10月1日 夏にコロニー採集したクロオオアリ。産卵はまだ続行されている。

撮影時に撹乱したのでバラけてしまったがこの周囲に卵が沢山転がっている。

羽化間近の黒化した繭。
10月2日 一昨年夏に枚岡で採集したムネボソは増減がほとんどなくなっている。
幼虫はいるのでそれなりに育ってるとは思うがあまりコロニーが大きくならない種類なのか、思ったほど増えてこない。
そういえば採集した時もそれほどコロニー規模は大きくなかった。
女王が沢山いるので一気に増えるかと思っていたが・・ 
10月3日  昨夜、恒温機を21℃に設定。この作業をしていると恒温機のアリたちもシーズンオフに入ってくるんだなぁと思う。
この月末頃には10℃くらいに持って行き、恒温機組は越冬モードに入ることになる。 
10月4日 クロナガアリ。このアリは本当に管理が楽だ。

ゴミとして捨てられた食べ残しの種子。白いのは粟の実である。
ほぼ完全な形で捨てられているのもあれば、ある程度齧られて捨てられているのもある。

1個の種子に複数の幼虫が齧りついている。余程口に合うのだろうか。

蛹と働きアリ。特に問題はない・・と言いたいが、一つ気がかりがある。

オスである。女王から生まれた最初の子供の中にオスが1匹混じっていた。偶発的なものかと思ったが、その後もオスは少しずつ羽化している。およそ6匹ほど、走り回っているのだ。

さらにオスの蛹もある。女王は1匹ではないのであるが、これはどうも女王の中の1匹が受精していないあるいは不具合があるんじゃないかとも思える。
今は他の女王が産んだ働きアリの方が多く、影響は小さそうだが、不思議だ。
10月5日  恒温機から出してヒメアリはぐっと活性が上がった。

ミールワームを与えるとすぐにこんな風に押し寄せてくる。
今年は飼育に初挑戦だったが、どうも23℃環境はこのアリには低いような感じ。
常温飼育が良かったか。
10月6日  先ほど、恒温機を20℃に。正直、今までは3日から4日に1℃のペースで下げているのだが、これがどれほどのペースでやれば良いのかまだ完全につかめていない。
如何にダメージを少なく越冬モードに持っていけるかということなのだが、今まではこれで特に大ダメージが出た場合はないのでこれでも良いのかなぁと思ったりもする。
10月7日 トビイロケアリ。真夏の頃の勢いはなくなってきたがそれでもコロニーのサイクルはまだ回っているのだ。

蛹と卵。今は繭はなく、蛹は全部裸蛹だ。

卵を世話する働きアリ。真夏に乾燥アカムシを食べてくれたのが大きかった。
10月8日 枚岡に出かけた。

大きなスズメバチの死骸を貪るクロスズメバチ。この周囲にもう1匹働き蜂がいた。
今年はクロスズメバチを何回か見かけた。

今日もキイロシリアゲアリの団子が見られた。

上のものと近接したキイロシリアゲアリ。撮影時は気がつかなかったが一番上の個体、腹部がない。

2個体だけ集まっている。

また別の2個体組。

少し多くの個体が集まっている。

おまけ。コカマキリのメス。
今日は、キイロシリアゲアリ以外は何も女王アリは見かけなかった。
時期的にサクラアリやトフシアリが見られるかと思ったが、その点は残念だった。
10月9日 9月に採集したキイロシリアゲアリは意外なことに産卵を始めた。

このキイロシリアゲアリは室温で飼育していて水分しか与えていない。
室温環境が産卵につながったのだろうか?
どの道この分だと幼虫が孵化してそこで今年はおしまいだと思う。 
10月10日  昨夜恒温機を19℃に。
温度を下げる作業をしているとどうしても真冬になるまで恒温機内が湿度が上がって結露してしまう。
あまりにひどいと水没して死亡と言うこともあるので結露は気を遣う・・
10月11日  アメイロアリ。今年採集したもの。

働きアリも、女王も元気。夏頃、結露で働きアリが少し死んだがティッシュを放り込んで改善したように思う。 
10月12日  ヒメアリに給餌したら凄いことになった。

ミールワームにたかっている。

ゼリーもこのとおり行儀よく並んでなめている。

巣内の一部。至って順調。恒温機より室温での暑い夏を経験させた方が良いのかな?
10月13日  お天気で大阪城を走った。
以前、サクラアリを採集したことがあり、トフシアリもいると言う話を聞いたのでひょっとしたら・・と思った。
しかし、女王関係は何も見当たらなかった。
6月にアメイロケアリを見かけた辺りはクロナガアリが沢山あるいていた。
他の地点も目に付くところは一通り探したが、クロヤマの働きアリや一部シリアゲといったレベルで面白い物はなかった。
ふーむ・・
10月14日 大阪と京都の県境付近にある天王山に行ってきた。

