2011年8月の観察日記

8月1日 7月半ばに採集したケアリの女王。タッパーに入れて恒温機に入れていて放置状態だったが今日見たら幼虫が孵化していた。

こんな感じでごちゃっとある。

また別の女王のところのもの。これは一か所に固めてくれていて写しやすかった。
ただ、タッパー飼育で恒温機なので若干結露がある。働きアリが羽化したら結露管理はきちんとしないと・・
8月2日 今年採集のアシナガ。卵を産みはじめた。

頭部の下に、卵塊があるが、どしっとしていてどいてくれなかった・・

腹部側。この女王のボンレス腹部、好きだなぁ。
8月3日 去年入手して立ち上げたアメイロケアリ。今日はアリ自体ではなくそれに付随する面白いものが見られたのでご覧いただきたい。

これ、石膏を削って容器内で塔のように積み上げているのだ。

アリとの大きさとの比較。かなり大規模な「オブジェ」だ。
8月4日 クサアリモドキの女王が1匹また脱落した。
これで生きているのは2匹だけになった。
2匹とも取り巻きはできている。
その内の1匹は働きアリがやや少ないせいで取り巻きの密度もそれほど濃くないがもう1匹、タッパーに放り込んだ奴は女王が見えないほどケアリワーカーに取り巻かれて過ごしている。
ミールワームを入れてやると結構食べている。
でも、今から産卵を開始しても働きアリの羽化は来年だろうね。
8月5日 久々のアメイロアリ。最近、すっかりおとなしくなってしまった。

働きアリはお腹も大きいが、数が幾分減ってしまった。
雰囲気的にそろそろ今の容器を引っ越しさせたほうが良いとも思う。

卵も少なくなったがまだ存在している。ただ、どうも活性が低い。
越冬モードに入ったためと思っているがその辺の判断は結構迷う。
8月6日 クサアリモドキとアメイロケアリを引っ越しさせた。
観察がしづらいのと、薄い容器の方がスペースを食わないからだ。
しかし、3つの入れ物のうち、1つで問題が起こっていた。

遠くから見たらこんな感じだ。

・・近づきすぎましたか・・?
蓋をすり抜けている働きアリがいるのだ。
これは以前体験してエラい目にあったことがあるので、それ以来容器のふたはグルーガンで接着しているが今回は連結チューブのグルーガンの甘いところから若干脱走が見られた。
当然すぐにふさいだ。
引っ越しを週末にやろうと考えていた理由はここにある。
万一、脱走が見られた場合、平日だと時間が限られて対応できないことが考えられる。
そのために週末作業にしたが、今回は一応それが功を奏した感じだ。
しかも厄介なのは普段見ているときは蓋をすり抜けず容器内部に収まっているので脱走経路が見つけにくい。
恒温機に入れたらこのようなことになる場合がある。

ちなみにそのコロニーの女王。この写真撮影時はずっと腹部を曲げていて腹部は写せなかったが大きくなっている。しかしま白い節が見えていないのでまだもう少し膨らむだろう。見ていたらしきりに口移しで栄養を貰っている。
8月7日 今日はアメイロケアリの行動観察を行った。
いや、本当は予定にはなかったのだがどうもこの新しい容器の接着部に漏れがあったようでちょこちょこと脱走している雰囲気があったので(そして実際漏れがあったのだが)その穴を探そうと脱走の現場を捉えようとしていたらいつの間にか女王の行動観察につながったという訳だ。
この女王、最初は取り巻きがいたが最近繭山の上に入るものの働きアリの取り巻きをあまり見ないうえ、産卵がまだなのでどういう事かと思っていたのだ。
観察していたらとにかく口移しのおねだりの頻度が凄い。
これはクサアリモドキと同じくらいの頻度でおねだりしていた。
しかし、クサアリモドキと違うのはやや落ち着きがないこと。
時々、急に働きアリのいる場所から走り出して餌場にまで出てきて走ってまた戻る。
そしてまたおねだり・・
走る頻度はそれほどではなかったがどうなんだろう?
ちなみに観察は午前クーラーを付けていない室温環境で行った。

女王の側面。

背中側。何だか今日の観察期間中に腹部が大きくなったように思う。
ちなみにケアリの数だが働きアリが約50、繭も同じくらいあるので最終的に100ほどになる見込みだ。
8月8日 クサアリモドキのうち1匹が産卵を開始した。
まだ5個ほどだが朝にはなかった。
多分これから一気に産卵すると思われる。
それに伴ってだろう、肉餌の消費が急に伸びた。
肉餌、蜜餌を切らさないように越冬幼虫をできるだけ多く得ることが目標になってくる。
8月9日 クロヤマアリ。今年でもう4年我が家で暮らしている。
今年は温め始めた期間が早かったのに、まだ繭が10個ほどだが残っており、今日は羽化したての若い働きアリが1匹見られた。

白い働きアリ。大きさはそれなりなのでまぁ及第点かな。

繭。10個ほどまだ残っている。

女王。産卵はもう終了みたい。
8月10日 クロクサ。最近あまり取り上げなかったのは単純な理由で、動きがないのだ。
卵塊も一定以上大きくならず、幼虫も孵化しないので食卵してるのか?とさえ思った。
今日、観察したら働きアリが卵塊から離れた場所で数匹集まっていた。

