2012年9月の観察日記

9月1日 7月に採集したクロオオアリコロニー。順調。

繭を世話している。

女王。ご覧のとおり、左触角の先端が欠損しているが問題ないようだ。

小さな幼虫の塊。

成長した幼虫。

働きアリ。腹部の節が延びている。メイプルを飲ませている。

餌のハニーワーム。この大きさなら大体2日で完食してしまう。
9月2日 昨年立ち上げて夏に常温に切り替えたケアリ。

幼虫の世話をしている。

繭と裸蛹。

卵塊の世話をしている。
このコロニーは毎日1匹のミールワームを完食している。
9月3日  クロナガアリに給餌を行った。

乾燥アカムシを運ぶ働きアリ。

巣部屋の中にアカムシを運び込んだ。凄く騒がしくなった。

コロニーの様子。クロナガアリは少し前まで植物の種子しか食べないと言われていたが他の方々が指摘されているように肉餌を少し与えた方がコロニーの安定感が違うように思う。
9月4日 今年初め、朽木から女王1匹を採集してそこから立ち上げたウメマツオオアリ。室温でタッパーで飼育している。

コロニーの様子。思えば、このアリ、特に冬季の野外採集で本当によく遭遇する。

女王をアップにした。お腹も大きく、マイペースで産んでいる感じ。
もうすぐ、今年度の生産も終わるだろう。
9月5日 昨年9月に採集したキイロシリアゲアリ。ようやく働きアリ誕生にこぎつけた。

卵塊に寄り添う働きアリ。

いつ見ても女王とのサイズの差が凄い。
最初、女王4匹だったが1匹死んでしまい、現在は3匹の女王がいる。
9月6日 今年採集したアシナガアリ新女王。
蛹を見ることができるようになった。

白い蛹。まだ羽化まで時間はあるだろう。
このアリを飼育し始めた頃、真夏に飛行するので室温で飼育したら卵を徐々に食べて行って最後は女王だけ、と言うパターンになっていた。
アシナガアリが暑さにあまり強くないのはそれまでの経験で知っていたので、恒温機に入れて女王を飼育して初めてうまくいくようになったのだ。
恒温機は最高でも23℃に設定している。
数年前、25℃に設定していたら明らかに高温障害と思える症状が出て慌てて温度を下げたら他のアリが秋と勘違いして偉く苦労してしまった。
ケアリなんかはもう少し高い温度が良いように思えるがどのアリも満遍なく、という意味で23℃にしている。 

お約束的な図だが、子供を世話しているアシナガアリの女王アリ。
9月7日 今年新女王を採集したムネアカ。
そのうちの1つのコロニーを撮影した。

女王。どのコロニーの女王もこんな感じで腹部が大きい。

働きアリと小さな幼虫。これ、今年中に羽化するかどうかはよく分からない。
ミールワームとメイプルで維持している。 
9月8日 アメイロアリ。今年は新女王を1匹だけ採集している。

全体像。思ったより増えていない。もう少し乾燥気味にした方がいいのかもしれない。

女王。アメイロケアリもそうだが黒い女王と黄色っぽい働きアリの色の違いは見ていて面白い。
9月9日 昨夜、お湿り程度の.雨が降った。ひょっとしたらキイロシリアゲアリが飛んでるかと思って、早朝に枚岡公園を歩いた。
結果は全く何もいなかった。
羽アリと言う類のものは一切おらず、クモの巣を見ても何もかかっていない。
自販機を見ても何もなし。
来週くらいだろうか・・?
ここでのキイロシリアゲは一昨年は確認したが昨年は確認していない。
経験値が少ないので、どんなものかと思っているが・・ 
9月10日 久々にヒメアリがミールワームにたかっているのを見られた。

ヒメアリは室温に戻した直後、活性化したように見えたがその後また静かになって餌にもあまり集まっていなかった。それだから今日、これを見れて少し嬉しい。

働きアリを大きくしてみたらオレンジと黒のカラーが面白い。
9月11日 今年一月に採集したチクシトゲアリの女王1匹から立ち上げたコロニーのその後。
働きアリ1匹を生産した後、不思議と産卵もストップしてダメかと思っていたが、最近急に女王の腹部が大きくなって産卵を始めた。

