2018年3月の観察日記

3月1日 先日、コオロギを食べているキイロシリアゲアリとアズマオオズアリを取り上げたが、それ以外は肉餌は殆ど食べられていない。
餌場にポツンと置かれているのを見ると、少し寂しくなる。
産卵が始まれば忙しくなるのだが今の閑散とした様子を見ると、シーズンが始まって忙しくなるのが不思議に思える。
3月2日 昨年夏に、長野で採集したハヤシクロヤマアリ。

女王と働きアリの大きさが全然違う。
この女王2匹は、石をめくると共存していた。
良く考えたら、クロヤマアリの多雌創設状態を見たのって初めてだ。
クロヤマアリにせよ、ハヤシクロヤマアリにせよ、それほど集中的に飛行する種ではないと思う。どのようにして、この女王2匹が出会ったのかが気になる。
3月3日  昨年秋に採集したサクラアリである。

産卵もまだ。秋から変わり映えがしない。
サクラアリの飼育は初めて。
どれくらいで働きアリが羽化するんだろう? 
3月4日 昨日、コオロギを与えてみた。
そうすると、巣内に運び込まれていた。

ボケてますね・・。運び込んだのは、何かというと・・

クロヤマアリだ。このコロニーは大阪城で採集した「小型」の女王のコロニー。
今のところ、産卵は見られていないがクロヤマは肉餌をあまり食べてくれずに苦労しているのでこういう光景を見るだけで嬉しくなってしまう。 
3月5日 昨日と今日、少し暖かかった。
アリたちも少しではあるが餌場に出てくるようになってきた。
もうそろそろ、シーズン開幕なのだろう。
まずはクロヤマアリの産卵から始まるはず・・なのだが、どうなることやら・・。 
3月6日 暖かい日が続いたかと思えば、また寒い日。
アリたちも餌場に出てこない。
こういう日は見ていて退屈だ。
もう1か月したら各種とも産卵が見られるはずなので、今のように退屈はしないはず・・ 
3月7日 コオロギを餌場に入れてみると、アシナガアリは食べているようで数日して様子を見ると体の欠片が見られる。
アシナガアリは、働きアリがまだそれほど多くなく幼虫数も多くないので食べている塔実感があまりないのだが、ちゃんと食べてくれていることが嬉しい。 
3月8日  風邪気味で体調不良。
アリの様子をあまり見ることもできないのだが、餌場にアリは少ない。
部屋を温めているのだが今一つなのは少し寂しい。 
3月9日  コオロギは、フタフシ系のアリには食べてくれている種が多い感じ。
幼虫が比較的多い、アメイロケアリやケアリ、クサアリモドキはあまり食べてくれていない。
そんな中、コオロギを比較的食べてくれているヒトフシ系のアリが1種だけいる。
ヤマヨツボシオオアリだ。
わらわらと集まるわけではないが、数日後にはバラバラになっている。
まだ、幼虫の成長は見られないが栄養は蓄えてくれているだろう。 
3月10日  昨年、肉餌をコストの面からミールワームメインにしてみた。
全体的に見て、受けが良くないという印象だった。
アズマオオズは肉食が比較的強めのアリだと認識しているが、あまり食べてくれなかった。結果、数が少しずつ減ってしまった。
先日、コオロギを食べている画像を上げたがコオロギは安定感がある。
ただ、生き餌で与えるときに暑い時期は活動が活発になって与えるときに捕まえづらい。また、共食いをしやすいことも少しマイナス。
ハニーワームは良い餌だが、管理が大変だ。
大コロニーが沢山あれば問題ないが数がそれほど多くないコロニーや小型種には少し勝手が悪いように思う。
肉餌問題はここ数年、ずっと悩んでいるが中々これ!と思えるものが見当たらない・・ 
3月11日  とうとう、来た。この日を楽しみにしていた。

2日に紹介したハヤシクロヤマアリ。
卵が確認できた。状況からみて、2、3日前に産卵開始たと思われる。
これから増えて行くだろう。
他のクロヤマアリはまだ産卵していないが、今年もシーズンが始まった・・! 
3月12日 昨日のハヤシクロヤマアリ産卵に気を良くして他のアリたちの様子を見てみたが、まだ産卵は始まっていなかった。
しかし、今日以降暖かくなってくるという予報なので、産卵や幼虫成長が見られると思う。
そうなれば、給餌に追われる日々がまたやって来るだろう。 
3月13日 暖かくなってきた。

ケアリにコオロギを与えると、この通り。
ケアリも冬の間肉を与えても放置状態が続いていたので、このように反応してくれるのは見ていて楽しい。 
3月14日 昨日、ケアリに与えたコオロギは餌場で中身を吸い取られたように干からびたような状態になっていた。
中身を食べつくして殻を働きアリが少しせっついているような状態だ。
肉餌、少しずつ与えて行きたい。 
3月15日 クロオオアリ。

