2014年10月の観察日記
10月1日 | 今年、ハヤシクロヤマアリは辛うじて現状維持というレベルだった。 シーズン最初の頃、全く蛹が出て来なかったのだが、餌をコオロギからミールワームに変えた辺りから少し好転したように思う。 以前はミールワームよりコオロギが食いが良かったのでコオロギを与えていたのだが、今回は逆。 しかも、2匹の女王のうち1匹が崩御召されると言う事態も発生。 何かがかみ合っていないのは分かるけれど、その「何か」がよく分からないまま今年のシーズンも終わろうとしている。 |
10月2日 | ハニーワームがまた沢山孵化し、成長するにつれ入れてあった餌を食いつくした。 そのために引っ越し作業を行っている。 ピンセットで1匹1匹つまんで新しい餌を入れた容器にせっせと移す。 思えば、ハニーワームは消費が激しい時はかなり使うのだが、それでも昨年初めに購入後、何とか世代を繋ぐことが出来ているように思う。 これも時期的に今年はそろそろ終了だと思う。 今年最後の引っ越し作業になるのだろうか・・ |
10月3日 | 朝夕を中心にすっかり涼しくなってきたが、チクシトゲアリにはまだ繭がある。 繭が白い。繭を紡いでそう時間が経っていないためだろうか。 |
10月4日 | トゲアリは、今年の生産はもう終わったのかと思っていたのだが働きアリの陰になっていたのか、卵が見つかった。 小さな幼虫も見える。 繭が現在4つあるがこれが無くなれば今年の羽化は終了っぽい。 夏の羽化ラッシュ以降伸びなかった。 |
10月5日 | 恒温機クサアリモドキの(恒温機の電源は落としているが)個体数の多い方と表現しているコロニー。 幼虫はこの大きさのみになった。 卵や繭も見当たらない。 |
10月6日 | ヤマヨツボシオオアリにしてみた。 幼虫は存在しているがクサアリモドキ同様大きさがほぼ揃っている。 これも多分越冬モードに入っているのだろう。 |
10月7日 | 台風が過ぎ去った後、朝夕が更に冷え込むようになったがケアリはどうしているのだろうか。 もう、卵の無くなったアリたちも多い中、このコロニーはまだ卵が沢山。 お断りするが、加温は一切しておらず、完全常温飼育だ。 蛹も多くないが見られる。 様子を見ていると真夏の頃とあまり変わらないようにさえ見えてくる。 ぷりぷりと太った幼虫たち。まだまだ沢山いる。 恐らく今年中に蛹になると思うのだが、気温も下がり始めている今、成長を満了できるのだろうか・・ |
10月8日 | クロナガアリにした。 働きアリ。アップにすると毛深さが良く分かる。 蛹になって間もない白い蛹。乳白色で美しい。 上とは別の蛹。白いものと色づいて来たものと2つ。蛹自体は多くないがサイクル自体は回っている。 |
10月9日 | トゲアリは育った幼虫は繭になった。 繭が横向きではなく、縦向きのために少し分かり辛い写真になった・・ 小さな幼虫を咥えるトゲアリの働きアリ。 幼虫たち。数はそこそこいるので、来年以降も継続して卵から繭までのサイクルがある状態に持っていけたら・・ |
10月10日 | アメイロケアリ。コロニーを見ても今一つ勢いがない。 幼虫を世話する働きアリ。幼虫が存在するだけでもましだと言えるのかもしれないが、ホストのケアリも数が減ってしまった・・ |
10月11日 | 今年女王を採集したクロヤマアリ。 3コロニーのうち1コロニーが何故か今頃産卵を開始したと少し前に書いた。 その後、どうなったのだろうか。 幼虫が孵化していた。 上の塊とは別の卵幼虫の塊を咥えるクロヤマアリの働きアリ。 10月も3分の1が過ぎたが、これらの卵幼虫が成長できるのか注視したい。 |
10月12日 | 昨日は所用があってどこにも行けなかったので、本来なら今日に枚岡を歩こうと思った。先週に続き、台風が近づいているということで悩んだ末に出かけることをしなかった。 枚岡で、椋ヶ根橋付近の枝折りをしてみたいと思っていたのだ。 あそこは、今年はどういう訳か草が繁茂してしまった。 ゴールデンウィークに調査しようと思ったが、枝折りを始めてすぐに半袖の腕にとまっていた剛毛を持つ芋虫(というか毛虫だろうか)に触れて、血が出た(直径は1ミリもないほどの小さな傷だった)。 それで心折られて以来、すっかり今年は枝折りをしていなかったのだ。 草が繁茂した事で、地表付近の環境が変わったことが考えられた。 明日は、台風・・・。 |
10月13日 | 給餌間隔は最近2日に1回にしている(春先から夏過ぎまで毎日給餌していた)。 それでも、今の所不具合は起きていない。 春先は卵や幼虫を大量に生産してもらうために沢山給餌する必要があったのだが、最近は女王アリの産卵も落ち着き、幼虫の成長も一段落になっている種類が多いので2日に1回でも問題は起きていない。 もう少しして寒くなり真冬になると週に1度くらい、ゼリーを与えるという感じになってしまう(低温への耐性が種類ごとに違うようで、食べてくれるものもいれば完全放置に近い形になってしまうものもいる)。 給餌は大変だが、真冬の頃の宙ぶらりん感も少し寂しい。 |
