2008年5月の観察日記

5月1日 トビイロシワアリの越冬幼虫はどうやら死んだようだ。よく見てみたら茶褐色に変色して委縮した(たぶん死んでいるであろう)幼虫が健康そうな幼虫に混じってごく少数見受けられる。
そしてその健康そうな幼虫はどうもそれらを食べているような節がある。
なんだ、トビシワも結局温めないほうがよかったのかもしれないね・・
5月2日 クロオオアリの3年目コロニーなのだが、食卵しているのだろうか?
幼虫が卵の数の割に一向に出てこない。
このコロニーはもともとそういう傾向があっていまW20ほどいるのは去年夏に蛹を導入できて増やせたというところであって実際のこのコロニー由来のものは・・少ない。
その反面、2年目コロニーのほうではコオロギは食べてるのか?というほどしか食べていないが、繭が既に3つある。
うーん・・
5月3日 アシナガアリの順調コロニーの話。
以前まで過保護にも巣部屋内に直接死にたてのコオロギを放り込んでいたが、昨日、初めて餌場で蛹から導入した大型働きアリがうろうろしているのを見たので餌場にコオロギを置いてみた。
今日、見てみたらきれいに足や何かを外してチューブの通る範囲で運び込んでいた。
うん、これなら夏場の暑ささえ対処できたら大丈夫。
冷やし虫家よ、夏場に故障したら許しませぬぞ!!
5月4日 晴れて温度が上がった。湿度はそれほどないが、アメイロアリが飛ぶかもしれないと思い、枚岡公園から額田山のほうに行ってきた。
神社で早速ヨツボシオオアリ発見。

ウメマツオオアリにみえるが、正直自信がない。
カの死骸を運んでいた。

境内の灯篭を登るクロヤマアリ。影も入れてみた。

境内ではアシナガアリもごくふつうにみられる。

神社脇の木の若芽にアブラムシがいて、排泄する甘露をケアリがなめとっていた。

クサアリも行列を作ってそこかしこで闊歩していた。

クロオオアリも巣を開けて活動していた。

椋ヶ根橋付近のクロオオアリコロニーを見たが、去年一番早く飛行したコロニーの入り口が働きアリの活性が高いほかは特にこれといったものは見つからなかった。
今日は額田山に登ってみた。
歩いている途中、アシナガアリが餌を運んでいるのに遭遇。





ハヤシクロヤマアリも活性が高く、そこかしこで見受けられた。

きれいなテントウムシが腕にとまった。落して撮影。

ヨツボシオオアリが木の切り株にいた。結構ヨツボシオオアリは見かけるのだが、巣の特定はなかなか難しい。

最後にお口直しの意味を込めて額田山展望台付近から見た大阪平野。
5月5日 クロヤマアリの羽化個体を確認。
以前から繭の抜け殻がゴミ捨て場にあったが、羽化したての白い個体を見たのは初めてだ。
餌の食いも良く、安心してみていられる。
5月6日 キイロシリアゲアリをリリースした。
このコロニーは以前2コロニーあったのだが、働きアリが多かったほうのコロニーの働きアリが壊滅して数匹の働きアリがいるほうに女王1匹を導入した。
導入の際は全く喧嘩はなく、すんなり受け入れられた。
しかしその後も働きアリの死亡が止まらず、結局壊滅状態になった。
飼育していて思ったのは一般に小型種に共通して言えることなのだと思うが、湿度管理にすごく神経を使うということ。
キイロシリアゲアリもアメイロアリも美しいだけになんとか・・と思っていた矢先のことだ。
無念・・
5月7日 よくない話題。
クロナガアリの配布用として去年育成していたコロニーが壊滅。
他の2コロニーはすこぶる調子がいいのに、まず働きアリと女王が別居状態になって全員共倒れ・・
もう一つ。アシナガアリのW1コロニーの働きアリが死んでしまった。
それに伴ってどうも女王が蛹や卵を食べてしまったようで女王一個体だけがぽつねんとしているのでこういうときこそ!と思い、アシナガアリの順調コロニーに入れてみた。
今のところ一個体だけが触角にかみついている以外は特に目立った攻撃は見られない。
というかアシナガコロニーはすぐに餌場に全員移動してくる。
こうなると餌かえが非常につらいので何とかしてもらいたい。
働きアリも15匹を超えてきたのでそろそろ中型容器に移し替える時かもしれない。
5月8日 アシナガアリの多雌実験は失敗した。
夜に見てみたら女王の死骸がぽつねんと・・その周りを働きアリが3匹ほど取り巻いているが食べるでもなし、原型がそのまま留め置かれている。
この実験は失敗に終わったが多雌条件で創設期を乗り切る可能性も私は捨てきれないと思っているので今夏、アシナガアリ女王が多く手に入ったら一度Q2くらいで実験してみたいと思っている。
まぁ、今回は基本的に単雌というへの確認にはなったのではないかと思うが・・
5月9日 ケアリコロニーをリリースした。最近はQ1、W1で肉餌も食べなくなって女王の産卵も止まってしまい、コロニーの発展性がないと判断したためだ。
しかしケアリは本当に難しい。
これならクロオオアリやムネアカオオアリのほうが簡単に思えてしまうが、いかがだろうか?
私の飼育がヘボなんだろうか?悩んでしまう。
5月11日 ミカドオオアリで繭が羽化し始めた。
しかし・・だ。
オスアリなのだ。

