2014年11月の観察日記

11月1日 今日から11月。
今日は暖かかったが明後日から冷え込む予報が出ている。
越冬管理について今年も考える時期になった。
今年も恒温機を稼働させて冷やすことはしないつもり。
だから、アリたちが完全に活動停止するのは月末辺りになりそう。
そうなると、ゼリーを与えてしばし放置と言う形になるのかなぁ。
冬の間は基本的に暇なのだが、私自身も充電期間と言う意味でそれなりの意味はあるなかなぁと考えたりもする。
11月2日 10年前、大阪城でサクラアリの脱翅メスを1匹拾ったことがあった。
昨年、もう一度サクラアリを拾いたく探索したが見つからなかった。
サクラアリはよく見つかり、且つ観察しやすいポイントは見つけてある。
その近辺を捜せば・・と思い、今日久々に出かけてみた。

クロナガアリが種子を運んでいた。
大阪城にも猪名川ほど高密度ではないがクロナガアリがいる。
恐らく結婚飛行の時期にこの場所を訪れると羽アリが見られそうに思う。

オオズアリ。クロナガアリが目立ち、他のアリたちは大分数を減らしていた。
ちなみに、他にはクロヤマアリ、トビイロシワアリ、サクラアリ、ハリブトシリアゲアリが見られたが、数は多くなく、秋の深まりを感じさせられた1日になった。

クロナガアリが取っ組み合いの喧嘩をしているのだ。

天気が曇りで時々小さな雨が降ると言う天気のためか、サクラアリの羽アリを見かけることは無かった。働きアリも暖かい時期よりも見かける数が少ない。ひょっとしてもう終わったのだろうか。
それとも、観察場所の選定に問題があるのだろうか・・
11月3日 多くの種で産卵が止まり、幼虫の大半も育たなくなったので、肉餌のペースを少し落としている。
実際、野外でもこの時期それほど肉餌を集めているとも思えない(巣外を歩く働きアリの数自体減ってきているしね)。
ただ、あまり肉餌を与えるのをサボりすぎると、幼虫食いに走ってしまうので、この辺りのさじ加減は気を遣う・・
11月4日  朝、冷え込んだ。
クロナガアリのヒーターもそろそろ稼働させることを考える時期になった。
この時期、朝は冷え込むが日中はそれなりに気温が上がる。
朝夕だけの稼働からスタートかなと考えてもいるが、稼働をいつにするかまだ決めていない・・ 
11月5日 クロナガアリ。今日取り上げるのは2011年に採集したもの。

運び込まれた粟玉はいつの間にか皮を剥かれる。
そして真っ白な種子の部分が食べられるのだが、この玉1つ丸ごと食べているわけではなく、どうも「美味しい所」だけ齧って後はポイしているようだ。
そのカスは餌場の隅に集められる。 
11月9日 11月に入り、アリたちの給餌をメイプル水割りから砕いた昆虫ゼリーに変えている。
ゼリーは、水割りと違い干からびるまで時間がかかる分、水割りより持ちやすいので冬場は重宝する。
冬場は活動時期より目をかける機会が少なくなるのだが、そういう時にゼリーの「保水性」 には助けられている。
ここも、来春までは毎日更新ではなく、不定期更新化することになるが、こうなるとますますシーズンオフになるんだなぁと思わされる。
11月16日 越冬モードに入り、肉餌を少し少なめにしているのだが、今日ミールワームを与えてみると、良い反応が見られた。

これはチクシトゲアリにミールワームを与えたもの。
チクシトゲアリにはミールワームはあまり受けが良くない印象なのだが、この反応。
こう言うのを見ると、「美味しい」と言ってくれているようで少し嬉しい。
11月19日
卵である。何の卵かと言うと、クロヤマアリだ。
結局、秋に産卵された卵からは2匹が繭になった。
その繭はまだ羽化していない。
幼虫はいなくなった。
そして、卵がまだ少しだけだがある。
もう、11月も半分過ぎたのに、クロヤマアリで卵。
他の2コロニーでは卵幼虫蛹は一切ないし、クロヤマアリは過去飼育していたが9月頃には生産終了していたはず。
分からない。 
11月20日 事後報告だが、13日からクロナガアリに火を入れた。
温めて思ったこと。
やっぱり温めると動きが活発化するなぁ。
一昨年新女王を採集したコロニーはそろそろ2つの巣部屋ではスペースが足りなくなってきた。 冬の間に増設したい。
ちなみに、火を入れると乾燥が激しくなる。
かといってあまり給水し過ぎも考えもの。
ホワイトボードに給水した日にちを書いて備忘録にしている。
11月22日 ケアリコロニーである。

働きアリたちが塊になっていた。クサアリほど密集はしていないが、大したもの。ちなみにこの塊の中に女王はいない。

育った幼虫も見られるが、これから冬になるのに育つとは思えない・・
繭は無くなった。

小さな幼虫。これらは来年春以降に育つものだろう。 
11月26日 今年の秋は気温が高めの日が多いように思う。
そのため、完全に越冬モードのアリはまだおらず、活性が下がりのそのそという動きではあるが、餌を与えると食べにくる。
来週から冬の寒さが来ると言う。
この見慣れた餌を食べにくる光景も、もうすぐ見にくくなってしまうのだろうか。
すこ寂しいような気もする。 
11月30日 クロヤマアリの繭は1つになった。
後1つはどうも食べられたようだ。
繭になって大分時間が経つが、羽化の気配はない。
卵や幼虫は無くなってしまった。
明後日以降、かなり冷え込む予報。
と言うことは、唯一残っている繭も食べられてしまうのだろうか。
それにしても、こんな時期にクロヤマアリで繭のことを話題にできるとは思いもしなかった。このコロニーの季節はどうなっていたのだろうか。

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