2009年3月の観察日記
3月1日 | ほぼすべてのコロニーにテフロンを塗布した。ここで問題になるのは、テフロンを溶かしこんでいるエタノールの存在だ。十分揮発させないと、アルコールが気化した時の蒸気でアリがやられてしまう。 溶かしこんで3日、ねちゃねちゃした団子になってきたので、ここが適期と思い(ここからは一気に乾燥するのは確認済み)、巣部屋、餌場壁面に塗布した。 さて・・結果だが、実に残念なものだった。 今日は所用があって朝に塗布した後、夕方まで観察ができなかったが、それが災いした。 当初、何事もなさそうだったモリシタさんは全滅。 レマニも働きアリのほぼすべてが苦悶状態。あわててふたを開放したが持ち直すかどうか微妙。 ミカドオオアリは20ほど働きアリが死んだが被害はそれくらい。 クサアリモドキは一見大丈夫そうだが、なんだか働きアリの動きに違和感がある。しかし開放して時間がたつにつれて落ち着きを取り戻しつつある。 クロヤマアリはほとんど無傷だった。 なぜこんなに種類によって差が出たのかよくわからない。 ただ、エタノールによる害なのは明らかだ。 これからこの素材を使うときはアリを入れる前、しかも十分にアルコールを揮発させてからでないと使えない素材であるということがわかった。 しかしモリシタさんは痛い・・クサアリモドキ、レマニもなんとか持ち直してほしいが・・ 身から出たさびとはいえ、とんだ厄日にしてしまった・・ ただ、一つ言えることがある。 この素材、脱走防止には非常に効果が高いことがわかった。 薄く塗る程度でアリは壁面が滑って登れなくなるのだ。 これがフッ素樹脂の力か・・ そしてもう一つ、気になったことがある。害が出たアリのコロニーのふたを開けるとつんとした酢酸のようなにおいがした。どう考えてもアルコールの匂いではない。 ミカドオオアリは最初あたふたしていてふたを開けたらエタノール臭がしたので蓋を開け閉めを何回かしてるうちに無臭になった。しかし働きアリが死んだ餌場はメイプルが発酵したような何とも言えない匂いがしている。そこからは働きアリも退去している。 うーん・・観察できる日にやるべきだったね・・ モリシタさん・・ごめん・・ |
3月2日 | 大災害から1日が経った。1日の夜中から今日の夕方まで蓋を開け放つ処置を行い、クサアリモドキはほぼ平常に戻った。幼虫もいなくなったので死んだと思ったがどこにいたのか以前の3分の2ほどしか確認できなかったが生存を確認。 レマニは朝の時点で女王が触角先端1節が変に曲がって挙動も怪しかったのでもうだめかと思っていたが、夕方見たら(少なくとも見た目は)普通に戻っていた。働きアリも半分ほど死んでしまったが、生き残った者は何とか活動を再開。 ギ酸中毒の時もそうだが、こういうガス系の中毒を起こしたアリは水をすごく欲するように思う。水に頭を突っ込んで「自殺」するアリもいたほどだ。 私は毒ガスの解毒にはそれほど詳しくないが、確か薬物中毒を起こした人には新鮮な空気を吸わせて水もしくはミルクを飲ませる・・というのをどこかで見たような気がする。もっともこれは薬物を経口投与した場合なのでガスの場合には当てはまらないのかもしれない。 これで災厄はひと段落・・と思いたい。あとは女王が産卵を開始して(ここが結構重要だと思う)普通に発展していくことを祈るだけだ。 さて、そんな中、テフロンを塗布しなかったシワクシケアリで産卵を確認。昨日は観察できなかったが、今日見たら20ほどの卵を働きアリが咥えている。 ?ミミズを食べていないのに、成長できるのかな?一応乾燥ミミズは放置プレイなので、ミミズに少し水分を与えて様子を見た。 |
