2013年3月の観察日記
3月1日 | ケアリ。恒温機で飼育しているが、繭ができ始めた。 数はまだ少ないが、肉餌も良く食べるのでこれからががんばりどころ。 裸蛹も見られるがまだまだ少数。 卵塊。一気に大きくなるかと思っていたが穏やかに大きくなってきている。 |
3月2日 | キイロケアリも繭が出来ている。 繭。昨日取り上げたケアリより繭の数は多い(幼虫の数はケアリの方が多い)。 卵塊を世話している働きアリ。 幼虫を運ぶ。 女王。元気である。 |
3月3日 | アズマオオズでも産卵を確認。 しかし、卵を壁面にへばりつけてどうしても良い写真が撮れず・・ |
3月4日 | アメイロケアリで不穏な気配? 女王の周りに働きアリの取り巻き。 それは不思議ではないが今日はやけに働きアリが女王に執拗に纏わりつくのだ。 そしてそのそばを良く見ると働きアリが集団で1匹の働きアリを磔にしている。 張り付けられた働きアリはまだ生きているようで触角が動いている。 何だろうか?そこはかとなく嫌な予感・・ |
3月5日 | 昨日、不穏な動き?と書いたアメイロケアリ続報。 今日、様子を見るとコロニーは至って平静だった。女王に執拗に纏わりつく行動も見られず、美しいローヤル・コートを見ることができた。 働きアリに囲まれた女王。今日は本当にどっしりとしていて、給餌と撮影のために容器を動かしても全く動じない。しかし、産卵はまだ始まっていない。 このコロニーには現在幼虫が1匹しかいない。 昨年、ミールワームをあまり食べてくれず失速していたのだ。 その唯一の幼虫も大きく育った。 お馴染み感が出てきたハニーワームの欠片を貪る働きアリ。 栄養交換の図。 |
3月6日 | アメイロアリは展開が早く、もう働きアリが羽化した。 色の薄い羽化したての働きアリが既に数匹見られる。 さらに、トゲアリは待望の産卵を始めた。 1個だけの卵を運ぶホストのクロオオアリ。 女王。餌交換や撮影時にせわしなく歩きまわる。 |
3月7日 | アメイロケアリは産卵がまだ始らない。 昨年失速させただけにやきもきさせられる。 女王を取り巻く働きアリやハニーワームを食べる光景はいつもどおりなので、産卵が始まればまた色々と動きもみられると思う。 卵を産み始めるのは明日か、明後日か・・いつなんだろう。 |
3月8日 | 恒温機に入れているクロオオアリでも産卵が始まった。 これで、恒温機組で産卵を開始していないのはアメイロケアリだけになった・・ 卵。どうもこのショットは少しぼけてしまう。 働きアリのお腹はどの個体もこんな感じで大きい。 数少ない越冬した幼虫を運ぶ働きアリ。 他のクロオオアリは常温で飼育している。 |
3月9日 | とても暖かい日。 午前に近所の公園の桜の幹をケアリの働きアリがせわしなく登って樹皮の割れ目にしきりに首を突っ込んで餌を探していた。 そこで、何か見られるかと思って枚岡公園。 時期はまさに梅真っ盛り。 梅の花にキタテハが来ていた。 スミレの仲間だと思われる。早春に見かけるが今日はまだそれほど多くなかった。 サシガメが1匹だけいた。 この植物は以前も取り上げたが種名が分からない・・ アリを探して歩いてみたが、辛うじてルリアリが1か所で見られた以外は何も見かけなかった。ルリアリを撮影を試みたが、プレビューだとうまく行ったと思っていたが帰宅後取り込むとダメダメな写真だったので、ボツにした。 |
3月10日 | アメイロケアリに与えているハニーワームの丁度良いサイズの物がなくなったので、大きめの物を与えてみたらこんな光景が。 餌場でハニーワームの肉を齧り取っている。 数日前に、ごく小さなハニーワームを入れてそれは巣内に持ち込んで齧っているが若干それよりも巣内で齧られている肉片の量が多いので、この餌場のハニーワームも齧り取っているらしい。現にハニーワームの残骸は少しずつだが小さくなっている。 ただ、このように齧っている現場を中々目にしなかったのだ。 女王は未だ産卵せず。・・・不安だ。 |
