2009年5月の観察日記
5月1日 | ムネアカオオアリ。すこぶる順調で、見ていて楽しい。 栄養貯蔵役だろうか、大型働きアリでこのように腹部が肥大化した個体が多く見られる。 別の個体。女王はやせているのに産卵はどしどししている。そういえば「鹿児島県本土のアリ」という本にアメイロオオアリでのこのような個体の例が載っていたが、オオアリは大型働きアリは栄養貯蔵役の役目のウェイトが大きいのだろうか。 |
5月2日 | 久々にクロヤマアリ。産卵開始は早かったが、幼虫が中々成長しなかった。 蛹。これが徐々にではあるが増えている。 大きな幼虫もいて、まずは安心。 クロヤマアリはテフロンの効果が切れてきていて、ふたを開けて撮影ができなくなってきている。その上、連結チューブが中途半端な長さのため、取り出しに苦労すること、恒温機の一番下の部分にあるため、出そうとしたら手前の小コロニーの入れ物をどかさなくてはならないなどが煩わしくてテキストだけの部分がある。 |
5月3日 | せっかくの黄金週間で天気もそこそこ。クロナガアリの飛行には温度が低いうえに天気がそれほどよくないということで、今日は額田山の方から生駒山山頂まで行ってみた。 公園事務所付近での光景。 アシナガアリがクロオオアリの死骸を運んでいた。 クロオオアリの大型働きアリが数匹いて何してるんだろうと思ったら1対1で喧嘩をしていた。 こちらは大顎で噛みつき合っている。 山道に入る。クロヤマアリがとてもきれいな緑色をしたイモ虫の死骸を運んでいた。 こちらは集団で尺取り虫っぽい幼虫を運んでいた。 ムネアカオオアリがイモ虫を運んでいた。 クサアリの巣の様子。 クサアリのアップ。 クサアリの行列での一こま。 山を少し登るとムネアカオオアリが目につくようになってくる。巣は確認していない。 壮絶なムネアカの働きアリがいた。ケアリが触角に食い付いたままこと切れているのだ。こういう個体ってコミュニケーションとかに不都合は起きないんだろうか? タンポポから吸蜜するスジグロシロチョウ。 なんという種類だろうか?きれいなスミレが咲いていた。 花のアップ。 山頂付近で撮った下界。霞がかかってくっきりしていないのが残念だ。 山頂でお昼を食べた後、山を下りる。途中、石をひっくり返したらアシナガアリがいた。女王は見当たらなかった。 暗峠(くらがりとうげ)へと降りる道の途中、何気なく石をひっくり返したらアズマオオズの大群!女王もいた。 女王のアップ。石の裏にへばりついていたので例のタッパーとんとん作戦をやっても一向に落ちない。そこで吸虫管を取り出して吸えるだけ吸った。それでもコロニーの3分の2も吸えてたらいい方かな・・?小型種なので吸虫管でも吸いきれない小さな隙間に入ってしまい、働きアリの採集は結構難しかった。それでも大体200ほどは採集して帰路についた。 さて・・暗峠に到着したが大阪方向がどっちだろうと思った。とりあえず目についた方に下りてみたがどうも奈良方向に下りたみたいであった。道は整備されているし、すぐ駅に出るだろうと思ったら大間違い。駅までとんでもなく歩く羽目になった。危うく靴ずれするところで、駅についたころには足が痛くなっていた。 しかし、アズマオオズって小さいね・・以前のオオズが頭にあるから・・ |
5月4日 | アシナガアリのミミズの食いが悪くなっているので、気分転換にとミールワームを与えた。 驚いた。襲ってせっせと食べているのだ。 写っていないが、幼虫の色も明らかに変わり、好転の兆しが見える。 ただ、大コロニーだけはだめかもしれない。ミールワームを与えた初日こそ食べていたがそれ以降は食べなくなった。そして働きアリが死んでいっている。むぅ・・ 話は変わってクサアリモドキ。もう繭ができ始めて随分たつ。しかし未だに羽化してこない。繭の中の蛹を食べているわけではなさそうなのが安心材料だが(食べてるとしたら空の繭がらが出るはずだがそういうものは全くない)一体いつ・・?まぁ、放っておけばそのうち羽化はするんだろうと気楽を決め込んでいる。 卵はかなり増えてきている。どうもここ最近急に産むようになったようだ。女王も去年産卵の最盛期の頃のお腹とほぼ同じくらいに膨らんでいる。あとは幼虫がどんどん孵化してそれが繭になって・・という図式になったら成功が見えてくる。果たしてうまくいくだろうか。 |