3月3日 | ヤマクロヤマアリでは5個ほどの卵を咥えた働きアリが見られるようになった。 この卵だが、大災厄後に生まれたのか、微妙なのだ。 大災厄時、卵は放置されていた。バラけていても放置だった。 それを再び構成しなおしたんじゃ・・とも思う。どうなんだろう? 卵塊が大きくなっていくのをもって判断するしかない。 クサアリモドキ。どうやら完全に元に戻った様子。チューブに女王がこもるのは相変わらず。 しかし石膏表面で幼虫を育てているのでこちらは観察しやすい。 しかし体色が白色に変わったが、それほど成長が見られない。そういえば「疑惑の幼虫」、1匹になってしまった。死んだのだろうか。 アシナガアリコロニーで幼虫に糸ミミズを与えているのを目撃。細い断片に鈴なりになっていた。卵はあるが、これ、暖かくしてから産下されたものかはよく分からない。今日はある事情でデジカメのメモリーカードがなく、撮影ができないので写真は明日以降、時間とシャッターチャンスがあれば撮ります。 そんなわけで今現在、確実に産卵が進行しているといえるのはシワクシケアリくらいだ。 オオアリ数種もクロヤマアリも産卵しない。 もう時間の問題だと思うが、なんだかまどろっこしい・・ |
3月4日 | 良かった。ヤマクロヤマアリでは産卵が再開されていたのだ。 大体15個ほどの卵塊であろうか。働きアリが比較的大きな卵塊を咥えている。 ヤマクロヤマアリは大災厄でもう1時間発見が遅かったらたぶん全滅していたと思われるほど生存コロニーの中では一番被害が出たので女王が産卵するかかなり気を焼いたが、これでひとまず安心だ。 女王も触角のおかしな曲がり方もなくなり、至って正常に戻ったように思える。 |
3月5日 | 今日はシワクシケ。産卵が始まり、幼虫もあれほど縮んでいたのがウソみたいに大きくなり始めた。 卵塊を咥える働きアリ。 少しぼやけているが2匹入り女王のうち1匹。腹部がボンレス並みに大きいのがお分かりいただけるだろうか? ミミズを直接齧ってるところは見ていない。しかし、湿らせたミミズをどうも見ていない間にこそぎ取るように表面から齧っているようで体積が明らかに減っている。 とりあえず今年も何事もなければこのまま順調に発展しそうだ。 |
3月6日 | アシナガアリ。どのコロニーでも平地のアリではかなり早くに越冬状態から覚めて幼虫がつやつやしてきている。 卵はあるがアシナガアリは去年秋に恒温機の温度を急に下げたのでその時点での卵の可能性も否定しきれず、産卵しているかは正直よくわからない。 1カ月もしたらわかると思うが、この分だと多分大丈夫だろう。 餌のミミズも食べてる場所を押さえた回数はそう多くないが、食べているのを確認。 去年は3コロニーとも採集してから不調だったがオープンシーズンは快調な滑り出しだ。 |
3月6日 | クサアリモドキ。久々にチューブから女王を追い出してみて驚いた。すごくお腹が膨れているのだ。 この分だと、産卵ももうすぐだと思う。そうしていったん産卵が始まれば一気に卵の山かもしれない。 先の大災厄で死んだケアリの働きアリの死骸を食べるクサアリモドキ幼虫。 このコロニーにはミミズのごく小さな欠片も与えているがそっちも食べている模様。食べてるのは主に働きアリのようだが。 上の写真の周辺。少し大きな幼虫はいるが主流はこの大きさの幼虫だ。2齢くらいかな? 少し育った幼虫の塊。これより育った幼虫は数匹いるが、どれくらいで蛹になるか、全くわからない。だから終齢幼虫がどれくらいのものなのか、様子見の状態だ。 また、ミカドオオアリ、ケブカツヤオオアリで産卵を確認した。 ミカドオオアリ、ケブカツヤともに卵は白色だった。 ミカドで10個前後、ケブカツヤで4,5個だった。 ケブカツヤはあまりここで取り上げる気はないのでミカドの写真なのだが、うまく撮れていなかったので、後日アップします。一応記録として書いておきます。 |
