6月1日 クロクサアリの女王を捕まえた。見つけたときはまさに脱翅している最中で捕まえたらあっさりと羽は取れてしまった。最初クサアリモドキかと思って持ち帰ったのだが、腹柄の形やクサアリモドキほど頭部が大きくないということ、トビケワーカーに出会うと逃げ惑うという行動からクロクサアリと判断した。
下はその写真。

はぁ、アメイロケか・・この前見つけたコロニー、まだあるかな・・あの後アミメアリの大襲撃を受けていたみたいだけど・・
別の場所で石をひっくり返したらキイロシリアゲアリの初期コロニーが出た。1センチほどの部屋を掘っていてその中に構成員がすべていた。女王は多雌といわれている割には1匹しかいなかった。働きアリ十数匹、幼虫もそこそこ。蜜を与えるときにはティッシュにでも浸そうか・・

飼育しているウメマツオオアリが繭を剥いている現場に遭遇。写真を写した。

女王様が石膏の下に潜ってしまっているが卵がたくさんあるので大丈夫だろう。その割にはミールワームの食いがそんなによくないように思うのだが、働きアリがそれほど多くないせいかなぁ?
6月2日 今日、枚岡の椋ヶ根橋周辺でクロオオアリ、ムネアカオオアリの小規模な飛行があったようだ。
到着したのは5時頃だったがまずムネアカオオアリ有翅個体が踏み潰されてトビシワが集っているのを見つけた。
その後ふらふら歩いていたら今しがた踏み潰されたと思われるクロオオアリ有翅メスが!
あわてて周囲を探したら立て続けに2匹、クロオオアリ有翅個体が見つかった。
時間にして6時頃だった。もう少し粘ったがそれからは皆無だった。
100メートルほどの範囲ではあったが有翅メスの死骸が散らばっていたので夕方飛んだ・・と思いたいのだが、この辺はクロオオも若干生息している。巣から出てきたところを捕まえた可能性も否定できない。
それを裏付けるかのように神社でオスを一匹採集してお見合いさせてみた。
これまでの幾つかの報告で交尾していたらオスと触角を交信させたら慌てて羽を落とした・・というのがあったが、一向にそういう雰囲気はない。
有翅メスは神経を使う。
その後神社脇でクロクサ用のケアリ採集。繭がたった1個しかなかったが100を超える働きアリと幼虫を採集。これが羽化したらクロクサにとって戦力になってくれるだろう。
問題は果たしてこの1個体でクロクサが生き延びてくれるかどうかだが・・
6月3日 昨日採集したクロオオアリは結局交尾をしていないようだ。そして投入したオスにも一回怪しい行動を示しただけで後はそ知らぬ顔。触角が体に当たるとお互い汚いものでも触ったかのように盛んにぬぐう。
今日は肌寒かったので枚岡に行かなかったが、今度行った時に野に放してやろう。
クロクサアリは今のところ順調っぽい。昨日、ケアリのコロニーを暴いたのだがそこにいたのが終齢幼虫ばかりだったので今日も繭が3個出来ていた。
これをクロクサアリ女王とケアリワーカー1匹のいるビニールチューブに入れて羽化を待つ。
何故ビニールチューブにしたかというところだが、ワーカーが1匹しかいないので普通の入れ物だと広すぎて接触が稀になる上、クロクサアリがうろうろと所在無く歩き回り、体力を使い果たして死ぬ恐れが出たため、チューブに入れている。蜜餌はシャーペンの芯の先に蜜をつけてそれをチューブ壁面に塗りつけるという手法である。
オオハリアリ、依然卵が見られない。観察に少し邪魔だったのでメラミンスポンジの間隔をあけたらそれがよくなかったのだろうか、コオロギの食いまで悪くなった。
胸が盛り上がった個体がいるので女王だと思うんだけどなぁ・・
6月4日 夕方からだったが、枚岡に行った。枚岡といっても実際は隣の額田(ぬかた)山のほうにある公園事務所付近。この場所は以前虫義さんが教えてくださって土曜日に小規模ながら飛行があったので今日の蒸し暑い天気、飛ぶかと思って行ったのだ。
到着後、探索していたら側溝で念願のムネアカ脱翅メス!慌てて採集した。
一個体いるということはもう少しいると思って付近を捜したら芝生を掻き分けるように歩くこれまたムネアカの脱翅メスを採集。
その後、ムネアカ有翅個体が1匹、飛ぼうとしてぶんぶん言っていたが、採集しようか散々迷ったが飛ぼうとしてるということは交尾してないという結論になって採集はしなかった。
虫義さんが到着。二人で探したが特に収穫はなかった。
今期、私は虫義さんに枚岡というフィールドを紹介したが肝心のクロオオ、ムネアカが皆無で随分肝を冷やしたがこれで面目が立った気がする。
付近にはクロオオアリの巣もあってみてみたらオスが巣口を伺っていたのでまだここでは飛び残りがいるようだ。しかし、このムネアカ一個体に満足してしばらく枚岡には行かないだろうと思う。次は7月のクサアリモドキ、ケアリ、アシナガアリまで枚岡はしばしの休息を・・
6月5日 チクシトゲアリなのだが、いつの間にか活性が上がってきたようで今は成虫コオロギがいないので幼虫を与えているが食べ残しが無い。
コオロギを放り込むとすぐに襲うのも2月下旬頃を思い出させる。
ただいつまでも乾燥した餌場ではなく、石膏をしいた巣部屋のほうに移動してほしいのだが、どうも彼女たちにとってこの場所は単なるゴミ捨て場と休憩場所としての意味しか持たないようだ。
5月27日に採集したミカドオオアリだが、一向に産卵しない。採集から約10日、産卵前期間にしては長いように思うのだが、何が悪いのだろうか?このまま産卵しないままなのだろうか?
6月6日 思ったより蒸し暑くなり、ひょっとしたらクロオオアリ、もしくはムネアカオオアリの新女王が更に拾えるのではという淡い期待を胸に枚岡。オオアリは一部の巣でオスが若干残っていたものの飛行は終わったことを暗示させた。そう考えたら一昨日採集したムネアカオオアリはすごくぎりぎりだったことになる。しかし、公園事務所付近でクロヤマアリの脱翅メスを採集。ここはクロオオアリとクロヤマアリが混在しているので最初クロオオアリの働きアリが蜜をお腹に蓄えたのかとさえ思った。
なんにせよ、8年ぶりのクロヤマアリ脱翅メスからの育成!楽しみだ。写真を写そうとしたが走り回ってとても写せたものではなかった。
ムネアカオオアリ、早速産卵が始まった。卵が3個。ミカドがまったく産卵しないのと対照的だ。
サービスショット。
キイロシリアゲ女王のボンレス。この前石の下から採集した初期コロニーなのだが以前虫義さんと採集したコロニーより元気なのだ。餌の食いは段違い。メラミンだけの簡素なつくりだが石膏巣で飼育しているキイロシリアゲもこのような簡素な入れ物にしたほうがいいのだろうか?

