2007年の観察日記(4月)

4月1日 クロヤマアリにメイプルとコオロギを与えた。
すると真上にある蛍光灯とスポットライトをつけていたせいもあるのだろう、働きアリがどんどん餌場に出てきてメイプルをなめたりコオロギを襲ったりしていた。

メイプルをなめるクロヤマアリ。当初はもっと集っていたが時間がたってからの撮影なので少し閑散としている。

弱ったコオロギを襲うクロヤマアリ。コオロギも結構抵抗したが結局は巣の中に運ばれてしまった。
トビイロシワアリに与えるミールワームに適当なのがいなかったので小さなものを巣部屋の中に放り込んでみた。すると集って毒針を刺しているのだろうか。ミールワームにくっついて離れない。

ムネアカオオアリの女王が死んだ。入れ物を移し変えてから元気が無いので心配していたが心配が現実になってしまった。この女王は去年のオフ会で岩湧山のイタドリから採集したが夏にムネアカワーカーが全滅、急遽導入したミカドオオアリワーカー5匹が支えているという現状だった。残念なことをしたものだ。冥福を祈る。
4月2日 イトウさんに餓死だろうか、働きアリがぽつぽつ死ぬのが出てるので餌場への道を開放した。
すると予想通り一日かけてコロニーの半分が餌場に引っ越してしまった。
石膏はだいぶ乾燥してるので石膏のほうが少し湿り気が合って良いんだろうと思うんだけど人間様の思うことなどどこ吹く風、という感じだ。
4月3日 チクシトゲアリ女王の腹部がすばらしい。まさに「ボンレス」。

産卵もどんどんしているし、問題ないか・・というとそうでもない。何か違和感を感じるのだ。大型幼虫がだいぶ繭になってミールワーム1匹だけの期間、どうも女王にあまりたんぱく質が行かなかったようで中型幼虫が非常に少ないせいもあるのだろうか、いまいち活気が無いように思う。
特に死ぬ個体がいるわけでもないので、杞憂であることを願いたいが・・
4月4日 イトウさん、やはり餌場に集結している。
女王のいる塊も小さくなっているので、このままだとコロニー全員が餌場に引っ越しそうな勢いだ。
うーん、湿気すぎたのかなぁ・・しかしだいぶ湿気も取れてきたと思うんだけど・・
餌やりを本来の巣部屋で行おうかなぁ・・悩む。
4月5日 イトウさん、とうとう餌場を居住空間と認識したようで女王陛下まで連れてきた。

久しく肉餌を与えていなかったので、ミールワーム蛹を放り込んだら早速集っていた。

すごい食欲だ。その割には居住空間から出ず、餌を居住空間に放り込むという不安定な餌やりになってしまっているのだが・・
4月6日 チクシトゲアリ、やはり元気というか活性が低い。
コオロギを与えたらそれなりに襲うのだが、最近少し食べ残すようになった。
女王の腹部はボンレスだし、小さな幼虫や卵もたくさんあるのだが、何かが変だ・・
温室が暑すぎるのか?と思って今日からピタリ適温の使用をやめることにした。
これで蓋がある以外は常温飼育になるので、様子をみたい。
4月7日 話が前後するが、先日、枚岡公園にアリの調査兼採集に出かけた。
去年、オオズアリがいたコンクリート片はなくなっていてコロニーも見つからなかった。
梅林には去年の秋にはクロナガアリがたくさん歩き回っていたが、巣口の発見には至らなかった。アメイロアリを入手したいと思い、石をひっくり返したりしたが、帰り際に大きなコロニーに当たっただけで(オスとメスの羽アリがいた)女王採集にはいたらなかった。
また、登山道に口をあけたアシナガの巣をほった。しっかり埋まっていた中型の石に隣接していて石をひっくり返すの野い苦労したがひっくり返したら非常に大きなコロニーが出た。
しかし女王はおらず・・卵、幼虫はあったのに・・
斜面でアシナガをいくつも発掘したがやはり女王はいなかった。アシナガの女王採集はすごく難しいのかもしれない。
また斜面を掘っていたらハヤシクロヤマアリがいくつも出た。そのうち2つで女王発見。
しかし1コロニーは初期コロニーだろう、働きアリが3匹しか出てこず、そのうち1匹はシャベルで腹部を破壊してしまっていてコロニーを成長できるか微妙だったのでリリース。
もう一つはW100ほどのコロニーでいい感じだったのだが、これまたシャベルで叩いてしまったらしく女王が弱ってしまったのでリリース。
斜面を掘っていたら見た目は何も無いところからクロオオアリの羽アリと働きアリが結構出たところがあった。この時期、開口していなくても羽アリは巣口近くにいることがわかった。
そんなわけで写真を撮るのも忘れて採集に没頭したが、結局コロニー採集にはいたらなかった。アメイロアリは5月になれば普通に女王が手に入るし、アシナガも時期さえ合えば割と女王がいるのでそれに期待しようかな・・しかしハヤシは惜しかった・・
4月8日 温度がいまいちだったが猪名川にいった。
到着時間が昼の一時半頃、すでに太陽は雲に隠れ始めていて河岸を通る風は少し肌寒かったが、とりあえずクロナガアリの巣口があった場所にいってみた。
結果は下の写真のとおり。