少し遠くから見たらこんな感じだ。

拡大。そう、幼虫が孵化していた!
数はまだ10ほどと少ない。それでも孵化したという事は食卵していなかったという事でそれなりにサイクルはまわっていたと考えるべきだろうか。
8月11日 今年採集したケアリ女王。クサアリモドキに入れた繭を1,2個入れたものがあるがそれらが羽化を始めた。

繭が幾つかあるがこれらはこのコロニー自前のもので働きアリは外から入れたこの1匹だけだ。取りあえず働きアリが羽化したコロニーにはメイプルを与えた。
8月12日 クサアリモドキ。産卵を始めた女王の腹部が肥大化している。

とにかく肉餌をよく食べる。でも、この大きなお腹の見かけに反して攪乱したら意外と素早く走り回ったりする。

卵塊。今はまだそれほど急に大きくはなっていないが日々着実に大きくなっている。
 8月13日 今年採集したアメイロケアリは全く変化がない。
働きアリの取り巻きもそれほど多くなく、先週観察した時の「いい感じ」は何だったんだろうとさえ思う。
でも、去年みたいにダメかと思っていたら急に産卵を開始したりする可能性もあるのでもう少し様子見の期間が続きそうだ。 
 8月14日  クロクサは少しずつだが幼虫が孵化している。
ただ、卵塊の大きさ自体がそれほど大きくないのでそれほど爆発的産卵はあまり望めない。この分だと越年はほぼ確定的なのでうまく幼虫を減らさないように管理をしていく必要がある。
でも、クロクサってこんなにも孵化するまでが長いのか、それとも食卵した挙句ようやく孵化したのか、正直まだつかみきれない・・
 8月15日 昨夜、アメイロケアリを観察したら卵が3個確認できた。
やった!と思って今朝出勤前に観察したら見当たらなかった。
帰宅後、じっくり観察したがやはりない。
肉餌はそれなりに食べるし、いったん産卵が始まったら増えていくことを期待していたのに少々拍子抜けだ・・ 
 8月16日 クサアリモドキはなんだか日に日にお腹が膨らんでいる。

もう1個体クサアリモドキの女王様がいてそれも産卵しているが腹部の大きさは全然違う。当然、こちらのほうが産卵量が多い。
卵を写したいがケアリワーカーの取り巻きが多くてなかなかうまい写真が撮れない。
でも、クサアリモドキでもこんなに膨らむんだね・・
 8月17日 写真を写そうとしたらストロボの電池が切れた。
買い置きがないのでしばし文章だけ。
クロナガアリは順調に増えている。
今年のものは粟の実で飼育しているが今のところよく食べてくれている。
この餌が使えるというのは非常にありがたい。 
 8月18日 アメイロケアリは卵が見つからないと書いたがやはり数個あった。
でも、それほど増えない。
肉餌の欲求は結構激しいがどうも羽化する前に蛹を食べているのか繭はほとんどなくなったのにケアリワーカーがそれほど増えていない。
この前、ケアリの繭を大量に採った朽木に繭を発掘しに行きたいが日曜までずっと動けないので採集しに行けるとしたら来週以降だ・・
8月19日 雨が降って空気が入れ替わり、 涼しくなった。
16日に紹介したクサアリモドキだが急に産卵量が増えてきた。

こんな卵塊がすでに3つほどできている。

女王を写したかったが腹部しか写っていなかった。腹部の肥大がすごい。
さて、もう1匹のクサアリモドキ。こちらもここ数日で先に紹介したもの頬ではないが腹部が大きくなって産卵を始めている。

そうして写してみたがこの女王、上で紹介したものよりずっと落ち着きがあるというかこの働きアリに囲まれた状態で全く微動だにしない。

産卵も始まっているがまだそれほど一気に産卵しているわけでもないようで少しずつ卵塊が大きくなってる。
8月20日 キイロシリアゲアリ。幼虫がとにかくたくさんいる。

この写真の幼虫はごく一部だ。実際もっとたくさんいるのだ。
それなら働きアリもわしわし増えてる・・というとそうでもなく、働きアリの数は伸び悩んでいる。死んでいるわけでもないようなので蛹を食ってるのだろうか?
肉餌はちゃんと与えているが・・
8月21日 クロクサ。思ったより早いスピードで幼虫が成長してきた。

アメイロケアリの頭部が写っているので比較対象になると思うが少しずつだが大きくなっている。ミールワームも食べているようで体内の内容物が透けて見える。
案外今年中に羽化が見られるかも・・?
8月22日 クロナガアリはすこぶる順調だ。

卵塊の一部。この丸っこい形は好きだったりする。

女王と働きアリ。働きアリはまだどれもそれほど大きな個体はいない。

幼虫と羽化が間近な蛹。
これは以前から与えてみて受けがいまいちだった粟の実を結構食べてくれるので非常に管理がしやすい。
実際、結構増えてきたのでそろそろ引っ越しさせようと思っている。その前に容器に石膏を張ってですね・・
うーん・・ちょっと先になるかも・・
8月23日 キイロケアリは特に問題もなくコロニーが維持できている。

