2009年10月の観察日記

10月1日 今朝、恒温機の温度は17℃を示していた。
恒温機自体の温度計はどこにあるか知らないが送風口の辺りに置いてある温湿度計は表示温度−4℃くらいを示している。ということは送風口付近は13℃くらいまで下がったと推測できる。
その辺に置いてあるのがクサアリモドキ、クシケ、レマニである。

今日はムネボソ。この種類は机の上で常温飼育している。

女王、働きアリ、卵、蛹。
ムネボソって女王と働きアリの大きさがトビシワほどないね・・
産卵も少しではあるがされているようでなによりである。
この前も書いたが、このコロニーには女王が8匹いる。これだけいれば心強い。
10月2日 クロナガ。アップにして何枚か撮影してみた。

幼虫の拡大。口器がうっすらと見える。

蛹。ご存じのように裸蛹。

うっすらと色づいた蛹。

働きアリ。こうやってみたら中々美しいフォルムだ。
卵は数が少なくてうまく撮影ができなかった。
結構嗜好にうるさく、小鳥のえさのアワでも少しかじってポイっということを平気でやる。
見た目は質がよさそうなのだが・・
10月3日 クサアリモドキのアリ玉。久々に幼虫が露出していた。

御覧のように幼虫の色が少し黄色がかっている。
私はこれを越冬モードへの移行のサインとみているが、実際はどうなんだろうか?
考え違いなんだろうか。皆様のご意見を募集したい。
10月4日 ヤマクロヤマアリ。完全に越冬モードで容器を動かすと動き回るが産卵その他の活動はほとんど見られない。

働きアリと女王。女王はやっぱり美しい。

容器の隅にかたまる働きアリ。今年は増えなかった。いつになったらどかどか増えてくれるんだろう・・
それと、亜高山帯性種のためか温度変化にすごく敏感でこの種が毎年一番早くに産卵活動を終了する。
10月5日 大阪南部で採集したムネアカ。採集してえさを与えたら女王のおなかが大きくなった。

こういう状態のムネアカの女王ってほれぼれする。
ちなみに最近3個ほど卵を確認した。越冬までに孵化するだろうか。
10月6日 河内長野で採集したミカド。2コロニーおり、働きアリ数は3,4と心もとないがどちらも幼虫がいるので大丈夫と見ている。

女王のお腹は大きく、安心してみていられる。


幼虫の世話をする働きアリと女王。
来年、どこまで増えてくれるだろうか。
10月7日 クシケ。

思うのだが、クシケの幼虫は遠めに見たらいつもねずみ色がかって見えるように思う。
3年前に野生のクシケの幼虫を写した写真があるが、あれもねずみ色だった。
飼育下ではあそこまではねずみ色にはならない。

女王。すこぶる健康でおなかも大きい。

脱皮したてのミールワームを襲う働きアリ。数日、温度が低いので食べる速度が落ちているが、この種類は10℃でも時々ミールワームを入れてやろうと思っている。
10月8日 クサアリモドキ。飼育容器のあたりは冷気がまともに当たるので表示温度より3℃ほど低く、そのためかアリ玉ができるようになった。

こんな感じでクサアリモドキが球状になっている。

少し違うショットから。ホントにボールだね・・
10月9日 ヤマクロヤマアリ。相変わらず越冬モードで動きがない。

湿気のある巣部屋にいるものはほぼ死亡率0なのだが、時々乾燥した餌場に出てくる者がいてそれはうまく巣部屋に帰れずに死んでるのが見られる。温度が低いから起こる現象だとは思うが、何とかしなきゃね・・

写真はないが、クサアリモドキの繭から1匹働きアリが羽化した。
恒温機は14℃を示していたが、こんな温度でも羽化するのね・・
10月10日 女王が2匹のアシナガアリ。2匹は喧嘩もせずに共存している。

一応「多雌」なのだが、野外ではどうなんだろうか?クロナガのように共同巣作りなんて見たことがない。しかし、6月頃に見つかる「はぐれ女王」を考えたら一時的に多雌でその後単雌化するという推測は生きると思うが、この辺は皆さんのご意見を頂戴したいと思っている。

このコロニーにはまだ卵がある。

幼虫のアップ。

これはコロニー採集したほうの幼虫。色艶もよく、今年はどういうわけか増えなかったが、来年以降の発展につなげたい。
10月11日 ケブカツヤオオアリ。

働きアリは10匹ほど。あと幼虫が数匹いる。ミールワームとゼリーで維持しているが思ったほど増えなかった。この壁、打ち破れるだろうか。

働きアリ。初期コロニーとは違い、どの働きアリも中型サイズだ。地味ながら女王のトラ柄模様や働きアリの形が結構面白いので増やしたいのだが・・後日紹介するヨツボシオオアリと並んで飼育は難しいのだろうか。
10月12日 去年伊那で採集したミカドコロニー。