3月8日 | 今日もクシケアリ。ミミズを齧ってる場面が撮影できた。 幼虫の先端に白っぽいものが見えるが、これが乾燥ミミズの断片である。最近、ミミズをよく食べてるようで、入れておいたミミズがいつの間にか消えている。巣内を見たら成虫が小さな肉片のようなものを咥えているのを何回か見ているので食べてるんだろう。 昆虫ゼリーをなめる働きアリ。昆虫ゼリーも他のアリのようにリングを作るわけではないが、数匹なめに来るようになった。このゼリーはクワガタ用の高タンパクゼリーなので女王にも幼虫にもいい効果を表すだろう。 |
3月9日 | クロナガアリ。温度を上げてから産卵数が増えたが、蛹の数はそれほど増えない。 コロニーの一部。濃く色のついた蛹がいくつか見受けられる。 さて、クロナガアリといえば巣の中に種子をため込むことが有名である。しかし、アワの実は必要な時に必要な分だけ運び込むという感じで一向に貯めてる様子がない。 私の飼育しているクロナガアリは以前入れておいたカゼクサの種子の方が明らかに好みであるように思えた。 コロニーは数が増えて勢いが出てきたら好き嫌いがなくなってくるので、少し勢いをつけてやろうとカゼクサを少し多めに入れてみた。 ・・呆れた。カゼクサの種子はしっかり「貯蔵」しているのだ。むぅ・・ 夜、クサアリモドキの女王付近を少し撹乱したら卵を咥えたケアリワーカーが! パッと見ただけでも20ほどはあった。 女王はとうとう不透明になったチューブからは出てこなかったが、産卵が開始されたということはとても嬉しい。もう少し増えてきたらチューブに収まらなくなって石膏の方に卵を出してくれるかな・・と期待している。 |
3月10日 | アシナガアリ。幼虫がミミズを食べている現場を押さえた。 幼虫の頭の先に見える茶色の物体がミミズである。 さらにアップ。まさに頭を突っ込むように食べている。 こういう現場は意外となかなか押さえられない。幼虫が比較的多いアシナガアリでもミミズは与えたら消えているのだが、いざ食べてる現場となるとなかなか・・ いいものが撮れた。 ケブカツヤはタッパーにティッシュをしいたもので飼育していたが最近、排せつ物だろうか、べたべたになってきたので石膏部屋+餌場の容器に引っ越しさせた。 てっきり石膏の方に居つくと思ったら餌場に居ついた。 餌場にはゼリーがある。これくらいの乾燥気味の方が落ち着くんだろうか。 |
3月11日 | ミカドオオアリ。卵の写真がようやく撮影できた。 見ての通り、殆ど白色。今までミカドの卵はオレンジが多かったので少々意外だった。 ミカドにもミミズを乾燥したまま与えているが食べてるのは全く見たことがない割に跡形もない。成長した幼虫に若干色艶が悪いものがいるが関係あるのだろうか。 しかし大半の幼虫は透明な良い色をしてるので増えそうだ。 これらが羽アリに分化しなければ・・だが。 クサアリモドキには冬の間も越冬モードに入らないように見えた「疑惑の幼虫」がいたと以前書いたことがあるが、見てみたら黒く変色していた。 やはり通常通りの成長をしないものには死が待ってるのだろうか。 クロヤマアリでようやく卵を確認。15個ほどの卵塊を発見した。 クロヤマアリは温め始めてもなかなか産卵を開始しなかったので気をもんだがほっとした。 |