裸蛹。繭もあるが裸蛹も少しある。

卵塊。少し少ないがこの調子で少量生産だ。

裸蛹を運ぶ働きアリと繭。幼虫も写っていないがいる。

女王。こうやって強い光を当てて撮影したら本当に黄色っぽいね。
さて、実はこのコロニーの増勢が鈍化した理由は思い当るところがある。
それは石膏の汚れだ。
2年以上、同じ部屋で生活しているので石膏が結構汚れてきた。
その汚れが目立つようになった辺りから産卵量が減るという傾向が見られ始めた。
近いうちにこれも引っ越しさせようと思う。
正直賭けになってしまう部分があるがクサアリモドキやアメイロケのいる大型の容器を使用しようかとも思う。
キイロケアリのコロニーサイズがどれほどのものか正直あまりよくわかっていない部分があるがケアリの仲間ということで増えることを前提にしたほうがいいのだろうか・・?
8月24日 7月採集のアメイロケアリ。何気なく見たら働きアリの団子に埋もれていたのだ。

腹部が少しぼけているが少し大きくなっている。
産卵量は予想外に伸びてこず、まだ10個ほど。
でも今までよりはまだましなほうだと思う。

ちなみにこんな感じで埋もれていた。腹部にケアリワーカーがまとわりついていた。 
8月25日 ハヤシクロヤマアリも今年の生産はほとんど終了し、わずかの蛹が残っているだけになった。

繭を運ぶ働きアリ。でもその繭ももう残りわずか。羽化はしている。

働きアリの顔をアップにしてみた。
8月26日 クサアリモドキ。今まで腹部が大きいほうのものを取り上げていたが、今日はもう1匹のほう。

メイプル(原液)をなめているケアリワーカー。どうも昆虫ゼリーよりこちらのほうがいいんじゃないかという印象を持っている。 

女王。この女王様は腹部はこれ以上膨らむことは今のところない。そのためか、もう1匹のほうよりも産卵量もやや少ない。こちらのコロニーは先に紹介していたものよりケアリが少ないのでそのためだろうか。
8月27日 午前、枚岡公園に出かけた。今の時期、ちょうど女王を探すには夏と秋の種類の入れ替わりの時期であることが予想され、 それほど期待していなかった。
ただ、1か月体調不良や勉強の関係で缶詰だったのですこし空気を吸いに出かけた。

交尾しているカノコガ。

ミンミンゼミの死骸。緑が美しい。

側溝にいたミヤマカミキリ。今年は本当にこの種類によく出会った。

駅で見かけた直翅目。ササキリ?クサキリ?その辺だと思うがちょっとわからない。

アリに関してはウメマツオオアリもしくはイトウの新女王が1匹と朽木を崩していたときに同種と思われる女王が1匹出ただけだった。
しかし、実は今日の目的は女王ではなかったのだ。
アメイロケアリ(今年採集したもの)は、働きアリが少ない。その上、大半が家のそばの蟻道からの採集、すなわち外勤アリなのだ。
だから女王の産卵が始まってもいまいち女王の世話をしている働きアリが多いように見えなかった。
そこで繭を採集してきて一気に従者を増やそうと考えていた。
先月、クサアリモドキ用に繭をたくさん出した木を崩してみたが小さな幼虫ばかりだった。
だめか・・と思って7月の頭にオスの繭ばかり出た木を崩すと繭が割とまとまって出た。
それらを吸って持ち帰り、アメイロケに導入した。
その際、羽化したての若いアリも吸って導入したが最初は点検されるような仕草が見られたがなじんでいた。
今、運び込んでいるので明日には巣部屋にすべて運び込むだろう・・
8月28日 昨日採集してきたケアリの繭はアメイロケアリのコロニーにすっかり運び込まれていた。

かなりの繭が写っているが画面外にもまだあったりする・・

女王。最近、少し落ち着きが出てきたかな?

ぼけたけど卵塊。少しずつ大きくなっている。
ケアリワーカーが羽化してきたら世話役も増えてまた違った光景が見られるかもしれない。
8月29日 キイロケアリは引っ越しを行った。

蛹を咥える働きアリ。床が茶色いが新しい石膏は茶色のものが1つ余っていたのでそれを使用した。 

女王。どうもいまいちピントが甘かった。

働きアリ。アメイロケより色が淡い。

卵。まだそれほど増えてきていない。
8月30日 昨年コロニー採集したアシナガアリ。幼虫がたくさん見られる。

幼虫塊の一部。丸々と太っている。

幼虫がミールワームの切片を直食いの様子。
8月31日 クロクサは幼虫が幼虫がだいぶ成長してきた。

卵は写真に写っていないがこの外周にもう少しある。
アメイロケアリがそれほど多くなかったためか産卵量もそれほど多くない。
今年中に羽化するか、微妙だが幼虫の育ち具合が良いので少しは羽化するかもしれない。

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