今度オオズアリ。幼虫が増えてきた。その分エネルギーがとられるのか一時期ほど卵はなくなったがコオロギも割とよく食べるし成長していきそうだ。

もう1枚。女王と脱翅メスを含めたコロニーの一部。卵がわかりにくいがこの中に写り込んでいる。女王の腹部くらいの卵塊。一時はこういう塊が3つあったのだが、今は1個である。

次、アシナガアリ。蛹がだいぶ色づいてきていて成虫に色の淡い個体がいるので羽化が始まっているようだ。しかし幼虫がやや少ない。卵が多いのでそんなに心配していないがもう少し幼虫がほしいところだ。
6月7日 クロクサアリの女王が死んでしまった。
朝、気がついたらもう瀕死・・昨日は割りと元気だったのが悔やまれる。まぁ、本来の寄主のアメイロケではなくトビイロケだと思われるケアリだったのでストレスがあったのかもしれない。
導入していた繭はケアリコロニーにぶち込んでおいた。
ミカドオオアリ、卵2個確認。やっと・・嬉しい。入れ物の上部に昨日から赤いセロファンをかぶせていたのが効いたのかもしれない。
クロヤマアリは未だ産卵せず。これはそんなに心配していないが早く産卵を開始してもらいたいものだ。
オオハリアリは幼虫が成長しているのだが、それに続く産卵がまだ見られない。以前書いたが蜜を与えたら5,6匹溺死していたのでそれ以来蜜は与えていないのだが、カンフル剤に与えてみようかなぁ?
6月8日 トビイロシワアリに大量の蛹が出来ている。しかし、このコロニー本来のものはまだ幼虫で、これら蛹は全て枚岡の石の下から採集したもので、羽アリの蛹もある。

