2010年7月の観察日記

7月1日 今日は午前時間があったので枚岡に出かけた。
昨夜は雨も降らず蒸したのでこれは期待できる、と思った。
しかし、見つからない。
公園事務所付近を歩いているとトビシワの飛行があったようで脱翅メスが同種のトビシワの働きアリに襲われてるような光景に遭遇した。

足と顎に噛みついている。

引きずられるメス。よく見たらこのトビシワ、ボンレスだ。

ケアリも飛行があったようで椋ヶ根橋付近で有翅メスがいた。

キリギリスの仲間の幼虫が石の上にいた。3センチほどだろうか。

午前9時頃からアリたちの動きが活発になってきた。そうしたらクサアリXとクサアリモドキの女王が見つかった。クサアリXは吸虫管で吸い取ったがどこをどうしたか、しばらくしてみたらいなかった。吸ったのに・・?クサアリモドキは採集はしなかった。

クサアリモドキのメス。やはり迫力が違う。

ノコギリクワガタのオスが死んでいて、そこにはキイロシリアゲアリが集まっていた。ノコギリクワガタ、いるんですね。

コメツキムシ。種類までは分からない。

さて、椋ヶ根橋付近で朽木の皮をはぐとケアリの大コロニーが出た。このコロニー、繭がたくさんあった(この前ほどではないけど)。しかも今回は大きさが小さい。ということはオスの可能性が排除できる。とにかくタッパーに落として採集した。
帰る途中、飛行を終えて力尽きかけているケアリのオスを見つけた。

弱弱しく歩いていた。アリのオスって本当に儚いと思う。

結局、アメイロケはいなかった。しかし、まだ機会はある。とにかく今飼育しているケアリコロニーを無駄にしたくないので何とか「やる気」のある女王が1匹でもゲット出来たら・・
7月2日 クサアリXだが、死んでしまった。
昨夜行動を観察した時から動きが変だったので覚悟はしていたが・・
さて、この余ったトビケの繭と小さなワーカーをどうしようかと思案したが、とりあえず折角だしクサアリモドキでももう1コロニー、やってみようかという気になった。
クサアリモドキならトビケがホストだというし、小型ワーカーばかりなので攻撃性も少ないと考えた。

写真。今日はヨツボシオオアリを取り上げる。

コオロギの死骸に噛みつく働きアリ。最近は繭が大量に出来てその分幼虫が少ないためか肉餌への欲求はそれほどでもないがそれなりに食べる。

コロニーの一部。繭がたくさん写っているが実際はこんなものではなく、すごい数の繭がある。羽化したらまたコロニーに勢いがつくだろう。
繭に働きアリの世話が行ってるためか女王の産卵数はそれほど多くない。
7月3日 一日雨だった。明日も雨という。なぜにこうも週末を狙って雨ばっかり・・

先日、採集したケアリの女王。順調に産卵を開始している。

左の前翅だけ残っていると思っていたが写真に撮ると後翅も残ってる。

分かりづらいですが卵塊を移動させようとしてるのです。

実は、私はケアリとは相性があまり良くない。
新女王からの場合、W10以上育てたことがないのだ。
ケアリはほかのアリと違って多数の女王が飛び立つが、これはひょっとしたら子育ての上手い下手な個体の差が大きいことを織り込んでいるのではないかと考えてしまうが、どうなんだろう?
7月4日 土曜日、3日の時点では一日雨予報だったが、急転、朝から快晴。
湿気充満の「飛行日和」になった。
午前は用事があったので、昼から枚岡。
駅を降りてすぐに、何と念願のアメイロケが歩いていた!
早速採集。
付近を歩いて行くと、アシナガアリのオスが死んでいた。

