2016年6月の観察日記

6月1日 ヤマヨツボシオオアリで働きアリの羽化を観察できた。

働きアリ2匹が蛹の表面をなめて薄皮をはぎ取っていた。
6月2日 5月に枚岡で採集したムネアカオオアリの新女王アリの1匹が死んだ。
産卵が始まってこれから・・という時に。
新女王の急死にはもう昔ほど驚かなくなったがやっぱり・・ね。
合掌。 
6月3日  5月採集したアメイロアリはどうなったのかというと・・。

幼虫がだいぶ育った。
卵も多く、働きアリ誕生後も増えてくれそうだ。
6月4日 淀川河川敷に出かけた。

トビイロシワアリの脱翅メスがいた。
やはり飛んでいたのだ。

脱翅メスの死骸を運んでいる働きアリ。

生きている脱翅メスに噛みついている。

翅を落とす前に死んだ羽アリ。

生きているメスアリ。翅がついたままだが採集した。
今日はトビイロシワアリのメスアリを2匹採集した。
オスは見かけなかった。

大阪城に移動。
クロヤマアリの有翅メスを3匹と脱翅メスを1匹採集した。
脱翅メスはクロヤマアリの働きアリに左足を挟まれて離れたところでぽいっという感じで放されたのでほかのコロニーに近づきすぎた「小型」女王が排除されたのでは、と思った。
1か所、コンクリート片があってそれをめくるとクロヤマアリの繭があった。
20ほどではあるが採集できた(それほどたくさんあるわけではなかった)。
このコンクリート片、結構貴重な繭の供給源になりそうだ・・。 
6月5日 先月、枚岡で採集したミカドオオアリとヨツボシオオアリ。
全く変化がない。
ミカドは翅を落とさない。
ヨツボシも全く産卵しない。
正直、ヨツボシは少し期待していた。
産卵くらいはしてくれると思っていた。
両方とも、未交尾個体を採集したのだろうか・・。 
6月6日  一昨日、大阪城で採集したクロヤマアリは変化なし。
トビシワも産卵していない。
これも、未交尾のものを採集したのだろうか。
いや、クロヤマアリもトビシワも翅を落としているものを1個体ずつは採集したのできっと産卵してくれるはずと思っているのだが、どうなるのだろう・・。 
6月7日 5月に脱翅メスを採集したミカドオオアリ。

腹部が大きいのはメイプルを飲ませているためだ。

卵が見える。
女王の頭部が邪魔になっているが数個見られる。
問題はこれをいかに働きアリまで減らさないで持っていくかだ・・。
6月8日 クサアリモドキの羽化ラッシュの様子にした。

頭でっかちで可愛らしい。

羽化して間もない働きアリのそばで幼虫がハニーワームの欠片を齧っている。
6月9日 5月に新女王を採集したムネアカオオアリはどうなったのだろうか。

繭ができている。
採集から1か月も経過していないのに、もう繭。
今月中には働きアリが見られそうだ。
6月10日 シベリアカタアリが調子が今一つ。
働きアリがぽつぽつと死んでいる。
幼若個体はいるので壊滅的危機ではないが、なんだか気味が悪い。
ルリアリと言い、カタアリの仲間はどうも私には相性が良くない気がしている。 
6月11日  昨年採集したクロヤマアリで単雌コロニーがある。
こっちのほうが働きアリが若干多く、繭も入れてこれから発展してくれると思っていた。
しかし、また「アレ」が・・。
女王が死ぬというあの症状だ。
働きアリは元気でコロニーの様子がおかしいということはない。
なぜに、女王だけ…。
導入した繭からは働きアリがまだ羽化していないので女王2のコロニーと先日大阪城で採集して唯一産卵している女王のいる2コロニーに振り分けた・・。
合掌。 
6月12日 大阪城に昼から観察に出かけた。
この前、繭を確保したコンクリート片は撤去されていた。
よく手入れされている場所とはいえ、残念無念・・。
もう少し、じっくりと・・と思っていると、小さな雨が降り始めた。
それでも、今朝飛んだと思われるトビイロシワアリの脱翅メスを続けて2匹確保することができた。
クロヤマアリは今日は見かけなかった。
本当は半日くらいじっくりと観察、探索したかったのだが天気には勝てなかった。 
6月13日 アメイロアリは蛹になった。

まだ、蛹の色は白いがこれだけ蛹があれば働きアリの羽化は大丈夫だろう。 
6月14日 先日、大阪城で採集したクロヤマアリ。
1匹だけ産卵している。
この1匹は最初から翅を落としていてクロヤマアリの働きアリに足を咥えられていて私の見ている前でごみを捨てるようにぽいっとされているところを確保したのだ。
この新女王アリは数個産卵していたが、今までの「小型」の女王とは少し異なり卵の世話を熱心にしているのだ。
今までの事例から「小型」女王は卵を産みっぱなしで世話しなかったことが多かったのでそういうものかと思っていたが、必ずしもそうでもないのかもしれない。
しかし・・なかなか大阪城では「大型」のクロヤマアリ、見かけないですね。 
6月15日 ヨツボシオオアリも、ミカドオオアリの有翅メスも変化がない。
産卵しないので未交尾ではないかと思ったりする。
ヨツボシオオアリは4枚の翅のうち3枚を落としていたので期待していたが・・。
産卵しないことには何も始まらない・・。 
6月16日 ハニーワームは良い餌だと思う。
どう言う所が良い餌かというと、食べ残しが出ない、出にくいと言う所だ。
チクシトゲアリに与えるとほぼ完全に食べつくしてくれるので、コナダニが発生しにくいと思う。
他の種類でも大抵体液を吸いつくされた小さな塊になるだけなので、撤去が楽。
ただ・・割高な感じが・・。 
6月17日 アメイロアリで働きアリが羽化した。

