2012年6月の観察日記

6月1日 アズマオオズ。採集した時の幼虫が蛹になって蛹の山ができている。

画面外にまだ山があって卵幼虫もみられる。
一時ほど要求が多くなくなって肉餌への欲求も少し落ちたように思うが、見ていてとにかく活気がある。

卵を運ぶ働きアリ。もちろん女王も元気である。
6月2日 先週採集したクロクサ。
アメイロケを少しずつ導入中である。

導入直後はクロクサアリの足に弱く噛みついたり大顎を開けて威嚇行動を見せるものもいるがすぐに収まって栄養交換が見られる。 
6月3日 今日もにわか雨予報が出ていた。
それに昨日同様風が冷たく、どうしようと思っていたがいつもと趣向を変えて淀川沿いの城北公園付近にクロヤマアリのメスでもいたら良いなぁと思って実地調査で出かけた。

結論から言うとクロヤマの女王は見つからなかった。
トビシワとシリアゲを見ただけでクロヤマ自体があまり見つからなかった。
今回は川のそばの道を走ったのだが堤防上はもう少し違っていると思うがそちらは今日は調べていない。

収穫がないので写真も少ないが、ベニシジミ。個人的にかなり好きな部類のチョウ。

何の花だろうか。小さなハチ(カリバチのような体形だった)が沢山吸蜜に訪れていた。 
6月4日  ムネアカの女王様にメイプルを飲ませた。

お腹がこんなに。俗に言う「ボンレス」状態。
これで女王自体に栄養を取らせながら飼育すると割と幼虫や蛹を食いつくすことは少ないような感じ。
ただし、新女王の場合、最初の卵世代が何らかの理由でほぼ全滅してしまうと復活は難しいような印象は持っている。 
6月5日 4月採集のクロナガコロニーは蛹ができ始めた。

数は少ないが少しずつ成長しているようだ。
まだ大半は幼虫だがこれからどんどん蛹になるだろう。
6月6日 アメイロケをホストにしたクロクサ。
どれもそれなりに順調だ。
この前紹介した以外にも3匹いるが今のところ問題ない。
ただ、どれもがスポンジを掘りぬいて部屋を作ってそこにこもった。
容器は透明なので下からのぞきこめば見えるが撮影が困難。
寄生種はデリケートなのであまり刺激したくない・・ 
6月7日 ケアリコロニーの一つでそろそろ小タッパーの容量をオーバーしそうになってきて、餌交換の際に働きアリがわらわらと上がってくる。
少し蓋をして放置したらまた戻って行くので大脱走ということにはならないがこの分だと遠からぬ未来溢れるのが目に見えているので引っ越しさせないといけないね・・ 
6月8日  明日から小田原集会のため、給水を十分行ってコロニーの様子を見ていた。
と言ってもこの作業をしたのが朝。
夜は帰宅後すぐに風呂に入って出かけるので夜は見てやることができないが特に問題は無いので出かけてる間の不測事態は回避できてる・・はず。
6月9日  小田原集会初日。
あいにくの雨模様。
しかも降り方が結構激しく、とても外に出られるような雰囲気ではなかった。
夕方まで近藤先生のお話を聞きながら皆さんとお喋りしていた。
夕方、急に天気が回復し、晴れ間が出た。
小田原城を近藤先生の案内で歩く。
ウメマツオオアリのはぐれ女王?が看板にくっついていた以外は特にめぼしい収穫は無かった。
夜、バードさんが到着され、お話も盛り上がったが私自身が小田原に行く高速バスであまり眠れなかったことが災いして(お酒が入って尚更)猛烈に眠くなってKOされてしまった・・・
6月10日  この日は箱根強羅方面に出かけた。
おおのさんが朝到着され、すぐ出発。
強羅駅で電車を降り、そこから山道を下りながらアリ捜しを行った。
シロアリの飛行に遭遇した以外は女王様も見つからなかった。
アメイロアリのオスが数匹縄張りを張っている個所があったがメスがいなかった。
交尾相手、いるのだろうか?
13時頃、小田原駅で皆さんと別れて帰路に就いた。
帰りの新幹線ではずっと寝ていた。

