2007年11月の観察日記

11月1日 7月に採集したケアリコロニーでは働きアリが10匹をようやく超えた。
スタートが遅かったから仕方がないのだが、餌を3日に1回ほどの割合で卵溶液を少量与えているのだが、よく食べているようだ。
私とケアリの相性はあまり良くないのでこれを機にケアリともなんとかうまくやっていきたい。
しかし、もう冬・・この種類も冷却予定である。
11月3日 恒温機の温度を18℃にしてからまた庫内湿度が上がってるようで9月に増設した巣の石膏に給水していたアシナガアリの巣部屋では若干結露している。
22℃の時は庫内は乾燥気味で冬は石膏に加湿してやらないとなぁと思っていたのだが・・
しかしこの湿気はどこから来てるんだろう?夏じゃないので空気がそんなに湿気てるとは思えないのだが・・
11月4日 クロナガアリ女王2匹でいたコロニーで最後の働きアリが死んだ。
仕方がないので一番順調な女王4のコロニーに入れてみた。
特に攻撃はされていないようだが、何とも残念な結果になった。
入れ物を変えたころから働きアリが次々と死んでいった。環境の急な変化は案外アリにとってストレスになってるのかもしれない。
11月6日 なんということだ!一番我が家で順調な部類に入っていたコロニー採集したアシナガアリ女王が死んでしまった。
幼虫が50匹ほど、働きアリも70ほど残して・・
一応受け皿としてのアシナガアリは3コロニー、今年女王からスタートした初期コロニーがあるのでそっちに振り分けることになるのだが、なぜ今頃・・・本当に残念だ。
11月8日 オオズアリコロニーでは蛹がすべてなくなり、小さな卵塊と若齢幼虫が数匹残るのみである。
しかし、恒温機内部の温度は夏の昼間で最高27℃になったことがあったのだが、普段は22℃を維持するようにしていたのだが、5℃の変化でも「季節」を感じているのだろうか?
今は18℃に設定している。18℃にしてそろそろ時間がたったのでまた2℃ほど下げよう。
11月10日 ウインドノットさんのブログによるとオオズアリは冷やすと死亡する個体が割合出るそうだ。
ということはこの種類、冬暖めようかなぁ・・?
恒温機を使っての越冬は初めてなのでどれを冷やしてどれを暖めようか、恒温機は今のところ冷却用に使う予定だが冬がこんなに悩ましいとは今まで思わなかった。
皆さんの苦労が今になってわかってきた。
とりあえずトビシワ、オオズ、クロナガを暖める予定である。
11月11日 6月最初に採集したムネアカオオアリ女王が死んだ。
働きアリは1カ月ほど前に死んでいて女王のみは生存していたのだが、やはりだめだった。
初期のころ、餌換えの際貴重な働きアリを数匹逃がしてしまっていてそれがなかったら・・と思うと悔やまれてならない。
やはり働きアリが生まれた時点でえさ場を別にした方が良かったのか・・
11月13日 数日前、恒温機の温度を15℃に下げた。
最初の方こそ16℃以下になかなかならなかったが、ここ2,3日急に冷えてきたので部屋にハロゲンヒーターをつけても15℃を維持している。
温室作りは今のところまだやっていない。
単純に棚に発泡スチロールを貼り付けるだけなのだが(「ピタリ適温」は装着済み)億劫でやっていない。
たったこれだけの作業もできないとは・・情けない。
11月16日 アリとはあまり関係ないが私は今、オオカマキリのメスを一匹飼育している.
2個卵を産んで最近は少し活動が鈍ってきたが今は元気である。
その卵の一つが今日、孵った。
10匹ほどだったが部屋のドアについていた時はびっくりしたものだ。危うく「カマキリ部屋」になるところだった。
こりゃぁ、早く蓋から引っぺがして接着剤で割りばしにでも貼り付けて外に出さないと・・
11月18日 恒温機の温度を一気に10℃に設定した。これは大阪の冬の日中の最高気温くらいだ。
そこにトビシワ、クロナガ、オオズ以外のアリをすべて収容。
収容した中身が以下の通り。

