2013年6月の観察日記

6月1日 久々感のあるチクシトゲアリ。

ご覧のとおり、繭が沢山。今のところ、特に問題ない。

コオロギを食す。チクシトゲアリはコオロギとメイプルで維持できている。
6月2日 クサアリのお腹が膨らんだことを取り上げたが、こちらも負けないくらい膨らんでいる。

相変わらず、パンパン。観察できる時間は限られているが、それでもしょっちゅう働きアリに口移しをねだっている。

卵塊の世話をしている働きアリ。

幼虫群の一部。働きアリの個体数は多くはないが、幼虫、蛹の量が多いので、一気に増えるだろう。

繭山の一部。大型の繭はなく、ほぼすべてこのサイズだが、数が多い。
6月3日 クロナガアリに出勤前に粟を与えた。
帰宅後、様子を見ると巣部屋に運び込んでいた。

運び込まれた種子。数日で食べるところを食べて餌場にゴミとして出してくる。

幼虫沢山。春になってより一層勢いが出てきたように見える。

卵幼虫蛹がこんな感じ。今までにないくらい、うまく維持できている。
6月4日 ハヤシクロヤマアリも順調。

繭山その1。

繭山その2。女王は2匹ともこの山の中に埋もれていた。

羽化したての働きアリ。蛹の皮が少し見える。
クサアリのようにどかどか増えるわけではないが着実に増えてきている感じ。
ミールワームとコオロギを与えているがどちらかというと小さめのコオロギがお気に入りのようにも見える。
6月5日 昨年末、河内長野で採集したチクシトゲアリのコロニーで、思わぬものが羽化していた。

オスだ。

羽化したばかりのオスアリ。
偶発的な羽化ではなく、数匹オスが見られるので計画的に生産されたようだ。 
6月6日 トゲアリだが、意外な展開が見られた。

蛹になったと思ったら、形が変。オスの蛹なのだ。
しかも、裸蛹。この裸蛹はほぼ翌日には食われてしまっている。
蛹になった個体すべてがオスなのだ。オス特有の腹部の形。
ということは、この女王様に問題があるとしか思えないのだが・・?

問題の女王様。腹部はパンパンなんですがねぇ。
6月7日 5月に採集したクロオオアリの女王アリ。
今日、幼虫を確認した。

全ての卵と幼虫。孵化はまだ3匹だけ。
これから孵化が続くだろう。
6月8日  クロヤマアリの飛行の季節である。
昨年は大阪城付近を捜したがめぼしい成績が得られなかった。
そこで、今日は鶴見緑地に出かけた。
公園の入口付近ではクロヤマアリが見られず、どうしたのかと思ったが、公園内部に入るとクロヤマアリの働きアリは多く見られた。
しかし、有翅個体も、脱翅個体も全く見つからなかった。
死骸も見つからなかった。
大学卒業後、クロヤマアリの効率良く女王が見つけられるフィールドに恵まれていない。
今回も新しい観察場所に期待をかけたが、駄目だった。
飛んではいると思う。
しかし、どうもクロヤマアリは私の中では「働きアリはごく普通に見つかるが女王が全く見当たらない」種類になってしまっている・・
6月9日 アメイロケアリ。
最近、鈍いながらもサイクルが回り始めている。

成長した幼虫と働きアリ。

繭塊の一部。

中齢幼虫の塊。
どのステージも数は多くないが、一通り見られる。コオロギを与えると翌日には食べつくしてくれている。
今年はコオロギをメインにしているが、今のところそちらに切り替えて良かったと思う。
6月10日 昨年採集したムネアカオオアリは至って順調だ。

働きアリに囲まれた女王。産卵は継続中。

羽化したての体色の淡い働きアリ。
コオロギが良いのか、体のサイズはすでにやや大きめである。

そんな羽化したての働きアリの1匹を写してみた。
6月11日 ケブカツヤオオアリは羽化ラッシュを迎えている。

色が淡い。この色、ヤマヨツ辺りが似ているように思う。

女王。最近腹部が縮んだ。
6月12日 明日、気温が上がる予報が出ている。
予想最高気温は34℃。
これは、そのままではチクシトゲアリやアシナガアリが狂走して壊滅しかねない危険温度だ。
そこで、恒温機を動かすことにした。
本当は月末くらいをめどに稼働させる予定だったが、こんなに早く暑いのが来るとは思わず、予想以上に早い再稼働になった。
とりあえず設定温度は27℃。これで明日様子を見よう。
ちなみに今日(恒温機を動かしていない状態で)の温度計は28℃を指していた。
6月13日 アリの給餌をしていた時のこと。
ふとしたはずみで、昨年女王を採集し立ち上げたクサアリモドキコロニーの巣部屋と餌場を繋ぐチューブが外れた。
外れた個所から溢れるように出てくる餌場にいたケアリたち。
それらが私の手を噛みまくる。
散々噛まれてようやくつなぎ直し、脱走兵も回収。
それだけでもどっと疲れたが、この日に限ってアシナガコロニーのチューブもスポッ・・
くたくたになってしまった・・ 
6月14日  先月採集したクロオオアリの新女王の所ではもう繭が出来ていた。