3月12日 | シワクシケアリ。肉餌として乾燥糸ミミズを与えていたが、乾燥状態だとどうも食い付きがいまいちなので少し湿らせて与えている。 餌場には常に働きアリが20匹ほどたむろしていて、ミミズを与えてしばらくしたら集まってくる。 同様の写真。働きアリが食べる、もしくはごく小さな塊に切り取って幼虫に与えているようで、幼虫が直接餌にかじりついてる姿はミミズを湿らせてからはあまり見かけなくなった。 コロニーの一部。越冬時、あれほど縮んでいた幼虫も今では丸々と太っている。産卵もどしどしなされていて、今後が楽しみである。 幼虫に焦点を合わせてみた。つやつやして実に素晴らしい太り具合だ。 写真中央付近に働きアリの腹部先端が写っているがこれまたボンレスである。 ゼリーにもよくたかるようになっていて、これが女王に行って栄養状態がよくなってさらに産卵量が増えるという正のフィードバックが起きてると思われる。 餌場を大きな容器にしてから、餌やりが格段に楽になった。逃走者は全くないし、時々ふたからこぼれおちてもすぐ回収できるレベル。巣部屋も現在2部屋になっているが、まだ余裕がある。今年一番の増え頭になるのではないかと期待される種類だ。 女王。2匹いるがいたって健康そうで産卵も盛んだ。 別方向から。ご覧の通り、腹部はボンレス。素晴らしい。 |
3月13日 | 今日はクサアリモドキ。幼虫は越冬モードを抜け、体色が透明で美しい色になった。 幼虫の世話をするケアリの働きアリ。 容器壁面部に並べられた幼虫の一部。もっといるのだが、大半は撹乱したらすぐチューブのなかに運び入れてしまい、なかなか思うようにたくさん幼虫がいる写真が撮影できないでいる。 少しぼけたが最近の女王。腹部はもう限界レベルに膨らんでいる。産卵をしているようだが、卵塊が中々見られないのでどれくらいのペースで産んでいるのかは正直よくわからない。 そんな中、たまたま卵塊を出してくれてる時間があったのですかさず撮影。こんな大きさの卵塊がもう1個ある。産卵も順調のようで、ほっと一息である。 |
3月14日 | トビシワ。常温飼育であるが、餌はよく食べるし、幼虫の色つやもいい。 しかし、成長も見られないし、産卵もまだ。来週から暖かくなるというのでそれくらいからひょっとしたら産卵を始めるかもしれない。 特に意味はないが、トビシワの働きアリのアップ。働きアリのアップは何回かやってるがトビシワではあまりやったことがないように思ったので今回少しアップにしてみた。 さて、餌交換の際、一通りコロニーの様子を観察してあわよくば撮影しているのだが、今日、また嬉しい動きがあった。 それは以前紹介した女王が凄く痩せていたムネアカ。 今日見たら卵が10個ほど確認できた。これで一安心だ。 ところで・・思うことがある。アリのコロニーが産卵を開始する前、メイプルの水割りがかなり減っているのだ。他の日はそれほど減っていないのに、消費量の多いオオアリで顕著なのだが、ムネアカを例にとると普段はメイプルの水割りはかなり余っている。 それが今日交換したら殆どなくなっていた。同じことがミカドの時にもあった。 産卵開始には水分が必要・・? ご意見、募集したい。 |
3月15日 | 今日はヤマクロヤマアリ。産卵を開始したが爆発的に産卵数が増えるわけでもなく、のんびりした増加率になっている。 現在、働きアリのあごで2つ分くらいの大きさの卵塊があるので、大体30から40くらいであろうか。 写真は女王。そういえば最近膨れていたお腹がしぼんで通常サイズに戻ったように思えるが・・? 個人的な意見だが、私はいろいろな女王の中でもヤマアリの女王が一番形態、色彩ともに気に入っている。 もう1枚、働きアリに囲まれた女王。 小さな卵塊を咥える働きアリ。ヤマクロヤマアリの卵塊は意外とバラけやすいというか小さな塊で咥えられていることが多い。 |