この写真を見ると10個ほどあるようだ。

コロニー構成員。働きアリが1匹いるだけで見ていて安心できるように思うのは私だけだろうか。
今年はこれで生産終了で数が増えるかは来年に期待。
9月12日 午前フリーだったので少しだけ枚岡を歩いてきた。
一昨年、キイロシリアゲアリの団子があった付近を歩くと、クモの巣に沢山の小さなオスアリがかかっていた。
しかし、その近辺では1匹の脱翅メスが見つかっただけだった。
歩いてみたが収穫もなさそうだったので、いつもと違う道を歩いてみた。
そうしたら側溝にこれがあったのだ。

小さな塊。写真の左側に腹部だけ見えているメスアリがいるがこれはどうも掘ったようでこの奥にも数匹のメスがいるようだった。

一昨年ほどの規模ではないが団子。2つほど見られた。
近くに街灯のある場所だったので、そこに飛んできた個体が集まってきたようだ。
これも、側溝にいると目立つので探しやすいと思う。
全部飛んだような雰囲気でもなかったので暫くの間この辺りではこれが見られそうだ。
9月13日 今年採集したクサアリモドキは産卵はすでに終了している。

夥しい卵を世話するケアリワーカー。

幼虫の孵化も始まっている。
9月14日  ハヤシクロヤマアリ。今年の春に2コロニー採集したがどちらも同じような感じである。

働きアリ。どれもお腹はパンパンだ。

繭を持っている働きアリ。繭と成虫以外のステージは見られない。

2匹の女王のうちの1匹。少しまでまではもっとお腹が膨らんでいた。

もう1匹の女王。姿勢がおかしいが死んだり弱ったりしているわけではなかった。
2つのコロニーとも女王は2匹だが、どちらも1匹の女王の腹部が膨らんでもう一方がそれほど膨らまないということが見られた。
どちらが産卵に多く寄与しているかは分からないが、中々思ったように増えてくれなかった。何が悪いんだろうか・・?
9月15日 枚岡を歩いた。
キイロシリアゲアリのアリ団子が見られると思ったが、昨夜の雨の影響か全く羽アリの気配はなかった。クモの巣にかかったオスもいなかったのだ。
とりあえず、少し歩こうと暗峠を上がり、鳴川峠分岐から鳴川峠に入った。
ここも側溝を見たが何もおらず、アリ関係では寂しい結果になってしまった。
それでもまったく無収穫かと言うとそうでもなかった。

トビナナフシだ。こんなものがいようとはつくづく生駒と言う山は奥が深い。

上のトビナナフシのアップ。羽が生えたナナフシって初めて見たので、本当に驚いた。

なるかわレストハウス付近でバッタの死骸のようなものを運ぶムネアカ。大型の働きアリも見られたがコロニーがどこにあるかは確認できず。

暗峠を歩いているときに見つけた褐色型のハラビロカマキリのオス。
9月16日 ヒメアリは最近、急に活性が上がってきたように思う。
このアリ、23℃では少し物足りなかったのだろうか。
ミールワームの断片は2分の1匹分なら2日もあれば空っぽにしてしまう・・
9月17日 朝、枚岡を歩いた。
しかし、一昨日同様キイロシリアゲアリは全く見られなかった。
もう飛びつくしたのだろうか。
今日も蒸し暑かったので、何か飛ぶかと思ったが、実際は何もおらず。
歩いていたらオオカマキリのメスがいたので一匹採集した。
そう考えたらこの前、キイロシリアゲアリの団子を見つけられたのは大きかったと思う。

公園事務所付近で見かけたハラビロカマキリのオス。

山道で見つけた玉虫の死骸。死後数日たったようで頭部はなくなっていて若干色も褪せていたがそれでもこの美しさだ。
9月18日 キイロヒメアリ。見ていて安定感がある。

女王は2匹。左側の個体の腹部に卵が付着している。

良い写真が撮れなかったが幼虫も育っている。
9月19日 ヒメアリ。最近、急に活性が上がり、どんどん卵を産んでいる。
このアリ、予想以上に高い温度で飼育したほうがよかったのかもしれない。
餌が不足すると餌場を多くの働きアリが闊歩する。
その前に給餌してやると今のところはおとなしくしている。
小さなアリって案外デリケートなのかもしれない。
9月20日  今年新女王を採集したアシナガアリ。今日見てみたら働きアリが生まれていた。

