2019年6月の観察日記

6月1日 ハヤシクロヤマアリの幼虫だ。

コオロギに集まっている。
順調で見ていて楽しい。
6月2日 大阪城にクロヤマアリの寄生バチ観察に出かけた。
曇り気味で冷たい風が吹く天気。
嫌な予感通り、ハチはいなかった。
どうも、今年は寄生バチが来るアリの巣穴の雰囲気が違う。
草が少し刈られていてさっぱりした気がする。
このハチはあまり乾燥状態になった所には来ない気がするのであまり良い傾向ではないのかもしれない。
昨日観察に行けたら巣穴を見られたのに、今日が天気が悪いのは何気に痛い。
6月3日 ヨツボシオオアリを取り上げよう。

卵。給餌のお陰か少しずつ増えている。
孵化はまだ。

女王アリ。腹部が大きいのは給餌しているから。
画面左端に導入した幼虫が見える。
この幼虫が頼りだ。
6月4日 アリたちに給餌すると集まって来るのを見るのは楽しい。
今年、新女王の採集や観察に恵まれていないので既存のコロニー観察に重点を置かざるを得ない。
新女王の時期は動きがあってみるのが楽しいが、発展していくのを見るのも楽しい。
後は、発展さえしてくれたら、ね・・ 
6月5日  ケブカツヤオオアリの新女王に入れた幼虫はとうとう残り4匹になった。
卵なし。
・・・厳しい。厳しすぎるぞ・・ 
6月6日  ゼリーは2日に1回給餌しているが、2日目には「アリの花」が咲く。
毎日与えた方が良いのかなぁ。
でも、毎日だと多分ロスが出てくる。
今の時期でこれだと真夏だと常温飼育組はかなり厳しいのかもしれない。
ゼリーの頻度を上げるか、給水で凌ぐか悩みどころだ。 
6月7日 明日と明後日は長野だ。
アリたちにも給餌を行って水分も与えた。
季節的に真夏ではないのでそれほど神経を遣わなくても良いのだが、念のために、ね。 
6月8日 長野会。
今回、集まったのは私、あべさん、いるまえかわさん、こうやんさん、アキラさん、スラダケさん、風人さん、バードさんだった。
初日は、お話しながらスラダケさんのトゲアリを眺めたりして過ぎて行った。
雨が降ったまでは良かったが、夜になって予想以上に気温が下がったためかアリが飛んでいる気配はなかった。
宿の前で落ちたアシナガバチの巣にトビシワが集まっているのを見たくらい。
飛行系はちょっと望み薄な初日だった。

スラダケさんのトゲアリを見せてもらった。
コロニーが元気。
見ていて飽きなかった。 
6月12日 長野集会2日目。
スラダケさんに案内されて霧ケ峰方面に向かった。

ヤマツツジだろうか。こんな高い山でもツツジを見るとは思わなかった。

倒木の中にクシケアリがいた。モリクシケだろうか。ハラクシケだろうか。教えてもらったが忘れてしまった・・

葉っぱの上に放浪女王がいた。

放浪女王その2。
働きアリと一緒に葉の上にいるとちょっと違和感を感じた。


倒木内部のクシケアリコロニー。
何気にスラダケさんが刺されていた。
この木を崩せば女王は出そうだったが熱い私の部屋で飼いきれる自信が無かったので涙を呑んだ。
以前、クシケは飼っていたけれど恒温機内での飼育でしたし・・
明日へ続く・・
6月13日 長野で、スラダケさんが素晴らしいものを見せてくれた。

エゾアカヤマアリだ。
久々にこの赤いヤマアリを見かけた。

エゾアカヤマアリの塚。遠目で写したものだが、大きなものであることがお分かりいただけると思う。この周囲にこのような塚が何個もあった。

典型的なアリ塚。
周囲にはエゾアカヤマアリが闊歩しており、周囲で観察していた私の足に上ってきたりして攻撃性の高さを感じさせた。
他のアリは全く見かけなかった。
これだけエゾアカヤマアリの密度が高ければそうなるのも仕方がないと思う。

エゾアカヤマアリの働きアリ。腹部が大きいのは松の上の方にカイガラムシかアブラムシがいて、それから甘露を貰っているのだろうか。

ラーメンのお菓子を与えてみた。
2008年にトゲアリで大好評だったので試してみたかった。
結果は上々だ。
このお菓子、結構有効なのかも。

この日は天気が悪いためだろう、女王や卵幼虫蛹は全く見かけなかった。
お天気が良ければ働きアリ以外も見られたかもしれない。
エゾアカを満喫して、次は霧ケ峰方面に向かった。
それはまた明日。
6月15日 クサアリがアブラムシに来ていた。