5月5日 | 今日はミミズを休んでミールワームにしてみた。そうしたら驚くほど好反応。 ミールワームを襲うミカドオオアリ。1匹では少ないかな?と思ったので2匹入れておいた。 こちらはシワクシケ。集団で襲っていて、ミミズの緩慢な動作とは想像もできないほど、機敏だ。粉っぽいのはミミズを入れた際発生する粉末である。掃除しようとは思うが、餌場に出ているアリも多く、なかなか果たせていない。 今回のことから、ミールワームと糸ミミズをローテーションさせたらいいのではないか?という想いに至った。この2つはペットショップで簡単に手に入るので、餌候補として面白いのではないか?と思った。 |
5月6日 | 実はクサアリモドキが復調したらしいのだ。 女王が出てきたので見てみたが去年の最盛期より少し膨らんでるんじゃないか?というくらい腹部が膨張しているし、卵も女王のパンパンの腹部2つ分くらいは軽くある。 繭はたくさんある。ただ幼虫が少ない。20個体もいないのではないだろうか。 成長した幼虫ばかりなので孵化していないよりは先月の不調だった時期に食べていて、その後持ち直した時の卵がまだ孵化していないと見ている。 だから、孵化が始まったら去年みたいに凄い量の幼虫が出てくると見ている。 このコロニーにはティッシュを入れているがそれを水分補給のための水を入れているフィルムケースの周りに砕いたものを積み重ねてカートンのようなものを作った。 後日写真を載せたいがこれが共生菌を培養したカートンなのか、それとも単なる排せつ物での色づいたカートン様物質なのかは微妙。 写真を載せたときに皆さんのご判断をお願いしたいと思う。 |
5月7日 | 昨日記述したクサアリモドキでの「カートン」のような物の写真を撮ってみた。 このように、フィルムケースの縁に沿ってティッシュをかみ砕いたものを積み重ねている。 その「カートン」の一部を接写したものがこれ。フィルムケースに給水した後なので水を吸って汚い感じになっているが、一体これはなんだろう?トイレだろうか?それともクサアリが作るというカートン?ただ、ティッシュは入れる端からこの塊にくっつけてあたかも人間が菌を栽培するのに少し似た行動はとっている。 最後はおまけ。ムネアカオオアリで中型働きアリが羽化していた。色の違いを分かっていただくために隣に成熟した働きアリのいる画像を使ってみた。 春以降生まれた卵は今、最速のもので終齢まで育った。幼虫数はそれほど多くないが、卵がたくさんあって肉餌への欲求も凄い。我が家でミカドと並んで一番安心してみていられるコロニーだ。 |
5月8日 | 最近はミミズを休止してミールワームを与えているが、狩りを見るのは結構面白い。 ミカドオオアリがミールワームを襲っている。2匹入れているが翌日には皮を少し残すだけだ。 ムネアカオオアリ。こちらにもミールワームを2匹入れているが翌日には本当に何も残らない。 |
5月9日 | 昨日まで肌寒かったが、今日は急に暑くなった。 猪名川でクロナガが飛んでいるのではないかと思い行ってきた。到着時刻は午後1時半頃。規模はそれほど大きくないが飛んでいる。そこで地面を見ていたらケアリに襲われているクロナガ脱翅メスがいた。 ケアリは勢いでこのメスを圧倒していた。このメスはまだかろうじて生きていたが多分助けてもだめだっただろう。 こと切れたクロナガの脱翅メスにシワアリが集まってきている図。 そうしてやっと見つけた!クロナガアリの複数雌による巣作りの様子である。 単独で巣を掘っている姿もたくさん見つかった。 少しぼけているが複数雌で作った巣がほぼ完成に近づき、すべての個体が地中に潜ったところである。 