昨夜は雨だったので今朝飛んだと思われる。しかし、メスは結局見つからず、死骸もこれだけだったのでごく小規模の飛行だったと考えられた。

ケアリの女王の死骸もあった。午前に行けばもっといたと思われた。

ルリアリがダンゴムシの死骸に集まっていた。

神社では、死んだクマゼミのオスにアミメアリが集っていた。

神社の近くでコガネムシがいた。セマダラコガネという種類らしい。

公園事務所付近でも登山道でもアリの女王はいなかった。そこで最初、アメイロケを見つけた駅前に戻ってみた。

クサアリモドキの死骸。この場所、雨のかからない屋根のある場所にあったのでこの日飛んだのかよくわからなかった。現に今日はクサアリモドキの女王は1匹も見なかった。
付近を見ているとケアリを咥えたアメイロケがいた!これはいいシャッターチャンス!と思っていたら撮り損ねた上にどこかに消えてしまった。しばらく辺りをくまなく探したが全く姿が見えなかった・・

その付近のサツキツツジの植え込みにいたハバチと思われるハチ。瑠璃色でとても美しい種類だった。

トビシワのメスもいた。しかし弱っていたので採集はしなかった。

アメイロケの女王には「鮮度」が他の寄生性のアリより大事なように思えてならない。去年、採集したアメイロケは「はみはみ」しない個体がいたからだ。
そこでもう少しアメイロケが歩き出てくるのを期待して粘りたかったが早々に帰宅、導入実験を行った。
方法は例年通りチューブ法。殺したケアリワーカーとお見合いさせた。
そうしたらうまく「はみはみ」し始めた。

不鮮明なのはチューブが経年の劣化と思われるもので少し不透明になってるのです・・

もう1枚。

そうして、完全にケアリの死骸をばらして匂い付け行動もしなくなったのでケアリコロニーに導入。しかし・・攻撃を受けている。それほど致命的なほど激しいものではないがこのままではバラされるので救出。そこでもう一度チューブに入れた。するとまたはみはみするではないか!
3匹ほどケアリワーカーを入れて攻撃を受けなくなり、グルーミングや栄養交換が見られたのでもう一度ケアリコロニーへ。
・・また攻撃・・
この時点で、チューブ法によりケアリワーカー増強法により馴染ませることに方針転換。
チューブに入れると、不思議とまったく攻撃を受けない。すぐに栄養交換やグルーミングをする個体が現れた。
とりあえず7匹ほどケアリを入れて作業終了。
後は順次ケアリワーカーを入れてその後繭を入れる予定。
7月5日 午前中、少しだけ時間があったので枚岡。
到着後、ムネボソとみられるフタフシのメスアリの死骸があった。

当該の死骸。アリや風に運び去られていないところを見たら今朝の飛行と思われる。

今朝はケアリ祭りだったようだ。ざっと歩いただけで10匹以上の翅のついた、あるいは脱翅したメスがいた。以下、ケアリの写真。

住宅の壁面に留まる翅のついた女王。

また別の壁にいたもの。

神社付近で見つけた脱翅メス。

しかし、アメイロケはいなかった。しかし、今日の目的は実はケアリの繭であった。
椋ヶ根橋付近で3センチほどの程よく腐った枯れ枝を割ると表皮の下から少し繭が出た。小さな繭なので働きアリになるだろう。
そして神社に向けて歩くと、春にケアリコロニー(今、アメイロケのホストになっているもの)を採集した辺りで切られた桜の枝が大量に放置されていた。
簡単にめくれたが湿気ていて幼虫しかいなかった。
帰ろう・・と斜面を降りはじめたとき、桜の切り株があった。
表皮が程よくめくれそうだったのでめくると・・

繭の山!蟻酸にむせながら吸えるだけ吸った。オスが出てくる可能性も多分にあるがとにかく吸虫管がずぼっずぼっと言うくらい繭はあった。
たぶん200以上はあるだろう。大満足で下山した。

