2011年5月の観察日記

5月1日 ヨツボシオオアリ。すこぶる順調で、見ていてもとても活気を感じる。

蛹のある部屋の様子。ここが一番活気があるように思う。

活気のあるこの部分を少し色々と写した。

3枚目。とても賑やかなのはご理解いただけたと思う。

これは最大級の働きアリ。このサイズのものはまださすがに生産できていないが、これよりやや小さい程度の大型働きアリは何匹も羽化を確認している。

小型働きアリ。どちらかというと幼若個体の世話をしてる場面をよく見る。この辺、結構教科書通りなのかなぁと思ったりもする。
5月2日 クロナガアリはようやく働きアリが5匹になった。
このアリ、思ったよりも高い温度の方がうまく行くのかもしれない。
真夏期の温度くらいの方が適温なんじゃないかという想いを抱いている。
コロニー拡大ペースは相変わらず超スロー。今でも卵や幼虫は10個体もない。
それでも以前のような蛹食いの傾向は少しましになったように思う。
でも私の感想ではクロナガの単雌飼育は相性が悪い・・
5月3日 昼頃雨予報が出ていた。
私の中では昨日がクロナガの飛び残りが飛んだと思っていたので、雨が降る前にそれらが潜った痕跡を発掘しようと思い、朝出かけた。
現場に到着したのは午前10時頃。
歩き始めてすぐ舗装路の横の土の部分の何か黒っぽいものが見えたのだ。

・・・おおぅ!!!!
クロナガの脱翅メスの集団巣作りだった。

単独で巣を掘っているメスもいたが、全体的には複数で巣を掘っているメスが多かった。

頭隠して尻隠さずの図。全体的に結構掘り進んでいる印象。例年通り昼からの観察だったら去年のように「残念日記」になった可能性が高い。

目が慣れてみたらこういうのは少し離れていても目につく。裸地で黒っぽい少し盛り上がったように見えるからだ。

不覚にも比較対象を置き忘れてしまったがメスが掘った穴。こういう穴は結構アツいが必ずしも女王がいたわけではなかった。途中で掘るのを断念したんだろうか。

掘っているのは1個体のようでも土を掘り起こしてみたら2,3個体潜んでいるのが多かったように思う。

「祭り」に遅れたのだろうか、一つの巣で2匹だけ所在無く巣口付近に佇むオスの羽アリを見かけた。

この光景はいつ見ても壮観だ。
さて、今日の観察では巣を掘る場所を探している新女王は確か1個体だけであとは全部巣をある程度掘っていた。
また、有翅個体もおらず、今朝早い時間に飛行があったと考えられる。
それは飛行後しばらくメスアリはうろうろしているがそういう個体がほぼ皆無であること、上の写真で紹介したように体がほぼ入る大きさの巣穴を掘っているものもいた事が根拠である。
昨夜、大阪はとても暖かい夜だった。
というより、昨日の日中は本当に「飛行日和」だったのだが、今日に飛んでしかも雨予報に乗っていつもと全然違う午前のうちにフィールドに出掛けたことという2つの偶然でこの「宝の山」を見ることができた。
そういえば今年は「引き込み行動」は見られなかった。
ひょっとしたらそういう引き込み行動はもっと早い時間に見られたのかもしれない。
今年はもう諦めていただけにまさかの逆転劇に嬉しいというより驚いたというのが本音だ。
5月4日 枚岡に出掛けた。
今日は少し歩きたかったので敢えて一昨年、2009年のG.Wに上った山頂コースと同じコースを歩くことにした。

山を登り始めるとすぐにムネアカが目に入ってくる。

やっぱり野外のムネアカはどういうわけか発色が鮮やかだ。

腹部が大きい。どこに蜜源があるかは分からないが多分樹上のどこかにあるのだろう。

巣の入り口で見張りをしていたハヤシクロヤマアリ。

クサアリも活発に動き回っていた。

頭でっかちですね。

大分上の方で道のど真ん中でムネアカが休んでいた。やっぱり腹部が大きい。

山頂着。アスファルトの上でクマバチが死んでいた。普段飛び回っているこのハチに一体何があったのか・・

一つ、かなり大きく活性の高いクロヤマコロニーがあった。

別の巣穴。とにかく働きアリが始終出入りしていて賑やかだった。

一昨年、アズマオオズコロニーがあった石を探したが見つからなかった。ちなみにコースは全く同じなので撤去されたと考えるのが自然だろう。
暗峠は今年はちゃんと大阪方へのルート選択。ちゃんと椋ヶ根橋の辺りに降りることができた。