単独で石に沿って巣を作っているところ。巣部屋になるべき大きさに掘り進んでいたので分かりやすかった。 採集に勤しんでいたら、横に羽アリがぽとりと落ちてきた。よく見たら、交尾している! 全体を撮ったが去年の方が上手に撮れてたね・・。この個体は交尾が済むとメスは再び飛び立っていった。 再び、単独で巣を掘るメス。柔らかい土のところでは単独で、乾燥して踏み固められたところでは複数で掘ってるように思えた。 そうして採集した脱翅メス46個体!過去最高の記録だ。「アリ柱」も2時過ぎに結構立ってキャッチボールをしていた人が「凄い羽虫がいてる」というほどだった。 まだ羽アリで賑わしい巣があったが数から見て今日がピークだと思われた。明日も飛ぶだろう。しかし、これに満足して今季のクロナガ採集はこれで終わることにした。 帰ってメス4匹×9ケース、5匹×2ケースに分けた。 大半は布教用とする予定。近々広告出します。 |
5月10日 | 枚岡。到着してすぐにシワアリが何か小さなものを運んでいる。 ボケているがアメイロアリの雄だ。 もう一丁。拡大したらボケますね・・ そんなわけでアメイロアリが飛んでいることを確認。そうして神社わきのクロオオアリの巣を見に行った。 時間は2時過ぎだったが、ご覧のように羽アリが巣口から顔を出している。 同じコロニーと思われるが違う巣口の様子。 近所の違うコロニーの巣口。こちらもにぎやかだ。 飛びそうにないので周囲を散策したらアメイロアリの女王が1匹いた。採集しておいた。写真を写したが見事にボケて見られたものではないので割愛。 ヨツボシオオアリのいる木を見に行った。 羽アリがたくさん出てきていて数匹は木を登って行く。しかし、飛行は確認できなかった。ただ、たむろしている中に脱翅メスがいた。うまく誘いだして採集したがこれ、うまくいくかなぁ? 椋ヶ根橋のあたりできれいなトンボがいた。カワトンボの仲間だろうか。 色々歩き回ったが、アメイロアリなんてもっといそうなものだったが数が凄く少ない。どうも絶対数が少ないようだ。クロオオアリもヨツボシオオアリも一向に飛びそうになかったので4時半頃フィールドを後にした。 明日まで暑いがその後気温が落ち着くという。今年も下旬かなぁ? |
5月11日 | 夕方からだったが、枚岡に出かけた。 昨日、あれだけ羽アリがひしめいていた神社内の巣はひっそりしていた。羽アリはいることはいるがごく少数。そこで、飛んだのかと思い、神社の参道を中心に探したが、いない。飛んでいた場合、ムシヒキアブに刺されて死んだ個体がいるのだが3個体しか確認できなかった。 そんな神社で見かけた虫。私もこれを生で見たのは初めてだ。大きさは3センチほど、シリアゲムシみたいな動きをしていた。 そう、ラクダムシだ。枚岡というフィールドはスルメのように噛めば噛むほどではないが、行けば行くほど珍しい虫と出会うような気がする。 椋ヶ根橋へ向かう途中、コンクリート脇にクロオオアリ脱翅メスが!喜んで採集したがなんだか元気がない。その理由は帰ってから明らかになる。 公園事務所付近で探索していたら壁にクロオオアリの有翅メスが飛んできて止まった。 時間的に交尾済みと考えて(どうも今日は早い時間に飛行がおこなわれたような節がある)採集。元気だ。羽を落としてくれたらね・・ 近くでヨツボシオオアリの有翅メスもいた。採集。オスを入れたが羽を落とさない。 帰って容器に移し替えようとしたときに3個体の様子を見たらクロオオアリ脱翅メスとヨツボシオオアリ有翅メスは腹部がひしゃげていた。完全な個体はクロオオアリ有翅メス1個体のみ。 昨日、観察を早めに切り上げてしまったが、ひょっとしたら飛んだのかもしれない。アメイロアリが飛んでいないからと油断した。 |