カナブン。この色のものを見たのは生まれて初めてだ。アオカナブンなんて相当きれいらしいが、見たことがない・・

夜、アメイロケにケアリの導入を行った。
チューブに入れていたものは馴染んで栄養交換やグルーミングを盛んにしている。
そこでとりあえず1匹ずつ導入する方法で作業を行った。
攻撃が始まったらどうしようと思いつつ見ていたがまったく攻撃がない。最終的に50個体ほど放り込むという結構無茶をしたが全く攻撃はなく、威嚇すらない。
ただ、よく見ているとそういう攻撃行動を緩和してるのではないかという行動が見られた。
それは新参者の働きアリに対してアメイロケ女王もしくは従来いたケアリワーカーがグルーミングをしてるのだ。しかも念入りに。
このグルーミング行動がどれほど攻撃性を緩和してるかはよくわからないが、重要な示唆を得られたのではないかと思っている。広くこの行動に関してご意見を聞きたい次第です。
7月6日 昨日、採集してきた繭はどうやら当たりだったらしく、ケアリの働きアリが羽化を始めた。
そこで広いケースに移し替えを行った。
昨日から見る限り、攻撃や威嚇は全く皆無である。
繭を導入してしばらくして繭は乾燥したえさ場から石膏の巣の方に運ばれてきている。
しかし、気になることが起こった。
アメイロケの女王が朝とは違ってやけに全身をこすっているのだ。
そこでレンズで拡大したら右後脚に小さなダニがついてるのが分かった。
蛹が多いせいもあると思うがグルーミングもそれほどみられず、いらいらと掻いてるように見える。
・・去年の二の舞なんだろうか?
ただ、去年のように不意にダニが消えることもあると思うし、今後働きアリが増えてきたらどうなるかもわからないので注視していきたい。
アメイロケの写真を写したかったがクーラーの利いた部屋で餌替え作業をして写真を写そうとしたら石膏からの水分がふたにうっすらと付着して曇ってしまったので写真はまたの機会にする。
何とか産卵を・・間断ないグルーミングを・・
ちなみに栄養交換は確認している。
7月7日 昨日に引き続き、アメイロケ。
今日見ても脚部のダニは取れていなかった。
しかし短時間の観察だが、よく見たらダニのいる部位にかなり近い場所もグルーミングをされていることがあり、何かの折にケアリワーカーがダニを噛み潰してくれやしないかと、少し期待した。

ケアリのグルーミングを受けるアメイロケの女王。一番ピントがあった写真だ。
蛹が多いためか殆どの働きアリはアメイロケの女王を見ると時々栄養交換をするが、大半は少し触るとすぐどこかに行ってしまう。
ケアリが増えてきたら状況が変わるかもしれない。今は容器の中の「アリ密度」が低いのでアメイロケの女王への関心が低くなっていると信じたい。
ところで、少し考えたことがある。
野外でアリにダニがつくのはそう珍しくないと考えられる。
アメイロケの女王につく場合もあるだろう。
それが原因で取り巻きを作らなくなるってあるんだろうか?
2008年の時の働きアリの個体数は忘れたがそれほど多くなかった。
ただ、今年と違うのは蛹がなかったのだ。
今年は200ほどの蛹がある。必然的に働きアリの関心はそっちに行ってしまい、アメイロケがおざなりになってるんじゃないか・・
働きアリが羽化してきたらその個体に対して栄養交換をせがむのはクサアリモドキで確認している。とにかく、ケアリワーカーがどかどか羽化してから話は始まるように思う。
7月8日 先月採集したケアリコロニー。
クサアリXに導入していた繭を全てぶち込んだ。
最初の方こそハチが少し出たがそれ以降は働きアリが生まれているようで少しずつだが活気が出てきた。

これくらいの数の繭を放り込んでいる。

意味もなく、繭のドアップ。

働きアリからグルーミングされる女王。羽化したばかりの白っぽい個体がいる。
7月9日 ハリブト。最近、石膏の方に居ついていて撹乱した時だけ女王がチューブに潜る。

女王。数枚写したがこれが一番写ってた・・
卵はコンスタントに15個ほど確認できる。
普段はえさ場にはほとんど出てこないが蜜と肉を与えるとわらわらと出てくる。
今のところは蜜の方が受けがいい。
7月10日 午前中、枚岡。とても涼しい夜で、期待薄だったが予想通りケアリの類は全くいなかった。
地面を見るとかなり湿っていたので昨日、このあたりは夜に降雨があったのかもしれない。
諦めて神社付近を歩いていると自販機の中に入り込んでいたアシナガアリのメスがいた。