同じような色の繭が10個ほど・・おい。今頃オスを生産する意義や如何に?
さっぱりわからない。
しかしどうやらこうして羽化したオスは羽化後すぐに食べられるようで働きアリが触角や足、羽根を咥えて引っ張るような行動をしている。
全く不思議な現象だ。
5月12日 ヤマヨツボシオオアリは数匹羽化したがほとんどが未だに繭のままである。
そして卵や小さな幼虫が見受けられるのだが、大きくならない。
サイクルがストップしたかのように思うのだが、温度は全く変わっていない。
同様のことがヤマクロヤマアリにもみられ、産卵が止まったようなのだ。
繭は多く、羽化もしているのだが、よく見てみたら卵がない。あるのは成長した幼虫と繭だけ。
もう彼らは越冬モードに入ったのだろうか?
5月13日 寄生させるために飼育している猪名川で採集したケアリ。
今日、良く見てみたらよく太った幼虫が数匹いた。
たぶん彼らはメスアリになると思われる。
しかし、数があまり多くないので今のところ肉餌への激しいまでの欲求は見られない。
ただ・・なんというか彼らはタッパーで飼育しているのだが、すぐにベビーパウダーを掻い潜って脱走を試みる。
そのたびに名誉の死者が出てしまうのはこれ如何に・・?
なんにせよ、彼らのために早く女王様を迎えてあげなくてはならない。
5月14日 トビイロシワアリにようやく蛹を確認できた。
この蛹は結局越冬したものが成長したものか、春に産卵されたものが成長したのかわからなかった。
しかし、このトビイロシワアリはタフなアリなはずなのに、昨年は増えなかった。
今もW20もいればいいほうではないだろうか。
まぁ、この種類はいったん増加にスピードがつくとすごい増殖率を見せてくれることを知ってるので今のところ特に心配はしていない。
5月15日 温度が上がったのと時間が少しできたので枚岡に行ってみた。
神社脇のコンクリートの上にアメイロアリのオスが数匹いたので飛んだのを確認。
その後、女王は見つからなかったのだが、公園事務所付近で多数の脱翅メスや交尾シーンが見られた。

雌の腹部がぶれているように見えるのは別のオスがしがみついていたからである。

脱翅メスに交尾するオス。脱翅していても交尾するんだね・・
もう一枚、同じペア。よく見てみたら右側にもオスが写っていた。

シロアリも飛行していたようでいたるところで羽を落とした個体が見られた。
試しに持ち帰って新聞紙での飼育に挑戦することにした。
収穫。アメイロアリ女王8匹、シロアリ20匹ほど。
うまくいけばいいが・・(特にアメイロアリ)
5月16日 クロオオアリ2年目コロニーでは繭が4つになった。
しかし、このコロニー唯一の働きアリが入れ物の隙間から逃走してしまい、女王だけ。
正直微妙な存在だ。
しかしこの入れ物、隙間がないように見えるのだが、どこから脱走したのだろう?
入れ物、換えてやらないと・・
5月17日 朝、肌寒かったが気温が上がるというので枚岡。
到着すると暑いくらいの日射があった。
うろつくと椋ヶ根橋付近でヨツボシオオアリだろうか?オオアリのオスを見つけ、何がしか飛ぶだろうと思った。
アメイロアリは峠を越えたようで今日はオスもあまり見かけず脱翅メスも1個体だけ見かけただけであった。
展望台まで行ったが見事に収穫皆無。
そこで山を降りて神社付近で張り込むと、クロオオアリのオスが数頭、頭を出している。
また、オスの死骸が2個体だが別の種類のアリに運ばれているのを見て小規模ながら飛んだようだ。
また、鳥の仕業だろうか、頭がもがれたクロオオアリメスの死骸も1頭だけだがあった。
夕方、何気なく神社のトイレに入るとヨツボシオオアリの羽根のついたメスが!
飛行後の個体が紛れ込んだのかと思って何気なく壁を見たらわんさか出ていた。

