2008年9月の観察日記

9月1日 クサアリモドキがえさ場との連結チューブに卵を持ってきてしまった。
しかも、観察しづらいことにちょうど箱と箱の隣接部。
箱を少しずらさないと卵がぼんやりと見えないありさまだ。
その卵だが、最近増えていないように思う。
一定数で止まっているような印象だ。
モリシタケアリがどかどか産卵しているのを見ると、はて?と思ってしまう。
寄生種は初めてなので何もかもが気をもむ材料だ。
早く初子が見たいが、寒くなる前に間に合うかな?
9月2日 モリシタさん。女王の腹部がもうこれ以上ないというくらい、肥大した。

ただ、最近、卵の増え方が鈍化したように思う。モリシタさんの特徴として固形のたんぱく餌より、蜜系からたんぱくを摂っているのではないかと思うくらい、コオロギやミールワームにはあまり目をくれない。かといって栄養ゼリーやメイプルに集まっているのを見るわけでもないが、恒温機に放り込んでいる時間が一日の大半なのでおなかがすいた時に食べてるんだろう。
卵を産んで約40日、温度23℃設定というのが低いのか、いまだに孵化しない。
このままでは年内は越冬幼虫どまりか・・?
9月3日 クサアリモドキ。

女王の腹部は写真のように肥大ているのだが、産卵数が最近頭打ち。
卵塊が大きくならない。モリシタさんとクサアリモドキは特別扱いで、普通は昆虫ゼリーだけなのに対し、メイプルの水割りと小昆虫の死骸(コオロギもしくはミールワームの断片)を与えているので、栄養的には問題ないと思うのだが・・・
この分では年内初子は厳しいかもしれない。
9月4日 今年採集したアシナガアリ。
Q1の様子。

Q2の様子。

御覧のように、Q2のほうが明らかに卵、幼虫の数が多い。
これはアシナガアリ多雌の可能性を示唆するものではないかとも思うが、Q2のほうの女王の1匹の左先端の触角は欠損している。子育ては無理なようで、健全な個体がいつも卵や幼虫を咥えている。
実際、私はアシナガアリの大量飛行日に一昨年遭遇したが、一個体として共同で巣作りしているものはいなかった。
2例しかないので、さらなる実験が必要だが、アシナガアリは基本的に単雌で少数の働きアリからじわじわ勢力を拡大していくのではないか?と思うようになった。
9月5日 とても心臓に悪い1日を過ごした。
顛末はこうだ。
今朝、出勤前にモリシタさんとクサアリモドキの様子を見た。
クサアリモドキは相変わらずだったが、モリシタさんが女王を含むコロニーの半数ほどがえさ場に出てきていた。
考えられる原因はひとつ、石膏が乾燥気味ということだ。
それだけなら大して驚かないのだが、私の度肝をぬいたこと。
卵が半数くらいになってる!
目をこらしたが、やはり昨日より半分くらいに減っている。
一昨年アメイロケで卵を干からびさせるという大間抜けをしたが、その再来か?とおもった。
とにかくできるだけ給水して会社へ。
帰ってきてすぐ覗いたら、卵の数は朝のが見落としじゃないの?というくらい、普通にあった。
見落としていたんだろうか?
ただ、今回のことで少し示唆めいたものを感じたので記述する。
アリのコロニー創成期には成熟コロニーより高い湿度で維持しなくてはならないのではないだろうか。
私が主観で感じたことである、皆さんのご意見を募集したい。
9月6日 似た者同士な感じのする2種。
まずは去年採集したアシナガアリ。

一時期は働きアリが15匹ほどいるコロニーになったが、不注意で乾燥させてしまい、一時期は働きアリが1匹しかいない事態に陥った。
しかしその後徐々にではあるが盛り返しつつあって現在働きアリ4匹。
相変わらず働きアリが小さい。
もう1種、初登場のヨツボシオオアリ。
6月にスラダケさんから女王2匹を送ってもらったうちの1コロニー。