上の方に余裕はあるが実際は小さな容器を積み重ねすぎてもうこれ以上積み重ねるのが困難なのだ。はぁ、棚がついてたらよかった・・それとふた上部につけてある給水用チューブが予想外に邪魔でなかなか積み上げられない。うむむ・・
11月19日 一気に外気温が下がった。寒い一日だった。
そうしたら昨日までどう足掻いても11℃までしか下がらなかった恒温機の温度が10℃ぴったり。この分だと年末には5℃以下にしようという計画も何とかなるかな?
11月20日 「温室」内部を改めて紹介する。
本棚の一つを使って上部側面に大型パネルヒーターを貼り付けて加温している。
今のところコンスタントに20℃を維持できている。
乾燥が少々心配だが・・
オオズ、トビシワ、クロナガに入ってもらっている。
11月22日 クロナガアリの活動が活発なコロニーではえさ場に白い粉のようなカスが排出されている。
最初、石膏を削ったのかと思っていたが、どうやら種子の食べかすらしい。
このカスの出具合が活動の一つのバロメーターになるのではないか?そう考えるようになった。また、そういうコロニーほどえさ場から種子をよく運びこんでいるのだ。
その域に達しているのは今飼育してる4コロニーのうち2つほどだが何とか全部のコロニーでこういう現象が見られるほど活性化してほしいものだ。
11月23日 今更ながらではあるがあることに気がついた。
「冷やし虫家」であるが10℃以下には設定できないということだった。
設定可能温度は10℃〜40℃の間だそうだ。
うーむ、理想的には5℃くらいまで冷やしたいのだが・・
そう思って中をのぞいてみたらほとんどのアリたちが越冬状態だったのだが、シワクシケアリのみ弱々しくえさ場を歩いていた。このアリ、長野県産で亜高山帯のものだけあって寒さには強いらしい。
しかし10℃以下に設定できる部屋もないので一か八か10℃を維持したまま年を越し、1月下旬から2月上旬に恒温機温度を上げて早い春を体験させようと思っている。
それまではここの観察日記はクロナガ、オオズ、トビシワの3種が中心になるだろう。
観察日記も最近は隔日ペースだがもう少し落ちて不定期掲載になるかも・・
この辺はまだどうしようか考え中である。
11月24日 クロナガアリQ3のコロニーで働きアリが全滅した。原因は乾燥。
このコロニーはもともと元気がなくえさ場を連結していなかったのだが、巣部屋に給水をし忘れるという超初歩的ミスだった。
仕方ないのでQ3コロニーに合流してもらった。
ほかでも2日えさやりをしないとオオズアリはメイプル溶液のあるえさ場に大挙して出てくるわ、クロナガアリQ5のコロニーではキャップに入れておいた水が干からびてるわで大変だった。
温室は乾燥に気をつけないと、なんて言っておきながらこのざま。お恥ずかしい・・
11月25日 チクシトゲアリが壊滅した。
調子がおかしくなってからとうとう盛り返すことなく終わってしまった。
この種類を飼育して感じたことは思ったより温度変化にシビアなのではないかということと、夏場の高温には弱いのではないかということだ。
思えば去年もチクシトゲアリが壊滅したのは8月、酷暑の時期だった。
かといって22℃の恒温機に移したら幼虫が成長しなくなったので許容温度範囲は狭いのかもしれない。
なんにせよ、1月に採集してから実に楽しませてもらった。ありがとうとしか言えないが、冥福を祈る。
11月26日 トビイロシワアリがひそかに順調な気配。女王は2匹になったが腹部は大きく、産卵は見られないが先に産卵されていた卵から幼虫が孵化して団子状になっている。
コオロギを食している様子は特にないのだが、ひそかに食べているのだろう、幼虫の腹部が黒くなっている。
以前のように大コロニーでないので巨大幼虫は見られない。
今年は思ったより増えなかったなぁ・・
11月27日 クロナガアリの女王5のコロニーが少し変だ。
何が変化というとえさ場から撤収しないのだ。
以前、石膏巣が乾燥していて水飲み場のあるえさ場にコロニー全員が出てきていたが、その後、石膏にたっぷり水を含ませておいた。
しかし、幼虫と働きアリ、女王1匹は撤収したのに女王4匹は餌やり用のキャップに身を寄せるようにしている。
移動を促すためにそのキャップを取り除いた。さて、どうなりますやら・・
11月28日 オオズアリでは一時期まったくいなくなっていた幼虫が生産されている。
数は15匹程度と決して多くはないが卵も少数あってそれらは順調に成長しているようだ。
しかし気がかりなことがある。
なんだか数が減ったように思う。兵アリは明らかに5匹ほど秋の初めに数えた時より減っている。働きアリも以前はもっといたように思うのだが・・脱走の可能性はない。
死骸も大量に見た覚えがないので、寿命なんだろうか?うーん、ナゾだ。
11月29日 クロナガアリで僅かながら(2,3個だが)産卵を確認した。
以前あべさんが恒温条件だと冬の間でも僅かながら産卵があると言っておられたがまさにその通りだ。
ということは幼虫は春になるまでこのまま・・?
少し動きがないと面白みがないのだが種子をそれなりに運び込んで食べてる姿を見るのも面白いのでまぁ、いいか・・
11月30日 イトウオオアリやクロオオアリは10℃もしくは11℃の状態で完全に越冬状態に入っているようで恒温機を開けても殆ど動かない。こういうのは楽なんだけど、亜高山帯のアリであるレマニとシワクシケ、そして意外なことにアシナガアリが鈍いながらも動いている。
5℃くらいにまで下げたいなぁ・・やはり冷蔵ショーケースもしくはワインセラーか?
しかしもう置き場所が・・悩みは深い。

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