ミカドオオアリにクロオオアリの蛹を2つ入れたがまったく知らん顔。自分の卵だけちゃっかり移動させている。うーん・・
クロヤマアリ、産卵が始まった。現在1個。まだ増えるだろう。大体一ヶ月で成虫の羽化を見込んでいる。
クロオオアリ、働きアリが1匹死んで現在7匹。ちょうど餌をやらない日に死んだようで食われていた。しかしクロオオアリもお腹が大きい割には産卵数が増えてこない。大体20くらいで安定しているのだが、こんなものなのかなぁ?
6月10日 昨日は宴で飲みすぎて家に帰り着くなりぶっ倒れて寝てしまったので更新できていません。楽しみにしてくださってる読者の皆様、申し訳ありません。

今日はアリの話をほんの少しはなれて餌の話。
私は数種類のアリを飼育しているが種類によって餌は微妙に違えている。
その辺は「アリの献立」の項目を参照されたい。
その中でヨーロッパイエコオロギ。ミールワームと比べて体表が柔らかいので食べ残しがあまり出ないのがいい。ただし食べ残しは早急に取り除かないとすごくクサい。
このコオロギ、家から自転車で通う爬虫類ショップで購入しているのだが、どうも小さすぎる。
しかしおよそ120匹で700円。
成虫になりかけのコオロギもいるのだが、10匹200円。仕方がないのでコオロギの中でも成長しているものから餌として供しているのだが、最近消費が早くて小さいものにも手を出さなくてはならなくなってきた。小さいコオロギは5ミリほどしかない。
うーん、ネットのコオロギ専門店のほうがいろんなサイズが揃っているんだけど、送料が高い。
どうしてくれようか・・
6月11日 クロナガアリで数日前から蛹化が始まった。蛹の数は少ないが、これから幼虫が成長してどんどん蛹が増えてくるだろう。今月末くらいには初ワーカーの誕生が見られそうだ。

最近ピタリ適温に放り込んでコロニー規模が大きくなって入れ物を容易に移動できないことから登場の機械が少なかったクロヤマアリ。写真のような繭がたくさん出来ている。

困ったのは乾燥した餌場に繭を置くこと。壁を登る個体は少ないが、近いうちにまた壁にベビーパウダーを塗らなくてはならないだろう。
ちなみに一昨日メイプルの水割りを与えなかったらお腹がすいていたのか普段はそんなことはないのだが今見てみたら1日でカラ。すごく水を飲む種類だ。
最後。オオズアリ。巨大幼虫が出現した。

トビシワなら無条件で羽アリなんだろうけどこの種類には兵アリがいること、採集したときにすでに有翅個体がいたことから、兵アリになると思われる。コロニーの総数はそんなに多くないのだが、食欲は中々のものでコオロギをよく食べる。
6月12日 アシナガアリが羽化ラッシュを迎えている。
たくさん(少なくとも30くらい)あった蛹の半数くらいが羽化して巣部屋の中が急ににぎやかになった。
昨日、コオロギの大きいやつを入れてみたら巣部屋に持ち込んでせっついている。
コオロギはできたらすぐに取り出して捨てたいのだが、なにぶん少し大きかったようで(コロニーの食欲が、要するに幼虫がたくさんいたら1,2日もあれば消化できた量だが)今も原型が大体残っているが働きアリがせっつく。幼虫をコオロギの体表につけて食わせるというような行動は最近見られない。ミールワームを与えても働きアリが消化するのだろうか、中身はカラなのに、巣部屋に持ち込まない。
アシナガアリが予想以上に肉食性が強いことによる肉餌の不足と見るべきなのかコロニーのなんらかの異常と見るべきなのか・・悩む。