粘ってみたが、飛行には至らず、日没とともにトイレ内は蛍光灯がついていたにもかかわらず壁面の隙間へと隙間へと戻って行った。
しかし、こんな近場でヨツボシオオアリの大きな巣があるとは思わなかった。
これで展望台に登らずとも事足りるというわけだ。
明日以降に飛ぶと期待して日没直前に帰った。
灯火を見てみたかったが、睡眠不足の上、結構な距離を歩いたので体力の限界・・
最後はお口直しに日没直前の夕陽。
カメラを出している間に半分ほど沈んでしまった。
5月18日 枚岡。しかし、昼過ぎから雲が多くなってきた。
風も少し出てきたので飛行は行われないと思っていた。
しかし、アメイロアリはごく少数飛んでいるのを確認。ひょっとしたら・・という思いはあった。
そんな中登山道付近のコロニーで午後3時過ぎから巣口にオスが出てきた。

少しぼけてしまったが、オスが石に出てきているのはお分かりいただけると思う。
その後、オスが数個体飛び立った。メスは確認できず、観察していた巣のものも4時頃には巣に戻った。
ヨツボシをみにトイレに行くと、なんと羽を落としたメスが!慌てて採集した。
これでホクホク・・と言いたいところなのだが、よく見たら羽がちぎられたようになっている。
オスを入れてみても仲良くして一向にちぎれている部分を落とす気配がない。
さらにはウメマツオオアリの小型働きアリの繭を入れたのだが、無関心。
どうも駄目っぽい。はぁ・・
5月19日 シワクシケアリが依然すごく好調。亜高山帯種のヤマクロヤマアリと同じ場所で採集したのだが、ヤマクロヤマアリが産卵をなぜか停止して越冬モード?な感じなのに対し、産卵が多く、幼虫は増えたり減ったりしているがこれは周期性のものであるようでトータルとしては温め始めてから2倍近い80個体くらいいる。
クシケアリは刺すのが難点だが、餌の食いもいいし、温度管理さえきちんとできたらそれほど難しい種類ではないのかもしれない。
5月20日 オオズアリが復調してきた。
ついこの前まで卵はあるのにそこから進まず、そうしてる間に成虫がどんどん減っていき、壊滅かなぁと思っていたが、幼虫が孵化し始め兵アリになる幼虫も数個体みられる。
トビシワといい、オオズといい、温めないほうがよかったという結論が出る気配。
事例が少ないのでまだそうと決めつけるのは危険であるが。
5月21日 晴れて時間も出来たので枚岡。
到着してすぐにアメイロアリのオスがまた見られた。今日は飛ぶかも・・と思いつつ椋ヶ根橋のあたりまで歩くと、ベニカミキリが死んでいた。ベニカミキリ、枚岡にもいるんだね・・

橋の欄干にサシガメがいた。種類は何だろう。かなり大型で3センチほどあった。

クロヤマアリは巣の修復に余念がない。

ハヤシクロヤマアリが毛虫の死骸を突っついていた。

公園事務所付近で前ほどではないが、アメイロアリが見られた。脱翅メスを4匹、更に連結して歩いていたシロアリを採集した。

椋ヶ根橋の欄干でまた別のカミキリがいた。種名は不明だが、なかなか美しい。
その時、事件が起こったのだ。
欄干にヨツボシオオアリの脱翅メスらしい腹部に紋のある1pちょっとのアリが見えた。欄干の後ろ側に回り込んだのでフィルムケースに落とし込む・・つもりだった。つもりだったのだ。
しかぁぁぁし!フィルムケースを覗き込むと何も入っていない。
慌てて周囲を見渡すも下の川に落ちたのだろうか、どれだけ探しても見つからなかった。しょんぼり・・

