2020年3月の観察日記

3月1日 今日から3月だ。
過去の記録を見ると、3月10日前後にクロヤマアリが産卵を開始してシーズンが始まっているようだ。
ここ数年、アリたちを加温せずに越冬させているので室内飼育とは言え、私がいない時は窓を開けて外気温と同じにしている。
そこで3月10日前後ということは恐らく野外でもそれくらいに産卵を開始しているのではないかと思う。
4月にならないと各種アリたちの活動が本格化しない。
それまでもう少し越冬モードのアリたちを眺めることになりそうだ。
3月8日 先週、産卵が10日前後だと書いていたがまだ産卵は見られない。
今日、肉餌を与えてみた。
巣内に運び込んだものもあれば、放置状態のものもあり反応はまちまち。
今週中に産卵は開始するのだろうか。
まぁ、焦っても仕方ないか。 
3月14日 3年前に、長野で採集したハヤシクロヤマアリ。
我が家のアリたちで一番最初に産卵が確認できた。

状況からみて、2、3日前に産卵開始したようだ。
肉餌、忙しくなりそうだ。
3月15日 肉餌について書いていなかった。
この前、面白い記事を見つけた。
https://buna.info/runningstory/2178/
伊丹市昆虫館で学芸員をされている長島氏の記事だ。
この肉餌、使い勝手が良さそうだ。
そこで、与えてみた。
クロヤマアリには好評。
巣部屋に運び込んで食べている。
ミールワームを知らなかった25年ほど前、春先に虫餌が無くて困って豚肉化h牛肉化の欠片を与えたことを思い出した。
後は、これらの食べかすを排出してくれたら良いのではないかと思う。
ミールワームも並行していけば肉餌の手間は省けそう。
蜜と混ぜ合わせる「前処理」の時間が必要だが、アカムシもテトラフィンも粉末化している(乳鉢と乳棒ですり潰した)。
クロヤマアリ以外は微妙な食べ方だが、ケアリでは少なくとも1コロニーで食べているのを確認。
これから産卵開始時期になって来た時にこの餌の真価が問われそう。
もし、受け入れられたら肉餌の手間は予算的に大幅に削れそう。
どうなるか、楽しみだ。 
3月16日 クロヤマアリ。
まだ、このコロニーは産卵を開始してない。

女王。腹部は小さい気がするが、どうなんだろう。
それほど心配はしていない。 
3月17日 寒い朝だ。
クロヤマアリ達が産卵を始めるこの時期、毎年こんな朝がある。
野外ではクロヤマアリたちはどうやって過ごしているのだろうか。
我が家のクロヤマアリは意外と密集していなかった。
そう言えば、真冬でもあまり密集していなかったような・・・
あまり団子にならないのはこの種の特性なんだろうか。
飼育環境と野外環境を同一視すべきではないが、考えさせられる出来事だ。
3月18日 昨日の夜、産卵を開始したクロヤマアリコロニーが2つ目になったのを確認した。
卵は4個。
いい感じだ。 
3月19日 今日も、クロヤマアリで新たに産卵を確認できたコロニーがあった。
数個卵がある。
これでクロヤマアリで産卵を開始していないものは1コロニーだけになった。
しかし、このコロニー、初期コロニーなのだがここ数日働きアリが3匹ほど立て続けに死んだ。
働きアリが10匹前後のコロニーでこれは痛い・・・
死の直前、触角が縮れるという時々見られる症状を示していたが、他の種類ではこの症状が殆ど見られない。
何だろう? 
3月20日 アリを引っ越しさせるのは結構気を遣う。
新しい巣部屋に馴染めない場合が時々あって、異変に気が付くのが遅れるとすぐコロニーの調子自体がおかしくなってしまうからだ。
アリは結構デリケートな一面を持っていることを感じる。 
3月21日  16日に取り上げた栗ヤマアリコロニーは未だ産卵を開始していない。
このコロニー、何か様子が変な気がする。
アリたちの動き自体が何かぎくしゃくしているようにも思える。
最初、働きアリが死んで以降死亡者はいないが要チェックコロニーのカテゴリーに入れようかな・・ 
3月22日  観察日記を再開はしたものの、クロヤマアリ以外に特に動きが無いのでテキストのみの更新と言う自分でも消化不良な日々が続いている。
アリの肉餌は今のところクロヤマアリには受け入れられているし、他の種でもそれなりに食べてくれている模様。
これ、うまく行けばコロニーサイズに応じて肉餌の量を変えられるという意味で今まで悩んでいた肉餌問題を解決できるんじゃないかと言う気もする。
新しい物なので、様子見体制であることには変わりがない。 
3月23日 トフシアリを見てみると、卵が4つほどあった。
クロヤマアリに続いて、トフシアリが産卵確認2番手になった。
撮影しようとしたのだが、どうしても上手く出来なかったので文章のみにする・・ 
3月24日 昨日、撮影に挑戦してうまく行かなかったトフシアリ。

女王にピントを合わせた。
ピントが合っていないので分かり辛いが女王が卵を咥えているのがお分かりいただけるだろうか。
今のところ、女王に脱落者はいない。
羽付きのものは恐らく未交尾なのだろう。
この未交尾(と思われる)個体が働きアリのようにふるまうのか、どう行動するかも見て行きたい。 
3月25日 冬の間、ずっと給餌頻度を考えて、ペットショップで購入した安い昆虫ゼリーを使用していた。
しかし、シーズン到来ということでプロゼリーを購入して与えてみた。
うん、食べやすいのかアリが集まっている。
プロゼリーの回し者ではないが、やはりアリに与えるとしたらこのゼリーは良いと思う。柔らかいので食べやすいと言うのもあるだろう。
シリンジに入れて砕くと良いと思う。 
3月26日  アリを見てみたが、トフシアリとクロヤマアリ以外で産卵開始を確認できたものは無い。
毎年、この時期は気分的にやきもきさせられる。 
3月27日 ハヤシクロヤマアリのコロニーは一番個体数が多いので、肉餌をカップごと与えている。
最近、ゼリー周囲にこれの粉末を貼り付けるようになった。
食べてくれているのは確かなのだが、この扱いは何だか少し悔しい。
女王の産卵数が増えたり、幼虫が孵化したらもう少し食べ切ってくれるのだろうか。
3月28日 これは、クロオオアリの幼虫である。

体内に色が入っている。
肉餌を食べているところをあまり観察はしていないが幼虫にはちゃんと与えてくれているようだ。
ひとまずは安心、かな。 
3月29日 ウメマツオオアリの産卵はまだ始まっていないが、女王の腹部が大きくなってきた。

いい感じに大きくなってきているので、産卵開始も間近だと思われる。 
3月30日 箕面で採集したケアリの女王にした。

腹部が大きいが、産卵はしていない。
これ、色的に「トビイロケアリ」とは違う気がする。
顕微鏡が無いと同定できる気がしないが、何か違うように思う。
3月31日 トフシアリの卵だ。

とても小さい。2ミリは無いと思う。
10個未満だが毎日少しずつ増えている。 

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