5月12日 | どうも昨日採集したヨツボシオオアリがタッパーの中で交尾したようなのだ。 オスの腹部先端が割れている。 よく考えたら昨日の夜、メスの腹部先端も変な形をしていたな・・全体的に長方形っぽく見える感じであった。 そのヨツボシオオアリの雌は羽を2枚落とした。どうなるか・・ 昨日採集した他のアリの様子。 脱翅したクロオオアリメスはだんだん弱ってきた。見立てが正しいとはいえ、少し残念だ。 有翅メスは元気だが、羽を落とさない。交尾してるんだろうか?産卵してくれたら・・ |
5月13日 | 野外観察ネタが多かった今月だが、飼育している種類でいくつか変化が起こったので列挙。 ヤマクロヤマアリ。おかしな現象に見舞われている。蛹が羽化しないのだ。 裸蛹が目が黒くなるところまでは行くが、そこから先で死んでいるようでゴミ捨て場・・ 石膏が少し乾いていたので給水したがそれと関係があるのだろうか。 ルリアリ。たくさんいた幼虫のうち半数ほどが蛹になったようで目が黒くなってきた。 しかし、ミールワームやミミズといった肉餌にがっつきがない。 あれだけの数の幼虫を賄うのに不足していると思ったらやはり死んでいる個体がいるようで隅っこで働きアリが食べている・・女王は恐ろしいほど卵を産んでいるがどう変化していくのだろう。 ウメマツオオアリ。今年採集したコロニーは餌やりがしやすいこともあるが採集した幼虫が多かったこともあってかなりの蛹が出てきている。中でも4月11日に採集したコロニーは産卵数も恐ろしいほど多く、今年中にケースの増設をしなくてはならないかも・・ 最後に付記として不調になっていたアシナガアリ大コロニーが壊滅した・・原因がよく分からない。とにかく合掌。 |
5月14日 | クサアリモドキ。 写真はクサアリモドキの繭を運ぶケアリワーカー。 そして数は少ないが成長した幼虫。ケアリワーカーより大きいくらいだ。 働きアリの群れの中にやけに小さい個体がいる。クサアリモドキなんだろうか?形態が違うように思うが(腹部が丸っこく見える)、単なる個体差とも考えられなくもない。 写真を写そうにも小さく動き回ってピントが合わない上、数が少ない、その上女王のそばにいるのか姿をあまり見かけない。チューブの中にいるようだ。側近として働いてるのだろうか。 ・・と景気のいい話が続いたが、このコロニーにもどうも羽化不全の個体が発生しているようだ。今日、見てみたら3個体ほどそういう個体がいた。蛹のまま羽化に至っていないようだ。 レマニでもこういう現象が起こっていて、レマニでは今年新たに羽化が見られない事態になっている。 湿度なんだろうか。原因がさっぱりわからない。とにかくこういう症状を見かけられた方、克服方法教えてください!お願いします! |
5月15日 | ヤマクロヤマアリを清潔なケースに入れ替えた。形のおかしな蛹は廃棄して巣部屋の入れ物も廃棄した。結果、ケースにメラミンという心もとない入れ物になったが、コロニー規模からこれでも十分のようだ。これでしばらく様子を見る。入れ替えて気がついたが卵が5個くらいしかない。もう越冬モードに入ったんだろうか? クサアリモドキ。 この個体、ケアリによく似ているがやけに小さいのだ。ひょっとして羽化したクサアリモドキ? 腹部のつやが違うようにも思うのだが・・こんな小さな個体が少なくとも3個体確認している。 そしてまさに歓喜の時!クサアリモドキが羽化していたのだ。頭でっかちなのは野外で見るのと変わらないが、体サイズはケアリワーカーとほとんど変わらないか小さいくらいだ。 羽化不全で食されているクサアリモドキの蛹。なぜこういった現象が起きるのか、よく分からないが、ロスになっている分は痛いなぁ。 もう1個体、羽化を確認した。こうやってケアリワーカーと比べたら頭がやはり大きい。 迫ってみたが、胸部がぼけた・・ とにかく、クサアリモドキの羽化を正式に確認したのは大きい。今まで繭の殻はあっても羽化したか、食べたかがよく分からなかったからだ。 繭はまだもう少しあるので、羽化も引き続き続くと思われる。 そして孵化したての小さな幼虫も3匹は確認したので、肉餌さえ切らさなければ波に乗っていけるか? |
