2013年1月の観察日記

1月1日 2013年が始まった。
恒例通り、元旦である今日に一年の目標とか方向性を書いて行きたい。
まず、飼育に関しては昨年に引き続き飼育コロニーの増勢。
この一言。
特に餌面に関して、「手間がかからない」事を重視したい。
要するに、「与える時に手間がかからないこと」と「食べ残しが少ないような餌を与えること」の2点。
これをクリアする餌があれば飼育管理に割く時間が少なく・・と思っている。
大いに掛け声倒れになりそうな結構でかいテーマだとは思いますけどね・・
野外観察は引き続き新しい場所を歩いて面白い発見が出来れば、と思う。
昨年は大阪城という身近な場所でも十分楽しめるキャパシティがあることが分かったのは個人的に金星クラスだった。
そんな所ですかね・・

目標その1の餌に関することは皆様でも思い当たる物があればどしどし教えていただきたいと思います。個人だと調べる範囲にどうしても限界があるので・・(何か他力本願・・)
そんなわけで、今年も一年よろしくお願い致します。
1月6日 アメイロケアリ。見事に働きアリが女王を取り巻いている姿が見られた。

働きアリが多ければもっと団子になっているのかもしれない。

女王の顔付近をアップにしてみた。
アメイロケアリは年末に記述したが、ホストのケアリはいない。
完全に黒い女王アリと黄色い働きアリだけの構成なのだが、ケアリがいなくなってからがどうも増え方が鈍化している・・
1月9日 クシケも越冬中だが、他のアリに比べると容器を触ると若干動きがある方だ。

働きアリを写す。頭部、胸部に皺が沢山見られる。
普段、クシケアリと記述しているがシワクシケアリが本当の種名。
便宜上クシケと呼んでいる。

小さな幼虫。大きく数を減らしているわけでもない。
白い働きアリがいるのだが、どう見ても最近羽化した物でもないようだ。 
1月10日 寒い日が続くが、クロオオアリで面白い物が見られた。

クサアリでよく「アリ玉」と名付けて紹介している塊によく似た物が昨年夏に採集したクロオオアリで見られる。
クロオオアリに共通するかと思うとそうでもないようで、

これは一昨年の夏採集した女王から立ち上げたコロニー。
バラけているが驚かせたとかそういう訳ではなくほぼ常にこんな感じ。
アリ玉を作っていると言ってもクサアリほど厳密ではなく、蓋を開けるとすぐにほぐれるのだが、一日置くとまた固まっている。
2コロニーで、対照的な越冬模様が見られるのは不思議な感じだ。 
1月12日 大学時代の友人のび氏と大阪南部、岩湧山に登った。

山頂近く、高圧電線の鉄塔があり、そこの真下から写したもの。
こんな物の真下に入って上をみるとこんな風になるんだね。 

山頂までは針葉樹や広葉樹の林の中を歩くが、山頂部分はススキが生い茂っている。
針葉樹の中を歩いて行くと、急に視界が開けるのだ。

林を抜けるとこうなって

こうなって

こうなる。

風がなかったが、空気が冷たい。ここより少し下がった所にトイレがあって、そこに温度計があった。表示温度は4℃。指が痛い。
ここから、紀見峠方向に下った。

一番大きかった霜柱。これを霜柱と呼ぶかは微妙だが、数日かけてここまで大きくなったようだ。他でも霜柱は見られたが大抵3センチほどの物で、これだけは別格だった。

さて・・アリの観察も行いたかった。
しかし、収穫と言えば10個体ほどのシベリアカタアリサテライト、数個体だけのウメマツオオアリサテライト、これまた数個体(女王含む)のムネボソコロニー、ごちゃっと出たシリアゲだけ。イタドリが非常に少なかったのが敗因かと。
写真になりそうな面白い物は皆無で風景画像ばかりになってしまった。
ちなみに、根古峰という所で紀見峠方向と南海電鉄紀見峠駅への分岐がある。
今回、紀見峠駅方向の道を選んだが下り道が恐ろしく急であり、且つ落ち葉沢山、石もあって非常に滑りやすい。
膝が笑うと言う経験をし、駅に付いたらくたくた。
帰宅時にはもう体力の余りが0に近かった・・
1月13日  一昨年夏に採集したクサアリモドキコロニー。
特に動きもないが、幼虫と働きアリを写す。

女王は相変わらず働きアリの団子の奥に埋もれていて姿が見えない。
幼虫は沢山いる。
しかし、昨年も幼虫は沢山いたがいまいち数が増えたという実感が得られていない。
給餌(特に肉餌)に気をつけるべきなんだろう。
1月14日 一昨年女王1匹から立ち上げたケアリコロニー。

越冬中だが、室温が上がると若干動く。女王はどっしりしていて働きアリより安定感がある。

幼虫。この大きさで揃っている。 
1月17日 ハヤシクロヤマアリは2コロニー飼育している。
両方とも女王が2匹だ。
しかし、今日観察すると1コロニーの女王1匹が死んでいた。
乾燥しているわけでもないが、生きてるような姿で脱落していた。
他の者たちは一応元気だが、女王クラスの脱落は初めて。
残念だ・・ 
1月23日 昨日、一昨年夏に採集したクサアリモドキ(働きアリの数が少ない方)を覗いてみるとゼリーに大挙して群がっている。
その図は2010年1月10日にクロヤマアリで紹介したのとほぼ同じ光景だった。
とにかく、ゼリーを交換。
一日経過して様子を見ると餌場のゼリーからは撤収していた。
ただし、「アリ玉」がややほぐれているのだ。
温度を見てみたが相変わらず約8℃を示している。
他のコロニーの様子も見てみたが、昨年12月に採集したチクシトゲアリも昨日よりアリ団子がほぐれている。
恒温機の温度は全く上げていないのに、さっぱりわからない。
とりあえずしばらく様子を注視する必要があるかもしれない。 
1月27日 恒温機内8℃という温度はアリたちには「寒いが全く動けないと言う温度」ではないらしい。
越冬モード中、水分保持剤としてゼリーを与えているが、巣部屋が乾燥してくるとゼリーの方に集まってくるのだ。
ゼリーはメイプルの水割りと違って液体そのものではないので、溺死も少なくゼリーを食べることで水分と栄養を同時に摂取させられるので、越冬管理時に重宝している。
過去の日記を読み返すと、2009年の春が一番恒温機稼働が遅かった(2月14日)。
他は1月中に温度を上げているので、今年はアリたちには「いつになく長い冬」になっていると言えるのかもしれない。
1月29日 日付が変わる頃に、恒温機を15℃に設定。
帰宅後、様子を見ると先に女王が1匹死んでいたハヤシクロヤマアリはもう1匹の女王も死んでいた。
腹部が大きいまま死んでいたが、このコロニーは働きアリの死亡も少し見られた。
越冬中に乾燥させたという意識は無いが、残念だ。
他は大きな脱落もなく動き始めたが、クサアリモドキはこの温度でも塊がほどけていない。もう少し温度が上がればほどけるだろう。 
1月30日  温めて1日。
メイプルを与えてみた。

メイプルをなめるトゲアリのホストであるクロオオアリのアップ。

トゲアリの女王。冬の間に、構成員の大半が餌場に出てきてしまっている。
巣部屋にお引き取り願いたい・・
1月31日 クシケ。2匹の女王がいるが、そのうちの1匹が今日死んでいた。

死骸を小突く働きアリ。
もう1匹の女王を確認したが、こちらは元気。
今回の越冬は女王クラスの死亡が多い・・ 

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