10月1日 昨年誕生したクロナガアリの有翅メスはまだ生きている。
こういうのって、時期が過ぎれば働きアリに殺されると思っていたが、少々意外に思っている。
どこまで生きてくれるんだろう。
そして、どういう展開になるんだろうか。
10月2日 秋だ。
サクラアリの観察をしたいのだが、中々週末に時間が取れない状態が続いて野外観察にすらここ数週行く暇がない。
充実していると言えば聞こえはいいが、観察、行きたい・・。 
10月3日 アメイロケアリの女王を採集して、そろそろ3か月になる。
繭はあるのだが、まだ羽化には至っていない。
そろそろ、気温も下がり始める時期だ。
大量の働きアリ羽化には至らないまでも、あのオレンジ色の働きアリを早く見てみたい・・。 
10月4日 昨日、取り上げたアメイロケアリを写してみた。

女王(のお腹)。
腹部はまだ大きいが卵が滅茶苦茶な量あるわけではない。

繭の山。
これらは年内の羽化が見込めそうだ。 
10月5日  ケアリの女王にした。

立派な女王。
こうなってくると、安定感が出て貫禄めいたものが出てきたように思う。
10月6日 トビシワ。

蛹が沢山。幼虫は少し数が減ってきたが、新女王からの育成にしては、久々の「わしわし増える」のを実感できている。
10月7日 思えば、クロオオアリを最近写していなかった。

女王アリ。
いつ見ても、大きくボリューミーである。
これくらい大きいと、観察もしやすい。 
10月8日  キイロシリアゲアリの働きアリと幼虫。

この働きアリはアメイロアリと同じくらいの美しさだと思う。
飼育した感じではアメイロアリよりややタフな気がする。
10月9日 ナワヨツボシオオアリである。

待望の働きアリが生まれた。
先日のように、あっさり死んでしまわずにコロニーのために長生きして働いてほしい。
10月10日 とうとう、待ちに待ったこの日が来た。

アメイロケアリの働きアリが羽化したのだ。
今日、羽化を確認したのは3匹だ。
いずれの個体も画像のように体色が淡い。
羽化してまだ時間がそれほど経過していないと思われた。
女王を採集しておよそ3か月。
来年は黄色い働きアリ沢山に期待だ。
10月11日 クサアリモドキにしてみた。

繭も残り少なくなった。これらが恐らく今年最後の繭だろう。

小さな幼虫を世話している働きアリ。
このまま越冬すると思われる。
10月12日 トビシワの食欲には正直驚いている。
ミールワームの殻まである程度食べてくれるからだ。
他のアリでは殻は残すのが大半だ。
ところが、トビシワは殻まで齧る。
この食欲こそ、一気に増えてきている活力そのものなのだろう。
でも、そろそろ気温が下がり始めた。
一体、いつまで蛹を生産し続けるのだろうか。 
10月13日 クサオオアリ。

女王アリのお腹は大きいが、卵が数個だけ。
・・・すさまじく厳しいぞ・・。
先日、死亡した女王のコロニーから導入した大きな幼虫は食べてしまった・・。
10月14日  ヤマヨツボシオオアリは結局今年も大して増えなかった。
春ころ、繭が沢山あったので増勢を期待したが、数的に昨年とほとんど同じコロニー規模だった。
それでも、数年前までの手探り状態に比べたらまだ大分ましなのだがやっぱり飼育しているからにはわしわしと増えてほしいと思ったが、結果は今一つだった・・。 
10月15日  久々に枚岡公園を歩いてきた。

ツマグロオオヨコバイ。この個体はアジサイにいた。

エンマコオロギ。お腹が大きい。産卵が近いのかもしれない。

日向はまだ暖かく、チョウが日向ぼっこしていた。

そして、肝心のアリだが、全く見どころがなかった。
運が良ければトゲアリを見ることができるかと思ったが、全く影も形もなかった。
キイロシリアゲアリは恐らく今年は時機を逃してしまったと思う。
ハヤシクロヤマアリやクロオオアリはまだ活動が見られたが真夏の活発さは感じられず、動きが少し鈍い。
今年の活動時期もそろそろ終わりが近いと実感した1日だった。
10月16日 大阪城公園でサクラアリの観察に出かけた。
サクラアリの結婚飛行の時期は秋だと言うことは分かっているのだが、10年以上前に1度だけメスアリを採集して以来、メスアリの採集はしたことがない(オスが飛び立つのは2010年に見た)。
働きアリ自体は見かけるし、それほど広範囲に分散しなさそうな感じなのだがメスアリが見つからない。
私が観察できない時に飛んでいるのか、飛ぶ数自体がそれほど多くないので見つけられないか、メスアリの観察しやすい場所を私自身がまだ発見できていないのか・・? 
10月17日 先週にアメイロケアリの羽化について書いた。
それから少しずつアメイロケアリの働きアリが羽化してきている。
まだ、全体で20匹もいないのだが、黒いケアリの中に淡い色のアメイロケアリが見られると、何とも言えない充実感を得られる。
アメイロケアリの働きアリが増えてきたら、餌はどうしようか。
ちゃんとケアリと同じように餌を食べてくれるだろうか・・ 
10月18日 ナワヨツボシオオアリは、働きアリが羽化した後繭が幾つかある状態になっているのだが、そこからが進展しない。
繭が死んだわけではなと思うのだが、働きアリ1匹だけというのは物凄く心許ない。
せめて3匹は働きアリが欲しい。
1匹だけだと不慮の事故で死んでしまった場合のダメージが大きすぎる。
そんなわけで、毎日やきもきしながら観察している。
これで軌道に乗せることが出来たら、喜び、充実感もひとしおなのだがうまく行くかな・・。
10月19日  ケアリである。