気を取り直して周囲を見ると桜の若葉にナナフシ幼虫が見られた。緑色の体色に華奢な体が美しい。

登山道そばのクロオオアリの巣を覗くとメスアリが1匹スタンバイしていた。

同じメスアリ。こうやってみたらなかなかきれいだ。このコロニーからはこの女王が1匹とオスが数匹飛び立った。

こちらは神社のクロオオアリ。去年ほど巣口は大きく開いていないが、オスが数匹入口で待機していた。

こちらは神社の入り口にいたもの。このクワガタ、数日前から土に穴をあけて外界を覗いていたのだが、羽化した場所が悪く、石と石の隙間だったのだ。何回も石を取り除こうとして挫折したが、今日、ようやく石を除去できた。美しいヒラタクワガタだ。

夕方になった。収穫はアメイロアリとシロアリだけかと思って歩くと、弱っていたオオスズメバチを見つけた。枝で小突くと口をあけて威嚇するが弱っているだけに迫力はなかった。

最後は公園事務所付近で私の前に飛び出してきたキリギリスの仲間の幼虫。ヤブキリかウマオイだと思うが、詳細不明。撮影後、ジャンプしてどこかに行ってしまった。
その後、納得がいかないので日が暮れて残照の中、光源を回ってみたが何も見つからなかった。あのアリはヨツボシだったと思うのだが、今更ながら痛すぎた。大いに反省させられた一日だった。
5月22日 今日も温度が上がった。空気は少し乾燥気味で風は昨日ほど暑くなく、むしろ若干の冷気をはらんでいた。
そんな中ではあったが、枚岡へ観察に行った。
到着して一通り巡回したが、オオアリが飛行するような仕草はなかった。
そこで公園事務所のほうへ足を延ばすと、変わったアリが歩いている。
見た時は「ああ、ウメマツオオアリの大型働きアリか」→「うん?トビシワかムネボソの女王かな?」→「おお!クサアリの女王だ!」ということになって採集した。
アメイロケかとも思ったが、帰ってよくよく眺めてみたら、クサアリ、その中でもモリシタさんを期待したが、腹柄節の形から去年と同様にクロクサアリのようだ。写真を撮ろうとしたが、あまりにも動くのでブレて仕方がなく、断念。落ち着いたら、そして死ななかったら写真載せます。
椋ヶ根橋付近で面白いものが見られた。それが下の写真。

少しわかりづらいが、ジョウカイボンの共食い。腹部の先の形状から判断してどうもメスがオスを食べてるようだった。大きな顎でむしゃむしゃと。ジョウカイボンが肉食だとは知っていたが、共食いまでするとは全く知らなかった。
こちらはケアリが桜の幹の枯れた部分に作ったカートン状の巣。

ケアリもクサアリ程じゃないけどこういうものを作るのだ。
そうしてる間に陽が西に傾いてきた。そこで今一度クロオアリのコロニーを見て回ると、飛行準備に入っている巣があった。これは登山道入口の石の隙間のコロニー。

もう一枚。

石の上で風を見ているオス。

同じコロニーだが、巣口の撮影場所を変えてみた。

その巣口からもオスが出てきていた。

しばらく見ていたら、メスアリも出てきた。

撮影はできなかったが、オスアリが働きアリに咥えられて巣から引き離されるように離れた場所に連れて行かれるのを見た。2004年のシーズン末期にクロオアリのメスが同様に追放同然の処分を受けているのを見たことがある。ということは、もう一性飛行まで間近?
神社に移動。そうしたらここでも羽アリが巣口にたむろしていた。

同じコロニーだと思われるが階段の別の段の巣口。

アングルを変えてみた。巣口から外界をうかがうオスが見える。

飛び立つ瞬間のクロオアリのメスアリ。

時間にして5時半を過ぎたころ、3,4個体のメスが飛び立った。それに対し、オスはずっとたむろしていた。いつ飛ぶんだろう。しかし、去年ほど上手にとれなかった・・ぼやけてますがな。
最後はお口直し。ジャノメチョウ。公園事務所付近にて。午後4時頃撮影。

