2007年8月の観察日記

8月8日 久々にアリの観察日記をつける。
以前つけてから約10日、その間にクサアリモドキ2女王が相次いで死んでしまった。
クサアリモドキに関しては結局良いとこなしだった。来年以降の課題にしたい。
シワクシケアリに有翅メスが生まれ始めた。それと同じくコロニーの構成員の数も増えてそろそろ餌やりが苦労するようになって来た。
近々増設しなくてはならないだろう。
8月9日 シワクシケアリに羽アリが生まれ始めている。働きアリの数は100も行っていないのだが、5,6個体ほどいる(蛹を含む)。大きさから見てメスなのだろうか?

そんなクシケアリにミールワームを与えた。そうしたらたかって襲っている。なかなかいい食欲だ。

アシナガアリはいたって順調。写真以外の場所にも幼虫や蛹がいてもう一ヶ月もしたら容器が一杯になってしまうだろう。

クロヤマアリも卵餌にいい反応を示す。一日でフィルムケース一杯の卵餌を消費する。

そんな中、アメイロアリの一コロニーで女王が死んでしまった。無念だ。
ほかは順調。夏は卵餌が常温下で一日も置くと凝固してしまって水分供給としての役割をなさないようなので注意が必要だ。
8月10日 クロナガアリのQ2コロニー以外では働きアリがわんさか生産されている。
特にQ4,5のコロニーは働きアリが軽く20を超えているだろう。
クロナガって手をかけたらこんなに簡単に増えるのね・・
ミカドオオアリ、導入していたクロオオアリ働きアリが死んで女王と幼虫一個体、卵が2,3個という寂しい所帯になってしまった。
やはりだめなのかなぁ・・
8月11日 アシナガアリの5月採集のコロニーが恐ろしいくらい順調。
50以上の幼虫が育っている。
卵がないな・・と思ったら物陰にあった。幼虫の数ほどではないが、これまた大発展の予感。
いっぽう、7月に採集した新女王、採集から3週間たつのに卵10個ほどのまま一向に孵らない。食卵しているのだろうか?
8月12日 アメイロアリの一番最初に採集したコロニーがカビにやられてしまった。
黄色いカビが気がついたときにはコロニー全体に広まっていて死んだ個体を除去しても次々に生えてきて働きアリが全滅してしまった。
この入れ物、かなり湿度が高かったのだがそれが原因なのだろうか?
それとも死んだ個体がいてそれを放置していてそこから広まったのだろうか?
アメイロアリはあと3コロニー、気をつけなくては・・
8月14日 一泊旅行から帰ってきた。
そうして部屋に入るとなんとブラインドが開けっ放し。
要するに西日がまともに入っていたのだ。
そのためか9時ころになっていたのにピタリ適温内の温度が27℃を示していた。
あわててクーラーを入れて一時間、ようやく22度まで下がった。
ほかの常温放置組の様子を見てみたが行く前にフィルムケースにたっぷり水を張っていた盛か元気だった。ただトビシワの入れ物に張った水はもうほとんどなくなっていたのだが。
そんな中、アメイロアリの別のコロニーでまたカビの生えた働きアリの死骸が2匹いるコロニーが見つかった。
要注意だ。
8月16日 連日、35℃を超える日が続き、昨日に至っては日が暮れてからも部屋の温度が36℃もあった。そのためだろうか、ムネアカオオアリの新生ワーカー4匹のうち3匹が死に、伊那で採集したクロオオアリの女王が死に、アメイロアリのコロニー一つがカビで壊滅した。
今日になってムネアカオオアリを恒温機に移した。急な温度変化になるだろうが、なんとか耐えてほしい。
そんな中、クロナガアリは死亡者も出ず順調。しかしよく見たら卵がほとんどなくなっている。
うーむ、これも恒温機に移し時なんだろうか・・?
8月17日 今日、大阪は38℃まで気温が上がった。
そんな中目に見えて暑さに弱い傾向が見えてきたアリが1種。
それはアメイロアリである。
コロニーの勢いが弱るとあっという間に黄色いカビに侵されて滅びてしまう。
そこで、2年目クロオオアリとトビイロシワアリとウメマツオオアリ以外はすべて恒温機に移すことにした。
この暑いのも週末までだそうだが、1か月ほどは恒温機で避暑してもらうことにする。
この恒温機をもってしても日中は27℃くらいまで庫内の温度が上がる。
