10月2日 アシナガアリのコロニーは古いほうの石膏巣に引っ越してしまった。
残された新しいほうの巣に残された残骸。

これはいったい何なのだろうか?シワクシケアリの巣内にも同じようなものがあり、アリたちが石膏巣を半ば放棄して餌場に出ているのだが、そんなにごみになるようなものは与えていないのだが・・
ちなみにほかのアリではこういうものを出すアリはいない。謎が深まる。
10月3日 クロナガアリの石膏巣に収容した4コロニーのうち1コロニーが変なのだ。
巣部屋内に種子がほとんどなく、働きアリが餌場に出てきているものの運び込んでいないようなのだ。挙句の果てにえさ場で死んでるものが出る始末。
特段壁面にパウダーとか滑るものなんて塗っていないのだが・・
実に心配だ。
10月4日 アメイロアリ2コロニーのうち、1コロニー、W6の女王が死んでいた。
残るはW4の零細コロニーのみ。
W6のほうは働きアリはいたって元気なのに、女王だけがぽつねんと・・
キイロシリアゲアリは今のところ問題なく飼育で来ているのだが、あれより小さいアリなので、もっとミクロな環境に反応している可能性がある。
小さいアリはやはり難しい。しかしあと1コロニーある、何とか来年は増やしたい。
アメイロアリは冬、加温するか冷却するか、未だに決めていない。どうしようかなぁ・・
10月5日 7月に採集したケアリのコロニーはまだ繭は羽化しないが、数が増えてきている。
もう10個くらいになっていてそのうえ卵もそこそこある。
なぜ夏の暑い間一向に孵化しなかったのが不思議だがそれでもここから挽回していったらいいかな?と思う。
しかし、これも冷却か、加温かはまだ決めていない・・
10月6日 10月に入り、餌替えを2日に1回にした。常温組の活性が落ちてきているからなのだが、恒温機組には物足りないかも・・
アシナガアリだが、放棄した巣部屋にまたたむろしている。1日に載せた黒いくずは半分ほどが蜜の中に放棄されていて巣部屋内は若干片付いた気がする。
6月初めに採集したムネアカオオアリだが、最後の働きアリが死んだ。卵幼虫もなくなり、これは巣部屋を換えたことが凶と出た形になってしまった。
10月7日 家族で奈良県と三重県の境にある曽爾(そに)高原にいってきた。
天気が危ぶまれたが昼過ぎまで晴れ間がのぞき、半袖で十分なくらいであった。
高原はススキがとても美しく、一面銀色をしていた。

ススキのトンネル。

高原に一株だけ咲いていた桔梗の花。この時期、こんな高原でも咲くんですね。

花の蜜を吸うミツバチ。

植物の名前はよくわからないがキアゲハの幼虫が数匹、見られる場所があった。

アリなのだが、ハヤシクロヤマアリ、クロヤマアリが高原では多かった。あとは局所的にクロオオアリとキイロシリアゲアリを見かけたくらい。
ただ、特筆すべきはクロナガアリで分布こそ局所的なのだが、どの働きアリもかなり大きいのだ。写真撮影したが見事ぼけてしまい、時間もあまりとれなくなってしまったが、惜しいことをした。
10月8日 7月に採集したケアリコロニーでようやく働きアリが羽化した。
まだ1匹だけだが、繭も5個以上残っているし、好調な滑り出しと言いたいところだが、普通1ヶ月くらいで満了できるこの過程を3カ月のかかったのはいったいなぜなんだろう?
10月9日 クロナガアリ、餌をなかなか運び込まない1コロニー以外は順調なのだが、それでも産卵は停止したようだ。見られるのは幼虫ばかり。
新しい巣にひっこしさせたのが良くなかったのだろうか?
とにかくばかばか増えてくれることを願う身としてはやきもきさせられる。
10月10日 最近、常温飼育組に動きが少なくなってきた。そんなわけで餌交換も2日に1回にしているのだが、恒温機組でもクロヤマアリは産卵停止したようで蛹はまだ見受けられるのだが、卵幼虫は見られない。
ただ、クロヤマアリはすごい数になっていてそれが飼育容器の中で塊になって存在している部分があるため、その中に卵があるかもしれないが、夏以来結露が出ていて中々観察できない。
少々もどかしい。
10月11日 7月に採集したアシナガアリ3匹の新女王のうち、1匹のところで働きアリが羽化した。

羽化してまだ時間が浅いのか色が淡い。写真にあるように濃い色の蛹が一匹と薄い色のが一匹いるのでこのコロニーは当初は4匹体制で臨むようだ。しかし、飼育条件だからいいものの野外ではこの数の働きアリでやっていけるのだろうか?来年は多雌実験しなくちゃなぁ・・
もう1枚は相変わらず食欲旺盛なコロニー採集したアシナガアリ。

コオロギは昨日入れたものなのだが、もうこんなになっている。分解の際出たと思われる皮や破片は蜜の中にほうり込んでいる。まぁ、巣内にため込むよりは出してくれたほうがずっといい。
10月12日 クロナガアリで唯一餌場から殆ど餌を運びこまないコロニーがある。外勤アリと思われる者たちが死んでしまい、餌場にすら出てこなくなったので過保護とは思いつつ、昨日巣部屋内に種子の入った皿を入れておいた。
するとすごい食欲。次々と皮をむいて食べている。
おい・・なぜに運び込まないんだ?
10月13日 クロナガアリを3枚。
まずは譲渡用にと維持していた女王2のコロニー。