石の下にいたアシナガ単独メス。この時期に単独でいるという事はコロニー創設に失敗したメスの可能性がある。卵幼虫蛹働きアリは一切おらず、小さな隙間に佇んでいた。

以下、歩きながら撮ったおまけ。

カンサイタンポポ。街中で見るセイヨウタンポポとはちがって在来のタンポポだ。

オオイヌノフグリ。纏まって生えているところには結構群生していた。元の写真はフラッシュ加減で少し白っぽくなったので補正した。

これ、大学の時、名前覚えたんだけど・・失念。


山頂付近で固まって生えている箇所が幾つかあった。小さな植物で花の直径も1センチちょっとだったんじゃないだろうか。名前は・・・想像もつかぬ。

私自身全く予想していなかったので驚いたのだが、山頂ではまだ桜が咲いていた。満開〜桜吹雪に移行してる時期のような感じだった。下界ではもう3週間も前に終わった桜を再び拝めようとは・・

これは八重桜。勘の鋭い方ならお気づきかもしれないが、マクロレンズしか持って行っていなかったので植物写真も全部ドアップなのだ。

色的にソメイヨシノ?

タンポポとミツバチ。

ヒメジョオンかハルジョオン。暗峠で見かけた。

イタドリハムシ。色彩が結構インパクトのある甲虫だ。

かなりベタな感じだがタンポポとキリギリスの幼虫。キリギリスと言っても草原にいるものではなく多分ヤブキリとかああいうあっち系統のキリギリスになると思われる。
5月5日 クサアリモドキ。非常に残念だが、壊滅街道まっしぐらだ。
働きアリが数匹ずつ死んでいき、女王の産んだ卵もなくなった。
何が悪いのかわからないが、そもそものきっかけが「蛹を食う」現象だったと思う。
この時期に肉餌を切らしたかというとそうでもないし全く分からない。
クサアリモドキはお気に入りで一番多く写真を撮った種類だがまた今年女王を採集してリスタートさせたい・・
5月6日 昨日は非常に体調が悪く餌を与えることができなかった。
今日、蜜と肉餌を与えた。
特に目立った変化はなかったが卵が少し減ってしまった種類があった。
順調に維持していたものがほんの少しの事でおかしくなるのは十分考えられるので何とか少なくとも肉餌は切らしちゃだめだと思った。
5月7日 夕方遅くだったが枚岡に出掛けた。
到着して思ったが静かすぎた。
そして飛行の形跡(羽アリの死骸の類)が全くなかった。
それでも神社内のクロオオアリの巣を見るとごく少数のメスアリが飛行を行うべく翅をぶんぶん言わせていた。

飛行すべく飛び立ちの場所を探して歩き回っていたメスアリ。

少しぼやけた写真になったがクロオオアリの巣口。オスを中心に盛んに外界を伺っていたが本格的な飛行は観察されなかった。
一通り、観察ポイントは歩いたが羽アリの死骸や生きているメスアリは全く見なかった。
ごく少数飛んだとは思うが飛行は今日ではないという結論に至った。
気象庁のアメダスによると夜中に雨雲が通過していくという。
そこでお湿り程度でも雨が降れば、明日はかなり激熱なんじゃないかとも思う。
5月8日 熟睡していて気が付かなかったが昨夜スコールのような降雨があったという。
午前、家の近所でシロアリの羽アリが数匹飛んでいて「飛行日和」だと思い、わくわくして枚岡へ。
到着後、すぐにアメイロアリのメスアリが見つかった。