10月14日 | ウメマツオオアリ。 女王の周りに働きアリが集まっている。 とても飼いやすい部類に入ると思うし、採集も枝を折れば遭遇の可能性は高いと思われる。 ただ、細かな隙間からすぐに脱走するのが玉にきずなのだが・・ 意味もなく働きアリをアップにしてみた。 |
10月15日 | キイロシリアゲアリ。 幼虫の塊。沢山幼虫がいる。 ひたすらに幼虫。 蛹を咥える働きアリ。 女王アリたちは皆元気だ。 脱落個体はおらず、元気に過ごしている。 |
10月16日 | 朝夕は涼しいと言うより、肌寒さを感じるようになってきた。 日中も暑い日は無くなり、快適な気温になってきている。 アリたちも多くの種類が夏場ほど餌場に出て来なくなった。 こういう姿を見ると、今年のシーズンも終わりが近いなぁと思わされる。 |
10月17日 | 昨年新女王を採集したクロオオアリ。 他のクロオオアリコロニーは繭が無いのだが、このコロニーにはまだ繭がある。 そして、成長した幼虫の姿もちらほら。 うーん、どうなっているのやら・・ |
10月18日 | どういうわけか、秋になって急に産卵を再開したクロヤマアリはどうなったのかというと・・ 育った幼虫。餌として与えているミールワームを食べているようで、体内には色が入っている。 そのコロニーの女王アリ。腹部は肥大している。 卵を咥える働きアリ。10月も半分を過ぎているのに、いったいどうしたのだろうか。 ちなみに加温やそういう温度関係の処理は全く行っていない。 他のクロヤマアリ2コロニーは以前書いたように産卵は全くない。 このコロニーだけに卵や幼虫が見られる。 |
10月19日 | ケアリコロニー。 繭がまだこれだけある。 働きアリの羽化も少ないが続いている。 |
10月20日 | クロナガアリの日常。 幼虫と働きアリ。 蛹と働きアリ。 週に1回、粟玉と乾燥アカムシを与えている。 |
10月21日 | クロヤマアリはどうなったのかというと、 繭が1つだけできていた。 育った幼虫。繭になるのも近そう。 一旦、秋モードで産卵を停止したのに、朝夕がめっきり涼しくなってから産卵を再開したのが何とも不思議である。 |
10月22日 | アメイロアリは最近動きが少なくなった。 女王とその周辺を写してみた。 餌場を徘徊する働きアリも極めて少なくなった。 |
10月23日 | 今年の観察日記を読むと、2月28日に恒温機を稼働させたと書いてあった。 ただ、実感としてここで温めるなら、加温せずとも良かったのではないかとも思う。 来年、恒温機を稼働させて加温するかどうか、少し悩むことになるかもしれない。 もし、無加温で飼育すれば産卵開始は早い種類で3月中下旬以降だろう。 よく考えると、2007年に恒温機を入手して以来、冬が終わるまで無加温と言うのをやっていない。 いつでも温めて稼働できるのは恒温機の特権ではあるんですけどね・・ どうしようか。今から少し悩み中。 |
10月24日 | キイロシリアゲアリ。 特に目新しいこともないまま、今年の活動時期も終わろうとしている。 |
10月25日 | 恒温機に入れているクサアリモドキ。 この画像では分からないのだが、幼虫がカートンの「台座」の上に乗せられている。 野生状態ではどういう感じか分からないが、カートンの上の方が心地よいのだろうか。 |
10月26日 | トゲアリ。 女王アリ。働きアリとは色彩がかなり異なる。 昨年、全くトゲアリが羽化しなかったのは一体何だったのだろう・・ |
10月27日 | 一年常温飼育していた方のクサアリモドキだ。 画像を見ると働きアリが咥えている幼虫が恒温機のものよりも大きいような気がするが・・? |
10月28日 | ケアリ。女王を働きアリが取り囲んでいる。 この図、アメイロケアリやクサアリモドキでよく似た感じになっているのを見るが、ケアリも中々。今年はよく卵を産み、女王が一度に2個産卵しているのも何度も見た。 来年は、どれだけ増えるのやら・・ |
10月29日 | 今朝は最低気温が一ケタになったそうだ。 そのためもあるのだろうか、アリたちの蜜餌の消費も少なくなってきた。 夏にはすぐに消費されていたメイプル水割りも種類によっては翌日に残っているようになったのだ。 これを見ると、冬が来るなぁと思う。 |
10月30日 | クロオオアリの恒温機に放り込んでいるコロニーでこんなものを見つけた。 もう寒くなり始めているのに育った幼虫が2匹いる(もう1匹が画面外にいる)。 クロオオアリは恒温機に他に1コロニー、完全常温環境に2コロニー飼育しているが、他のコロニーではこのような幼虫は見られない。 先ごろ紹介したクロヤマアリと言い、不思議な現象だ。 どうなるのだろう、この幼虫。羽化までこぎつけられるのか? |
10月31日 | アメイロケアリ。 女王は元気なのが救いだが、働きアリは本当に少なくなった。 メイプル水割りダイブ現象の原因を突き止められず、死者の数を増やしてしまったのが痛い・・ |