女王の腹部は小さく、産卵もまだ始まっていない。
何回か書いた気もするがこの女王、触角の一部が欠損しているが特に問題ないように思える。暖かい日が続いていたが、産卵開始はいつになるのやら。
3月16日 アズマオオズアリ。産卵を確認できた。

コオロギを与えているが、ミールワームよりずっと受けが良い。
数年前に飼育したときもコオロギで増えてくれたのでこっちの方が良いのかもしれない。
3月17日  サクラアリの産卵が1個体で確認できた。

卵。拡大しているが、実際は1ミリほど。
とにかく小さい。
サクラアリの飼育記録はあまり見かけない。
だから、どれほどで働きアリが羽化するかとかそういうことは良く分かっていない。
どうなっていくのか、楽しみ。
3月18日 クロヤマアリの働きアリだ。「何か」を咥えている。

卵だ。産卵が始まっているのだ。

卵塊の一部。これと同じような大きさのものがもう1つある。

女王アリ。この個体は「大型」の女王だ。
何だかどっしりした感じを受ける。 
3月19日 ハヤシクロヤマアリを引っ越しさせた。
タッパー容器だと、少し汚れが目立ってきたからだ。
餌場に入れて石膏巣への引っ越してくれるのを待っている。
いつものことだけど、このときは緊張しますね。
ちゃんと巣部屋に入ってくれるかなぁ、って。 
3月20日 ハヤシクロヤマアリの引っ越しから1日が経った。
しかし、働きアリが1匹巣部屋に入っただけで後は餌場。
正直、今の餌場は塗ってまだ時間が経っていないベビーパウダーの粉もあって、あまりここに長居してほしくない。
そこで、強硬手段に打って出た。
吸虫管ですべての個体を吸い取って巣部屋に放り込んだ。
最初からこうしなかったのは巣部屋の高さが高くなく、万一女王を傷つけたらどうしよう・・と思い、高さのある餌場から巣部屋に引っ越ししてくれることを期待していたのだ。
まぁ、落ち着いてくれているようだし、何とかなった・・かな? 
3月21日 ムネアカオオアリは産卵こそまだだが、女王の腹部が膨らんできている。

これが、栄養タンクとして膨らんでいるのか卵巣の発達によるものなのか、どっちだろうか。
3月22日 サクラアリが、卵を咥えているところを写してみたが・・

小さすぎて上手く撮れない。
卵の数はそれほど増えてはいないが、今のところ順調だと思う。 
3月23日 トフシアリ。

産卵はまだ見られない。大きな腹部が特徴的だ。
トフシアリの働きアリはとても小さい。卵はどれくらい小さいのかなぁ。
2006年頃に長野でコロニーを暴いたことがあったが、もうすっかり忘れてしまった(画像は残ってるのだけれど)。
3月24日  久々のウメマツオオアリだ。

女王が微妙になってしまっているが、至って元気。
働きアリの塊の下に隠れて上手く撮影できなかったが卵を1個確認した。
餌に選り好みが無いので飼いやすい種だと思う。
3月25日 アメイロケアリ。

女王の腹部は肥大化していない。
産卵もまだ始まっていないが、餌場に入れたコオロギは食べてくれる。
少なくとも、昨年のミールワームよりは食べてくれるような気がする。 
3月26日 各種に動きが出てきて、面白い時期になってきた。
今年はコオロギを与えてみよう。
細かい粉末が気になるが、ミールワームよりは食べてくれる。
ハニーワームより小さいので小型種でも対応できる。
ハニーワームも、色々なサイズがバラ売りしてくれたら良いのだけど・・。 
3月27日 産卵が見られなかったクロヤマアリ2コロニーでも産卵を確認した。
2コロニーとも2個。
これでクロヤマアリは全て産卵を確認した。
増えてくれるかなぁ・・。 
3月28日 クロオオアリの腹部が膨らんできたように見える。

産卵は、まだ始まっていない。
昨年はあまり増えなかった。
今年はどうなるだろうか。
3月29日 トフシアリの産卵が始まった。

卵にピントが合っていないが、数個確認できた。
トフシアリの飼育記録は少ない。
どれくらいで働きアリが誕生して増え方はどうか・・とか。
以前、あまりの小ささ故の脱走に閉口したキイロヒメアリのようにならないと良いけれど、こればかりはやってみなきゃ・・。
3月30日 クサアリモドキの女王が死んでいた・・。

こういう時、働きアリが女王を突っついているのは女王の様子がおかしいのを感じているのか、どういう風に気になる。
この女王は毎年、肥大化した腹部を見せてくれた女王だった。
クサアリモドキはもう1コロニーいるが、こちらの女王はそれほど腹部が肥大化していない。この差は何だろうか。
合掌。 
3月31日  ムネアカオオアリの卵を確認できた。

卵は1個だけ。しかし、最初の1個が大切だ。
これをきっかけにどんどん産んで欲しい。

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