夜遅くに5月3日採集のアメイロアリに色の薄い羽化したてと思われる働きアリが1匹いるのを確認した。予想はしていたが小さい!トフシアリ並の大きさしかない。蜜系の餌やり、どうしてくれようか・・
6月13日 ミカドオオアリにはクロオオアリの繭を2個導入していたのだが、そのうち1個が羽化した。
女王が必死になって繭をはみはみして剥いでいく。
卵が5個と伸び悩んでいるのだが、これで女王の負担も減って産卵をしてくれたら・・と思う。
しかし繭を提供できるクロオオアリコロニーがあってよかった・・
今日になってメイプルの水割りを与えたらボンレスになった。ミカドのボンレスは久々なのですごく見ていて気持ちがいい。そばにいる働きアリは導入したクロオオアリ、繭、幼虫もクロオオアリのものでミカドオオアリの卵は女王の頭部付近にある。

今回のミカドをアシストしたクロオオアリコロニー、蜜もミールワームも食いは最高級なくらい食べるのだが、産卵数が増えない。常に20ほどで推移している。
幼虫はいつも数匹、繭も数個。それらが順繰りになっているのだが、なぜ食いが良いのに産卵数が増えてこないんだろうか?
6月14日 クロヤマアリで繭ラッシュ。100以上の繭が餌場に積まれている。
蜜餌は餌場に置くのでそのたびに撹乱してしまうのだが、どうも繭というものは少し乾燥した環境を好むようだ。撹乱したときは湿った石膏巣内に運び込むのだが、次の日、餌を換えようと見てみたらまたしっかりと繭の山。ちなみにこの餌場には石膏を敷いていない。
アシナガアリ、今日少しじっくりと見てみた。
すると蛹になりかけの前蛹が数匹見つかった。ほかに卵塊の中にも幼虫と思われる細長いものが見えたので孵化はしているようだ。
しかし卵の数が圧倒的なのに何故幼虫が少ないのか・・?
食べやすいコオロギに変えるべきなんだろうか?しかしスラダケさんはミールワームで飼育してるというし・・
6月15日 以前採集したキイロシリアゲアリ(6月6日に紹介したものではない、以前虫義さんと梅林で採集したもの)、女王1で腹部もそんなに大きくないのだが、小さな容器にメラミンを入れたのに移してから調子が上がってきた。
ミールワームの3ミリくらいの断片を毎日1個入れていくのだが、1個につき、2、3日集って中身を食い尽くす。
卵も10前後とそんなに多くはないが産卵も見られるようになって来た。
ただ、小さな容器にしては働きアリの数が割と多いので餌換えには少し苦労するのだが。
イトウさん、オスを全然見ない。羽化初期の頃オスが一匹だけいるのを見たがその後大半のオスの繭は地下都市に運ばれたようでオスの姿が見えないのだ。
このまま行けば交尾していないメスが自然に脱翅すると思われるが、そうなったら女王との見分けが困難になりそうだ・・
これも蜜を換えるときに必ず数匹が脱走する。かわいそうと思いつつぷちっとやってしまっている・・
新女王から育成のクロヤマアリ、早速幼虫が孵化した。卵幼虫あわせて10個ほどとやや少ないがうまくいって欲しいものだ。うまくいかなかったら繭を導入しよう・・
アメイロアリは働きアリが4匹に増えて箱の中を餌を探しているのだろうか、すごい勢いで走り回るものがいるので初めて蜜餌を与えてみた。果たして気がついて食べてくれるかどうか・・
6月16日 ミカドオオアリにミールワーム頭部を昨日入れておいたら一日ですっかり空っぽになり、卵も増えた。しかし、狭い箱と餌場を分けていないため、餌換えのたびにパニック。特に女王はすぐに入れ物から逃げ出そうとして大捕り物になる。クロオオアリの働きアリは巣部屋の箱から殆ど出て行かないのに・・この辺にも種類の差異が出て面白いと思う。
アシナガアリは乾燥した餌場をトイレにしているのだろうか?
なんだか餌場の箱の隅のほうに茶黒っぽい斑点のようなものがいつもある。それが結構におうのでまめに掃除するのだが、鳥の糞によく似た感触。湿らせたティッシュでないとふき取れない。そのアシナガだが成長途中の幼虫がいない。卵と前蛹と蛹と成虫。肉餌をふんだんに与えていたつもりなのだが、そうじゃなかったのかな・・しばらくコオロギとミールワームを交互に与えて様子を見る。
6月17日 アメイロアリの羽化直後の働きアリが蜜を飲むとなんともいえない美しい色になる。
ガラス細工のような飴色というのは比喩が過ぎるだろうか。
私のカメラでは小さすぎてこの美しさを伝えられないのが本当に残念だ。
今のところ第2弾の産卵は見られないようだが、餌を与えているのですぐに産卵を始めるだろう。
チクシトゲアリは、徐々にだが石膏を敷いた巣部屋にいる個体数が増えてきた。
このペースだと一ヶ月くらいで移ってくれそうだが、何が彼女たちの移動要因になっているんだろうか?
6月18日 ウメマツオオアリであるが、徐々に働きアリが生まれているようで今日初めて色の淡い働きアリを見た。この種類、卵はたくさんあるのだが、幼虫、蛹が少ない。
ミールワームの食べっぷりもそんなに良いほうではない。
もっと上げてもあげても・・という状態を期待しているのだが、当分は徐々に増えていく・・ということになりそうだ。この種類も石膏を掘って時々女王が潜っているのだが、地下都市というほど掘っているわけでもないので赤いセロファンを蓋に乗せておけばその下に女王がやってくる。
面白いのは卵と蛹は餌場へとつながるチューブに詰め込んで幼虫と一部の蛹が女王や少しの働きと一緒にいてサテライト型になっていること。
こんな個体数が少ないのに分かれるんだね・・
6月19日 迂闊だった。ケアリに導入していた幼虫が繭になって働きアリわさわさを期待していたのだが、オスが生まれ始めた。