クサアリ、腹部が膨らんでいますね。

枝を割るとアズマオオズアリがいた。
霧ケ峰は雨模様で時折傘が無いと厳しいくらいだった。
山を下りてくると雨は止んだ。
標高の高い辺りで雨が降っていたようだ。
6月16日 長野旅行記最終回。
どうしても見たいものがあって時間が少なかったが連れて行って貰った。

それが、一昨年規模の大きさにびっくりしたフシボソクサアリだ。

これでも、このコロニーの超絶一部でしかない。
周囲一帯、このコロニーのもの。
クサアリでここまで大きなコロニーは中々見ることは無い。
観察時間は30分ほどしか無かった。
それでも、これが見られただけでも十分だった。
ちなみに、今回は採集したものは無かった。
朽木から出たクシケアリをあべさんから勧められはしたが、女王が見つからなかったのと飼育できる自信が無かったので辞退した。
朽木を割らないと女王が出ない雰囲気があり、朽木崩しが辛い(結構しっかりした朽木だったので)のもあった。
久々に親睦を深められたのは良かった。
6月17日 淀川に出かけた。

トビシワのメスアリの死骸だ。これはアツい。

トビシワのオスアリ。メスと大きさはほぼ変わらない。

働きアリとの比較。やっぱり大きい。

オスの写真ってあまりないような気がするのでもう1枚。

懲りずにまだ上げてみた。

脱翅メスの死骸。
少し飛んだのか死骸以外にも生きた女王を10匹採集した。

その後、大阪城に転戦。
クロヤマアリの羽アリや寄生バチを観察したかった。
しかし・・天候不順。
にわか雨が降り、風は冷たい。
寄生バチが来る巣穴も見たが全くハチがいない。
早々に退散した。
成果はトビシワが10匹。
働きアリに噛みつかれたものもいて、全部が生存するとは思っていない。
しかし、今年は2016年のようにクロヤマアリの寄生バチ観察は天候不順に泣かされる気しかしなくなってきた・・
6月17日 トビシワの女王2匹が早々に脱落。
トビシワは5匹と5匹に分けて飼育していたので単雌状態よりは安定しているし、全部が生き残るとは思っていないが、何だかなぁと思う。 
6月18日 ヨツボシオオアリに導入した幼虫。
大きくはなった。
しかし、蛹にならない。
こんなに成長、遅かったかな?
卵の数は数個で現状維持が出来ている。
数個と言う時点で微妙ではある気がするけれど、ゼリー給餌が効いていると思いたい。
導入した幼虫が羽化しないと厳しいので、速く羽化してほしいのだが・・ 
6月19日 長野のハヤシクロヤマアリを引っ越しさせた。
数が増えてきて餌場にたむろする働きアリが増えて餌場自体が蒸れ始めたためだ。
新しい巣を接続すると、偵察を兼ねた働きアリが入ってくる。
新しい石膏巣には給水もしているので、すぐに馴染んでくれるだろう。
わしわし増えてくれるのは楽しいけれど、このクロヤマアリだけなぜこんなに調子が良いのかが良く分からない。 
6月20日  クサアリモドキは依然女王が不明。
幼若個体も見られない状態。
昨年夏に調子を崩してから厳しい状態が続いていたが、昨年は女王は確認できた。
しかし、この時期になっても女王は見られず、幼若個体もない、ということは・・ 
6月21日  昨年、4月に採集したクロオオアリの女王が死んでいた。
働きアリは元気だし、幼虫や繭も少しだがある。
そんな中、これ。
女王の突然死にはいつまで経っても慣れない。
合掌。 
6月22日  大阪城にクロヤマアリの寄生バチと羽アリの観察に出かけた。
今日は、大阪市立自然史博物館の方と一緒の観察だ。
待ち合わせは午前9時頃。
大阪城の観察をこんな時間にしたことが無かったので、どういう展開になるか私自身も非常に楽しみだった。
まず、毎年チェックしている弓道場近くのコロニー。
有翅メスが出てきていた。
こんな時間からも飛ぶんだと思ったが、ハチはいなかった。
そこで、一昨年観察した場所に移動した。
その巣穴自体には何も来ていなかったが、博物館の方が網を振っていたら「いました!」との声が。
見てみたら、確かにクロヤマアリの寄生バチ、Elasmosoma trichopygidium そのものだった。
そして、その周囲を二人で見たら・・
以降、「フィーバータイム」が訪れた。
以下、ハチの写真詰め合わせ。