石畳の上にいたので発見しやすかった。

上と同じ個体。

交尾している個体も見られた。メスは結構素早く動き回るので撮影に苦労した。

上と同じ個体だが、オスがぼやけてしまった。

ヨツボシオオアリも飛んでいたようで死骸が少しだけ見られた。

上とは別の個体の死骸。少し時間が経ったようでキイロヒメアリと思われる小型のアリが腹部に集まってきていた。

オスの死骸。オスはこの1個体だけだったが、オスとメスの死骸が揃っていたのでそこそこの規模で飛んだのではないかと思われた。

神社にあるクロオオアリの巣は昼頃から賑やかしかったが夕方5時前にメスアリが数個体飛んで行った。不思議なことにオスは殆ど飛び立たなかった。

巣口から少しは外に出たが、すぐに引き返すのだった。

飛行したメスアリがいたので採集ポイントを一通り回ったがムネアカ、クロオオという2大オオアリの脱翅メスは全くいなかった。また上記の巣も夕方遅くに見てみたらまだ結構な数の羽アリが残っていたので本格飛行は明日以降という結論になった。
それと、アメイロアリも例年よりかなり少なかった。
雨の後の晴れという格好の天気条件でこれだけしかいないという事は案外昨日の日中にかなりの数飛んだのではないかとも考えたが昨日は昼間観察に行けなかったので分からない。
それとなぜか見かけたアメイロアリは全部有翅個体だった。
脱翅したものは見かけなかった。これも不思議だった。
以下、おまけ。

ハエトリグモの一種と思われる。腹部が美しかったので撮影。撮影時気が付かなかったがアリを食べていることに写真編集段階で気が付いた。

ナナフシの幼虫。本当に「華奢」という言葉がぴったりな体型、動き方だった。

オオミズアオ。この蛾、結構好きな色合いだ。時々見かける。
5月9日 ヤマクロヤマアリ。4月中旬に産卵が止まり、今年も打ち止めか、と思っていた。
たまたま下旬に2日ほど放置したことがあった。
そうしたらそれが功を奏したのか全く分からないが、なんと産卵を再開した。
多くの卵を産んでいるわけではなく、せいぜい10個ほどが産み落とされただけだが、正直これは嬉しい。
写真を撮りたかったが、暑くなった途端、庫内が冷房に切り替わったらしくふたが結露してうまく撮影できなかった・・
5月10日 急に暑くなり、昨日あたりから恒温機の庫内も冷房調整に入ったようだ。
そのため、湿度が上がり、今日夜にあけてみたら庫内湿度は80%もあった。
そこで、乾燥防止のために春から入れていた水を張った容器を取り除いた。

さて、クシケ。
餌はコオロギとメイプル。
この2つが一番この種類には合ってるんじゃないかと思う。特に肉餌に関してはコオロギが一番クシケはよく食べてくれる。
結果、産卵や幼虫の成長に好影響が出るという良い循環になっているのだ。

働きアリと幼虫。幼虫も色々な大きさのものがおり、それはすなわち産卵が順調に続いていてそこから幼虫が孵化してきていることを示す。

蛹部屋。全体的に白い蛹が多いが数は多いので続々と羽化するだろう。

女王と働きアリ。クシケの女王を見たことがなかったころ、こんなに体格差がないとは思わなかった。もっとクロナガくらいの大きさはあると思っていたので初めて見たとき、「えっ?」と思ったのを覚えている。
5月11日 ウメマツオオアリは常温で飼育している。
越冬明けの辺りで肉餌が不足していたようだが今はコオロギをふんだんに与えて好調だ。

4つコロニーを飼育してるがそのうちの1つ。女王も産卵をどんどんしていて極めて順調だ。
ただ、この種類は壁面に逃走防止の対策をしてもすぐに突破する。
結果夏場、餌替えの時期に毎回逃走兵が出る羽目に・・
5月12日 去年の秋、女王団子を採集したキイロシリアゲアリでは働きアリが誕生していた。

最近、少し忙しくてあまり様子を見ていなかったがいつの間にか羽化していた。
蛹の初期は確認していたが・・
色づいた蛹もそこそこあるし卵幼虫蛹と一通り揃っている。
そろそろ餌を与えなくてはならない。

1匹をアップにしてみた。色の感じから羽化後そう時間の経過していないものと思われる。
5月13日 トビシワ。個体数がそう多くないうえになぜか有翅個体を2個体生産してるためだと思うが思ったよりスローペースで拡大中。