卵がまだまだみられる。
恐らく、これらは孵化した後越冬幼虫になると思われるが、10月も3分の2が過ぎようとしているのに、まだ卵が沢山あるということに少し驚いたりする。
外気温が高い状態が続いているのも一因かもしれない。 
10月20日 7月に、枚岡公園で採集したケアリの女王のコロニーだ。

アメイロケアリ用に導入したケアリの繭をほんの数個導入しただけだがそれが吉と出て自前の働きアリもどんどん生産する体制に入っている。
今年は、まだ数的におとなしいが来年にはどれだけ増えてくれるか・・。
今から楽しみだ。
取りあえずは、冬の間にこの勢いを削がないようにしたいと思う。
10月21日 クサアリモドキもそろそろ幼虫ばかりになって繭が無くなってきた。
クサアリモドキは飼育して思ったのだが働きアリに好き嫌いが少なく割と何でも食べてくれる印象が強い。
肉餌もミールワームもハニーワームもよく食べてくれたが、野外コロニーが良く芋虫系の餌を運んでいるのを見ると、ミールワームよりハニーワームの方が良いのかもしれない。
コストの面では圧倒的にミールワームに軍配が上がるんだけど・・。
10月22日  アメイロケアリは少しずつだが働きアリの羽化が続いた。

幼虫の世話をしているアメイロケアリ。

アメイロケアリの働きアリはまだ多くないので、ケアリの働きアリもアメイロアリ幼虫の世話に参加している。
見たところ、不安要素はないがアメイロアリが増えてからが本番だ。
10月23日 朝夕、すっかり涼しくなった。
そろそろ、クロナガアリの「温室」に火を入れることを考えなくてはならない。
真冬は、ここ数年恒温機で加温することはしていないが、クロナガだけは加温しないとダメな気がする。
加温するということは、乾燥しやすくなるということだ。
給水に気を遣わなくてはならないだろう。
10月24日 クサオオアリ。
極めて厳しい。
働きアリはおろか幼虫もほとんど見られなくなってしまった。
今いるクサオオアリは以前に働きアリを生産した女王とは違う個体だ。
この個体は子育てが上手でなく、幼虫を食べる癖があったので心配したのだがそれが現実化した。
女王が死んだクサオオアリから育った幼虫を入れてみたが食べてしまった。
給餌はしている。
それなのに・・。
・・・難しい・・。 
10月25日 雨が降って少し冷えた1日だった。
アリたちの活動も少し鈍った気がする。
具体的には餌場のアリたちの動くスピードが少し鈍ったように見える。
もう、11月か・・。
もうすぐ、本格的に冷えると餌場に出てくるアリたちも少なくなってしまうんだろう。
越冬前の最後のエネルギー充電期間と言える。 
10月26日 久々にムネアカにした。

ファイルを確認して気が付いたのだが、8月以来写真を撮っていなかった。
どのコロニーも働きアリが20匹ほどだが安定感はある。
女王の突然死さえなければ発展できそう。 
10月27日 そういえば、今年はキイロシリアゲアリにオスアリは1匹も生まれなかった。
昨年はオスアリがそこそこの数誕生したが今年は皆無。
あれ?こういうのってあるのかな?と思った。 
10月28日  ヤマヨツボシオオアリは結局ほとんど増えなかった。
働きアリが羽化しないということではなかったのだが、トータルではほぼ増減なし。
零細とは言わないが、数的に少し寂しい。
ハニーワームが当たりだと思ったんだけど、結果は今一つ。
ヤマヨツ、苦戦の匂いを感じる。 
10月29日  大阪城にサクラアリの観察に出かけた。
今日は、風が強く吹いていたせいか羽アリは全く見かけなかった。
大阪城のサクラアリ。
案外ハードルが高く、一度脱翅メスを見かけて以来ご無沙汰だ。
それほど分散性が強い種だとは思わないので、働きアリが多くみられる辺りでメスアリの観察ができると思っているんだけど・・。 
10月30日 ナワヨツボシオオアリに2匹目の働きアリが羽化していた。
残る繭はあと1つ。
恐らくこれで今年は「打ち止め」だろう。
2009年だったと思うが野外でナワヨツボシオオアリと思われる蟻の初期コロニーを出したことがあった(女王を傷つけたので持ち帰っていない)。
あの時、10匹近い働きアリがいたのだが我が家ではこの成績。
クサオオアリのことを考えると、まだ働きアリがいるだけましなのだが、何が悪いのだろう・・。 
10月31日 朝は冷え込んだが、日中は気温上がったようだ。
クサアリモドキの働きアリが餌場にわらわらと出てきていたので、蜜を与えた。
そうすると、わらわらと集まって一心不乱に蜜を舐めていた。
こういう風景、何だか癒される・・。 

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2016年10月の観察日記