JR山崎駅を降りてすぐに登山道に出る。

ちゃんと「天王山」とある。 

如何にも何かいそうな雰囲気の道だったが何もいなかった。

途中の展望台から南東方向を望む。この時間は良い天気だった・・

キクイムシの駆除を行っているようだ。こんな形でやるんだね・・

天王山山頂の木の根元にスズメバチが集まっていた。見たところ樹液を漁っているようだったが気が立っているのか、カチカチと言う音をさせていたので遠くから撮影した。

山頂でようやくムネアカを見つけた。ムネアカはここだけ、クロオオアリは全く見かけなかった。

山頂で遭遇したカネタタキ。

誰かが落としたパンに頭をねじこむセンチコガネ。食べてるわけではないと思うが・・

枯れ竹の下にいたハヤシクロヤマアリ。
麓の方を中心に枯れ竹が積まれている個所が多くあった。
そこからこぼれおちた物を少しだけ割ってみたが全く何も出なかった。
ミカドくらいは出るだろうと思っていたのでびっくり。
この辺りはタケノコの産地で、竹林も非常に手入れが行き届いている。
それが関係してるのかな?と思いながら山を降りた。
アリに関してはハヤシクロヤマアリとアシナガアリ以外は殆ど見かけなかった。
時期的なものもあるかもしれないが少し寂しい結果だった・・
10月15日 恒温機を17℃に設定した。
予定では3日後をめどにまた1℃下げる。
この作業をしてると、アリもシーズンオフなんだなぁと感じさせる。
10月16日 ムネアカオオアリ。温度を下げてからコロニーの活性が下がり、産卵も止まった。

女王。問題なさそう。

小さな幼虫を大きくして見てみたら毛むくじゃらなのが改めて分かる。
10月17日 常温飼育のアリたちも最近の(特に朝夕の)冷え込みで活性が下がってきた。
ケアリでは繭がなくなり、幼虫と成虫だけになった。
いよいよ今年もシーズンエンドが近いのね・・
10月18日  恒温機16℃に。
クシケ以外はかなり活性が下がってきている。
クシケはこの温度でもミールワームを与えると群がる。
以前、冬の間ゼリーだけでいたら幼虫が減ったことがあってミールワームを投入したことを思い出した。 
10月19日  活性が下がってきたことで、給餌頻度も少し間が延びてきた。
勿論、アリたちの様子を観察しながらで、餌が不足している様子が見られたらすぐに与える体制ではある。 
10月20日  朝夕の温度は下がってきたがクロナガアリに火を入れるのはまだもう少し先、11月に入ってからになりそう。
朝夕は気温が低いが昼間はまだそこそこに暖かいからだ。
火を入れたら給水に気を使わないと一気に乾燥してしまうので、給水には気を遣う・・
10月21日 恒温機15℃に。クサアリモドキではそろそろ「アリ玉」っぽいのが形成されてきている。
幼虫の色や餌の食べ具合を見るとほぼ越冬モードに移行したとみて良いだろう。
こうなってくるとネタがなくなってくる・・
10月22日 ハヤシクロヤマアリ。巣部屋に引きこもっているが、まだ完全に活動停止ではないようだ。

2匹の女王のうち1匹。もう1匹はお腹が小さい。撮影しようとしたが蓋がうっすらと結露していてうまく写せなかった・・
10月23日  朝夕は設定温度通り庫内温度を示すようになってきた。
ちなみに、内部には温湿度計を入れているがそれの示す温度はちゃんと設定温度通りだ。
日中はまだ暖かい日が続いているが、その際に何℃くらいの温度を示しているのかは知らないがまぁ、うまく冷却は出来ているのだろう。
10月24日  恒温機を14℃に設定した。もうそろそろ、この温度下げ作業も終盤。
アリたちも巣部屋や女王の周りに固まって活動が鈍ってきた。
餌の食いもあまり見られなくなってきている・・
10月25日  一昨年の秋に採集したチクシトゲアリ。
数的にはあまり増減なく今年も終了だ。

働きアリのお腹は大きく、腹部の栄養で何とか「冬」を乗りきらせたい。
10月26日  クサアリモドキも冷やした効果で塊状になってきた。
去年採集した女王の周りには綺麗な塊が出来ていてその中に幼虫や女王が隠れている。だから取り出した当初は塊しか見えないがまだ外気温が高いので給餌作業中にそれがほぐれてくる。
そうして幼虫や女王の無事を確認している。
写真を撮りたいのだがどうも結露がひどくてまともな写真が撮れなかった・・ 
10月27日  恒温機の温度を一気に2℃下げて12℃にした。
この分だと、6日後には設定下限の10℃に到達するだろう。
そしてそれを見計らったように来週末はかなり気温が下がってくるとか。 
10月28日  昼過ぎまで難波に出かけていた。
朝から昼頃まで傘が必要なほどの雨模様であった。
昼3時頃、帰宅途中でふと家の壁に何か止まっているのが分かった。
すぐにそれがアリだと分かったが、第一感としてはミカドオオアリの時期外れの有翅メスだと思った。
しかし、違った。
何とトゲアリの有翅メスだったのだ。

トゲアリのメスは見たことは何回かあるが、有翅メスはあまりなかったので翅の付いた状態を忘れてしまっていたのだ。

胸部を大きくしてみた。毛深い。
背中のリュックに常備しているフィルムケースのおかげでゲットできたが、翅を落とす様子がない。
風が強い日でもないのに、生駒の方から飛んできたのだろうか。
どちらにせよ、しばらく様子見。翅を落とさないという点において望み薄だとは思う・・
10月29日 キイロヒメアリ。

働きアリ。

上とは別の働きアリ。とても小さい。

女王。産卵はもう止まっているようだ。2匹いるが元気。
10月30日 恒温機11℃に。金曜に10℃に設定したら温度下げ作業完了。
そして恒温機のアリたちも「冬」に入るのだ・・ 
10月31日 今年初めに採集したヤマヨツボシオオアリ。最初順調そうだったが結局あまり増えなかった。

コロニーの様子。見た目は問題なさそうなんだけどね・・

小さな幼虫は沢山いる。

大型働きアリの腹部はパンパン。

女王。ヤマヨツボシオオアリは多雌だがこのコロニーには最初から1匹しか女王はいなかった。

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2012年10月の観察日記