働きアリのアップ。つやが美しい。

幼虫。毛むくじゃらですね。体内にはうっすらと色が入っているが、遠目に見たら白色である。

別の幼虫塊。働きアリによく世話されている。大きさはどれもこの大きさでこれより齢の進んだもの、あるいはこれより小さいものは見当たらない。
越冬状態移行に伴い、ミカドは肉餌のミールワームを以前ほど食べなくなった。全く食べないわけではなく、齧るのだが、食い尽くすと言うほどではない。
10月13日 久々のクロヤマアリ。

クサアリほどではないが、働きアリが塊になってじっとしている。
餌の食いも以前ほどよくなくなったことから、完全に越冬モードへ移行したようだ。
当然ながら産卵その他の生殖活動は見られない。
冬の間にクサアリモドキやレマニの薄型容器への引越しを考えている。
うまく行けばいいが・・
10月14日 コロニーを入手したムネアカ。

これも団子になっている。

拡大。働きアリの大半がこんな感じ。

例によって働きアリのアップ。大抵の個体が腹部の節が延びていて栄養を溜め込んでいると推察できる。ただ、このコロニーの女王、やはり腹部が大きくならない。成熟コロニーの女王ってこんなものなんだろうか?

話は変わってクサアリモドキ、また1匹働きアリが羽化した。これで残る繭は1個だけ。
10月15日 アズマオオズ。卵塊が約20個ほどで打ち止めになった。

写してみたけど、ぼけてるね・・
最近、この塊の中に幼虫が数匹いるのを見つけた。今年は増えなかったが、入れ物を石膏敷きのものにしたので、何とか再起を期してほしい。

コロニーの様子。大体14℃の恒温機内で動きは無くなってきたが、蚊を与えたらよほどおいしかったのか、跡形もなく食べた。
ミールワームも与えた分は中身がからなので餌はまだ必要みたいだ。
10月16日 スラダケさんにいただいたヨツボシオオアリ。

惚れ惚れするくらい典型的な「四つ星」を腹に描いている。
しかし、全然増えない・・去年は小型ワーカー3匹だった。今年はその小型ワーカーは夏まで見かけたがいつの間にかいなくなって働きアリはこれ1匹。
幼虫が2匹ほどいるのだが、近縁種のケブカツヤといい、何故うまく行かないんだろう?
ミールワームのような肉えさは与えているし、女王の腹部も大きいのでゼリーを食べてるのは確実なのだが・・

恒温機を13℃に設定した。夜には13と14を行ったりきたりしていた。
10月16日 クロオオアリ。今年女王を採集したものを5コロニー飼育しているが、どのコロニーも特に問題なく越冬モードに入ってきた。

与えたメイプルの水割りをなめる働きアリ。

女王のうち1匹。お腹が大きい。どのコロニーの女王も腹部はこんなもので、栄養を溜め込んでいるようだ。

小さな幼虫の塊を運ぶ働きアリ。幼虫の数はコロニーによって結構ばらつきがあるが、これは一番いるコロニーの写真だったはず・・
10月17日 ムネボソアリの幼虫って色が少し変わってるような気がする。

餌は他と同じミールワームと昆虫ゼリーなのに、このオレンジはなんだろうか?

昆虫ゼリーをなめる働きアリ。飼育してみて、気がついたが、ムネボソアリってそれほど産卵数が多くないように思う。そういえば採集したときも大量に出てくると言うイメージがない。
個体数の少ないコロニーで暮らす種類なんだろうか。
10月18日 トビシワ。

ごらんの様に、幼虫がたくさんいる。ミールワームを入れても凄い勢いで襲い、女王が1匹なのに、よく増えている。

幼虫のアップ。蛹も多く、まだ店じまいには時間があるように思う。しかし他のアリが店じまいの様相を濃くしてる昨今、順調に増えてるのってこれくらいのように思う。
そういえば去年は冬の初めに働きアリを見た。低温への耐性も強いんじゃないだろうか。
10月19日 ウメマツオオアリ。

最近は、産卵も幼虫の成長もストップした模様。一つの部屋に集まってきていて、アリのいる部屋といない部屋ができるようになった。

大型働きアリ。女王とほぼ同じ大きさながら体格の良さでは女王を圧倒するほどの大きさだ。飼育環境では中々生まれない。何故なんだろう?肉餌が足りないとか?それとも他の要素がいるとか?
10月20日 今日と明日はクロナガアリを取り上げる。

もともとはQ4だったが、働きアリを乾燥等で働きアリを失った女王を放り込んだら、Q9になった。あべさんいわく、あまり女王が多いと崩壊することもあるらしいが、当面は様子見。

産卵も僅かではあるが開始されている。

同じ卵塊。小さな幼虫が見える。
外気温がそろそろ肌寒い時期になってきた。そろそろ恒温機に火を入れないとね・・
10月21日 こちらはクロナガのQ2のコロニー。働きアリは5,6匹である。

クシケでもやったけど、蛹のアップ。今日、働きアリが1匹羽化していたので、この蛹かもしれない。

女王のうち1匹。これも産卵を開始しており、アワの実もそこそこ食べているようだ。
過去の観察日記を読むと、例年11月10日ころにヒーターを点けてる様なので、今年もそれくらいをめどにしようと考えている。
10月22日 クシケアリも越冬体制に入ったようで蛹がなくなり、幼虫の成長が止まり、産卵も停止した。
でも、肉餌を与えなかったら昨冬みたいに幼虫が減っていくのが目に見えているので刻んだものを時々与えてみようかと思っているのだ。