小さな働きアリだがやっぱり成虫は嬉しい。

羽化後間もないと思われる色の薄い個体。
このコロニーでは今日の時点では上の画像とこの画像の2個体だけだがまだ蛹が数個あるので第一陣は出そろいそうだ。
6月18日 大阪城に観察に出かけた。
天気は申し分ないのだが、クロヤマアリのメスアリを見かけない。
辛うじて、1匹飛んでいくのを観察したがそれだけ。
脱翅メスはいなかった。
今日はもう少しクロヤマアリ、見られると思っていたが・・。
6月19日  昨日のお昼のことだが、気温がかなり上がった。
このままだと恒温機内のシロアリがダメになると思い、今年も稼働させた。
シロアリは気温が上がるとすぐにダメになってしまうので、ぎりぎりセーフという感じだった。 
6月20日 昨年、一昨年とクロヤマアリの寄生バチを取り上げた。
もちろん、今年も観察に出かけている。
しかし、どういうわけか見当たらないのだ。
いないことはないと思う。
それなのに、今まで見られたクロヤマアリの巣口付近に姿が見えない。
探しているがクロヤマアリに付きまとうように飛ぶあの姿を今年は一度も観察できていないのだ。
なぜか、原因がわからない。
今年はあの寄生バチの写真を撮影したい、寄生したクロヤマアリの飼育をしてみたいと思っていたが当てが外れている・・。 
6月21日 クサアリモドキの女王陛下。

こんなに大きなお腹をしているのに、普通に動き回れることにも驚く。
6月22日 卵の画像だ。

女王2匹のトビイロシワアリの卵なのだ。
トビイロシワアリは数年、複数雌で飼育しても仲が良くない場合が続いていたが今年の2匹は仲良くやっているようで卵がこれだけある。
これだけの数が羽化したら今年のうちにかなりの働きアリが生まれてくれそうだ。
6月23日 今年のクロヤマアリ観察はうまく行かない。
天気が良くないことが多く、思ったほど観察に出かけられないのだ。
自然のものだから、天気とけんかしても仕方がないのだが、何だかやるせない・・。 
6月24日  シベリアカタアリは苦戦している。
働きアリも生まれるのだが、死亡率も高い。
結果、徐々に減っているという状態だ。
餌の食いは良い。
ミールワームのかけらも頭を突っ込んで食べてくれる。
それなのに、ぽつりぽつりと死ぬ。
何が良くないのだろうか。 
6月25日  ミールワームは、3箱購入している。
そのワームは2日に1回のペースで給餌しているのだが、この気温の高い時期だ。
蛹になるのも早い。
この蛹、案外餌としてお手軽だ。
刻まなくてよい。
餌場に放り込むだけで狩りが始まる。
アリたちは狩りの本能を満足でき、私は手間が省ける。
一石二鳥っぽい感じだ。 
6月26日  大阪城にクロヤマアリとそれに寄生するハチの観察に出かけた。
しかし・・寄生バチは全く見つからない。
一体どこに消えたのだろうか。
また、羽アリの方もオスアリが1匹いただけでメスアリは全く見かけなかった。
ちなみにオスは採集して自宅で羽を落とさないメスアリと同居させて交尾を試みている。
うまく行くか・・ 
6月27日 クロヤマアリのメスアリとオスアリを同居させているが、交尾している形跡が全くない。
昨年はそうやって翅を落とした個体がいたのだが今年は一向にそういう気配がない。
厳しい・・のか? 
6月28日  数日、涼しい日が続く。
恒温機を稼働させなくともよいのは都合がよいが、それでもシロアリがいるのでそろそろ稼働を念頭に入れなくてはならない。
シロアリは高温に弱いですから・・。
ちなみに、シロアリは餌として飼育しているのではなく単純に興味があるから飼育していてそういう意味ではアリへの興味と似たものもある。 
6月29日 5月に新女王を採集したムネアカオオアリコロニーでは働きアリの羽化が始まっている。

まだ、体がゴツくなく、弱弱しいがちゃんと働く。
ムネアカオオアリは、全ての新女王が働きアリを育成した。
中々優秀だ。
6月30日  ・・・と思ったら、ムネアカオオアリの新女王のうち1匹が死んでいた。
働きアリも5匹生まれて、これから・・という時にだ。
何だかなぁ・・
合掌。 

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