見事に口はほとんど開いておらず、クロナガも見られなかった。
仕方なく、石めくりに変更。
トビイロシワアリのコロニーが一杯出た。女王の結構見られたが、家ですでに一コロニー飼育してるので採集は見送った。
そんな中、正体不明と騒がれているトビイロシワアリの巣にいるというクモを発見!あわてて吸虫管で回収、アリツカコオロギも6匹ほど採集してきた。
一箇所、平たい板が転がっていたのでめくるとクロヤマアリが暖をとっていて女王もいたがすぐに消えてしまった。少し残念な気がした。
3月末の暖かい時期に飛んでしまったのかとも考えたが、暖かかった期間は短かったし、まだこれからも飛ぶと希望を抱いて現場を後にした。私の見立てではこの場所でのクロナガの飛行は来週末以降ではなかろうか。とりあえず22,3℃になった日が怪しいとにらんでい(雨上がりなら特に)。
4月9日 昨日、イトウオオアリに少量のメイプルシロップを与えた。
一日たったら、コロニー全員がおなか一杯になったのか、腹部の膨れた個体がそこかしこに見られ、メイプルを入れていた皿は透明の水みたいな液が残るだけだった。
そんな中すごいのが女王。
こんなボンレス、中々見ていて気持ちがいい。

そのイトウさん、幼虫をよく見てみたら2種類いることに気がつく。
白っぽくて半透明でやや大きい。もう一方は褐色がかっていて透明でもない。
成長してる幼虫と越冬からさめていない、もしくは餌がいきわたっていないものなのかと解釈している。しかし幼虫が多いので、ミールワーム1匹では許容量を満たしていないのかも・・
4月10日 チクシトゲアリの調子が未だに好転しない。
死ぬものがいるわけではなく、女王の産卵も問題ないのだが、前のような活気がないのだ。
昨日は繭を一つ剥いているのを発見した。
コオロギの食いもそんなによくなくなっているし、いったいこのコロニーに何が起こっているのだろうか・・
4月11日 トビイロシワアリと一緒にいたクモはいったい何を食べているのだろうか?
観察していたら時々、働きアリの足と自分の足でこちょこちょと交信をしているようなしぐさを見せるのだが、別にアリツカコオロギのように体表に乗っかるわけでもないし、本当になぞだ。
アリツカコオロギは白い個体が時々見られるので順調に成長しているようだ。
こちらはしょっちゅうアリの体を舐めるように体表に乗っかるようなしぐさが見られる。
4月12日 イトウオオアリの成長をはじめた幼虫なのだが、かなりデカい。
写真をごらんいただけたらわかるが小型働きアリと同じくらいある。

