2008年2月の観察日記

2月2日 むむ・・21℃にしてそろそろ1週間がたつのに、動きがほとんだない。
アシナガアリの女王なしコロニーで大きな幼虫が数匹いるのだが(撮影したがどれもダメだった)それ以外は動きがない。
はて・・温度は十分足りてると思うんだけど・・?
2月4日 ヤマクロヤマアリで卵らしきものを働きアリが咥えているのを目撃。
コオロギの断片とも言えなくもないのだが、もし卵だとしたら3個分ほどの大きさだった。
ヤマクロヤマアリ女王の腹部はこれ以上ないボンレスなのでもういつ産卵してもおかしくないのだが、はたしてスイッチが入るのはいつになるのやら・・
2月6日 ヤマクロヤマアリとクロヤマアリで一個ずつではあるが産卵を確認した。
温め始めて一ヶ月。思ったより時間がかかった。
他にはウメマツオオアリのコオロギの食いが良くなってきたので幼虫が成長を始めたか産卵が始まったのだろう。しかし石膏の下にいるのでなかなか観察ができないのがもどかしい。
ほかの種類では今のところ産卵はまだ見られない。
2月8日 去年伊那で採集したW2のクロオオアリコロニーとシワクシケアリコロニーで新たに産卵を確認。
現在、産卵数はクロオオアリ(伊那産)オレンジ色の卵が2個、シワクシケアリで約10個ほど、ヤマクロヤマアリでは3個ほど、クロヤマアリでは5個ほど、アシナガアリはどのコロニーも大体10個ほど。
こういうコロニーはコオロギの食いも良くなってきていてタンパク質が必要なんだなぁと思わされる。
2月9日 アシナガアリの女王のいないコロニーでは幼虫がいるのだが、10匹ほど巨大幼虫が生産されている。

メスアリになるのだろうか。注視していきたい。
クロオオアリのW2コロニーでは卵が3個になっていた。おととし採集したクロオオアリコロニーでは産卵はまだ見られない。
2月10日 キイロシリアゲアリは2コロニーいたのだが、最初たくさん働きアリがいたほうのコロニーで働きアリがなぜかどんどん減っていって先日全滅してしまった。
そこで一か八か働きアリが10匹ほどのコロニーに導入してみた。
今日、見てみたら馴染んでいた。多雌の種類はこういうことがあるからやりやすい。
キイロシリアゲアリも3個ほど卵を確認。これで産卵を確認していないのはトビイロシワアリ、クロオオアリ、イトウオオアリくらいだ。
今日の写真はシワクシケアリの女王(の腹部)。結構毛深いんですね。

シワクシケアリも完全に越冬状態を脱したようでコオロギ幼虫1匹を2日で完食する。
2月11日 クロヤマアリ、産卵が急ピッチで進んでるようで働きアリの顎で咥えた卵塊が3個ほどある。
推定30以上はあるだろう。
クロヤマアリは去年目いっぱい増えたので正直スペース的にきつくなってきているのだが拡張スペースもないし、少々ジレンマだ。
2月12日 大体1カ月ほど前、採集してきたミカドオオアリだが、この種類はスペースの関係で常温で飼育している.だから動きがほとんどなく、観察日記にもあまり登場しないのだが、面白いことが起こっている。
このコロニーは働きアリが30ほどで採集した。当然最初は女王のいるチューブにすべて固まっていた。
しかし気がついたらその半分ほどが幼虫をひきつれて石膏巣に移動してサテライトの様相を呈している。
観察しているが行き来はあまりないようなのでサテライトとみていいと思うのだが、こんなに小規模な段階からサテライトを作るとは実に面白い。
2月13日 ミカドオオアリを恒温機にスペースを作って収容した。
急な温度変化にアリも戸惑うだろうけど、私が部屋にいるときの室温が大体それくらいだと思ってるのでまぁ、許容範囲内かな?
2月14日 ミカドオオアリ以外のほぼすべてのアリが越冬状態を脱した模様だ。
幼虫の色つやがすごく良くなってきている。
そんな中、餌の食いも幼虫の色つやも意外なほどいいのがヤマヨツボシオオアリである。
このコロニー、幼虫もものを食べてる証拠として腹部が赤黒くなっているし、何よりコオロギ幼虫を2日で1匹完食してしまう。
今日は産卵を確認。非常に細長い卵だった。
これはひょっとして・・?
2月15日 ミカドオオアリも石膏巣に引っ越しした。
しかし女王と幼虫たちは別の場所で育てられている。