探してみたが、結局女王はクロクサアリ以外は見つからなかった。トイレのヨツボシオオアリも出てくるのだが、一向に飛ぶ気配がない。うーん・・
5月23日 晴れて気温も上昇。湿度も乾燥注意報が出ている割には蒸し暑く感じるほどなので何か飛ぶという確信めいたものを持って枚岡。
午後1時頃到着したが、すでに飛んだ個体がいたようで死骸が見受けられた。
しばらく神社で張り込んだが、メスは散発的に飛ぶ物の一向に降りてこない。
陽も高いので、公園事務所のほうに行ってみた。
その途中でまさに飛行しようとしているムネアカオオアリのメスがいた。

その辺を探してみたが、この1個体だけだった。また、今日もクロクサアリの女王を1個体採集できた。
再び神社に戻り、様子を見てみた。写真は空から落ちてきた個体。羽を落としそうにも見えるがそばの迎賓館の屋根から落ちてきた可能性もある。採集はしなかった。

こちらは草の上にいたミカドオオアリのメス。

もう1枚。ミカドオオアリの羽の色は褐色である。

しばらく草の上にいたが4時過ぎ、飛び立っていった。
少し離れた所から撮影したが、チョウ。種類は・・なんだったかな?

クロオオアリのオスの死骸がクロヤマアリに運ばれていた。

こちらは同種のクロオオアリに運ばれるメスの死骸。

他にもアブに襲われているメスが一個体いたが、カメラを準備している間にアブがどこかに行ってしまった。
境内にはムネアカオオアリも飛んできていたようでこれまた死骸があった。たぶんアブか鳥に襲われたと推察できた。

神社わきの木の幹にヨツボシオオアリの巣を見つけた。

夕方4時頃まで眺めたが羽アリが入り口付近に出てくるものの飛び立つことはなかった。
そんな折、とうとう見つけた!ムネアカオオアリの脱翅メス!

時間は5時頃だった。しかし神社内はあまり見かけないので思い切って場所変更。公園事務所のほうへと向かった。
その途中の道で、私の前に奇妙なものが落ちてきた。それがこれ。

見てのとおりムネアカオオアリの有翅メス。しかし腹部がこれでもかというくらいに肥大化している。ちなみにこの時すでにこと切れていた。腹部の透明な部分を見てみたが蜜というか液体でいっぱいという印象だった。持ち帰ろうか悩んだが、寄生バエが出てきたら処置に困るので涙をのんで見送った。しかし、こんな個体初めてみた。枚岡にも例の寄生バエがいるのだろうか。
公園事務所付近は最初はムネアカオオアリがやや多かった。
それでもようやくクロオオアリがいた。

当然採集。またそのすぐ横にオケラがいた。

コンクリートの上を慌ただしく走り回っていた。生きたオケラを見たのは初めてだ。
午後6時頃だった。羽音がするので見やるとミカドオオアリのメスアリが飛行準備をしていた。

周囲を見たが巣らしいものはなかった。しかし3個体のメスが近辺にいてどれもが飛び立っていった。
事務所付近はクロオオアリ、ムネアカオオアリの脱翅メスが探したらすぐ見つかるくらい歩いていた。

上で紹介したヨツボシオオアリを見てみたら羽アリがだいぶ出ていた。

7時頃まで見てみたが飛ばなかった。
トイレのコロニーもメスが出てきて盛んに窓から外をうかがっていたが、飛んだか不明。夕暮れ時には引き返したのか飛んだのかメスは減っていた。
そんなわけで今日の収穫。クロオオアリ6個体(うち1匹は羽がついている)、ムネアカオオアリ4個体(これも1個体羽が付いている)、クロクサアリ女王1個体。
満足して枚岡を後にした。あとはヨツボシかケブカツヤ・・採れるかな?
5月24日 アシナガアリは一時期働きアリが20を超えてもう大丈夫と思っていた。
しかし、暗転した。
数日前、例によって石膏巣を放棄して餌場に全コロニーが出てきた。
そこで、もとにお帰りいただこうとえさ場から蜜の水溶液を除去し、えさ場を乾燥させた。
そうしたら・・
働きアリの大半が乾燥死。幸い女王と数匹の働きアリ、数個の蛹が残り、産卵もしているが、がっかりだ。初期コロニーはやはりいろいろな意味でデリケートだ。
飼育が下手と言われたらそれまでだが、石膏のほうになぜ戻らなかったのか、よくわからない。
ちなみに今は石膏のほうに強制的に戻してある。えさ場とは行き来できるが出てくる気配はない。復活してくれたらいいのだが・・
5月25日 クロクサアリは4月に猪名川の枯竹から採集したW100ほどのケアリを徐々に導入するという方法をとっている。
具体的に書けば、チューブに女王を入れケアリを最初2,3匹入れる。最初はケアリ働きアリも威嚇行動をするが、本格的な攻撃にならない。
そうしているうちにどうも女王は働きアリのにおいを体になすりつけているようで触覚や足をぬぐうような行動を最初のうちしょっちゅうしていた。
そうして威嚇されなくなったら働きアリを徐々に増強していくのだ。
今、2匹の女王はともに15匹ほどの働きアリを従えるのに成功しているようで、働きアリからしょっちゅうグルーミングされている。
かといって功を焦って一気に大量の働きアリがいるところや開放空間に入れると元の木阿弥になりかねないので徐々に増強していく予定だ。
しかしチューブだと導入するときにいつも大騒ぎになって腕に這い上がってくるんですよね・・
5月26日 クロクサアリ2女王が働きアリを従えたとみて、朝チューブをタッパーに入れ、一方の入り口を開封して働きアリを増強して出かけた。