自販機の透明なプラスチック越しに写してるのでやや像が甘い。どうもこの場所ではアシナガアリは早朝に飛行を行っているようだ。

縦に来たのを撮影。よく考えたら有翅メスはあまり見たことがない。
脱翅メスは見つからなかった。

神社付近ではトビシワが飛んだようで例によって脱翅メスが働きアリに攻撃されていた。

4個体ほど攻撃を受けてる場面に遭遇した。
トビシワは多雌というが巣内交尾ではない、外から入り込む余地はないということなんだろうか?
7月11日 テキストだけ。
最近、クシケが変なのだ。
えさ場にわらわら出てきている個体が多い。
そして一番おかしいのは産卵が止まったことだ。
巣部屋が汚れたのかと思い、新しい巣部屋を増設したがそっちには移動してこない。
強制移動の文字が頭をよぎる。

そしてもう一つ厄介な問題に苛まれているものがある。
クサアリXの繭をぶち込んだケアリコロニーだ。
天井に張り付いた繭から黄色いカビが発生し巣部屋に広がってきた。
ケアリコロニーは基本的に隙間をグルーガンで固めているので剥がすのに苦労する。
こちらは常温において乾燥状態を作ることで何とか食い止めたい・・
7月12日 昨日、記述したケアリコロニー。今日は常温放置で様子を見た。
確かに巣部屋は幾分乾燥したように見える。
しかしその乾燥がアリに悪影響を与えるのか、アリが落ちつかない。
かといって乾燥したえさ場に出てくる道理もなく、袋小路。
そこでやむない手段として強制移住を行った。
グルーガンで固めすぎてふたが剥がれなかったので金づちで破壊してカビに侵されていない繭と女王、働きアリを救出した。
その勢いで一向に新しい巣部屋に移動しないクシケも強制移動させた。
今日もえさ場に全総数の半数くらい出てきていた。
吸虫管で吸いまくって回収して新しい巣部屋に放り込んだ。
今までのパターンならこれでたいてい持ち直す。

アメイロアリを久々に見たら働きアリが羽化してるコロニーがそこそこあった。
羽化したての働きアリは本当に美しく、ため息が出た。

アメイロケではオスが大量発生している。
しかしどうもすぐに殺されてるようで羽化したてのオスを働きアリが寄ってたかって苛めている。アメイロケの女王は蛹の上にいることが多く、今日も少ししか観察できなかったがグルーミングと栄養交換を確認した。

明日は朝が超早いので引越しだけで精いっぱい。2日に1回の餌交換もできなかった。
明日はたぶん今日よりは時間があると思うので明日やることにした。
写真も明日以降撮影してきたい。
7月13日 クシケの引越しは吉と出た感じがする。
産卵が再び始まったのだ。

羽化したての働きアリと卵塊。しかし、依然として働きアリがえさ場に出てきている。
えさ場の方の掃除もした方がいいのかな。

女王。腹部も大きいが働きアリがなぜにえさ場に出てきてるのかが気がかりだ・・
7月14日 アメイロアリには働きアリが生まれてきている。

補正したので色が淡いが本当はもっと濃い色をしている。
まだ数は少ないが第1弾はどのコロニーでも大体10匹前後働きアリを生産するようだ。
7月15日 恒温機組のものも大半が越冬状態に入り、動きのある種類が少なくなってきた。
そんな中、幼虫が新たにたくさん生まれて活況を示してるのがコロニー採集したアシナガだ。
ただ、一つ問題がある。
このコロニー、2つの巣部屋と1つのえさ場をまめに移動する。
えさ場にたむろしてるときに餌を与えようとしたら・・
想像通り大脱走になりかねないのでゼリーだけとか肉餌だけの交換の時もある。
増えるのはありがたいが、これはちょっとね・・
7月16日 今日夕方、会社のガレージで洗い物をしていたら足元を動く黒いものに気がついた。
良く見たら何とアメイロケの有翅女王だった!
ティッシュにくるんで持ち帰り、導入した。
チューブでは一向にはみはみせず、むしろグルーミングさえ受けてるくらいだったので既存のアメイロケの女王のいるところに入れてみた・・
攻撃された・・・