今回、つくば・あべ氏、いるまえかわ氏、シン・ハン氏、YASU氏(9日に少しの時間参加された)、バード氏(9日の夜からのご参加)、おおのやすよ氏(10日の朝からご参加)、そして私あにまりあ。
更に食事や寝場所を提供下さり、小田原城、強羅を案内下さった近藤先生。
皆様には本当にお世話になって色々なお話を聞くことができてあっという間の2日間を過ごすことができました。
この場でお礼申し上げます。
ありがとうございました。 
6月11日 今年の初めに枚岡の朽木から出た多女王のウメマツオオアリ。
最近羽化が始まったが・・

働きアリも羽化したがここ数日オスが出てきた。

やっぱりオスだ。しかも羽化したて。
近藤先生にこの多女王のウメマツオオアリの話をしたらとても驚いておられた。
そして羽化したのがオス。
どう解釈したらいいのか・・
ちなみに大コロニーで飛行し損ねた居残りメスではなく明らかに初期コロニーなのだ。
わからぬ・・
6月12日  今年飛行のアメイロアリ。
少数採集しただけで基本放置だったのだが、写真撮影した。

小さいけど、幼虫ちゃんと育ってるのね。
6月13日 これは去年採集したクロオオアリで常温で飼育しているものだ。
4月頃から活動が始まり、今はまさに沢山の幼虫がいる状態になっている。

繭と小さな幼虫を写した。

上とは少し離れたところに大きく成長した幼虫がおかれていた。
コオロギはあまり食べてくれず、今はミールワームの方が受けがいいみたい。 
6月14日 先月採集したクロオオアリ。
基本的に給水以外は蓋をあけてみることもなく(女王が生きてるかは透けて見えるので)かなり放置っぽいのだが写真を写すついでに様子を見た。

幼虫が育っている。

女王もこのとおりお腹も大きく、健康そうで問題ない。
6月15日  春にハニーワームが羽化した時、その羽化したガを容器に入れて幼虫の餌を入れたまましばらく放置していた。
今日見たら中サイズのハニーワームが天幕を容器中に張り巡らせて這いまわっているではないか。
入れておいた餌を見たら食いつくされていた。
慌てて餌を導入。
でも、購入した餌はこれでおしまいなのでtenさんのブログで紹介されていた餌を作って何とか餌の累代飼育をしていきたい。 
6月16日 クサアリモドキはまだ産卵が続いている。

いざ取りこんでみたら卵塊より働きアリにピントが・・・

幼虫も育っている。
結露がある部分にある関係で繭と女王は写真に写せなかったが問題ない。 
6月17日 昨日はほぼ一日中雨だったが今日は晴れて暑くなった。
枚岡も考えたが先々週の城北公園付近が気になったのでそちらにした。

トビシワの有翅メスが歩いていた。この周囲ではトビシワの脱翅メスが死んでトビシワの働きアリに運ばれている光景があった。

脱翅メスの後脚に噛みついている。

アスファルトの上で死んでいた脱翅メス。

この脱翅メスは元気に歩いていた。

オスの死骸を運んでいる。トビシワはオスも働きアリよりずっと大きいのだ。

上とは別のオスの死骸。お腹の先端が割れているように見える。交尾できたのだろうか。

大阪城に入って地面で見つけたクロヤマのオスの死骸。これともう1匹隣接するように死んでいた。ちなみにこの後眼を皿にして地面を見て回ったが女王を見つけることは無かった。しかし、大阪城公園でクロヤマの羽アリを見つけたのは初めてだった。

おまけ。こんな橋がある。JRの貨物線と人の通る通路が柵一つ隔てただけなのだ。
以前新聞で見たので有名なのかもしれない。

城北大橋付近から対岸を望む。奥が淀川で手前は「わんど」と呼ばれる。「イタセンパラ」という魚が住んでいるらしく、立て札があった。
6月18日 アズマオオズは兵アリが生まれているのを見つけた。

色が淡く、少し弱弱しい感じを受ける。でも時間がたてばちゃんと赤色に変わっている。

女王。2コロニーとも至って元気であるが、働きアリの数が多い方はまた最近卵を次々と産みだすようになった。

そのコロニーにコオロギを与えるとこんな感じ。一時期肉餌はあまり食べない時期があったが産卵開始とともにまた凄い食欲になってきた。
6月19日 昨夏に新女王を採集して立ち上げたトビイロケアリ。
その中でも働きアリが増えてそろそろ小さなタッパーでは給餌や掃除に苦労するようになったので先日引っ越しさせた。