5月16日 | 今日は、最近の不眠現象がピークに達し、極度の疲労感に襲われたため、アリの餌交換は行わなかった。 それでも観察は少しだけ行うと面白いものが見られた。 今日、クサアリモドキは羽化ラッシュを迎えたようで夜にちらっと見ただけで色の淡い働きアリが6匹もいた。 普段、恒温機は夜の餌交換の時にしか開けない。今日もそうだ。 ということは朝や昼、私の見ていない時間に羽化した働きアリがいる可能性は大いにあるわけでそういう個体はすでに色が濃くなってほかのものと同化したのかもしれない。 クサアリモドキ、これで幼虫がどかどか生まれてくれたらまさしくスイッチオンの状態になること必定。 どれだけ今年増やせるか恐ろしくもあり楽しみでもある。 |
5月17日 | クシケアリにオスが生まれた。 さて・・巣内交尾でも期待するかと思ったらメスが見当たらない。 体調不良でじっくり見られなかったのだが、隅っこにいるのか? そのクシケアリ、今まで使っていなかった部屋に蛹を運び込み始めた。 卵幼虫と蛹と部屋が分けられている。 結構見やすくて面白くなった。 |
5月18日 | 昨日書いた内容と重複するが、写真アップということでご勘弁を。 クシケアリ。ミールワームを1日1匹与えている。 これは昨日与えたミールワームの死骸をせっついているクシケアリ。こんな感じで1日で殻だけにしてしまう。放り込むと集団で襲いかかってその様子は結構鬼気迫るものがある。 蛹部屋・・なのだが、よく分からない写真になった。最近、蛹の増え方が凄い。 クシケアリのオスとメス。メスも探せばいた。昨日はどこに隠れていたんだろう?こうやって見比べたら一目瞭然。なんだかオスの方がよりハチっぽくも見える。 11日に採集したクロオオアリの有翅メス、一向に羽を落とさないのでてっきり未交尾のものを採集したと思っていたら今日になって急に羽を落とした。右前翅がぐらぐら状態ながら残っているがあとはきれいに落ちた。そして卵を2個産んだ。 ?今朝まで全く産卵の見込みなんてなかったのに・・? ヨツボシオオアリの羽を落としたと書いた方のメスだが、死んでしまった。やはりヨツボシはなんだか難しい。 |
5月19日 | クサアリモドキ。久々に女王がチューブから出てきていた。 マニュアルだとやっぱりうまく撮れないね・・。腹部が大きく膨張しているのはお分かりいただけるかと。 しばらくしたら働きアリがわらわらと・・ 卵からの孵化も徐々にではあるが始まっている。 卵を運ぶクサアリモドキの働きアリ。色がまだ淡い。 繭からは毎日数匹が羽化しているようで毎日のように白っぽい働きアリを見ることができる。 ただ、一通り羽化が終わった後、しばらく鈍化しそうだ。幼虫をどれくらい育てられるか、また如何に産卵を持続させられるかがカギになっていると思う。 |
5月20日 | 夕方、枚岡に出かけた。 ヨツボシオオアリはオスが多いがメスは少ない。もう飛行の峠は越えたんだろうか。クロオオアリポイントとは少しずれているので、最後まで観察しなかった。だからこれらの個体が飛び立ったかは確認していない。 登山道のコロニー。オスがすこし顔を出しているがやはりメスが極めて少ない。 公園事務所付近で見つけたキリギリスの仲間の幼虫。いったい何の幼虫なんだろう?この緑色は本当に美しい。 時間は5時過ぎ。公園事務所付近でこういうものが見られた。 ミカドオオアリの有翅メスがアブに襲われているのだ。 そしてクロオオアリも犠牲に・・ 角度を変えてもう1枚。 この時間あたりから結婚飛行が終わったクロオオアリのメスが地上に続々と降りてきていたようで脱翅メスもすぐ見つかった。 巣作りの場所を探す新女王。 このミカドオオアリの有翅メスだが、変なのにお気づきだろうか。そう、腹部がないのだ。 大型のトンボがいる季節ならばトンボが食した可能性があるが周囲にはトンボがあまりいないので鳥が食べたのだろうか?この腹部のない個体はこれだけだった。 結果。ムシヒキアブに食されていたアリはクロオオアリ5匹、ミカドオオアリ1匹。 採集したのはクロオオアリ脱翅メス3匹、有翅メス3匹。 帰宅したらクロオオアリの有翅メスと脱翅メスが1匹ずつフィルムケース内で死んでいた。 フィルムケースを使うとこういうケースが時々起るがなぜ起こるのかよく分からない。 面白かったのはこの周囲ではクロオオアリがいたらムネアカもいるというパターンなのだが、ムネアカは全くいなかった。 それとこの場所でアブを見たのは初めてだ。これでこれからアリ捕獲に私以外にムシヒキアブという強力なライバルが加わった。あまり嬉しくない。 |