クロオオアリのW2コロニーのオレンジの卵が10個に達した。
しかし3年目の女王のコロニーでは産卵は見られず。うーん、コオロギは与えていて、最近食いも良くなってるんだけど・・・
2月16日 ウメマツオオアリだが、最近コオロギの食いが良くなってきていて、容器をひっくり返してみたら卵が15個ほど、3ミリほどの幼虫が少なくともいることが確認された。
そんな中、トビイロケアリを新容器に引っ越し。今のところ乾燥した餌場にいて巣部屋に行かないが餌場が乾燥してきたら移動するだろう。今日、見てみたら繭が1個あった。成長していたのだ。嬉しいですねぇ。
2月17日 久々にクロヤマアリを取り上げる。
この種類は今月に入ってから産卵を確認していたが、なかなかじっくり見る暇がなかった。
今日、入れ物を冷やし虫家からだして中を確認してみた。
女王陛下はすこぶる元気だった。

産卵も順調で、写真のような卵塊が5個ほどある。

女王を取り巻く働きアリ。いろんな種類でこういう光景が見られるがこの光景が一番好きだ。
2月18日 今日はクロオオアリ。以前からオレンジ色の卵が産まれていると書いたが今日はその証拠写真。

はて、クロオオアリの卵ってこんなにオレンジでしたっけ・・?栄養卵なのかな?
もう1枚。ボンレスとはいかないが腹部が大きく膨らんだ女王の写真。

こういう腹部ボンレスの女王って見ていて楽しいですね。
2月19日 クロオオアリの3年目コロニーでも産卵を確認。2年目コロニーより色は若干薄いがオレンジの卵が2つあった。
幼虫は4匹だが色つやも良く、これからも成長していくと思われる。

日曜日にケアリを引っ越しさせた。しかし、これが凶とでてW9匹いたのだが5匹がなぜか死んでしまった。なぜかよくわからないがベビーパウダーにまみれすぎたかな?
とにかく、W4匹いるので最低限の世話はできるはずだと信じたい。
2月21日 今日はクシケアリ。産卵がどんどん続いてて働きアリの顎いっぱいの大きさの卵塊があるし、越冬幼虫は前蛹になったようで透明感がなくなり、白っぽくなった。

女王は2匹だがすこぶる元気。安心してみていられる。ただ増加率はゆっくりといった印象を受ける。
クシケアリもコオロギ幼虫1匹を2日で完食する。
写真はコオロギの死骸にたかるクシケアリ。
こんな反応だと嬉しくなってしまう。
2月22日 アシナガアリの女王なしコロニーでは日増しに巨大幼虫が増えている。

巨大幼虫の中でも成長を完了して前蛹になった個体と新たに生産されてきた後発の巨大幼虫がいて興味深い。きっとこうして自分たちの遺伝子を少しでも残そうとしてるんだろう。
働きアリになることを見越して飼育していたのだが、この分だとメスアリが大量生産されそうな気配だ。
2月23日 ヤマクロヤマアリ。写真のように女王の腹部はボンレスに近い。

働きアリに運ばれる女王(女王にはピントが合ってませんが・・)。

このコロニーには卵が2,30ほどあり、コオロギの食いもいい。美しいアリなのでぜひ増えてほしいものだ。
2月26日 よく観察したらまだ産卵を開始していない種類がここで紹介した以外にあることにきがついた。
ミカドオオアリだ。餌の食いは極めて良好。幼虫も少しずつ透明感が増してきたので越冬状態を抜け出したと思われるが、恒温機に入れたのが若干遅かったためだろう、幼虫の腹部にはコオロギを食べていることを示す赤黒い部分がどの幼虫にもあるが、産卵はまだ。
この種類の卵は美しいので早く産卵してくれることを願う。
下は蜜を飲んでボンレスになった働きアリ。

女王の腹部はボンレスではないが、働きアリの腹部はどの個体も大体こんな感じ。ミカドオオアリは2回失敗してるので是非とも3度目の正直を果たしたい。
2月28日 ミカドオオアリで産卵を確認。楕円形でオレンジ色の美しい卵が1個だけだがある。
一方、クロナガアリはどのコロニーも産卵を停止した模様。
「温室」内部の温度は殆ど変わっていないはずなのに、なぜ産卵を停止したのかはよく分からない。今年は働きアリ30ほどかな?これって多いのだろうか・・?
アシナガアリ女王なしコロニーは、コオロギが殺し切れておらずに生きていてアリたちも食べられなかったのだろう、巨大幼虫を食してしまったようで10匹ほどいたのが今では2匹ほど・・
でもメスアリは役に立たないからいいかな・・?とも思ったりする。

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