比較対象がないので、大きさが分かり辛いが、クロヤマアリの働きアリ繭より若干大きい程度。
初期コロニーの蛹は本当に小さい。
6月15日  昨年女王を採集したクサアリモドキコロニーの巣部屋増設を行った。
増設は3部屋。従来の物の下部に3部屋増設する。
単純にチューブを繋いで終わり、なのだが、新しい巣部屋にグルーガンで脱走の隙間をふさぎ、従来の巣部屋からつなぐ時にどうしても脱走兵が出てしまう。
それらを集めて元に戻し、どうも餌場の蓋がきちっと閉まらない(グルーガンでチューブと餌場の箱を貼り付けたがそれが原因?)ようで、その隙間からちょこちょこ脱走が見られていたので、思いきって巣部屋の蓋の上に重い穴開けドリルの容器をどかっと乗せて様子を見た。
脱走は見られず、乾燥している新しい部屋に繭を運ぶ様子が見られた。
当分様子見のために恒温機に入れず、目の届くところに置いて様子見。
6月16日 大阪城公園に出かけた。
クロヤマアリのメスアリを観察したかった。
歩いていると、足元を動く物体が目に入る。

ケアリの脱翅メスだ。この時期に飛ぶとは意外だった。もう10日ほど遅いと思っていたが。 

巣を掘るためだろう、隙間に頭を突っ込んではまた出てきて・・を繰り返していた。
6月17日  昨日のこと。
夕方、所用があって、3時間ほど家を留守にした。
帰宅後、部屋に入ると・・
部屋を多くのケアリワーカーがわらわらと歩いているではないか!
脱走の個所はすぐに分かった。
昨年新女王を採集して立ち上げたクサアリモドキコロニーの接合チューブが一か所外れていたのだ。
ケアリとクサアリ(ケアリの方が多かったが)達は少し離れたところに蓋が閉まりきらないで置いてあったメイプルに飛び込んでいた。
それ以外の者は蟻道を作っていたのか、殆ど同じような所に出現してきたので出てくるのを見計らって吸いとり、また出てくるのを待って・・
を繰り返してほぼすべて回収できた。
もうね、最近脱走事件が続いてへとへとです・・
6月18日 アリに給餌作業をしていた時のこと。
ふと、アメイロケアリコロニーの動きが少しおかしいことに気がついた。
よく見てみると、女王が死んでいた。
まだ解体されておらず、働きアリが母なる女王を気遣うようにわらわらと纏わりついていたが、当の女王は生きてるような姿のままピクリとも動かぬ骸になっていた。
合掌。 
6月19日 日曜日に大脱走をかましてくれたクサアリモドキだが、餌場を少し変えてみた。
これまでは餌場と同じ薄い容器を使用していたが、巣部屋を増設しても餌場に働きアリがたむろし、高さが低い容器なので、脱走が相次ぎ餌やりが困難になってしまった。
そこで、高さが10センチほどあるタッパーに穴を空け、壁面にパウダーをたっぷり塗ってそれを餌場にした。
この餌場改良工事を行ったのは月曜日。
それから2日経つが、問題は起こらず、餌場にたむろしていた多くの働きアリたちは巣部屋に戻り、餌場には適当な数の働きアリが蜜餌を飲んだり、与えたコオロギにたかったりという「通常営業」が戻ってきた。
ただ、餌場を大きくしたことで、恒温機に入らない。
女王区画だけでも氷枕でも使おうか考え中である。 
6月20日 普段巣部屋に使っている容器についてあれこれと。

普段使うのはこの容器。ダ○ソーにて売っていた。
商品名は「いろいろ小物整理箱」とあるが、この商品自体あまり見かけないうえ、最近はどういう訳か青や赤に着色されたものが主流になっているのか、透明のものは見かけなくなってきた。

穴あけはドリルで。ドリルの刃はいろいろなサイズがある。 

容器に石膏を敷く。色をつけた方が乾燥具合が分かりやすいと思う。色は各人の好みで良いのではないかと思う。私の場合は茶色メイン。

側面にチューブを繋ぐための穴を空ける。最初から大きくなくて構わない。

上で開けた穴をアリの体サイズに合ったチューブに合わせてリーマーで大きくする。これは「シャーシリーマー」という名前でハンズで売っていた。

蓋に給水用兼空気穴をあける。ドリルで穴をあけた後、茶漉しのメッシュ部分をあてがい、グルーガンで留めた。
これで大体は出来上がりだが、ケアリを飼うときは巣部屋の蓋をグルーガンで貼りつけないと脱走する。
結果、巣部屋の蓋が外せなくなってしまうがこうしないと、ね・・