3月16日 | アシナガアリ。どのコロニーも順調に発展状態に入ってきている。 去年採集した女王2匹のコロニー。産卵も始まり、幼虫も成長を始めた。 少しわかりづらい写真になってしまったが、去年コロニー採集したアシナガで最も規模の大きなコロニーの写真。幼虫、卵ともにたくさんあり、餌の食いもいい。 もう1枚。少し別アングルで拡大してみた。 こちらは去年コロニー採集したアシナガの中規模コロニー。こちらも幼虫につやが出てミミズを与えると食べてるようで翌日には跡形もない。 アシナガアリはどのコロニーも去年の不調がウソのように今のところ好調で、大コロニーのものは巣部屋を増設しようかと考えているくらいだ。というのも餌場に大挙して屯することがあり、餌交換がやりづらい時があるからだ。幸いクシケアリのように刺さないのでつまんで放りこんでいるが・・ |
3月17日 | ヤマヨツさん。 「ヤマヨツ症候群」に罹っていてもう半年以上蛹を見ていない。そうしてる間に働きアリは減り続けもう20匹ちょっとしか残っていない。 しかし、冬を越えてみたら産卵が開始され、15個ほどの卵が! 大きな幼虫も5匹ほどいる。 女王。腹部に鈍い星模様があるのがお分かり頂けるだろうか? この種類は案外飼育は難しいと思う。 ウロコアリとかカギバラアリのように餌が特殊というわけではなく、よくわからない原因で増えないのだ。結果、どんどん働きアリが減っていくという現象に陥る。 近縁にナワヨツボシオオアリがいるが、これもそうなのだろうか?ヨツボシ系は飼育経験があまりないのでよくわからない。 ナワヨツ、ヨツボシの飼育難度について情報をお持ちの方は教えていただきたいものである。 さて、クサアリモドキなのだが、今日、すべての卵塊を見ることができた。 すごい・・女王のパンパンの腹部と同じくらいの量があった。 たぶん100個くらい、あるいはそれ以上か・・ バラけてしまったが卵塊の一部。これと同じくらいのがもうひとつ・・ |
3月18日 | クロヤマアリ。産卵数は例年のように急増してこないがゆっくりと卵塊が大きくなっている。 卵塊の一部。これと同じくらいのがあと1個くらいある。 女王。意外と腹部はそれほど大きくならない。しかし今年も健在でたくさん産卵してくれそうだ。 |
3月19日 | あまりに順調なムネアカオオアリ。今日からほかの種類と同じくレギュラー入りをさせることにした。 いきさつを今一度説明すると、去年はじめ、オークションにて。 その当時でW100ほどだったが、幼虫がたくさんいた。 去年、ムネアカはメイプル、コオロギでかなり増え、今では少なくとも200はいる。 もう少し増える容器的スペースがあるので大丈夫だろう。 というか、もうこれ以上の増設は困難なのだが・・ 大型ワーカーも生まれている。 もう1枚、大型働きアリを撮影。 丸々と太った大きな幼虫も10匹ほどいる。越冬幼虫が10匹程度、卵はないまま越冬するという少し心配な事態だったが産卵が開始されたのでほっとしている。現在20個ほど。 なお、このムネアカの容器は餌場をのぞいて特に容器の壁面に逃走防止の加工をしていないので、どうしてもふた越しの撮影になって白っぽく、像が甘くなってしまうことをお断りしておく次第である(補正はかけているが)。 |