夕方から枚岡。晴れという予報だったが、着くと曇り。今にも雨が降りそうな空模様で風も冷たい。道にあった温度表示を見たら最高でも24℃しかなく、飛行した金曜が27℃だったことを考えたら望み薄といえた。
石の上に蝶が止まった。なんという蝶だろう。スミナガシかな?正直よくわからないが美しい蝶だった。

しばらく歩いて椋ヶ根橋を通りすぎて、石垣を眺めていたら大きめのアリが歩いている。一瞬、ヨツボシの女王かと思ったらアシナガアリの女王だった。

周囲を見てもその女王由来の働きアリらしい姿も見えない。そういえばこの時期は時々アシナガアリの女王が単独でうろついているのを見かける。なぜかよくわからないが、家のアシナガアリから蛹を入れてやろうと思い採集した。
カミキリムシがいた。体長1センチほど。種類は見当もつかないが、一応撮影。

椋ヶ根橋へ戻る。そうするとヨツボシオオアリの有翅メスが!採集したが、よく見たら欄干のすぐそばの根元部分に巣があって様子をうかがうメスアリがいた。

採集したメスアリはそのコロニーに戻してやった。残念だった。
また、欄干には変わったカミキリがいた。体長1.5センチほど。アリグモかと思ったほどだ。

種類は・・聞いたら思い出すんだけどなぁ(苦笑)。
再び、公園事務所のほうへ。そうしたら側溝脇にゾウムシがいた。コブゾウムシの仲間だと思うが・・・

午後6時頃、椋ヶ根橋のそばにあるクロオアリコロニーで小規模だが飛行が始まった。

メスアリが数個体飛び立ったが、大多数は飛ばなかった。このコロニーは金曜日の大飛行日にあまり飛ばなかったのか、もう少し羽アリが残っているようだった。
これは椋ヶ根橋の欄干の下を歩いていたマイマイカブリ。時々みかける。

最後はヘビイチゴ。少しだけだが実がなっていた。

しかしなぜ「ヘビ」がつくのだろう。
帰ろうとしていたら椋ヶ根橋の欄干上でアメイロアリの有翅メスを採集。まだ飛んでたんだね・・
そうしているうちに小雨がパラついてきたので帰路についた。

帰ってクロクサアリを見たら、一匹は殺され、もう一匹も巣部屋であるチューブを追放されていたのでまたやり直し。今度は繭を20個ほど一気にぶち込み、繭の世話係としてケアリワーカーを2匹入れた。
繭は順次増強予定なので、うまく羽化まで生き残ってほしいと思う。
5月27日 額田のほうから生駒山に登ってみた。
そうしたら午後3時頃だがクロオアリで騒がしい巣があった。下界はほぼ飛びきったのに、まだ

飛ぶとは高々2,300メートルほどなのに(あるいはそれ以下かも)気温が違うのか、まだ飛ぶのには少し驚いた。
ちなみに風景はこんな感じ。

この辺りから、ムネアカオオアリがよくみかけられるようになった。

そのすぐ近くで、クロクサアリが飛行準備をしていた。はじめての遭遇に少し感動した。

山をどんどん奥へと分け入り、人通りもめったにないようなところまできた。側溝を見たら大型のアリが動いている。何かの女王かと思ったが、違う。なんとトゲアリだったのだ。

ミミズだろうか、よくわからないものにたかっていた。
そばの斜面には何と30センチ以上はあるだろうという細長いナメクジがいた。あまりに気持ち悪いので写真は撮らなかった・・・
斜面に美しいキノコが生えていた。食べれるのかなぁ?