大阪って本当に暑いんだなぁと思う。
8月18日 ヤマクロヤマアリなのだが、いつの間にか卵幼虫がいなくなり、繭だけになっていた。
恒温機内でも季節を感じているのだろうか?
早いようだが冬の予定を書く。
クロオオアリ、クロヤマアリ、アメイロアリ、ウメマツオオアリ、イトウオオアリなど一節のアリは冷却する。
アシナガアリ、トビイロシワアリ、シワクシケアリ、クロナガアリはピタリ適温の恒温状態の本棚にて越冬させる。
しかし、越冬させるのは今回が初めての種類も多く、不安がいっぱいだ。
8月23日 ようやく酷暑期を乗り越えたようで夕方7時ころになると恒温機の温度が以前より少し低い値を示し始めた。
そんな中、面白いくらい順調なアリがいる。
アシナガアリだ。
コオロギの成長した幼虫を与えても少し食べ残すくらいで幼虫が獲物に食らいつくという例のスタイルももみられる。幼虫も卵もわんさか。この種類は冬加温すると内定しているのだが、そうしたら来年の今頃はどれくらいになっているのだろうか?
8月24日 2年目のクロオオアリコロニーなのだが、今年は店じまいの様相を濃くしてきた。
幼虫が数匹、卵が10個ほどであとは成虫ばかり。
一時期はあれほどいた幼虫や卵も殆どない。
このコロニーは特に温度処理をせず、真夏の酷暑の部屋で日陰で過ごしてきたのだが、この高温が産卵ストップ、幼虫の成長停止のカギになっている可能性はある。
もう一つの今年伊那で採集したクロオオアリなのだが、働きアリ5匹。もっといてもおかしくないのだが、なぜか卵餌に頻繁に溺死しているのがいて結果相対数が増えないという結果になっている。卵餌、よく溺死者が出るのだが、これってどういうことなんだろう?メイプルの時はほとんどこういう現象はなかったのに・・
8月25日 アシナガアリがえさ場に女王や卵幼虫を出してきた(蛹は巣部屋にある)。
どうも数日前コオロギ成虫を放り込んだのだが、それが巣部屋内で腐敗していたのを嫌って出てきたと思われた。あわてて回収して巣部屋に少しだけ水分を与えた。
これで大丈夫だろう・・
8月26日 オオズアリの女王がいつの間にか2匹になっている。しかし巣部屋にいる2匹以外に餌場を所在なくうろつくメスアリがいる。
これがはたして未交尾の脱翅メスなのか女王なのかは分からない。
アシナガアリはうまく居住区に移ってくれた。清潔にして多少の湿度を与えたのが効いたようだ。
8月27日 トビイロシワアリが変だ。春先に採集した数からほとんど変動がないように思う。
幼虫や卵はある。しかし蛹がなかなか見当たらない。
これには卵餌のみ与えているのだが、虫餌も並行しして与えたほうがいいのだろうか?
8月28日 チクシトゲアリは恒温機に入れてから様子が少し変になって幼虫が育たなくなった。
産卵は若干ながらあり、若齢幼虫も少しだが見つかるのだが、そこから育っていないようなのだ。そうしてる間に寿命なんだろう、働きアリが少しずつ減ってきている。
卵餌だけではダメかと思いミールワームを投入したら最初の2日ほどは殻も残さなかった。
卵餌は万能だと思っていたのだが、虫餌との併用が肝要になっているようだ。
8月29日 シワクシケアリは幼虫や卵が一時期ほどなくなった。やはり夏を超えたと感じて越冬モードに入ったのだろうか?ちなみにこの種類は冬は加温予定である。
亜高山帯で採集した種類だが、増えてくれるだろうか。
久々の写真はそのシワクシケアリ。
ごらんのとおり、うまく石膏巣のほうに引っ越した。女王も健在。
ミールワームの食いが一時期ほど良くなくなってるのは幼虫が少ないせいだろうか?

ところで、女王、わかりますよね・・?(中央のやや左にいる個体)
8月31日 7月の枚岡オフ会で採集したケアリの女王、変だ。
採集して一カ月以上たつのに一向に幼虫が出てこない。
卵が20個ほどあるだけなのだ。
湿度は問題なく、蓋も開けることもないし振動に関しても殆ど放置に近い状態だったのでなぜこんなことが起こるのかさっぱり分からない。
んー・・失敗くさいカホリが・・

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