羽化したてのようで色が淡い。
野外のアシナガアリを見ていると本当に別種のようにか弱く、小さいは立派な働きアリだ。蛹は数個あるのでもう少し羽化する見込み。 
9月21日 クサアリモドキも大分孵化が進んできた。
卵より幼虫の方が多くなっている。
卵の方も色が少し黄色がかったような色に変っているのでもう近いうちにすべて孵化するだろう。
孵化したら恒温機の温度を下げて今年の恒温機組はひとまず終了になるだろう。
常温の方はまだ活発に動きがあるので10月いっぱいまではせっせと給餌する必要があるだろう。 
9月22日 午前、 枚岡公園を歩いた。
12日にキイロシリアゲアリを見かけた側溝を見てみるが何もいなかった。
ダメかなぁと思いながら公園事務所付近に行くと、キイロシリアゲアリの女王が固まっていた。

一昨年の場所とほぼ同じ所で見かけた。

小さな枯れ枝に寄り添うように固まっている。

どんぐりのカサのそばに固まっている。

少し歩いて別の場所で見つけた。

今日、見かけた塊ではこれが一番大きかった。
一通り歩いて観察コース内ではこれくらいだったが、他にも脱翅メスが3,4個体集まっている小さな塊も幾つか見られた。
他にも何かいないかとみてみたがアリに関してはこれだけだった。 
9月23日 昨日、アブラゼミの死骸を枚岡公園で見つけて持ち帰った。
それを7月にコロニー採集したクロオオアリに与えてみたら凄く反応が良い。

セミを物色している。

上とは別の個体。セミの腹部先端を触角で触りながら様子見。
9月24日 今年採集したクサアリモドキも卵はあとわずか。
殆どが幼虫になった。
これらが孵化したら温度を下げて行く予定。
春から温めていたクサアリモドキはすでに幼虫は越冬モードになっていて、全く成長しなくなっている。
冷やすと、この日記もクロナガと常温組メインになって行くんだろうね。 
9月25日 一昨年秋に採集したチクシトゲアリは夏の間停滞のような感じになっていたが最近また活発になっている。

女王。元気である。 

大きな幼虫も見られる。

この繭だけ1個離れて置かれていた。繭も数個程度だがある。
9月26日  アメイロケアリはトビイロケアリがいなくなってからが案外難しいような気がしてきている。

働きアリに囲まれた女王。これだけみると順調そうだが、卵幼虫蛹がいない。
トビイロケアリがいなくなった辺りから幼虫があまり育たなくなった。
全く育たないわけではなく、羽化もするのだが、数が少ない。
何が悪いのかつかみかねている。
9月27日  昨年採集したクサアリモドキ。すっかり越冬モードで動きがなくなってきている。

幼虫群を世話しているクサアリモドキの働きアリ。ケアリはまだ少しいるが殆ど餌場にいて幼虫の塊には近づかせてもらえていないような感じだ。

働きアリを1匹アップ。よくお腹が膨らんでいる。

女王のお腹も縮んだ。今年はもう産卵はしないだろう。
9月28日 キイロヒメアリは順調である。

ミールワームに集まってきた働きアリ。

2匹の女王のうち1匹。これを見ているとヒメアリが大きく見えてしまう・・ 
9月29日  常温で飼育しているトビイロケアリもこの1週間で急に動きが少なくなってきた。

卵はあるが、今でも産卵継続かと言うと微妙だ。

これは常温飼育の2コロニーのうち、働きアリが少ない方の女王。健康そうだ。

死んだ働きアリの死骸を食べている。今週に入り、餌場にミールワームを置いてもあまり働きアリが出てこなくなり、女王周囲にじっとしていることが多くなった。餌場も閑散としている・・
9月30日 クサアリモドキの卵がすべて孵化した。
これにより、恒温機を23℃から1℃下げて22℃に。
例年通り、10月末頃には設定下限の10℃にして、眠って頂くことになる。 

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