もう1コロニーでもオスが生まれている。まぁ、オスはいずれ食われると思うのだが、働きアリわんさかでスタートダッシュをかけようと思っていた身としては複雑だ・・
新女王から育成のクロヤマアリ、ピンチである。幼虫は育ってきているのだが、たった3匹しかいない。この女王、もともとの産卵数が10個ほどと通常の半分くらいしか産まなかったのでどうだろうと思っていたが、ここに来て不安的中、という感じだ。まぁ、だめならコロニー採集のクロヤマアリから繭を導入するのだが、出来たら自前の働きアリを育てて欲しいものだ。
6月20日 クロナガアリの女王4のコロニーで働きアリが1匹生まれていた。
しかしどのコロニーでもいえるのだが、最初生まれてくるのは3、4匹のようで後は幼虫とか卵。
きっとこの数匹のために精力を傾けたのだろう。
アメイロアリコロニーは順調な滑り出し。
蜜を与えても溺死するものはいないし、幼虫も育っているようだ。返す返すもこのアリが小さいのが残念でならない。
キイロシリアゲのコロニーのうち、梅林で取ったもの(5月に採集したもの)の調子が上がってきたようだ。卵が日に日に増えていく。
それと反して初期コロニーのほうは育っているのだが、そんなに卵塊も大きくならない。
肉餌は毎日与えているのに、この差は一体・・
6月21日 アメイロアリ、恐ろしいほど順調。昨日、叩き潰した蚊を一匹入れておいたのだが、今日見たら羽と足を残すのみだった。コロニー規模が小さいので当面は蚊を中心に与える。
クロヤマアリ、3匹の幼虫のうち2匹が繭になった。ここからだとあと1週間くらいで羽化するはずだ。何とか一匹でも自前ワーカーを誕生させて欲しい。
お知らせ。
4月に猪名川で採集したケアリとオオハリアリコロニーをリリースした。
ケアリのほうはなぜかどんどん個体数が減っていって今では数匹が残るだけだった。何が悪いんだろう?
オオハリアリはいつまでたっても卵が見られないので女王はいないという判断に達し、リリース。
やっぱり一回でも本物を見ておかないとわからない・・
6月22日 オオズアリで蛹ラッシュ。ぱっと見ただけでも50以上は軽くあるだろう。
オオズアリは採集したときより働きアリが減って(寿命かその辺りだと思われる)今では30ほどしかいないのだが、これで復活しそうだ。
蛹ラッシュがもう一つ。クロヤマアリだ。もう数える気にならないほどの働きアリの蛹がある。
ミカドオオアリに導入したクロオオアリ繭から2匹目の働きアリが生まれた。卵の数は横ばいだが、増えていって欲しい。ミカドの育成は私は失敗ばかりなので今回こそは・・という思いはある。
アシナガアリは小さな幼虫が何匹か確認できた。しかし成長したものはおらずミールワーム餌のときに肉餌が足りなかったか?という思いである。卵は本当にたくさんあるのでそれほど心配していない。
6月23日 伊那オフ会初日。大阪を7時に出発し、名古屋へ。名古屋からは伊那行きのバスが大阪よりは頻繁に出ているので名古屋からのルートにしたのだ。
名古屋から約3時間、伊那インターチェンジにウインドノットさんが迎えに来てくださり、土生さんの事務所へ。
到着したら早速バーベキューが行われていた。