かなり登ったところで、クロヤマアリの脱翅メスが歩いていた。ハヤシにしては艶が悪い。しかし家のものと違い、腹部が褐色に近い色をしている、。ちょうどクロオアリワーカーの腹部の色みたいな感じだ。とりあえず採集。
その後、山頂まで1.5キロのところまで来たが、これ以上進むと日没までに府本江帰りつけなくなると判断、引き返した。
そんなところで見つけたクロオオアリの有翅メスの死骸。やっぱり飛んでるんですね。

引き返す途中、再びトゲアリの生息地を通過。今度は何かの汁がしみ込んでいるのだろうか、地面に口をつけてる個体が多数いた。

クロクサアリの巣を見てみたが飛びそうで飛ばない。時間的制約もあって撮影だけにとどめた。

降りていたら、なんとクサアリモドキの脱翅メスが!慌てて採集した。
クロクサと違って頭でっかちだし、やや大きいのですぐわかった。
最後、飛行する雰囲気だったクロオオアリを見たが、飛んだのか巣内に引き返したのか、入り口は静かだった。写真はガの幼虫と思しき物体を囲んでいるクロオオアリの働きアリ。バイタリティーあるなぁ。
その後、公園事務所を通り椋ヶ根橋を通り、枚岡神社。枚岡神社わきの木に巣を構えているヨツボシオオアリは羽アリが若干残っていたが、オスばかりでメスはいなかった。どっちにせよいつの間にかヨツボシオオアリは飛んでしまったようだ。
5月28日 クサアリモドキにケアリワーカーを導入をしている。
昨日は2匹、今日は5匹だ。しかし、働きアリは触角や足にかみつき、なかなかなじもうとしない。繭もどかっと入れたのでなじんだらロケットスタートなんだけど・・
しかしクサアリモドキの女王って美しいなぁ。
どうか殺されませんように。
今のところ、馴染ませはチューブ内で行っている。
クロクサアリは死んだが、一時はこの方法でなじませられたので体臭が混和するのを願うのみ。

23日採集のクロオオアリすべてで産卵を確認した。しかし、ムネアカオオアリは1匹を除いてまだ。
条件はまったく同じなので産卵前期間が少し違うのだろうか。
5月29日 クサアリモドキはケアリワーカー5匹と同居させていたのだが、夕方見てみたら左前足の先端がちぎられていた
慌てて働きアリを2匹に。蜜もチューブに追加しておいた。
しかし、ケアリ寄生種は本当に難しい。アメイロケなんかははみはみするので、リスクが少なそうだが、クサアリは突撃していくという印象だ。
そうして攻撃を受けてる間に匂いが混和して攻撃されなくなると推測している。
そのクサアリモドキの女王、なんだか弱ってるような印象を受ける。
眠っているのか、弱っているのか、微妙だが、一時期ほど走りまわらなくなった。
と、同時にケアリの攻撃もそれほど受けておらず、お互いに避けあっているような印象だ。
早く繭から働きアリが生まれてくれないと、やばい。
5月30日 クサアリモドキの女王が死んでしまった。目をかけてやっているつもりであったが、どんどん衰弱して死んでしまった。冥福を祈る。
さて、そんな折だが、このアリがクサアリモドキでない可能性を指摘された。
クサアリモドキの胸部には毛がないのだが、このアリ、どう見ても胸部に立毛が密に生えている。ということはクサアリモドキではない・・?
正体がわかるまで、クサアリモドキ(仮)の飛行データは削除しておいた。
5月31日 クロヤマアリがかなりの勢いで増えてきた。
巣部屋は2つ、えさ場が1つなのだが、なぜか巣部屋の1つには全体の5分の1くらいしかいない。大半のアリは1つの巣部屋に密集していて、えさ場のふたを開けたら「アリくさい」としか形容できないなんとも言えないにおいがする。以前、クロヤマアリが夏場に大量死する原因がつかめなかった頃、このにおいが原因の1つかと考えたことがあった。
今では暑さに弱いということが分かっているので、このにおいはフェロモンとかそういう類のものであると理解している。

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