これ、奥の個体がクロヤマアリの働きアリに産卵してるんですが手前にピントが合ってしまいました。

クマバチの死骸に集まるクロヤマアリを狙うハチ。この画像だけでも4匹確認できたが実際は確か7匹か8匹来ていたはず。数の多さにびっくり。

クロヤマアリの様子を窺うように飛行する。

腹部と脚部のオレンジが目を引く。

?この画像は腹部が白っぽくなってますね。光加減だろうか。

ひたすらアリの周囲をホバリング。

クロヤマアリとの位置関係はこんな感じ。アリが獲物に夢中になっている間に腹部に一瞬止まり、産卵する。

これが撮りたかった!以前よりクリアな産卵の瞬間。
クロヤマアリの大きさを考えるとこのハチの小ささがご理解いただけるのではないかと思う。
この後産卵されたと思われるアリを数匹採集し持ち帰った。
どんな展開になるのやら。
6月23日 今回、初めて動画を上げてみる。
皆さんの環境で再生できるかどうか分からないので、再生できなければ申し訳なく思う。
Elasmosoma trichopygidiumの産卵
変換ソフトの仕様上、最初と最後にロゴが入ってしまった。
動画の15秒過ぎに右側のクロヤマアリに産卵している。
今日も産卵されたと思われるクロヤマアリを採集した。
数はそれほど多くないが例年のように1,2匹しか採集できなかったことを考えると、今回はかなりの数の寄生されたと思われるアリを採集できた。
飼育してハチがどのように成長するか見て行きたい。
6月24日 5月の採集したヨツボシオオアリはどうなっているのだろうか。

今日は子供をチューブ内に入れてしまっているので光加減的に良い写真が撮れなかったが繭がある。
画像の右側の大きめの幼虫は野外でヨツボシオオアリの働きアリが運でいた幼虫。
これ以上何故か成長せずにこの女王が産んだ幼虫の方が先に繭になった。
どういうメカニズムなのかさっぱり分からない。 
6月25日 帰宅時、部屋をウメマツオオアリの働きアリがごく少数だがちょろちょろしていた。
脱走だ。
調べてみたら、タッパー飼育のウメマツオオアリがタッパーの蓋に丸い穴をあけていたのだ。グルーガンで接着して脱走を止めたが、やはり樹上性種の穴をあける力は侮れないと思った。
ちなみに今回穴をあけられた場所はずっと前に脱走されてその時もグルーガンで処置したところだった。
柔らかいというか弱い場所を噛んでくるなぁ。 
6月26日 久々の羽。

土曜日に採集採集したクロヤマアリの有翅女王2匹のうち1匹が落とした羽だ。
これで、この女王は交尾したと考えてよいと思う。
相変わらず、女王は小さい。
上手く子育てできるか見て行くとしたい。
6月27日  今年になり、飼育環境を少しだけ変えた。
画像にたまに写っているかもしれないが、ゼリーをプラスチックの皿から使い捨てのアルミホイルにした。
プラスチック皿は便利だが洗うのが手間だった。
アルミホイルは使い捨てだし、アルミには抗菌作用もあるらしいので、カビ対策にも良いかと思った。
これは昨年末の伊丹昆虫館の飼育法を取り入れた。
普段、他の人の飼育状況を見ることが無かったので私にはこれがとても参考になった。飼育環境については中々情報交換する機会が無いので、他の人のやり方は勉強したいと思った。 
6月28日  ヨツボシオオアリの繭。

単独女王でここまで来られたのは初めてではないだろうか。

上とは別の繭。
画像の外にも幼虫が1匹いる。
枚岡で貰って来た育った幼虫はいなくなった。
繭の大きさからしてあの個体が繭になったのではなく、食べられたと考えるのが妥当そう。
残念だが、実子の養分になったと割り切るしかない。
6月29日  大阪城に寄生バチの観察に行こうかとも思ったが天気が今一つな上にG20とかで警備が厳重という話を聞いて行くのをやめた。
結局、今年のクロヤマアリの寄生バチ観察は先週の土日しかできなかった。
まあ、十分な成果は上げられたので良しとしよう・・ 
6月30日  4月にミツバアリだかヨツバアリだかイツツバアリだかの結婚飛行に遭遇したと書いた。今日はその同定作業を行った。

1枚目。

2枚目。寄ってみた。
どうも、歯が3つあるミツバアリに見える。
ちなみに、メスアリの標本は2匹確保していたが同定作業中に1匹脱翅メスの腹部がぽろっと落ちてしまった。
何気にショック。

戻る