もう1つのコロニーは女王がすべての個体を食べてしまって絶望的であるが、このコロニーの女王は働きアリを2匹育てた。卵と幼虫は10個体もいないが、来年以降の発展に期待。
ちなみに両種とも昆虫ゼリーのみでの育成になっている。
9月7日 クサアリモドキがまた卵をチューブに移してしまった。
これをされると観察がしづらいのだ。
しかしこの前、給水したので乾燥はないと思っている。
それにしても産卵からそろそろ一ヶ月、いつ孵化するんだろうか・・
9月8日 クサアリモドキでようやく幼虫が出現。
しかし、大半が観察しづらいチューブ内でほかに孵化が始まっているかがよくわからない。
まさか、ホストのケアリが産卵していたなんてことはないよね・・?

ミカドオオアリでは産卵されていた卵から孵化が大規模に始まっていて、小さな幼虫がたくさんいる。

しかし気のせいか色つやがあまり良くないような・・?
かといって虫餌はあまり食べないし・・
目下高タンパクの昆虫ゼリーのみでの育成になっている。
9月9日 オオズアリが元気がない。日に日に働きアリが減っていっているような感じさえする。
現在W20ほど。
しかしそれでも兵アリの生産はするようで、2個体蛹がいる。
問題はそれ以外の幼虫や蛹がいないこと。
ただ、産卵は割と活発で40ほど卵があるので、何かのきっかけさえあれば復活するかもしれない。
ちなみにこのコロニーは夏から昆虫ゼリーだけで飼育していたが、最近になってカンフル剤の意味を込めてコオロギを与えている。
復活するかなぁ・・?
9月10日 今年採集したアシナガアリには幼虫が生まれているが、これらのコロニーにはコオロギを与えている。
というのも、先週土曜に爬虫類ショップにコオロギを買いに行ったが、2、3ミリのものが大半のものしかなかったのだ。
コロニー化したものには不足だとは思うが、この創世コロニーにはちょうどいいようで、よく食べている。
幼虫の腹部も気持ちいいくらい色が付いている。
9月11日 アメイロアリ。このコロニーは透明の箱で飼育しているので、コロニーの様子がよく見える。

このコロニーのほかに、石膏を敷いた箱で飼育しているコロニーがある。
しかしこのコロニー、連結用チューブにこもって出てこないのだ。
光を当てるとこのコロニー以上に繁栄しているように見えるが・・もどかしい。
9月12日 とうとうクサアリモドキで10匹ほどの卵から孵化したばかりの幼虫を確認した。
長かった・・
しかしここにきて、クサアリモドキ女王の腹部が少し縮んだ。
産卵数もそれほど増えていないようだし、越冬モードに入ったのだろうか?

対してモリシタさん。
一向に孵化しない。食卵してるのだろうかと思うほどだが、よくわからない。
ただ女王の腹部は相変わらずこれ以上ないというくらい肥大している。
しかしこちらも産卵数が一時期ほど爆発的ではなく、微増気味になってきた。
ひょっとしたら今年の働きアリ誕生は無理かもしれない・・
9月13日 クサアリモドキの少し増えた感じ。20ほどありそうだ。
幼虫の体内にも色が入っているのでコオロギかゼリーを食べているようだ(働きアリが食べている形跡はないのだが)