彼らはやはり羽アリになるんだろうか?それとも頭の大きい兵アリ?一昨年の経験から多分羽アリになると思われるが、どういうものが誕生するか注視していきたい。
4月13日 クロヤマアリ、産卵が続いている。卵を数えたわけではないが目分量でも100個はありそうだ。
しかし、幼虫もいないのでそれほど肉への欲求があるわけでもないようで3,4日に一回コオロギの大型幼虫か成虫の死骸を放り込んでおいたら2,3日せっついてるのが観察される。
しかし、このコロニーの女王の腹部は一向に大きくならない。
メイプルは絶やさないように与えているし、コオロギという蛋白源も不足しているとは思えないので、個体差なんだろうか、と思ってみたりする(去年飼育していたクロヤマアリ女王は採集したとき腹部が少し大きかった。写真は去年の4月の観察日記にありますのでご参照ください。)
4月14日 昨日までの予報より温度が修正されて21℃まで上がるというので猪名川に行った。
しかし・・だ。喧騒がまったく感じられない。その上、4月8日に写した場所は去年はクロナガアリの大きなコロニーがあったのだが、働きアリが一向に出入りしない上、穴から出入りするのはトビイロシワアリなのだ。
戦争でもして滅ぼされたのだろうか・・?
別の場所でクロナガアリの巣を見つけたが全然飛行前という雰囲気ではなかった。
そこで石をめくってトビイロシワアリに共生するアリツカコオロギ数匹とクモを3匹採集。
その上、なぜかそこらに転がっている(川に流されてきた?)竹を割るとヒメアリが出た。

この竹はそれほど個体数は多くなかったが、別の竹でまさにヒメアリの本領発揮。「ごちゃ」っとでた。

飼育しきれる自信がなかったのでパスしたが、圧巻だった。
石をひっくり返したらケアリのコロニーに当たり、ワーカーが右往左往していた。

別の石をひっくり返したらアミメアリのコロニーが土と石の狭い隙間に詰まっていた。

この前、板をめくったらこれより大きなコロニーが出たこともあったのだが、いまいちアミメアリはそそらないのでパス。
ほかにもムネボソっぽい女王が単独でいたのだが採集用具を準備している間に見失うという凡ミス。
アリ関係はクモとコオロギだけかと思って帰り間際にそばに転がっていた枯れ枝を折ってみたらウメマツオオアリが出た。しかし、今まで2回ともサテライトだったので期待しないでいたのだが、次々と出てくる。もしや、と思って割ってみたら腹部のボンレスの女王が枝の先っちょに挟まれていた。幸い傷ついていなかったので回収して働きアリも回収。しかし余り大きなコロニーではなかったようで逃がした分や殺した分も入れてもW50も行っていなかったのではなかろうか?
下はそうして採集したウメマツオオアリ女王。不思議と帰ってみたらボンレスではなくなっていた。卵を産んだわけでもないのに、どういうことだろうか?

イトウよりやや大きいし、丸みがある。それにワーカーは若干茶色だ。
しかし女王の形態はイトウ、ウメマツオオ両方ともいるから見比べられることであって慣れていないと見分けは難しいかもしれない。うまく増えてほしいものだ。
4月15日 クロヤマアリ女王の周りに働きアリが集合している写真が撮れたので今日はクロヤマアリをとりあげる。