3月20日 | フタフシアリ特集。3種ともに最近の動きというか近況を一部写真を交えて取り上げていく。 まずはトビシワ。卵の塊を昨日確認した。卵の大きさと卵塊の大きさから推察したら40から50ほどだろうか。だから、産卵開始から数日は経ってる計算だ。例の如く、普段はチューブに幼虫とか卵、女王が詰め込まれているので気がつくのが遅れた。一昨年採集した時、女王は3匹だったが、現在はたった1匹になってしまった。 コロニー規模はこの種にしては小さく、W50ほど。採集した時から思ったほど増えていない。臨界値を超えていないので増え方がゆっくりなんだろうと解釈しているが、若干ズボラすぎたかな?と、少し反省している。今年は力を入れたい種類。 写真は(ボケてしまった、プレビューではうまくいったと思ったが・・)乾燥糸ミミズの断片を食べる幼虫。乾燥糸ミミズは実はトビシワが一番良く食べてくれる。湿らせたりすることなく、そのまま放りこんでもいい(時々ゴミ扱いされるが)。そういう意味では本当に飼いやすく、入門者向けだなぁと思う(ただ、増えだしたら一気に増えるのでそこは少し怖いかもしれないけれど)。 次、シワクシケ。これまた順調で、今、卵がどんどん生み出されている。女王の腹部は美しいボンレス。伸びた腹節は飴色に近く、体色から考えたら少しイメージが違う色だが、これまた一興ということで。 数個体だが前蛹が出てくるようになった。小さな幼虫がごく少数だがいるので、孵化も始まってる模様だ。 ご覧のように、ゼリーが凄く受けがいい。餌場には最近全コロニーの3分の1くらいが出ていて餌探しだろうか?うろうろしている。乾燥糸ミミズはそのまま与えて食べることもあるがやや湿らせた方が餌として認識しやすいような印象だ。 次、アシナガ。大コロニーのものが巣部屋、餌場ともに手狭になってきたで以前、モリシタさんに入って貰っていたテフロン塗布の容器に入れた。 ・・・この種類、凄いかもしれない。他のアリでは上らなかったテフロンをものともせずに上る。平時でも普通にテフロンの上にいたりする。 だから引っ越しの際は非常に苦労して、この時期なのに汗が噴き出た。10匹を超える脱走者も出た。しかしなんとか収容。それが下の写真。 一部を拡大。 ちょっと大きすぎたようにも思うが、今のところ好きな時に好きな場所に固まってる感じで大きな入れ物だから増えるキャパシティも十分だと思っている。しかし、餌場に出てこない。お腹がすいたら出てくるんだろうか?その点だけ心配だ。 フタフシアリではないが、ヤマクロヤマアリで幼虫を確認。産卵開始から3週間ほどだ。まだ1匹しか確認していないが、増えるかなぁ? |
3月21日 | 久々に登場のヨツボシオオアリ。スラダケさんに譲っていただいたもの。 現在、働きアリは2匹と超零細コロニーだ。しかし卵が10個ほどと幼虫が2匹、女王はお腹ボンレスで卵も徐々に増えているので、今年は働きアリ20匹ほどにはしたい。 ミカド。だいぶ成長した幼虫が増えてきた。しかし、蛹にはならない。 女王。3匹いるもののうちの1匹。産卵量はそれほど増えてこず、徐々に増えてるという感じだが、現在50個ほどだろうか。 小さな幼虫を運ぶ中型働きアリ。ミカドって最初は地味だなぁと思っていたが、こうやって写真に撮ってみてみたら結構美しいアリだと思うようになった。このコロニーも大コロニーなので割と何でもよく食べてくれる。 |
3月22日 | トビシワの卵。ようやく少数だが撮影できた。 こうやってみたらさすがフタフシアリの近縁のクロナガに卵の形が似てなくもない。 写真は写していないが(以前写したのと変わり映えしないから)、クロヤマアリ、ムネアカオオアリで卵が増え始めた。特にクロヤマアリはちょっと見ない間に働きアリの顎で一杯の卵塊が早くも4つほどもある。いつの間に・・ そのクロヤマアリ女王の腹部は少し節が伸びてきた。卵巣が発達した分、伸びたと思いたい。 |