何とか凌いで明日になれば何気なくうろついてるのを期待したいがだめっぽい・・
しかしこの時期にアメイロケがいるとは思わなかった。
7月17日 アメイロケは去年と同じ道をたどってるような気がしてきた。
取り巻きが殆どいないうえにグルーミング(特に腹部)を嫌がるのだ。
腹部はそれなりに大きいし、生きてるのである程度の栄養交換は受けてると思うが・・
クサアリは寄生させるまでが、アメイロケはコロニーにもぐりこんでからが難しいような気がしている。
そう考えたら2006,8年の女王は当たりだったんだなと思う。
とくに2006年の女王はすぐボンレスになって卵を産んだのであのとき今のような飼育設備があったらと思うと残念でならない。

ちなみに、昨日入れたアメイロケは殺害されてしまった。
アメイロケの難しさを身をもって体感してる・・
7月18日 弟夫妻の子供、すなわち私から見たら甥にあたる赤ちゃんが先週月曜に生まれて今日、病院を出たというので福井の方に行った。
甥を見るというのが主目的だったが、私には隠れたもう一つの目的があった。
高速道路のS.AやP.A、そして福井のコンビニには夜になるとこの時期ケアリの羽アリが多数飛来することが予想され、そのおこぼれというか昼になってもうろついているものがいないかを探すのだ。
行き、大津S.Aで窓にウメマツオオアリかイトウオオアリのオスが数匹ついていた。
しかしメスはいなかった。
弟の奥方の実家についたとき、父のズボンにシベリアカタアリの有翅メスがついた。
有翅だったのでリリース。
甥の顔を見て越前市内のコンビニに立ち寄った時、店のまわりを見たら・・
いたのだ。
ケアリのメス。しかしどうもトビケとは色が違う。
どうもカワラケのメスらしい。
ゲットした。
帰路、多賀S.Aでも探したが、こちらは収穫はなかった。
7月19日 晴れて暑い。一昨日は用事で枚岡に行けなかったので、今日行ってきた。
枚岡公園の入り口は枚岡神社とつながっていて大きな鳥居があるのだが、その鳥居の根元でシジミチョウの幼虫と思われるものがついていた。

シジミチョウの幼虫をじっくり見るのは確か9年ぶりだったと思う。

神社で見かけた大型のハエ。翅の模様が面白かったので撮影した。

自販機にとまっていたアシナガアリのオス。自販機内部にはムネボソアリの有翅女王が2匹、トビケと思われるケアリの有翅女王1匹、イトウかウメマツオオアリのオスが2匹ほど入っていた。どうもこの自販機、俗に言う「お宝ホイホイ」なんじゃないか・・?

山道に入る。アシナガアリがシャクトリムシの死骸を運んでいた。

コガネムシの死骸。赤い色が美しいので撮影してみた。

今日は少し山道を登ってみることにした。階段を上がって椋ヶ根橋方面への道を歩く。このあたりは縁石が苔むしていて割とひっくりかえせるのもあるので様子を見ながら歩いた。

石の下にあったオオハリアリコロニー。繭を運び出すところ。

山道にいたムネアカ。高密度ではないが、探せば見つかる。

そして椋ヶ根橋へ降りる道と、山を登っていく道の分岐辺りでアシナガの女王を発見した。

キマワリ。

登っていくと、一昨年、大きなクサアリのコロニーがあった場所を通りがかった。

活況。左右の二方向におびただしいアリが行列していた。

このコロニーの巣の入り口。
この付近で、地面を見ていると中型のアリを見つけた。最初、クロオオアリの働きアリ科と思ったが、よく見るとなんとハヤシクロヤマの女王だった!写真を撮影したがボケて使い物にならなかったので写真は省略。とりあえずゲットした。
豊浦橋方面へ降りて行く。
そうするとまたアシナガ女王がいた。

苔の上を歩く女王。

ハヤシクロヤマが大きなミミズの死骸に大挙して集まっていた。

山道で見つけたミカドのボンレス働きアリ。何を飲んだのだろうか?