有翅個体(多分メスだと思うが)の前蛹を運んでいる。働きアリと比べて大きさの点で一目瞭然だ。

卵塊と働きアリ。
本当に飼育がしやすいというかタフというか・・何でも食べて環境変化に強い。
5月14日 先週のように夕方遅くから枚岡。今日は大阪は晴れてはいたがそう暑くなく、さわやかという感じの温度で且つ風が結構強かった。
飛行には不適な気象条件だったとは思うが、観察に出掛けた。

先週紹介したコロニーとは違う近所にあるクロオオアリコロニー。
オス、メスともに顔を出していたが時間が遅いせいかそれほど多数が出ているわけではなかった。この場所の観察はやはり昼間来ないとどういう状況か分からない。
ちなみに中央で横を向いてるのがメスアリなのだ。奥に引っ込む瞬間だったのでこんな感じになってしまった。

オスも少し顔をのぞかせていた。しかし飛行する雰囲気は全くなかった。

椋ヶ根橋付近を歩いていたら羽アリがいた。ぱっと見ただけではよく分からず、動きも素早かったので帰ってから観察しようと思って採集した。
そして帰ってよく見たら、どうもヒラズらしいのだ。最初、シリアゲの女王かと思ったが腹部の形が違う。頭の形もヒラズ系だ。?もっと暑い時期に飛ぶ種類だと思っていたが・・?
有翅メスなので当面様子見。

今日は、風が強かったのでアメイロアリのような小さなアリはあまり飛んでいないだろうと思っていたら偶然にも1個体壁面にいるのを見つけて採集した。
私のフィールドではアメイロアリは割と集中的に飛行するような感じで飛行する日を逃すとなかなか脱翅メスに会えないのだが(2009年がそうだった)今年はぱらぱら飛んでるのだろうか。

以下、恒例のおまけ。

ハムシの一種と思われる。黄色と黒のコントラストが印象的だ。

4日にも紹介したキリギリスの仲間の幼虫。この時期、割と目につく。大きくなったのは見たことがないので成長したら木の上で暮らすのではないかと思う。

ベッコウシリアゲ?よく分からない・・

去年も紹介した記憶があるがエサキモンキツノカメムシ。この個体は死んでいた。胸部のハート形の白い紋が特徴だ。

ナナフシの幼虫。本当にか弱い。つまむとつぶれてしまうだろう。これもこの時期に歩いていたら時折見かける。
5月15日 昼から枚岡。風が昨日ほどではないがやや強く吹き、やっぱり温度もそれほど高くなく先週ほど暑さを感じさせないさわやかな日だった。
殆どおまけ写真だが解説付きで並べていく。

ジョウカイボン。いつも見かけるものよりやや小型だったのでオスだったのかもしれない。

アオムシの死骸に集まっていたクロオオアリ。

カミキリムシの一種。種名まではわからないがこの時期時々見かける。

ツチバチの一種?休んでいるところを撮影。

ベニカミキリ。竹林でよく見かけるが枚岡ではあまり見た記憶がない。

シロアリがごく少数飛んだようで2個体ゲットできた。

マルハナバチの一種?

カミキリモドキの一種だろうか。これとそっくりなのがつい最近タンポポにきているのを見た。

さて、今日は収穫はクロクサアリの女王1匹だけだった。
普通これが飛んでいると複数見つかるが探し回ったがこれ1匹だけだった。
最近、通称「デカクサ」の話題で盛り上がったが、実は私にはそのころからある希求があった。
「普通のクロクサアリ」を飼育してみたい・・
しかし、クロクサのホストはアメイロケだ。コロニー発見には至っていない。
ところが、私の手元にひょんな事情で入手したアメイロケコロニーがあった。去年立ち上げたもので今年になって黄色の働きアリが続々羽化しているものだ。
これを「御供」として差し出すのは凄く抵抗があった。
女王を残して働きアリをある程度吸ってクサアリに導入すれば・・
でもそれはできなかった。
このコロニーの巣部屋のふたは脱走防止のためグルーガンでで固めていて、空気穴から離れたところにアメイロケの本体があったためだ。
そこで、無茶は承知で女王を放り込んだ。野外でも普通は女王のいるコロニーに乗り込むと考えられるのでその行動を見たかったのだ。