タッパーであまり世話そしていなかったのが祟り、黄色いカビが目立ってきたので引っ越しさせた。女王2、働きアリは10匹もいないがなんとか持ち直してもらいたいものだ。巣部屋に直接餌を入れている。
次、最近まで餌を運びこまなかったコロニー。巣部屋内に直接種子の入った皿を入れたらがぜん勢いづいた。
そのコロニーの一部。

もう一枚、かなり順調に維持できているコロニー。このコロニーでも幼虫と成虫が見られるだけで他のステージは見られない。

働きアリの増加も順調。最近入手した児童書「クロナガアリ」によると冬の間幼虫は成長しなかったそうだが恒温条件ではどうだろうか?期待がもたれる。
10月14日 昨日引っ越しさせたクロナガアリで働きアリがなぜかそこそこの数死んでいた。もう残りは5匹もいない・・なぜだろうか?
オオズアリ。一時期ほどの勢いがなくなったが幼虫が少数いてその中に兵アリの幼虫もいる。

採集したとき、兵アリは2,3匹だった記憶があるが、今では10匹以上いる。蛹がとにかくたくさんあって蛹の多い時期と幼虫の多い時期を繰り返してるんじゃないか?と思うほどだ。
10月15日 クロオオアリ2年目コロニーでは繭がまだ数個ある。

気温も最近目に見えて下がってきてるのだが、羽化するのだろうか?
幼虫は1匹だけいるようだ。働きアリは40ほど。春先は一時期1匹しかいなかったことを思うとよく盛り返したと思う。しかし予想したほどには増えなかったなぁ
10月16日 クロナガアリにはカナリアシードという小鳥のえさを与えているのだが、どうも彼女たちはそれすらもえり好みしてるようだ。
だから気を抜くと餌皿には種子があるのに巣部屋内には一向に何もなく、???という事態になってしまう。
クロナガアリって予想以上にグルメなのかもしれない。
10月17日 秋も深まってきた。常温飼育組は動きがほとんどなくなってきた。
不思議なのが恒温機組。こちらは恒温条件なのに、アシナガアリやクロヤマアリは産卵が止まり、あたかも越冬状態に入りつつあるような状況なのだ。
この分なら冬は少しの間だけでも全コロニー冷やしてみようか、とも考えてみる。
10月18日 アシナガアリコロニーでも幼虫ばかりが目立つようになってきた。蛹もあるがごく少数。
この分だと温めないほうがいいかもしれない。
ほかのアリも軒並み同じような状態で動きがなくなってきた。
しかし前にも書いたが恒温条件内でいったいどうやって季節を感じてるのだろうか?
あ、クロナガアリはある程度の温度を保たないと幼虫の死亡率が上がるとか以前掲示板であったな・・ピタリ適温で囲った本棚に移すか・・
10月19日 女王からの飼育でのアシナガアリコロニーですべてのコロニーで働きアリが羽化した。
しかし最高でも5匹・・あとは幼虫少々。
初期コロニーでこの数は少なすぎやしないだろうか?クロオオアリでも10匹は生産するのに・・
10月21日 イトウオオアリは最近石膏表面に出てくるものが増えてきた。
単純にアリが増えてきたからなのか、気候の変化によるものなのかは微妙だが、これまで石膏の表面にいたものよりは明らかに数が増えている。大体100くらいだろうか。
ちなみにイトウオオアリは常温飼育である。
10月22日 オオズアリで兵アリが2匹羽化していた。そのうちの1匹の写真。

もう一枚。こうやってみたら愛嬌があってなかなか面白い形をしてるなぁと思う。

もう一枚は昨日入れたコオロギの死骸をせっつくシワクシケアリ。このコロニーは石膏巣と餌場を行ったり来たりしている。ある時は餌場に蛹が置いてあったり大半の構成員がいるかと思えばまたあるときは石膏巣に籠ったり・・
ちなみに今日はコオロギをせっついてるもの以外は石膏巣に籠っている。
10月23日 恒温機の温度を22℃から20℃に下げた。順次下げて行き、冬が始まる頃0から5℃ほどまで下げる予定。
本棚にピタリ適温を貼り付けた「温室」のふたの部分は去年は段ボールを使っていたがいまいち熱がこもらなかったので発泡スチロール板を購入。これを棚のサイズに切って蓋にしていく。
肝心の加温種だが、いまのところクロナガアリとトビイロシワアリを考えている。
この2種が比較的大丈夫そうだ、と思ったからなのだが・・
アシナガアリも当初は加温予定だったがコロニーとしての動きが全くない状態になったので越冬状態に入ったと判断、越冬させることにした。
問題は冷却期間なんですよね・・1月に採集したチクシトゲアリはその後加温しても正常に増えたので1月半から2ヶ月くらいかな?この辺は未体験ゾーンなので手探りだ。
10月24日 イトウオオアリが石膏表面にかなりいるとこの前書いたが、久方ぶりに入れ物の裏側から見て、「地下都市」を見てみた。
ぎっちりアリが詰まっていた。要するに増えていたのだ。
この冬の間に容器を増設させるか、もう少し掘るのにまかせるか、ちょっと悩んでいる。
10月26日 クロナガアリでW1になってしまったコロニーがある。幼虫が一匹と女王が2匹。
もう駄目かなぁと諦めかけていたが、ところがどっこい、餌を運びこんでかじっている。
こういう姿を見たら何ともいじらしくなってしまう。
何とか復活してほしいのだが、春まで産卵はないというし果てなく不安だ・・
10月28日 恒温機の温度を18度に下げた。大体一週間ほど慣らした後、2℃下げるという手順を取っている。
さて、そろそろクロナガアリとトビイロシワアリをほかのアリと入れ替えなくてはならないなぁ・・

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2007年10月の観察日記