この容器の長所は薄いので嵩張らないこと。100均で売っているものなので、一つ一つが安いこと。
短所は上に書いたが密閉性に今一難があること。最近入手し辛くなっていること。
薄いということは高さが低いので、餌場に使用する際は飼育する種類によっては給餌のたびに脱走が考えられること。
それでも、使い勝手が良いので重宝している。
6月21日 巣部屋を増設したクサアリモドキは、問題なく新しい巣部屋に繭を運び込んだ。
ただ、下側の容器に繭山を運び込んでいて、撮影しようとするとちと手間。
また動かしたことで先日のような大脱走を考えると、中々思うに動かせない。
上階の巣部屋もここ数日結露がひどく、思うような写真が撮れない。
ジレンマ・・
6月22日  大阪城公園に出かけた。
昨年、ちょうど今頃にアメイロケアリのメスアリがケアリを咥えているのを見ていたので、ひょっとしたらそれが見られるかな、と思ったのだ。
また、先週、先々週と継続して行っているクロヤマアリの女王観察も行いたかった。
しかし、結果は全くのボーズ。
クロヤマアリは働きアリは多く見かけるものの羽アリは見かけない。
アメイロケアリもポイントで粘ってみたが、今日は涼しいためか全く気配なし。
クロヤマアリの女王は今年も良いポイントが見つけられないのだろうか。 
6月23日 ヤマヨツボシオオアリ。
例年不調というか、活力に欠けている状態だったが、今年はどういうわけか、恐ろしく順調なのだ。

壁面にたたずむ働きアリ。

卵と小さな幼虫の塊を世話している。
6月24日 ケブカツヤオオアリのその後。

女王の腹部は小さくなり、産卵量も少なくなった。
幼虫も少なく、繭が多い。
働きアリが羽化を続けてそろそろ増設済みの巣部屋に進出してきてもおかしくないが、今はまだ現在の巣部屋にとどまっている。 
6月25日 クサアリモドキ。
先日巣部屋を増設し、餌場を大きくしたもの。

幼虫群の一部。一時期より数は減ったが、次の卵塊がわんさか・・

卵塊を世話しているクサアリモドキの働きアリ。

卵塊その2。
こんな卵塊がまだ他にもある。
影の部分になって撮影できなかったが女王の腹部はパンパンである。

餌場にて。右上に写っているのは巣部屋への入り口のチューブ。
このコロニーは昨年クサアリモドキの新女王を採集して立ち上げたが、ホストのケアリの繭をどかっと入れたのでロケットスタートが切れ、個体数は一昨年採集した2コロニーを凌駕している。
とにかく、肉餌は与えた分がすぐ卵になっているような錯覚を覚える・・
6月26日 1カ月ほど前に採集したクロオオアリの新女王は繭まで育て上げた。
思えば、一番最初にメイプルを与えて以来、ほぼ完全放置だったが、却ってそれが良かったのかもしれない。

それにしても、最初の働きアリの繭って小さいね・・ 

繭の場所を置き換えている女王アリ。
6月27日 仕事帰り、地面にアメイロケアリの有翅メスの死骸があった。
昨日の雨の後、今日は気温がやや低い気がしていたが、飛んだんだと思いながら地面を眺めて歩いた。
そうすると1匹だけ有翅メスが地面で休息しているのを見つけて確保した。

持ち帰ってみたが羽を落とさない。
ビミョーな展開だ・・ 
6月28日 昨日採集したアメイロケアリの有翅メスは羽を落とさない。
うーん、ダメっぽい・・
容器に入れた当初は触角で隅々を探るしぐさを見せ、ひょっとしたら脱翅するか、とも思ったが、馴染んでしまった。
脱翅メスじゃないとだめですかね? 
6月29日  約40日前に採集したクロオオアリで初子が生まれた。

いつ見ても、細長い独特の体型だ。
6月30日  午前、枚岡公園を歩いた。実におよそ40日ぶりだ。
歩き始めてすぐにあることに気がついた。
5月にうじゃうじゃいた毛虫が全くいなくなっているのだ。
それだけでも快適に歩けた。

クサアリモドキの脱翅メス。今日はこの1匹しか見かけなかった。

ミヤマカミキリも見られた。昨年は見かけなかったが、今年はすでに1匹目。
また写真を写さなかったが腹部が全くない死骸もあったので2匹見かけたことになる。

1匹良く分からないオスアリがいた。フタフシならアシナガかと思ったがヒトフシだった。
腹部の先端が割れているように見えたので交尾済みなのかもしれない。

カナブンの死骸。私はアオカナブンとクロカナブンは見たことがない。アオカナブンの緑色はぜひとも一度見てみたいと思うが、未だに果たせていない。

寄生性ケアリのものとおもわれる羽が一枚。持ち主は見当たらず。

カマキリ。3センチほどあった。

今朝はどちらかというとクロクサ祭りで、本当に良く見かけた。
普通のケアリやアメイロケアリを探してみたが見つからなかった。
アメイロケアリは先日有翅メスを見ているので、あるいは、と思ったが見当たらなかった。
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