2018年9月の観察日記

9月1日 コオロギには昆虫ゼリーを与えている。
間接的にアリに食べさせることも出来るし、コオロギの水分補給にもなると思っている。
今年は、隠れ家と水分、昆虫ゼリーで比較的ロスが少なかったように思える。
9月2日 アシナガアリは、例年通りの進行だ。

白い蛹と色が付き始めた蛹。

一番色が濃い蛹。
もうすぐ羽化しそうだ。今年は暑かったが恒温機内で過ごしたためか、アシナガアリの経過は例年通りになりそう。
9月3日 今年もそろそろアリたちの生産活動も終わりに近づいている感じがしてきた。
そこで、今年もアリたちの今年のまとめのようなことを書いた行きたいと思う。
画像のまとめはまた大晦日にしたいが、あくまで現状と言う意味で。

今年は気候が変だった。
クロオオアリの交尾済みの女王を採集したのが4月。
ネットでは4月に飛んだと言う情報はこれまでにも散見していたが、私の観察しているところでこれを見るとは思わなかったので、非常に驚いた。
思えば、この時から今年の気候のおかしさは起こっていたのかもしれない。 
9月4日  台風で午後から6時間ほど停電していた。
幸い、暑い盛りを過ぎた時期なので恒温機が稼働しておらずともアリたちの様子に変化はなかった。
これが真夏の真昼間に来て居たらアシナガアリ辺りは狂走したかもしれない。
そう思うと、少し怖くなった。
電気って偉大だと思った。 
9月5日 今年のまとめムネアカ編。
今年は増えていない。
と言うより増やす余裕が無かった。
増えないのは恐らく住環境にあると思う。
タッパー飼育では限界を感じた。
石膏を敷いた巣部屋が最低必要だろう。
ムネアカは暑さにあまり強くない印象なので、恒温機に入れているが恒温機自体がスペース的に何とも・・な状態で・・
寒い時期の間に容器を何とかしなきゃなぁと思っている。
ちなみに、今年はムネアカの女王は私用には採集していない・・。 
9月6日  今年のまとめムネボソ編。
大阪城でメスアリを見つけたのがきっかけ。
最初は飼育する気はあまりなかったが、よく考えたらこれを飼育したことが無かったこと、働きアリが羽化してから種を同定したいと思って採集した。
働きアリは羽化した。
しかし・・そこからがダメ。
現在働きアリが数匹だけ。
肉餌を食べる雰囲気が無い。
以前、枚岡で石の下から採集したムネアカを飼育したがあれはそれほど難しいと感じなかった。
これは一体・・? 
9月7日  今年のまとめハヤシクロヤマ編。
一番まともに成長したコロニーではないだろうか。
ここで言っているのは昨年長野で採集したもので、今年の春に信貴山で採集したものは働きアリ1匹は羽化させたがそれが死んだ後は産卵することもなく完全にダメパターン。
長野のコロニーは夏前に女王が1匹になった。これは不慮の理由で死んだのか、女王同士で喧嘩したのかが良く分からない。
与えるコオロギもよく食べてくれて、冬の間に巣部屋を増設しとかないと来年はエラいことになりそうだ。 
9月8日  例年、この時期に箕面にアギトアリの観察に出かけてる。
しかし、今年は行っていない。
夏もそうだったのだが、天気がよくないこと、それと箕面の滝へと通じる道の一部が昨年の台風で一部通行止めになっていて滝付近まで行けないというのが個人的に足かせになっている。
今日、夕方薄日が差していた。
一瞬、観察に行けばよかったかと思った。
しかし、7時過ぎから少しの間だがしっかりと雨が降った。
・・・今年は箕面は夏に昼間に行ったのが最初で最後になるかもしれない・・。 
9月9日 最近、日曜日の恒例にしているアシナガアリはどうなったのかと言うと・・

働きアリが羽化している。
現在3匹。

そして、羽化中の働きアリ(腹部にピントが・・・)
これを入れて4匹。あと色の濃い蛹が1つ。
取りあえず第1陣は5匹っぽい。
アシナガアリを飼育すると、大体9月の10日までに第1陣の働きアリが羽化している感じだ。 
9月10日 トビシワの蛹。

大きく写してみると、味わい深い。 
9月11日 6月に大阪城で採集したクロヤマアリの繭から働きアリが1匹羽化した。

この働きアリは、導入した繭によるものではなく、女王が自力で育て上げたもの。
自力と言っても最初から昆虫ゼリーで栄養補給はさせていたが、夏に全く駄目で今の時期に羽化するまで育て上げたのは良く分からない。
またこれ以外に1匹、育った幼虫がいる。
今までの苦戦は何だったのかと言いたくなる展開に驚いている。
9月12日 涼しくなり、アリたちの餌の食いが明らかに落ちた。
昆虫ゼリーもコオロギもここ数日食べ残すようになった。
今年は季節の進みが早い。
この分だと給餌に関しての店じまい、早くなってしまうのだろうか。
アリたちの活動の様子を見ながら判断していきたい。 
9月13日 ケアリ。