コロニーの様子。幼虫はほぼ均一の大きさに揃っている。
10月23日 アズマオオズでも見かけは越冬モードに移行したように見える。
しかし依然として卵が15個ほどあって、その上ミールワームの断片をいれておいたら2日で殻だけにしてしまう。
恒温機内部は13℃に設定しているが、最近は14℃を表示することが多い。
どの辺が活動限界なんだろう。

卵塊。やっぱりカメラのフラッシュだけじゃこれが限界・・
10月24日 クサアリモドキのコロニーでやけに小さいアリがいた。

普通のケアリの3分の2ほどの大きさしかない。はて・・?と思ったら、このコロニーには長野で採集したケアリの繭を入れていたことを思い出した。
多分それから羽化したと思われる。
こんな個体がもう1個体いる。
10月25日 何ということだ!ムネボソアリ2コロニーのうち、1コロニーの餌場の蓋がわずかに開いていて、そこから全個体がいなくなっていた。これは採集してすぐ、チューブにこもったコロニーで今まで取り上げたことはないが、ちょっとショック・・

ゼリーにたかるムネボソ。こちらは石膏に居つかず、餌場の乾燥環境で暮らしている。個体数が多くないので管理はしやすい。

ミールワームをせっつく働きアリ。常温飼育で外気温が下がってきているが餌の食いも割といい。
10月26日 女王2のアシナガアリ。

幼虫。これもほぼ大きさは均一。ボケているが写真上方で働きアリが咥えているのは卵である。このコロニーにも卵があるのだ。

女王の様子。喧嘩は全く見られないが、産卵数が思ったほど増えない。牽制し合ってるのか?
10月27日 コロニー採集したミカド。

幼虫の大きさは3ミリほど。拡大したら口器が写ってますね。

3匹の女王のうち1匹。河内長野で採集したミカド女王ほどボンレスではないが、おなかは大きい。この3匹の女王、よく見たら腹部の色が微妙に違っている。

幼虫の世話をする働きアリ。この前まで餌場に幼虫をたくさん持ってきていたと思えば最近はまた石膏のほうに幼虫が多くなった。いったい何が幼虫を置いておく条件になってるのか・・
10月28日 普段、クサアリモドキのアリ玉がどんな感じかをご覧いただく。

写真右側、容器に沿って黒い丸いものがあるが、これがクサアリモドキのアリ玉だ。ホストのケアリワーカーは周囲にまとまりなく散開している。

近づくと、お馴染みの光景。

早く野外で見かけるような大型個体の生産が始まらないか興味は尽きない。
10月29日 ヤマクロヤマアリ。去年の観察日記を読むと、どうも今年は数を減らしてしまったようだ。
それは多分コロニーが活性化した春にミミズに頼りすぎて栄養のバランスを欠いた(去年はコオロギだった)可能性(赤く変色して死んだ幼虫や蛹があったことから)もある。
思うに、乾燥ミミズは直接与えるのもいいが、ミールワームに食べさせて栄養価をあげて・・という作戦で来年は挑もうと考えている。

写真はそのヤマクロヤマアリの女王と取り巻き。
恒温機の冷風がまともに当たる場所にあるおかげか普段はほとんど動かないが容器を出すと外気温がまだ高いのでのそのそ動く。
10月30日 とても暖かい日で日中は25℃くらいまで温度が上がったようだ。
今現在でも恒温機は15℃以下にならない(設定温度は13℃)。そして私はTシャツ一枚でいる・・
話では明後日の雨以降10℃ほど気温が下がるとか・・
そして週末にはまた20℃前後の日が来るとか。
体調には気をつけよう・・

話の枕が長くなったが、要はクロナガのヒーターをいつ点火しようかという話につながる。
例年11月10日前後のようだが、「ピタリ適温」はある程度自分で温度調節をするようなので今度寒くなったときでもいいかなとか思ったりする。

今日の写真はケブカツヤオオアリ。

幼虫の塊。3匹しか写っていないが5匹はいるようだ。

女王。中型の働きアリが生まれ始めたが、数が増えない。10匹ほどなので、今年は働きアリが4,5匹程度しか増えなかった計算だ。
ヨツボシといい、クサオオアリ系ってなんだか難しいとふじひろさんもブログに書いておられたが増えないという現実的問題の前に難しさを感じる。
10月31日 これまた暖かい日で、夜になっても恒温機の温度が16℃を示していた。
明日の雨以降急に温度が下がるというが・・?

今日はアズマオオズ。産卵や幼虫の成長は停止しているが、ミールワームの食べ方にややむらがあって殻だけしかのこさない時もあれば少ししか食べていない時もある。
でも、恒温機の温度が最近高めで推移してることを考えたらもう少し肉餌は投入しようかと思っている。ところで、こうやって写真に撮ると、女王と小型働きアリって本当に大きさが違いますね。

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