3月23日 | 久々のアメイロアリ。賑やかしくなっていたのは知っていたが、なかなか取り上げる機会がなかった。 コロニーの様子。白い個体が幼若個体だ。結局、アメイロアリはこのコロニーしか冬を越せなかった。 少しアップ。蛹が見える。 蛹一個をアップにしてみた。1ミリちょっと。ちっちぇー!!! |
3月24日 | クサアリモドキ。順調に幼虫は育っているように見える。 幼虫群の一部。こんな大きさの幼虫は大体50ほどはいると思う。 小さな幼虫も多い。孵化したのではなく、小さな生まれたての状態で越冬状態に入ったんだろう。少し赤っぽい個体がいるが、これは何だろうか? 幼虫は大体150ほどいると思われる。ミミズの小さな欠片を放りこんでいるが、食べているのか翌日には何もない。ゴミ捨て場を見ても何もないので、食べてるのか?それともゼリー? 幼虫の体内には色が入っているので何かを食べてるのは確実なのだが、何を食べてるのかいまいちよくわからない。 とにかく、早く繭を作って初子を見てみたいものだ。 女王は最近チューブがお気に入りの居室となってるようで撹乱しないと出てこなくなった。 無理にストレスをかけるのもなんだと思い、最近は放置気味。だから卵の総数とか女王の腹部の様子とか見てみたいのだが、なかなか果たせない。 |
3月25日 | ヤマクロヤマアリ。女王も今月初めの大災厄を乗り越え、元気に過ごしている。 卵。なかなかくっきりしたものが撮れない。 拡大したらボケてしまったが幼虫も少しずつだが孵化している。 ヤマクロヤマアリはもともとそういう性格なのかも知れないが、今年は他のアリでもなかなか一気に産卵数が増えてこない。 最近になってクロヤマアリが一気に産卵を始めたくらいで、あとは本当にゆっくりと増えている。 クサアリモドキは卵を分割しておいてる上、チューブ内部の見えにくいところにも置いてるようで総数はよくわからないが、昨日少し見た感じでは増えてきているようだ。 温度はずっと23℃なのでもう少ししたらまた去年のように産んでくれるとは思うが・・ |
3月26日 | クシケアリ、蛹が増えてきた。 冬に幼虫だった個体はほぼ終齢まで達している。 前蛹。この写真、よく見たら幼虫の顎が写ってますね。 卵塊のごく一部。こういう小さな塊で数か所に分けられていることが多く、なかなか一か所に固まっているのは見かけない。 クサアリモドキの女王がチューブにこもっているので悪いと思いつつチューブから追い出し、そのチューブの空間をつぶした。 その時卵が出てきたが、女王の腹部3個分はありそうだった。順調に産卵していた。しかしモリシタさんの爆発的産卵量を見ていたらやや見劣りしてしまう。ケアリ寄生種の生態に迫るのは今回が初めてなので正直とまどう。とにかく、今いる幼虫が早く羽化して卵からどんどん幼虫が孵化する・・というサイクルに持っていきたいが・・ |
3月27日 | アシナガアリ。久々にミミズにかじりついてる現場を押さえた。 補正をかけたら黒っぽい写真になってしまった・・ アシナガアリは大コロニーのものは意外とミミズを食べてる現場は押さえてない。むしろ小コロニーのものでこういう現場を押さえやすい。なぜなんだろう? そんなアシナガアリでも蛹が出始めた。秋に急冷したので、影響が心配だったが、大丈夫のようだ。フタフシ系のアリには案外温度変化にはタフな種類が多いような気がするがどうなんだろう? |