5月21日 | 写真はないバージョンだが、2種類取り上げる。 トビシワ。最近、とんと取り上げていないことに気がついた。 出だしの頃、なかなか幼虫が増えなくて困ったが最近すごい勢いで増え始めた。 蛹が小山の如くある。 幼虫や卵はたぶんチューブの中にあるんだろう。女王も元気。1匹しかいないというのがすこし不安だが、それを押しのけるくらいの勢いだ。 クロヤマアリ。久々にケースを見てみた。 裸蛹を中心にかなりの数があるが、卵、幼虫が少ない。 そこで明日からミールワームに加えて中断していたミミズも与えることにした。 栄養を与えて一気にダッシュをかける算段だ。 クロヤマは入れ物のバランスの関係でなかなか取り出せず、写真も撮れないので結構テキストで書いてしまう。何とか改善したいとは思うが、交換容器もないし、特に汚れもひどくないしなぁ・・ |
5月22日 | 4年目のクロオオアリだが、卵が一向に増えない。 ミールワームを刻んでも食べてるかどうかわからない(生きたものを入れたら襲って殺しはする)。そこで、栄養増強としてミミズを与えてみることにした。 ふやかして与えるので、これなら少しは食べてくれるだろうか。 クサアリモドキでは羽化ラッシュは終わりに近づいたようで、今日見たら羽化したての淡い色の個体は3匹ほどであった。 見ていて気がついたが、クサアリモドキは自分たちの幼虫や卵に張り付いている。 以前、YASUさんがブログで同じようなことを書かれていたが、「同族の血」を感じているのだろうか。産卵はまた止まっているのか、それほど卵塊が大きくなるというようなことは起きていない。ただ、何というか「活気」が出てきたなぁとは見ていて思う。 |
5月23日 | 弟夫妻+姪っこが来ていて、忙しくて餌かえができなかった。 とりあえず、観察だけをしておいた。 今年、採集したクロオオアリ女王は全部で6匹いるが、いずれも羽を落として産卵していた。大体2個から8個近く産卵しているようだ。 クロナガアリも例年より採集した後の死亡率が高いように思うが(湿度とかは問題ないのに)、それでもすべてのコロニーで卵が10個ほどある。 今日は昼過ぎまで曇っていて涼しかったが、夕方日暮れ時には少し暑くなった。 観察に行けば何か拾えたかもしれないと思うと、少し残念だ。 |
5月24日 | クサアリモドキ。卵が孵化し始めた。 小さな幼虫。大体50ほどいるようだ。 少しバラけたが幼虫群。小さな幼虫が孵化し始めて、言葉では言えないが「何か」が変わったように思う。 |
5月25日 | 久々にアシナガアリ女王2のコロニー。女王が2匹の割に産卵しているのは1個体なのか、増え方はゆっくりだ。 そのうちの1匹の女王。働きアリは細く、脆弱なイメージ。なかなかがっしりしたものは生まれてこない。餌は乾燥ミミズを小さくちぎったものを放り込んでいる。翌日にはタール状になってるので、食べてると思われる。 クシケアリ。蛹を今まで使っていなかった部屋に固めている。毎日数匹の働きアリが羽化していて幼虫もたくさん。しかし、卵が極端に少なくなった。30ほどだろうか。謎だ。 |
5月26日 | 私は、野性を残してもらうという意味で個体数の多いアリ、すなわちトビシワ、ムネアカ、ミカド、クシケ、ウメマツオオアリにはミールワームを刻まずに生きたまま与えている。 これは見ての通りムネアカ。今日、ミールワームの入れ物を見たら成虫がいたので放り込んでみたら御覧の通り。 面白いのは襲っているうちに顎がかみ合ってお互い攻撃し合ってるようにしか見えない働きアリがムネアカでは出るのだ。大概和解しているようだが、ときどき死骸があることを見たらやりすぎかなぁと思ってしまったりする。 多分餌の大きさがムネアカに対して小さすぎるんだろう。でもこれ以上大きな餌はコストがかかるし・・ |