ミールワームの断片をせっついている。

幼虫の世話をしている働きアリ。

幼虫塊。もちろんこれ以外にもいる。色艶も良い。

女王と働きアリ。女王は「ボンレス」ではないが卵をよく産んでいる。
6月20日 先月、1匹だけ採集できたヨツボシオオアリの女王。
覗いてみたら繭があった。

少し繭がぼけているが、この画面外にもう1つある。
写真を見る限り合計10個体の幼若個体がいる。

女王。メラミンスポンジの陰に隠れてしまった。
このヨツボシは暗い本棚に時折スポンジの湿度を見るくらいで殆ど完全放置に近い。
案外それが功を奏してるのか?
6月21日 昨年採集したクロナガ。昨年7月26日にオスが誕生していたと書いた。
そのオスは今でも生存している。飛ばないとすぐに食われると思っていたが・・
そしてあれから約1年。またオスが生まれていた。

オスはこれで2匹。
しかもオスのような形態の蛹をもう1つ確認できているので3匹は出てくることになりそうだ。
他のコロニーではオスは出てこず、しかもこのコロニーもオスがどかどか出てくるわけではなく、単純にこの時期にパラパラと産出されているだけだ。

大きく育った幼虫。隣に羽化間近の黒くなった蛹が見える。
6月22日 仕事中、クロヤマアリの有翅メスアリを見つけた。
丁度周囲にだれもいなかったので収容した。

帰宅後、タッパーに収容したもの。
このメスが交尾しているかは全く分からない。交尾していることを祈るだけだが、どうなることやら・・
6月23日 午前と午後パートに分けて違う場所に出かけた。

まず、午前は淀川河川敷。
先週、トビシワのメスを見かけたので飛行してるならばそれを見たいと思い出かけた。

到着後、すぐにメスアリを見つけた。
ただ、先週ほど大規模ではなかったようで死骸も少なかった。 

同じトビシワに運ばれる羽アリの死骸。

地面に転がる脱翅メスの死骸。

午後から大阪城公園。何としてもクロヤマを探し出す意気込みで出かけた。
歩いていると季節外れのクロナガがいた。

周囲を見たがこれ1匹だけだった。
午後3時20分頃、クロヤマの有翅メスを見つけた。
写真を撮ろうとしたらマラソンの一団が。
それに驚いたのか飛んで行ってしまった・・
その後も探し続けたがクロヤマは見つからず。
あきらめて帰ろう・・と午後5時頃公園内を走っていると目の前で動くものがあった。
アメイロケアリの有翅メスだった。
とにかくちょこちょこ動いて挙句の果てに一瞬のすきを突いて消えてしまった。
しかし、ここにいることは周囲に飛んだのがいるかも・・と思い、少し探すといたのだ。

翅を落としていないがケアリワーカーを「はみはみ」している。
6月24日 昨年採集したクロオオアリの恒温機で維持しているコロニー。
今日見てみたら女王「だけ」死んでいた・・

昨日までは問題なかったのに、これだ。
うーん・・合掌。
6月25日 お昼にクロヤマアリのメスアリを見つけた。
今度は翅を3枚落としている状態で、有望だ。
帰宅後、容器に収容。

うまく育成できるかな・・ 
6月26日 5月に採集したアメイロアリ。羽化が始まった。

羽化して間もないと思われる働きアリ。色が淡い。

女王と蛹以下幼若個体群。卵が下に見えているが本当に小さい。 
6月27日 土曜日に採集したアメイロケアリ。
どうも手ごたえに乏しい。
ケアリワーカーからの死に至るほどの攻撃は受けていない。
ただし、ケアリはケアリで集まってその中にアメイロケアリが入っていない。
今までの経験からうまくいくときはすぐに取り巻きができたがどうも・・ 
6月28日 久々のヤマヨツ。最近、餌場と巣部屋を繋ぐチューブに卵や小さな幼虫を詰め込むようになった。

一見うまくいってるようなのだが、成長した個体がいなくなっている。
これは一体・・?ヤマヨツ症候群なのだろうか。
6月29日  ムネアカ。順調に蛹まで来ている。

繭と幼虫、卵。画面外に大きく育った幼虫が一匹いる。

そのコロニーの女王様。赤い色が何とも美しい。 
6月30日  今日はクロオオアリ。ムネアカと大体同じような経過をたどっている。

小さな幼虫を運ぼうとしている。

幼虫と卵。
 
胸をアップ。翅の痕が見られる。

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