アシナガアリの新女王からの育成コロニーでは幼虫がそろそろ終齢と思われる大きさになってきた。体内にもピンクっぽい色が入っていて、いい感じだ。卵もそこそこある。
特に女王2のコロニーではこの種類としてはスタートダッシュをかけられそうな数がいる。
その上、女王1,2のコロニーともに女王の腹部がパンパン。
コオロギの体液でも吸ったのだろうか?
9月14日 クサアリモドキの幼虫は日に5匹から10匹ずつくらい増えているような感じだ。
最大のもので2齢に入ったようで、生まれたての大きさより一回り大きくなってきて、体内に色が入っているのを確認できた。
幼虫になってからは早いかもしれない。
9月15日 アシナガアリ新女王からの育成コロニーのうち、Q2のもので、蛹が3つほど確認できた。
このほかには育った幼虫が2匹と卵たくさん。
どうやら初期に集中捨て育てる数というものはQ1であろうと2であろうとあまり変わらないかもしれない。
たぶん10月に入るあたりには働きアリが羽化するだろう。
9月20日 出張から帰ってきた。
懸念していた寄生種はいたって元気であった。
ただやはりモリシタさんには幼虫がいない・・
クサアリモドキもコオロギが与えられなかったせいか幼虫の孵化数が少し鈍化したような感じ。しかし孵化した幼虫の体内には色が入っていて、この分では年内に間に合うか?というところだ。

伊那で採集したミカドオオアリが、全員石膏巣のほうに移動した。
この種類とクロヤマアリには出張中餌が不足してはだめだと思い、ゼリーを一個丸ごと放り込んでいたが、どうやらその湿気がミカドオオアリは苦手としたような感じを受けた。

ほかのアリたちもいたって変化なし。
ほっ・・
9月21日 クサアリモドキで次々と幼虫が幼虫が孵化している。

働きアリとの比較。たぶん1,2齢がいると思われる。

幼虫のみ。しかし背景の石膏の色と同化してますね・・
クサアリモドキは孵化が始まっている割には卵塊の大きさにはそれほど変化がない。
卵と幼虫は普段は別々に置かれているのに、である。
ということは産卵は続いているんだろうか。だとしたら嬉しい・・
9月22日 クロナガアリのための穀物の種にまたガの幼虫が発生した。しかも結構多い。
このガの幼虫、どこから発生するんだろう?
とにかく、目につく限り幼虫を取り、トビシワに放り込んだ。
そうしたらすさまじい虐殺絵図が展開された。
ふだんトビシワはゼリーしか与えていないが、やはりたまに肉餌を与えるとすごく反応する。
そんな折、種子がコロニー内に入った。
ごみとして捨てるだろうと思いきや、意外なことによくかじっている。

トビシワってこんな種子も食べたりするんですね。
9月23日 モリシタさんの腹部が少し縮んだ。
卵の量は相変わらずだが、産卵開始からそろそろ2カ月になるのに、一向に孵化しない。
コオロギを与えても食いが悪い。
どうも蜜餌のほうが好みであるようだということは今までのことからわかってきたのだが、あれだけ産卵して孵化しないということは食べているのだろうか。
それとも今月初めのやや乾燥事件で育った卵が食われたのだろうか。
全く分からない。
9月27日 パソコンの再セットアップ作業が入り、なかなか更新ができなかった。
アリたちを見ていると、クサアリモドキは越冬モードに入ったのか、新たに産卵されていないようだ。幼虫が少しずつ育ってきている。
モリシタさん。
女王の腹部は少し縮んだものの卵はたくさんある。しかし依然として全く孵化しない。
卵があるということは越冬モードではないと思われるが、産卵停止しているかは正直微妙だ。
寄生性ケアリってこんなに難物だったかな・・?
9月29日 モリシタさんの卵塊が小さくなってきている。
女王の腹部は大きいが、どうも産卵を停止たような雰囲気だ。
だとしたら来年か・・?
この種類は飼育例が少ないので、全くわからないが、なんとか今年中に孵化が見たかった。

クサアリモドキでは幼虫が孵化してきているがこれも成長がどうも止まってきたかな?という印象。
こちらも産卵はされていないようで、卵塊は小さくなっている。
両方とも7月末に採集したものなので初期に飛んだものより若干タイムラグがあるとは思うが、越年とは思わなかった。まぁ、卵があるので、完全に越冬モードに移行したわけではなさそうではあるが・・

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