3月11日 | クサアリモドキ。昨年立ち上げたコロニーと一昨年立ち上げたコロニーには若干差異がみられる。 昨年立ち上げたコロニーは幼虫より卵に肉餌の分が行っていると印象が強い。 女王の腹部は大きく、卵をどかどか産んでいる。 他方、一昨年立ち上げたコロニーは幼虫の方に栄養が行っている印象。 幼虫は成長して終齢とも思えるほどの大きさのものもちらほら。 女王の腹部は肥大化し、産卵も行っているが前者ほどではない。 この「栄養の振り分け」が何によるのか、良く分からないがこのままいくと一昨年立ち上げたコロニーの方が働きアリ誕生は早いだろう。 |
3月12日 | 久々のヤマヨツボシオオアリ。 繭は見られないが幼虫は育っていて、今のところ順調…なのかな? 女王。多雌だと言うがこのコロニーには1匹だけ。 小さな幼虫がたくさん。 大型働きアリ。腹部に薄いが星が見られる。 |
3月13日 | ムネアカオオアリでは1コロニーで繭が出来ている。 繭は2つ。大半のコロニーではまだ繭は見られず成長した幼虫ばかりなのだが、いずれどのコロニーでも見られるようになるだろう。 |
3月14日 | クサアリモドキ。昨年女王を採集して立ち上げたコロニーはまだ幼虫が小さいが、一昨年立ち上げた物が幼虫が育ったとこの前書いたが、今日は写真を撮影してみた。 幼虫の塊その1。 幼虫の塊その2。 働きアリ。一昨年立ち上げたコロニーではケアリよりクサアリモドキの働きアリの方が多くなってきた。わさわさと動くさまはとても勢いがある。 |
3月15日 | チクシトゲアリでも繭が見られるようになってきた。 繭は数こそ多くはないが今後働きアリが羽化してくるだろう。 チクシトゲアリは大きさも手ごろで色合いがとても気に入っている。 |
3月16日 | シワクシケアリ。越冬幼虫はほぼ蛹になった。 蛹の山と働きアリ。 産卵も順調で孵化が始まっている。 越冬幼虫の大半は蛹、もしくは前蛹になっている。 そのためかここ数日は肉餌の欲求が少し落ちたような感じ。 女王。腹部の伸長はこれが最大のようだ。 働きアリ。ハニーワームを与えると集団で襲いかかって針を刺しているのを見ることができる。 |
3月17日 | 昨年夏にコロニー採集できたクロオオアリは越冬モードからそろそろ抜けてきているようで、活動が見られてきている。 メイプルを入れたフィルムケースに集まる働きアリ。 蜜を呑み、お腹が膨らんだ大型働きアリ。 ハニーワームを襲う。 蜜の飲み方の方が今は肉餌より激しいがもうすぐ肉餌への欲求も出てくるだろう。 |
3月18日 | 昨年新女王を採集して立ち上げたアシナガアリ。 働きアリと幼虫。働きアリはまだか弱い体つきだ。 蛹。このコロニーにはまだ1つだけ。 卵と幼虫。卵の数は微増している。 |
3月19日 | ムネボソアリにミールワームを与えたら「アリの花」が咲いた。 ミールワームを与えてすぐこんな感じ。 もう一つのミールワーム断片。 ムネボソコロニーは2日に1回の給餌だが毎回こんな感じである。 |
3月20日 | キイロヒメアリは、卵幼虫蛹成虫とサイクルが順調に回っている。 幼虫と働きアリ。女王になる大型の幼虫は現在見当たらない。 卵は壁面に固めて集められている。 昨年末に生まれた女王。なぜこの個体が年末に生まれた個体か分かるのかというと、この個体、やけに体色が濃いのだ。 |
3月21日 | 昨年女王を採集したクサアリモドキコロニー。 女王の産卵がひと段落したようで腹部が少し縮んだ。それと時期をほぼ同じくして越冬幼虫が成長を始めた。 幼虫の周りにはケアリの働きアリが常にいるが、そこから見える幼虫が大きくなってきている。 そのうちの一匹を拡大した。 上の幼虫ほどではないが、小さな幼虫たちも体内に色が入っている。 女王の産卵がピークの時は体内に色が入っていなかった。 餌はふんだんに与えていたつもりだが、不足していた? 今日は餌場に幼虫を置いていてそれに付随して働きアリも多数餌場にいたので餌やりに苦労した・・巣部屋が乾燥気味だったことが原因のようだ。 |
3月22日 | 産卵しないアメイロケアリ。 ミールワームを運び込んで齧っていたり、肉餌に関しては明るい要素はあるが、産卵がない。 正直・・・厳しいかも・・ |