このコロニーは立ち上がってまだ1年経過していないのでアメイロケのホストの飛び卦もそこそこ数がいる。そのトビケは明らかにクロクサの女王を「異物」と認識し、脚部に噛みついていた。
しかし、アメイロケは・・

すぐにクロクサを取り囲み、熱烈にグルーミングを始めたのだ。
トビケが攻撃しようとしてもアメイロケの「膜」がトビケの攻撃を届かなくさせていた。

しかし、話はまだ終わらない。
上の写真から1時間ほど経過して再び様子を見たら・・
攻撃を受けていてひっくり返っていた。
まだ致命的な攻撃は受けていないがアメイロケの働きアリの一部も攻撃を加えている。
クサアリモドキの寄生時のように攻撃をやり過ごしていくのか、そのまま憤死なのか・・
また、クロクサの女王が受け入れられた場合、アメイロケの女王はどうなっていくのかも見ていきたい・・
5月16日 昨日、投入したクロクサアリの女王は結局殺されてしまった。
アメイロケは割といい感じなのだがやはりトビケが攻撃するとそれにつられて・・というパターンのように思う。
ところで、昨日クロクサアリの寄生状況を見て思ったことがあった。
それは「匂い付け」をしなかったのだ。
普通に巣部屋に入った女王はアメイロケアリによって熱烈にグルーミングされていた。
この点、他のケアリ寄生種やトゲアリのように匂い付けする行動を見せる種類と異なった。
これが何によるのか、まだよく分からない。

そして、クサアリモドキの女王がお亡くなりになった。
朝見たら死骸がぽつんと・・
今日はクサアリにとっては「厄日」なのかもしれない・・
5月17日 トビシワ。この前巨大幼虫の前蛹を紹介したが、今日見たら蛹になっていた。

偶然に卵塊が付着していたので大きさの比較対象ができた。
メスの蛹みたい。

移動させるのも働きアリが数匹がかりでの大仕事だ。

働きアリの蛹を運ぶ働きアリ。
5月18日 3日に採集したクロナガアリ。産卵が始まっている。

卵。トビシワやクシケと同じような形だが少し大きい分観察しやすい。

女王。腹部も大きい。数匹の女王でコロニー創設させると安定感がやっぱり全然違う。女王が多いと産卵数も多く、働きアリが多く生まれ餌が多く集まり、早い時期に安定するという風な見方もできる。
5月19日 キイロシリアゲアリ。働きアリが羽化して給餌を始めた。

働きアリと幼若個体。卵はこの画面外にもわんさかある。

写真を拡大してるので大きく見えているが働きアリは本当に小さい。この写真では言わずもがな、右側の色の濃い個体の方が先に羽化した個体だ。

女王。餌を与える前はお腹も小さかったが今ではこの通りパンパン。これ、どの種類でも本当に見ていて気持ちがいい。
5月20日 キイロケアリ。順調なのだが、相対的に見たらコロニーサイズはそれほど大きくないところで維持している形になっている。

幼虫と繭を中心に。これは一部で実際はもっと数はあるのだ。

女王。キイロケアリの女王は女王も他のケアリの女王より若干明るい色をしている。

女王と卵、働きアリ。
今のところ、昆虫ゼリーとミールワームで問題なく維持できている。
5月21日 晴れて暑い一日。そして夕方から枚岡。
神社のクロオオアリはかなりいい感じで多くの羽アリが地表に出てきて風模様を伺っているような感じだった。

石の上でたたずむオスアリ。飛び立っていくメスが少ないが見られたが多くはこんな感じで屯しているだけだった。

メスアリの死骸を運ぶクロオオアリの働きアリ。この場所は若干人通りのある場所なので踏まれたのだろうか。

そうして歩き回っていると足元で何か動く物が。ムネアカの脱翅メスだった!ムネアカの新女王を見るのは3年ぶりなので少し感動だった。

そのすぐそばではムネアカの脱翅メスの死骸にアリが群がっていた。

クロオオアリのオスの死骸を運ぶケアリ。しかし、クロオオアリの女王様はとうとう発見できなかった・・

ムネアカのオス。飛行後の個体かと思っていたらこの後、羽を震わせて元気よく飛んで行った。

ピンボケだが、ムネアカの有翅メス。この個体も撮影後すぐに大空に飛んで行った。
今日はムネアカは割と飛んだ感じだ。しかも脱翅メスを採集した後にも有翅メスが大空に飛んで行ったりしていた。疲労困憊になるほど歩き回ったが先の写真の脱翅メス1個体だけしか見つからなかった。
クロクサも拾いたかったが全く姿を見かけなかった。飛んだのだろうが物陰に潜んだのだろうか。
明日は雨という。非常に恨めしい・・
5月22日 去年の秋、河内長野でイタドリから採集したミカド。
2コロニー飼育しているがそのうち1つがすこぶる順調だ。