その後竹林へ移動。ムネアカ、ミカド、アズマオオズが多く見られるフィールドだ。
私も鉈で竹を割ってムネアカ女王を2匹採集した(本当はもう3匹見つけたのだが、1匹は腹部をへこましてしまい、2匹は鉈がヒットして殺してしまった・・)
そんな中、面白いものが見られた。コメツキムシと思われるよう中がムネアカオオアリの女王を襲った瞬間。こうやって竹に巣を作った女王は殺されるものがいることがわかった。

アズマオオズ。割と見られたが女王のいたコロニーは一つしか出なかった。

ムネアカ。ハエの仲間の昆虫がこの日はよく飛んでいたのだが、それらの死骸を集めていた。しかし、惚れ惚れするような赤色だ。

ほかにもミカドの規模の大きいサテライトを出したが、ミカドの女王様には私はお目にかかることは出来なかった。
日が暮れてきたので宿へ。結構大きな宿だった。

夜には自動販売機にモリシタケアリとクサアリモドキが飛んできていたが、全て有翅メス、オスで脱翅したものはいなかった。ちなみにカメラは忘れたので写真はない。
10時に宿の扉が閉まり、お酒を持ち込んでの濃い会話のオンパレード。
「ミラクルX」と呼ばれるあるものがアリのコロニー成長を劇的によくしたなどという報告がなされ、とてもためになる会話がなされた。
翌日は7時半起床、8時半チェックアウトというので2時頃散会になった。
6月24日 朝6時過ぎにおきて周囲を見回ったが昨日のクサアリたちは殆ど見られなかった。
オスとメスを一緒にしておいたものも羽を落とさなかったのでリリース。
歩いていたらハルゼミが地面に横たわっていたので写真を撮った。ハルゼミってこんなのなんだね・・ヒグラシと大体同じ大きさだった。

鹿嶺高原に出発する前にマレーゴルフ場でアリ探しをしようということになった。
そうしたらオニヤンマが羽化しているのに遭遇。とても美しかった。

更に珍しいものが。ヘビトンボの蛹。蛹の癖に結構動くし噛み付くといううわさのとおり牙もしっかりしていた。割と大きかった。こんなのはじめて見た。

飴に集まるクロオオアリ。割とたくましい。

またここでは大きない石をひっくり返すとクロオオアリの初期コロニー(女王と卵だけ)がわりと簡単に出た。面白かったのは10センチほど間隔を空けて
3つのクロオオアリコロニーがあった石があったこと。そのうち一つを頂いてきた。
この頃から小雨が降り始め、鹿嶺高原についたときには本降りになっていた。
高原キャンプ場の入り口の前の空き地でヤマクロヤマアリを採集。大きな石をひっくり返したら女王がいたのだ。蟻酸にむせながらもコロニーの6,7割は採集したと思う。
クシケもいたのだが、クシケ女王は働きアリにそっくりなので私には見分けがつかなかった。
アカヤマアリもいた。写真右上のほうに奴隷のヤマクロヤマアリが写っている。女王になる繭がいくつも出来ていた。