女王は働きアリに囲まれている。
夏前にはオスを生産したがその後、コロニーの調子が崩れて未だに復調し切れていない・・。
9月14日  キイロシリアゲアリ。

女王。至って平和で順調。

オスアリと働きアリ。
オスは撮影しにくい隅っこや容器の上部にいることが多い。 
9月15日  ムネアカ。

あまり増えてくれなかった・・。
9月16日  今年採集したアシナガ。

働きアリは4匹。この蛹以外は卵や小さな幼虫ばかりだ。
9月17日 昨年採集したアシナガアリは夏に引っ越しをした。
タッパーから石膏巣に変えた。
しかし、そこから今一つ。
餌を食べている様子があまりない。
たまにコオロギが巣内にあるのを見るので食べているようなのだが、食が細い。
引っ越しをさせると、時々こういうことが起こる。
かと言って前のタッパーは限界に近かったので止むない部分があるのだが、何だか納得がいかない部分がある。 
9月18日  クサアリモドキ。

ゼリーに集まるいつもの風景。
女王はカートンの下に潜っていることが多く最近姿を見ていない。 
9月19日  クロヤマアリの「小型」女王は本当に単独でコロニー創設能力があるのだろうか。
今の時期で働きアリが1匹。
今まで飼育してきたものも落ち着きがなく、子育てが下手なものが多い。
「大型」女王の安定感に比べると、同じ種類とは思えないほど。
私の飼育が下手なのかもしれないが、実際に「大型」「小型」女王を飼育してみると考えこまざるを得ない・・。 
9月20日  アメイロケアリの卵。

あまり増えてくれず、これだけしかない。
ホストのケアリはいなくなった。 
9月21日 ケアリの女王の様子が最近変に見えるときがある。
横たわるようになっていて、働きアリがやたらと体の周りにまとわりついている。
コロニーの女王が死んだ時に見られるような行動をアリたちがしている。
心配過ぎる・・。
9月22日  アメイロケアリの働きアリがゼリーを舐めているところにした。

こういう光景を見ると、気分が和む。 
9月23日  朝、久々に枚岡に出かけた。

公園事務所付近で、ハリブトシリアゲアリの有翅メスを見た。
数匹見かけた。

オオカマキリ。オスのようだ。

ホタルガ。綺麗なガだ。

ハラビロカマキリ。

キイロシリアゲアリが見られると思ったが、全くいなかった。
山に湿気があって結構アツいかと思ったが、肩透かしを食った気分だった。
9月24日 悪い予感はやはり当たるものだ。
数日前、ケアリ女王の様子がおかしいと書いた。
今日、見てみたらお亡くなり。
働きアリがせっつきすぎて首がもげていた。
この光景は何度も見ているが慣れない。
ちなみに、この女王は2011年に採集したケアリ数匹のうち唯一長生きして(他もコロニーの立ち上げは出来たが突然死した)今に至って7年我が家で暮らした。
・・・合掌・・・。 
9月25日 長野のハヤシクロヤマアリコロニーも今年は生産終了の様子で幼若個体がいなくなっている。
大阪のクロヤマアリはまだ若干卵がある。孵るかどうかは良く分からない部分があるけれど。
クロヤマアリは越冬時に成虫のみになるので、生産の終了と言う意味で分かりやすい部分があると思う。 
9月26日  ここ数日、朝夕の気温が下がってきている。
それに伴い、アリたちがゼリーを食べる量も減少してきている。
真夏の頃はすぐに無くなっていた量を食べ残している。
季節が進んでいるんだなぁ・・。
9月27日  キイロシリアゲアリの季節だ。
この週末辺り、また山に行きたかった。
しかし、2日とも雨予報。
夏の終わりころから週末に雨が多いような気がする。
お天気には勝てないけれど、消化不良気味・・。 
9月28日 トビシワ。

女王。問題ない。

働きアリと蛹。
9月29日  ムネボソにしてみた。

可愛らしいが、小さい。
最初の働きアリが羽化した後、給餌しているのになぜか増えない。
9月30日 久しぶりにクサアリモドキの女王が見える所に出てきてくれた。

ごつい体をしている。

この女王は以前いたクサアリモドキと異なり、腹部がそれほど肥大しない。
個体差なんだろうか。
とにかく、元気でいてくれてよかった。 

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