豊浦橋付近の山道を降りて行く。そうすると、道の左側に苔むした石を積んだ縁石があった。
めくれそうだったので、めくると・・

これが出た。

種類は何とハヤシクロヤマ!繭と蛹の部屋があったようで20ほどの繭、蛹を回収した。

公園事務所付近に降りてくると、クサアリモドキのメスが3個体ほど立て続けに見つかった。

駅に向かって帰路についていたらまたアシナガアリのメスがいた。

先に出てきた神社わきの自販機のそばを見てみたらアメイロケの死骸があった。この辺はアリの活動が活発なので昨日飛行したと思われるが詳細は不明だ。

綺麗なガがいた。シャクガの仲間っぽいが良くわからない。

神社の近くに夜はかなり羽アリが集まってると思われる街灯がある。そこの下に行って驚いた。かなりの翅が散乱している。喰われたのではなく、自ら落としたと思われる羽がそこかしこにあった。しかし生きているアリはおらず見つけたのはこの死骸。

このケアリ、ご覧のとおり、トビケとは全然色が違う。何だろう?

結局、ハヤシクロヤマ女王と蛹、アシナガ女王を3個体持ち帰った。
ハヤシクロヤマは蛹があるので、少し安心。
しかしハヤシクロヤマは完全に想定外の出会いだったので面白かった。
7月20日 また、気になる気になる現象が起こっていることに気がついた。
昨日、採集したハヤシクロヤマだ。
繭を世話してる様子がないのだ。
少し離れたところにポツンとたたずみ、少し容器を動かしても繭を咥えない。
単独でゆっくりと歩いている。
触角に不具合でもあるかと思ったが見た目はいたって普通。
ただ、蛹や繭には一向にカビが生えていないし、2,3匹の幼虫も生きているので世話されてるのかもしれない。
どうも私とハヤシクロヤマの新女王は相性が良くない・・
確か2004年にも飼育したが見事に産卵すらせずに終わってしまった。
・・?
7月21日 アメイロケではオスが次々生まれている。
肝心のアメイロケの女王は最近ぽつねんとしてることが多くなった。
ケアリはオスの世話はするくせにアメイロケはどちらかというと無関心状態。
2006,8年に見られた取り巻きは一切ない。
腹部はそれなりに大きいが、何だか去年の再現を見てるみたいで何とも言えない。
7月22日 毎日、酷暑が続く。
今日夕方、恒温機の温度は28℃を示していた(設定は23℃)。
最近、恒温機組が越冬状態に入り、常温飼育組も特に動きがなく、スランプ気味だ。
だから最近文章だけの日記が多いのだが、如何せん見栄えがしないのでまた写真をどかどか撮っていきたいとは思ってるのだが、今度は時間がない。
ジレンマ・・
7月23日 アメイロアリでは1コロニーだけやけに成長が遅いのがあるが他はすべて働きアリの羽化までこぎつけた。