5月27日 | ルリアリだが、採集してきた幼虫は蛹になった。 しかし・・そこから、なんとオスが生まれてきた。 ルリアリのオス。働きアリと並べることで大きさを比較しているつもりだが、かなり小さいことがお分かり頂けると思う。 私は、このルリアリ飼育に行き詰まりを感じている。 女王は卵をうむ。それはいいのだが、孵化しない。採集してきた幼虫もその3分の2以上が食べられてしまった。 餌はゼリーには群がるが、ミールワームやミミズといった肉餌に本当に反応しない。 ルリアリは私の家のそばでも見られるくらい、身近でどこにでもいるアリだと認識しているが、餌ってこんなにデリケートなんだろうか。 |
5月28日 | アシナガアリ。久々に幼虫が餌に頭を突っ込んでいる姿を見ることができた。 少し暗くなってしまったが、ミールワームの傷口部分に頭を突っ込んでいるのだ。 クサアリモドキ。 少しわかりづらいが、クサアリモドキの働きアリがケアリの働きアリの触角の根元を噛んでいるのだ。なぜ同一コロニー内で混群になっているアリ同士がこんなことをするのかよくわからないが、順位付け行動だろうか。 卵の塊を運ぶクサアリモドキの働きアリ。最初こそケアリワーカーと見間違えたりしたが、クサアリモドキが増えてきて違いがはっきりしてきた。 このクサアリモドキ、働きアリの数が少ないためかどうも採餌行動はまだケアリに頼っているようで、えさ場では見かけたことがない。そしてミールワームを3等分にしたものを与えているが翌日見たら殻だけ。肉餌への欲求が高まってると判断し、適宜ミミズを与えていくことにした。 実はクサアリモドキを飼育していてずっと疑問に思っていることがある。 それは「女王には産卵期と栄養摂取期と呼ぶべき産卵しない期間があるのではないか?」というものだ。というのも、数日前に女王の写真を載せたがまたあれ以降腹部が少し縮んで卵も減っているようだ。その分、幼虫が生まれているのだが、産卵が続いていたら卵の塊もずっと同じ大きさのはず。それが変動するということは・・? ご意見、募集します。 |
5月29日 | ミカドオオアリ。最近、オスが生まれてきている。 オスの死骸。生まれてもすぐ殺されて食べられているようだ。 大型働きアリ。腹部の艶が美しい。 卵の塊。一時期少し減ったが、大体これくらいの量がコンスタントにある。 クロヤマアリ。ゼリーにたかっているところを少し遠くから撮ってみた。 こんな風に与えた直後は集まる。 これはムネアカの幼虫。写真では分かりづらいがかなり大きく、中型以上になることが期待できる。 |
5月30日 | クシケアリがやっぱり変だ。卵が徐々に少なくなっているのだ。 もう20個もないのではないだろうか。 幼虫が孵化しても卵はあるので若干の産卵はしているようだが、今までのクシケアリ飼育ではこんなことはなかったので、少し戸惑っている。 それと同調するかのように、ミールワームを与えてもあまり襲わなくなった。 襲うときと襲わない時があるのだ。 これがなぜなのか、さっぱりわからない。 幸い、蛹はたくさんあるのですぐには壊滅はしないと思うけど、少し心配だ。 |
5月31日 | クサアリモドキに一昨日、またティッシュの切れ端を入れた。大半は例の「カートン」にそのまま貼り付けられているのだが、一部写真のように噛み砕いて練りこんでいる部分が見られる。 原形をとどめているティッシュもやがて噛み砕かれるのか、菌かそういうものが移ってくるのか、茶色いカートンのようになってしまう。 女王。、また腹部が大きい周期に入ったようだ。卵はチューブのなかに入っていて細かい数はわからないが、卵塊はまた少し大きくなったように見えた。 |