3月23日 | ハヤシクロヤマアリは繭ができ始めている。 数は少ないが、増えてほしい。 しかし、卵幼虫とも思ったほど増えてこない。 恒温機を使う前の方がもっと増えていたような気がする。 23℃という温度は少し低いのか、昨年から考え続けているがまだ答えが出ていない。 もう少し暖かくなったらケースを常温に移して様子を見るのも良いかもしれない。 卵を運ぶ働きアリ。少ないとは言ってもこれは卵塊の一部だ。 |
3月24日 | 一昨年立ち上げたクサアリモドキコロニーで前蛹が1個体だけみられる。 うまく行けば明日か明後日には蛹になっていそうだ。 写真を写したかったが、どうしても写りが悪く撮影はギブアップしてしまった。 |
3月25日 | 産卵しないアメイロケアリ。 どうしたものかと思っていたら、卵らしきものを一つ咥えている働きアリを見つけた。 これ、卵ですよね・・? しかし、2005年ころ飼育していたミカドもシーズンの最初にほんの数個卵を産んだだけで産卵しなくなった。 その頃、土生さんから指摘されたのがタンパク質不足から卵巣が委縮した可能性だった。 このアメイロケがそのミカドと同じ運命をたどるのか、まだ分からない。 ただ、一つのヤマは越えた感じ。 まずは一安心?な女王。 ほぼいつも黄色の働きアリがまとわりついている。 |
3月26日 | 一昨年立ち上げたクサアリモドキコロニーで、幼虫に石膏の屑をかけている光景が見られる。 周囲にはクサアリモドキの働きアリが世話をして、残っているケアリは子育て領域にはあまり見られない。 近づいた図。頭でっかちの働きアリが可愛らしい。 |
3月27日 | 昨年新女王を採集したクロオオアリ。 2コロニー飼育していて、1つは恒温機に入れているが、もう1つは常温飼育だ。 その常温飼育のクロオオアリも産卵を始めていた。 卵塊。思っていたより多かった。 このコロニー唯一の越冬幼虫だが、成長を始めていた。 |
3月28日 | 最近登場機会がなかったヒラズオオアリ。 昨年はチューブに籠り、全く観察できなかったうえに働きアリがぽつぽつ死んで現在働きアリが2匹。 温め始めても産卵もなかったので、厳しすぎる展開だったのだが、産卵を始めた。 細長い卵が3,4個見える。少なくとも一昨日にはなかった。 女王と働きアリ。働きアリは普通の形態で特徴的な頭部をもつものではない。 女王をアップ。ボンレス。 産卵開始前にスポンジに給水を行っている。 この水分が効いたのだろうか? |
3月29日 | 昨年、1匹だけ働きアリを生産したチクシトゲアリコロニーでようやく2匹目の働きアリが誕生していた。 ぼけているが手前の個体が女王で奥の2個体が働きアリだ。 大きな幼虫が現在1匹いる。 卵と小さな幼虫の塊を咥える働きアリ。 |
3月30日 | 天気が良い。 枚岡公園を歩いた。 山道を歩いているとテングチョウがのんびり日向ぼっこしていた。 側溝に止まっていたガ。種類は分からない。 ハムシ。これも日向ぼっこしているのか、動かなかった。 クサアリが夏ほど密度は濃くないが行列していた。 例年、5月頃に良くネタとして用いるナナフシの幼虫。 こんな時期にもいた。 コンクリート片をめくると、トビイロシワアリの大きなコロニーが暖を取っていた。 女王は少なくとも2匹いた。そのうちの1匹。 トビイロシワアリの巣内で見つかるクモは見当たらなかったがアリヅカコオロギは1匹いた。しかしすぐに物陰に隠れてしまった。 石をめくると一か所だけハヤシクロヤマアリが固まっていた。 女王はいなかったが働きアリが数個卵を咥えていた。 野外でも産卵が始まっているようだ。 最後、おまけ。 桜は真っ盛りだった。とても美しかった。 |
3月31日 | アメイロケアリは産卵しない。 コオロギを殺して与えるとこれまたハニーワームのように集まる。 ここ最近はミールワームの中身も空っぽのことが多いので肉餌は食べていると思われるが、産卵しない。 働きアリが産卵を待ち兼ねるように女王にまとわりつくが・・ |