周囲にはもっとたくさんの働きアリがいたのだが、形が美しかったので写して見た。
まだ幼虫は誕生していない。幼虫が誕生したら、もっと肉系の餌を必要とするだろう。
今は2,3日に一回コオロギと2日に1回メイプルシロップの水割りを与えたら満足しているようだ。
4月16日 ウメマツオオアリの働きアリがちょぼちょとと死んでいる。
まぁ、今のところ死んだ数と言っても数匹なのだが、この前数えたらW総数が44匹と言う数なので、少数の死亡も痛い。
幼虫は思っていた以上にあって50から100はいそうな雰囲気だ。
クロオオアリに数日前、1つ繭ができていた。
加温をやめた後だったので、蛹化するのに温度が足りるか不安だったが何とかうまくいってくれたようだ。そしてここに来て女王の腹部がまた大きくなってきている。
産卵はそんなにないようだが今のところ働きアリが3匹しかいない状態なので早く働きアリがどんどん生まれてほしい。
4月17日 チクシトゲアリ、不調なんだろうか?少しわからなくなった。
一時期に比べて活性がなくなったのは事実だが、死ぬ個体がいるわけでもなく、産卵がとまったわけでもない。
じゃあ、何なんだというとコオロギを与えたときの襲い方が緩慢になったとか、肉を幼虫がいるのにあまり食わなくなったということくらい。
見ていたら非常に静かで冬眠しているのに近いようなイメージさえ持ってしまう。
中途半端な加温が原因だろうか?だとしたら一緒に加温していたクロオオアリでそんなに不調でないのは何故なのか?種類によって違うんだろうか?
4月18日 ウメマツオオアリ、死ぬのが収まったようだ。
昨日はミールワームの断片を一切れ入れておいたら今日になってみたら殻だけを残して中身をきれいに食べていた。幼虫が多いので、これが全部成虫になれば繁栄が予想される。
しかし、ウメマツオオアリも石膏巣を捨てて乾燥したプラスチックケースである餌場にやってきている。
樹上性ということが関係していると思うが、こんなに乾燥したところのほうがいいのか?と思ってしまう。
4月19日 トビイロシワアリには一時期4匹のクモを導入していたのだが、気がついたら2匹になっていた。
その死んだと思われる2匹とも、最後に見たのは働きアリのあまりいない餌場だった。
トビイロシワアリは働きアリの数もそんなに多くはないし、アリツカコオロギがたくさんいるので住みにくいのだろうか?
私としてはコオロギよりクモのほうが興味がそそられるので何とかいついてほしいのだが・・
4月20日 昨夜、チクシトゲアリで新しい働きアリが1匹、羽化しているのを確認した(色の淡い個体がいたから)。最近では幼虫より繭が多い状態なのだが、卵だけはたくさんあって産卵が続いているようなのだが、なぜかあまり肉を食わないし、大きな幼虫も一時期ほどごろごろいない。
ピタリ適温を切ってしばらくたつがその影響だろうか?
クロヤマアリで、卵塊の中に小さな幼虫がいるのを確認。
しかし私のカメラでは小さすぎて撮影不可能だった・・もう少し成長して大きくなったら写真撮ります・・
4月21日 曇りがちで薄日が差す程度だったが、温度が上がり、23℃くらいまで上がるとのことだった。
今日は間違いない!と、確信めいたものを持っていざ猪名川へ。
市内だと無風状態だったので猪名川も大丈夫だろうと思っていたら・・
風が強い。クロナガが飛ぶにはあまりに強い風がほとんど絶え間なく吹いていた。
そうした中、見つけた巣の写真が下。羽アリが中から外の様子を伺っている。働きアリも興奮状態といった様相だ。

粘って飛行が始まるかを見届けたのだが、2時半頃になって雲が厚くなり、気温が少し下がった。するともう喧騒はなくなってしまっていた。
フライングで飛び出した個体がいないかと辺りを目を皿のようにして探したが、いなかった。
風さえクリアできたらもういつ飛んでもおかしくないという印象だ。しかし今年の飛行はいつになるんだろうか・・
4月22日 トビイロシワアリとコンタクトするなぞのクモ。確認したら3匹いた。昨日、1匹見落としていたようだ。

写真のような行動が時々見られるが、一体何を食べているのだろうか?採集して日にちがたっているので何も食べていないということは無いと思うのだが・・
クロヤマアリにだいぶ幼虫が増えてきた。幼虫の塊になって働きアリが咥えている。
4月23日 イトウオオアリ、今日になって急に繭になるものが出てきた。

昨日までは繭は一個もなかったのに・・
さて、そのイトウさん、脱走している可能性が出てきた。
母の話では今日2匹見たとのこと。
ただ、数日前餌換えのときに逃げられたときがあって見つけた分は可愛そうだが潰して終わりだと思っていたが、その残党の可能性もある。
ただ、石膏をしいた元巣部屋の蓋の部分にはよく見たら石膏の粉が下のほうまで入り込んでいることがあったので、そこからの可能性もある。
むむ・・PB−4でもだめか?それとも湿度か何かで箱自体が歪んだ?
4月24日 クロヤマアリ、幼虫が少しずつだが大きくなっている。
クロヤマアリはこの時期、いったん孵化したらすぐ成長していくという印象を持っている。
コオロギを与えてもかつてのチクシトゲアリがそうだったように殆ど食いのこしがない。
6月頃までは常温飼育でも大丈夫だろうから観察しやすいのだが・・猛暑の時期はやはり冷やし虫家に入れないとだめだろうなぁ。
早く購入しないと・・・
4月25日 クロオオアリを引越しさせた。元は透明カップとメラミンで飼育していたのだが飼育容器の汚れが激しく、餌やりもそろそろ困難になってきたので引越しさせた。
下がその飼育容器。といっても石膏をしいた入れ物と透明な箱をチューブでつないだだけなんですがね・・