働きアリは3匹だが今のところ順調。
それにしてもオオアリって増え方がゆっくりだ。
5月23日 昨日に続いて昨年の秋に河内長野で採集したウメマツオオアリ。
こちらも繭ができている。

ケアリの繭みたいに小さい繭がわんさか。
肉餌は不足させた覚えはないが数を多くしようという作戦なのだろうか。
5月24日 土曜日(21日)に採集したムネアカオオアリ。早くも産卵を始めた。

卵を咥える女王。現在卵3つ。

頭部と胸部。胸部の複雑な色合い、素晴らしいと思う。

採集直後に栄養補給の意味でメイプルを与えたらこの通りパンパン。
5月25日 本当に恥ずかしい失敗をしてしまった。
ヨツボシオオアリは少し前に餌場にコナダニが発生した時に少し脱走が見られた。
その時、餌場はすぐに綺麗に洗浄して事なきを得た・・はずだった。
しかしそれからもちょくちょく脱走は続いていておかしいなぁと思いつつ最近時間が取れなくて細かな観察ができなかった。
今日、容器を見て驚いた。
ケースを繋ぐチューブに穴をあけていたのだ。
慌てて全個体を回収して、女王を確認・・
いなかった・・
女王も脱出してしまったらしい。
この手の話はミカドでは聞いたことがあったがまさかヨツボシでされるとは思わなかった。
大型働きアリもバンバン生産し、順調そのものだったヨツボシ。
突然の幕引きに唖然だった・・
5月26日 クシケ。特に問題なく発展している。
越冬管理のミスで働きアリが減ってしまったがコオロギを与えるようにしてから凄く勢いがついた。

コロニーの様子を数枚紹介していく。

成長した幼虫。よく太っている。

働きアリをアップ。
5月27日 去年コロニー採集したアシナガ。蛹は少し減ったが女王も元気で活気がある。

これまたコロニーの一部。女王を写したかったが接続チューブの陰に隠れた・・
5月28日 チクシトゲアリ。少し前に石膏容器から餌場に引っ越してきた。

繭も見られるが、実は羽化してるのを見たことがない。チクシは石膏にいた頃、居住空間の天井部を糸で覆って非常に観察がしづらい箇所があった。そこにいたのだろうか。

チクシトゲアリの特徴的な腹曲げ行動。
5月29日 昨日、今日と台風が近づいていた影響でずっと雨が降って観察、採集どころではなかった。
正直、クロオオアリが飛んだのかもわからない。
今週は金曜辺りから天気が回復して温度も上がるというが・・
何とか土曜日に採集できることを祈るだけだ。
それにしてもこの時期の雨は本当に恨めしい。
5月30日 久々に紹介する2009年に長野で採集したQ3のミカドコロニー。
Q3だったがいつの間にかQ2になっていた。
コロニーが崩壊していないので女王のうち1匹が何らかの理由で死んだと思われた。

女王の1匹。いたって健康そうで問題ない。春先ほどではないが卵も産んでいる。

小さな幼虫の群。まだ多くあるが、どうも最近越冬モードに入ってきたのか肉餌の消費量が落ちたような・・?

そしてこのコロニーにはオスアリが大量にいる。
冬にいた縮れた翅をもったオスはすべて喰われてこれは春以降に生まれたもの。
羽根もきれいに伸びて完全体だ。しかし、これが空を飛ぶことはない・・
5月31日 3日に採集したクロナガアリでは幼虫が孵化し始めた。

卵に交じって小さな幼虫が見られる。

下に写っているのは餌として与えた粟である。食べているコロニーと食べていないものがある。

アリの卵は種類によって色、形が違うがどれも美しいと思う。

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