3月28日 | クサアリモドキ。幼虫がミミズを齧ってる所を押さえた。 分かりづらいが首をのばしてミミズを齧っている。 小さな幼虫を運ぶケアリワーカー。このサイズが一番小さな幼虫サイズだがこのサイズはそれほど多くはない。 コロニーの一部。 クサアリモドキには巣部屋に直接乾燥ミミズの欠片をごく一つまみ与えていたが、その食べ残しと思われる部分にコナダニが発生した。 害はないと思われるが、撹乱したら幼虫が粉まみれになることがあるので、コナダニが苦手な乾燥環境にしようと思うと同時に餌場にメラミンを置き、それを湿らせてそこにミミズを張り付けるというフタフシさん方式をとることにした。 それにしても・・クサアリモドキは23℃という温度が低いのでは?と思うほど、成長がゆっくりだ。最近になってやっと働きアリと同寸の幼虫が出てき始めた。 産卵は順調である。爆発的産卵はないものの、コンスタントに産んでる模様。その女王様、今度は巣部屋と餌場をつなぐチューブにこもった・・ |
3月29日 | まずは昨日のおまけから。クサアリモドキが餌場に幼虫を出していた時に撮影したものである。 幼虫の数も多く、色つやもいい。育ってきていて割と大型の幼虫も確認できる。しかしクサアリモドキの初子ってどれくらいの大きさなんだろう? 今日はミカドオオアリとムネアカオオアリ。両種とも繭が見られる。 ミカドの繭。現在1個だけだが、育った幼虫がたくさんいるので、じきに繭ラッシュになるだろう。 卵。意外と伸び悩んでいる。しかし少しずつではあるが増えてはいる。 続いてムネアカオオアリ。とりあえず働きアリの集団から。 大型働きりから小型働きアリまで勢ぞろいしている。悩みの種はエサ替えの時に素早くしないと若干の脱走兵が出ること。またベビーパウダー塗らないとね・・ こちらはムネアカオオアリの繭。5個体ほどあって、大きさから小型働きアリになるようだ。 ムネアカオオアリの卵塊。最近、急に卵の量が増えてこんな大きさのものが3つほどになった。女王はそんなに太ってないのに・・ |
3月30日 | ヤマクロヤマアリ。 卵塊の中に孵化したての幼虫が見える。 少し大きな幼虫もいるようだ。 1枚目とよく似た写真だが別の塊。幼虫の孵化は順調に進んでいるようだ。 |
3月31日 | 今日は反省を。 先日紹介したアメイロアリコロニーであるが、スポンジの乾燥から気が付いたら全滅してしまった。 ゼリーさえ与えておいたらそこから水分を取るだろうと考えていたが、甘かった。 今年もアメイロアリの飛行まで約1ヶ月半だが、今年こそじゃかじゃか増やすという目標に達したい。というかこの種類、普通に女王を採集しても結構当たり外れがあるような気がするが、どうなんだろう?去年、30匹近い女王を採集して働きアリ誕生にこぎつけたのは5つほどだったし・・ 続いてもう一つ。シワクシケアリとクロヤマアリで肉不足を招いてしまった。 クロヤマアリは働きアリの顎一杯の卵塊が5個ほどあったが、今では2個ほどになってしまい、シワクシケでは蛹食いが横行している。シワクシケは最近餌場に出てるアリがとても増えていて壁面に塗った油をものともせず脱走兵が出ていたのでゼリーとミミズを入れてすぐ閉めていたが、どうもこのミミズ、若干湿らせないと完全に餌と認識しないようで乾燥状態だとゼリーの周囲に積み上げていたことがあった。 昨日、エサかえの時にそれに気がつき、見てみたら、クサアリがミミズを食べるような姿勢で固まって食べてるのを確認。 同様のことがクロヤマでもあった。最近、クロヤマアリは餌場に大挙して出てきていて、ゼリーの容器などに乗ってる上、テフロンの隙間から脱走するのでミミズを入れ忘れていた。 そうしたらこのザマだ。 まだ、早い段階で気がついたからよかったが、これからしばらく、肉餌には特に気をつけたい。 ミミズは若干湿らせるのがコツみたいだということがわかっただけでも今回の収穫にしようか・・ |