感できた一日だった。
3月23日 肌寒い一日だった。
餌場を見ても、今日は出ているアリも少ない。
まだ、どの種類でも産卵や幼虫の目だった成長は始まっていない。
色々動きが出てくるのはまだ、もう少し時間がかかるみたいである。 
3月24日 クサアリモドキに一昨日コオロギを与えた。
巣部屋に持ち込んで2日経過した。

大分コオロギの体の形が無くなって来た。
今日も寒かったが巣部屋内では働きアリがコオロギをつまんでいた。
3月25日 昨年女王を採集したクロナガアリ。
この前、結露で多くの働きアリを失ってしまい勢いがあまりない。

このコロニーで1つだけある蛹。
後は卵である。 
3月26日 ここ数日寒い日が続き、餌場にアリが出て来ない状況が続いていたが今日になりようやく寒さが和らいだ。
そこで各コロニーに給餌を行うとわらわらと出てきた。
まだ、産卵は見られないし幼虫の成長も見られないがこうやって食べてくれるのを見ているのは楽しい。 
3月27日 今年の卵餌はどういう訳か2回作成して2回とも硬い。
シリンジで吸いとれないほど硬いのだ。
今まで、これほど硬い物は作ったことが無かったのだが、レシピのどこがおかしいのかよく分からない。
結局、硬いので以前使用していた寒天と同様の扱いになってしまい、使い勝手がとても悪い。
もっと柔らかいのが良いんだよ・・。 
3月28日 恒温機(と言っても稼働させていないけど)に入れているクサアリモドキを見て幼虫の成長が始まっていることに気がついた。

コオロギの欠片を齧る幼虫。

上とはまた別の幼虫。こちらもお食事中っぽい。

小さな幼虫も沢山。画面外にも沢山。今年こそ、増やすんだ・・ 
3月29日
卵である。 クロヤマアリのものだ。
朝、見た時は3コロニーとも卵は無かったが、夕方見てみると2コロニーで卵が確認できた。
昨年のケブカツヤオオアリの例があるので産卵しない、産卵が遅いと言うことに若干過敏になっていたのだがこれで一安心。
増えますように。
3月30日 クサアリモドキがコオロギに集まっているのを写してみた。

暖かくなって餌の食いがとても良くなってきた。 
3月31日 クロオオアリのコロニーで成長を再開した幼虫を見つけた。

これらの幼虫を太らせ、繭にして女王の産卵も盛大に行われるように肉餌を沢山与えよう。

戻る