少し暗くなったが働きアリ。滅茶苦茶小さく、遠目では黄色い何かがもぞもぞしてるようにしか見えない。

女王と蛹。昨日、メイプルをあげたら見事に膨らんだ。分かりづらいが奥の方に卵もみえる。

こんなに淡い色をしてる働きアリ。羽化したてはもっと色が淡い。

おまけ。フラッシュの光が強すぎたのか、働きアリのボディが真っ白になった・・
7月24日 枚岡。例の自販機でアシナガアリの有翅メスがいた。

件のメス。ラッキー!と思って採集しようとしたらこと切れていました・・
登山道を登っていく。

アシナガアリが何か昆虫の死骸を運んでいた。

クサアリがミミズに集っていた。
今日の目的はハヤシクロヤマアリの女王だ。そこで展望台方面へと登る。

樹液の出ている木があってそこにはヨツボシケシキスイかな?甲虫がいた。

さらに上っていくとこんなものが落ちていた。

明らかにクロヤマアリかハヤシクロヤマアリの有翅メスの落とした翅だ。
周囲を探したが見つからなかったので少し歩いた。

ミミズにたかるハヤシクロヤマアリ。

こちらのハヤシクロヤマはセミの幼虫にたかっていた。


山道で見つけたクワガタムシのメス。クワガタのメスはどれもよく似てるので種類は分からなかった。

クサアリモドキも多くないが見つかった。
そしてうろうろしてようやくハヤシクロヤマの有翅メスを1匹ゲットした。
日向の山道を歩きまわったので汗だくだったが一気に疲れが吹き飛んだ。欲を言えば脱翅メスだったらよかったが・・
ふもとでアシナガの有翅メスもゲット。でも採集したのが昼前で羽がフルでついてるということは・・?
7月25日 この前、採集したアシナガアリは卵を産み始めた。

卵を咥えてる女王・・なのだが、卵が見えないね・・見えてると思ったが・・・
今のところ、5個前後。これまでの飼育経験から順調に行けん場秋の初めには働きアリが羽化するはずだ。
7月26日 春に採集したクロナガアリの単独女王。
最近になってようやく蛹が出てきた。

このコロニー、実は危機に遭遇していた。
幼虫を食いだしていたのだ。
そこでカゼクサの種子を入れたらそれを食べてるようで幼虫が育ち始め、蛹にこぎつけた。
私は基本はクロナガは複数女王で飼育することにしている。
というのも、単独だと今回のように途中でガス欠になる女王があまりに多いように思うからだ。
今回は石膏を敷いた容器に入れて殆ど観察もしていないのに、このありさま。
むむ・・
7月27日 土曜に採集したハヤシクロヤマは結局翅を落とさず死んでしまった。未交尾ということだったんだろう。そう考えたらあの羽の所有者であるメスがほしかった・・

クシケ。最近、徐々にではあるが復調の気配がみられる。

卵も産出されるようになって、幼虫も育ってきた。

分かりづらくなってしまったが、奥に育った幼虫が見える。

女王のお腹も大きい。
クシケアリは何回かこういう危機を乗り越えてきた。私が思うに、かなりタフなアリなんじゃないかと思う。
7月28日 久々のクサアリモドキ。越冬モードに入り、コロニーとしての動きが全くない。
1カ月ほど前、巣部屋が乾燥したことがあって餌場に出てきたが巣部屋を湿らしても一向にえさ場から撤収しない。おかげで餌やりが少し厄介になっている。

コロニーの様子。働きアリも団子にはならないが一か所にかたまっていて餌交換のためにふたを開けた時くらいしか動き回らなくなった。

働きアリを1匹大きくしてみた。

女王。腹部がすっかり縮んでしまった。思えば今年の働きアリの生産活動は4カ月ほどだったのではいだろうか。最初25℃にしておきながらアシナガとレマニに高温障害が出て23℃に下げるという「ぶれ」がこんなことになってしまった。
しかし我が家のアリたちには23℃が一番無難と分かっただけでも収穫だろうか。
7月29日 トビシワの女王が死んでいた。このコロニーは2007年の春に採集したもので我が家ではクロヤマと並んで一番の古株だった。
最近、ようやく餌場を徘徊する働きアリが順調に増えてきて、手ごたえを感じていた矢先にこれだ。
とにかく冥福を祈る。
7月30日 キイロケアリ。他のケアリと比べて増加率はゆっくりで今は40個体ほどだ。

働きアリと幼虫。幼虫はみた感じ20〜30個体ほど。

働きアリを1匹アップにしてみた。後ろに卵塊があってそれも大体20個ほどだ。

女王。先日枚岡で撮影した茶色っぽいケアリに少し似ているがこっちの方がもっと色が淡い。
7月31日 シベリアカタアリに危機的状況が訪れている。
働きアリが餌場に出てきては死んでいるのだ。
いつの間にか幼若個体もいなくなっている。
そうして死がいにはあっというまに例の黄色いカビが生える。
最近、忙しくて餌場を掃除する暇が取れなかったがこの種類はトイレを決めてるのか餌場がすぐに汚れてそれを放置したらすぐに死に始める傾向があるように思う。
明日は休みなので餌場を掃除して防かび剤を吹き付けよう。
これで今年の春は持ち直してるので何とか復活に期待したい・・

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