高原で蟲さんがエゾアカを採集。相変わらずきれいなアリだが私には飼育し切れる自信がないのでパスした。
いよいよ本降りなので高原を降り、事務所へ。そこでクシケアリの同定大会。
昼を過ぎて少し雨がやんだのでケブカツヤオオアリがいるという竹林へ。
しかし到着直後から激しい雨が降り始めるわ、割れども割れども何も出ずで収穫なしで引き上げた。
楽しかったオフ会もいよいよ終わり。私は土生さんにシワクシケアリを譲っていただいた。
ウインドノットさんが近鉄の途中駅まで乗せてくださるというのでバスをキャンセルして帰路に着いた。2時間早く出発した分、予定より早く家に帰り着くことが出来た。
最後に参加者を列記しておく。
ウミユスリカさん、ふじひろさん、こうやんさん、蟲さん、いるまえかわさん、シン・ハンさん、ウインドノットさん、kuroyagiさん、土生さん、土生さんの弟さん、土生さんの友人Iさん、そして私。
まさに「命の洗濯」をしたのだった。関係各氏の皆様、本当にありがとうございました。
6月25日 ミカドオオアリに導入したクロオオアリ、1匹がなぜか今日になって死んでいた。また1匹なのだが、神経を使う。そのミカド、幼虫が生まれ始めた。卵は数個と少ないが、要は働きアリが生まれたらこっちのもの、と思っている。
長野で採集したヤマクロヤマアリ、22℃で維持しているが団子になったまま動かない。
もっと機敏に餌を探すと思っていたのだが、謎だ。
アシナガアリはミールワームのほうが好みなのだろうか?コオロギを与えても幼虫が集まる気配は見られず、ミールワームを刻んだものだと集まっていることがある。今日に至っては昨日与えたコオロギを丸々残していた。
何なのだろうか?
6月26日 フィルムケースで育成していたアメイロアリ4コロニーの様子を見てみたら全てのコロニーで働きアリの羽化が見られたのでフィルムケースから移した。アメイロアリがこれで合計5コロニーになった。
クロナガアリ。殆ど放置だったのだが、見てみたら働きアリがどのコロニーでも4、5匹生まれていた。粟の実をよく食べる。もうすぐに入れ物を変えなくてはならないだろう。
トビイロシワアリで羽アリが生まれた。しかし全てメス・・巣内交尾の瞬間は今年は見られないようだ・・
6月27日 アシナガアリは面白い。
この前、脱皮したての柔らかいミールワームを切って入れておいた。
そうしたら昨日見たら幼虫が10匹くらい頭を突っ込む例の姿で食べているのを確認した。
頭を突っ込む姿は久しく見ていなかったので嬉しくなってしまった。
枚岡公園で採取したケアリの内、1コロニーをリリースすることにした。
働きアリが2匹いたのだが、死に絶え、導入した幼虫もいなくなってしまい産卵もない。
うまくいきかけていただけに悔しい。
もう一つのケアリコロニーはいつの間にかオスが死んで(死骸が餌場にあった)通常の形態に戻った。卵もたくさんある。幼虫が少し少ないのが気がかりだが、ミールワームの食いも良いので大丈夫だろう。
6月28日 シワクシケアリなのだが、卵がいくつも発見できた。順調に恒温機内の環境になじんだようだ。
問題はヤマクロヤマアリ。女王がチューブに閉じこもったまま。狭いチューブなので産卵も確認できないし、餌を食べているのかも微妙。いまいち活性が低いのだ。
同じヤマアリでもクロヤマとは全然違う。美しい種類なのでうまくいって欲しい。
新女王から育成のクロヤマ、とうとう繭が2個になってしまった。まぁ、ここまで来たら2匹は生まれるんだろうけど、少し少ない。湿度は問題ないと思うし、最近殆ど観察もしていない放置だったの何故だろう・・
6月29日 アシナガアリのコロニーでオスが生まれていた。写真を撮ろうとしたらチューブの陰に隠れたので後日改めて。そのアシナガは少しずつだが勢いを盛り返しているようで成長盛んな幼虫が10匹ほど見られるようになって来た。何とか・・
ヤマクロヤマアリは相変わらずだが、今日になって働きアリが卵を数個咥えているのを確認した。そろそろ肉餌を与えてみようか・・
アメイロアリ全てのコロニーに蜜餌とミールワームの断片を与えた。すこぶる順調。我が家で今、一番順調な種類かもしれない。
6月30日 シワクシケアリに昨日キャップに盛った蜜を与えた。そうしたら今日見たらすっからかん。よく飲むなぁ・・
アシナガアリ、今日はオスを見なかった。あれ?この前のウメマツオオアリのときみたいに食われちゃったのかな?
伊那で採集したクロオオアリなのだが2コロニーが長野ー大阪の気候変動に耐えて卵を産んでいる。
今月最初に採集した枚岡産のムネアカは繭が出来た。温度が高い時期になっているので成長も早い。

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2007年6月の観察日記