分かり辛いが(赤セロファン、要りませんでしたね・・)チューブに幼虫や繭、卵を運び込んだ。
女王様はチューブと石膏巣の部分を行ったり来たり。石膏のほうに落ち着いて産卵をどしどししてほしいのだが・・
4月25日 時間があったので昼から猪名川に出かけた。
到着時刻は1時半。歩いていたら横をクロナガアリの新女王が飛んでいった。
風は強いが見込みありか?と思っていたら2時頃から夕立のような雨が。
20分ほど続いたが、その後気象状況が変わった。風が凪いで陽射しが。まさに結婚飛行にうってつけの気象条件になってきたのだ。
そんな折、歩いていたらアヤシゲな穴を発見。掘り返したらクロナガアリ女王が1匹だけだが出て、今日飛んだことを確認した。
下は女王が1匹で掘っていた穴。案外小さかった。

しばらくしたら「アリ柱」というべき、オスの集団が見受けられた。下はその写真。ゴミのように写っているのが全てオスである。

3時半頃から、4月8日にチェックしていた巣から飛行が始まった。この巣、去年より巣口が少しずれていて雑草の茂みの中に開口していたのだ。それで気がつかなかった。

もう一枚。ピントがあっていない上に写真を縮小しているのでわかり辛いとは思うが多数のアリが草によじ登っているのはご理解いただけると思う。

1時間ほどしたらこの飛行のあった巣から50メートルも離れていない道路わきで脱翅メスが次から次へと見つかった。下は巣を掘るクロナガアリの脱翅メス。

そうして採集した脱翅メス23匹!
非常に満足したできであったが、交尾と集団巣作りは今年も目撃できなかった・・
交尾はオスとメスが合体して地上に落ちていくのを目撃しながら見失うという不甲斐なさ。
来年以降の課題かな・・
4月27日 トビイロシワアリには3匹のクモが居候(?)している。
その3匹をよく見てみたら腹部の違いに気がつく。
1匹は腹部が大きくまん丸に近いくらい大きい。もう2匹は腹部が細く楕円に近い。
これはオスとメスなんだろうか?だとしたら交接(クモって交尾じゃなく交接ですよね?)して産卵でもしないだろうか。
しかし見れば見るほどこのクモは不思議だ。一体何を食べているのかさっぱりわからない。
4月28日 トビイロシワアリが少し変だ。
卵はたくさんあるのだが、幼虫が見当たらないのだ。
温度のせいかとも考えたが、野外コロニーを猪名川でいくつか暴いたがたいてい幼虫がいた。
それなのに、我が家のは・・?
それと働きアリがしょっちゅうグルーミングをしあっている。
思うにアリツカコオロギになめとられた体表成分を補充してるのではないかと思うが、これだけしあっていたら、アリツカコオロギを調子に乗って入れすぎたのかな・・?と思ってしまう。
今のところ餌の食いは正常なので気温が上がってきたら幼虫も孵って増えてくるとは思うのだが・・
4月29日 予定通り猪名川に行った。天気ははれ、温度も暑いくらいだったが、クロナガの巣を見てもまったく喧騒が感じられず、飛行が終わったと思われた。
一箇所、掘り返した土を埋めたような(盛り土をしたような)ところがあって、掘ると5ミリくらいの穴が!これがクロナガアリの穴か!と思ってシャベルで掘ったが何も出なかった。今から思うともっと深く掘り返したら出てきたかもしれない。
クロナガアリはあきらめて夏に飼育予定のクサアリモドキを寄生させるための寄主としてのケアリ採集。砂地に大きな穴を開けているので巣はすぐわかった。
掘ると羽アリになると思われる働きアリより大きな幼虫が何匹も出た。
幼虫がいないと働かないのはわかっているのでこれも採集。
しめて働きアリ50ほどは吸っただろうか。
枯れ木や朽ち竹だとどばっと採集できるのだが、土を掘りながらだと容器に流し込むわけにも行かないので少し採集に苦労する。
これであとはクサアリモドキの女王を採集するのみとなった。まだ2ヶ月も先の話だが・・
4月30日 クロオオアリの餌の食いが良い。ミールワームを刻んだものを餌場においておくのだが、いつのまにか食べているようで翌日には殻だけを残して中身の肉は胃袋に収まっているようだ。
このコロニー、W3と少ない上、幼虫4匹、繭1個、卵が5個前後となぜか少ないのだが、女王の腹部がかなり大きくなってきているので肉餌をたくさん食べて卵をたくさん産んでコロニーを繁栄させてほしいものだ。

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